○
案納勝君 そうすると、先ほど三浦常務は
内容についてほぼ間違いないという答弁がありました。ただ、これについて確たるこのとおりだという答弁をいただくことはできませんでした。この契約書はやがて明らかになるでしょう。この本文と合わせまして、いまも
NHKから答弁がありましたように、本文に間違いない。要するにこの仮訳は事実上忠実な本文の和訳であることは間違いないということは言い切れると思います。
そこで最後に締めくくりですが、先ほど私が申し上げましたように、今日までの経過の中で、モスクワ大会等については、この一月のアメリカ版等の経験等を見ましても、大変高額な契約額の引き上げに乗せられる、あるいは大変ソビエトの商法といいますか、そういうやり方についての、私は、値段のつり上げ等についての警戒を
民放も
NHKも持っておられたと思うんです。それだけに、あなたが言われましたEBU三十一、ヨーロッパの放送機構も、モントリオール方式じゃありませんが、一致して今日交渉して、なおかつ新たな要求も出している。モスクワ・西ドイツ間の回線を一回線ふやせというそういう問題も要求を出しながら、できるだけ
国民のあるいは
視聴者の需要、期待にこたえよう、こういう配慮をやっているわけでありますね。ABUの場合についても、オーストラリアが先に交渉をしておった、すでに破産をしたと先ほど三浦さんは言われましたが、これも
NHKや日本の放送界の示す役割りから言ったら、モントリオールのように、あるいはわが国の場合も同じですが、一致してこれらについてモントリオールの方式なり統一をした形での放送が、
国民の負託にこたえられる放送ができるというこのことが、私は、
民放の当然あるべき姿として、あるいは
NHKのあるべき姿としてとられてしかるべきだったと思います。
私は先ほど申し上げましたが、アマチュアスポーツの総決算というべきこういう行事については、少なくとも放送界が一致して当たってもらいたい、当たるべきだ。そして
国民の負託にこたえていくという放送界の本来の使命を私は全うしてもらいたい。これが
電波法であり、
放送法の中の精神だと思うんです。私は、いまのやりとりの中で、時間もありませんで、それぞれ答弁をお聞きして私の見解を申し上げませんでしたが、まさにソビエトの手玉といいますか、こんなことを言っても特定の国を指弾しているわけじゃありません、できるだけ安く、しかも
国民に、このアマチュアスポーツの総決算というものを
国民が希望するならば、要するに映像を送ってやる、こういうことが私は当然のことだと思います。
こういった
国民の利益を裏切って、私は、NETの企業のエゴでまさに
電波を私物化している、企業競争ということだけしか頭にない、この中には放送界の自律性も秩序もモラルもない、こう言わざるを得ないと思うんです。その背景は、まさに放送の独占集中化、系列化、この一連の中で
視聴率を上げるためには手段を選ばないという、たとえばアメリカの映画でネットワークという映画が話題になっています、殺人までやるという。このNETの今回の独占劇は、私に言わせるならば、まさに本質的に同じストーリーだと思うんです。またNETのライオン事件があります。最近はポルノ実演についてのやらせ番組事件があります。私は
民放の倫理についていまから時間がありませんから言いません。これもまた同じく、同じ次元の上に立って
視聴率独占、
視聴率を高めるためには手段を選ばぬという、私はこれは今回あらわれた
一つの象徴的な事件と全く同質のものだと思います。私は、こういう面では、いま
民放の
あり方についてきわめて厳しく見ざるを得ないと思います。
その背景に朝日新聞があり、あなたは
関係ないと言うけれども、ここに役員名簿や出資の額やありますが、表向きは一〇%になっていても実質は二〇%を超しているじゃないですか。また、私は全国紙五紙にも同じことが言えると思います。四十八年十月のチャンネルプランの変更から、あるいは十一月一日の再免許処理の問題をめぐって、
民放の系列の再編成という事態を迎えて、そしてNETの全国朝日テレビという社名変更等をネックにして、いま
視聴率の合戦やシェアの拡大競争、広告費の争奪戦というのが実は日を追って激しくなる中で、今回のモスクワのオリンピック放送権という問題をめぐってNETが独占をし、抜け駆けをし、相手方のまんまとした分裂工作の上に乗って価格のつり上げをやる、
国民の利益を裏切るような私は行為になってきたというように理解をせざるを得ないのであります。
放送の持つ
国民性、公共性から、法制・法令や行政あるいは
国会における監視というものがあります。いまこの問題について、
民放あるいは
NHKが今後多重化放送の中でもっと多くの問題を抱えてくるであろうということを私は想定をいたします。私は小林
民放連
会長にお願いをするんですが、どうかこの問題について、いま私が言ったような危惧が放送界の中にある。そのあらわれがNETの問題だ。あと三年あります。もう一回
民放連自体としても、強制力ありません、サロン化している、しかし、こういったもののみずからの自律性で
国民の負託にこたえていくという、そういう立場というものを私はとってもらいたいと思うんです。
今回の問題で必ずオリンピック放送は全国津々浦々にやらなければならぬ、こういう声が多分にあります。ありますけれども、いま
民放の中にある、いまNETがとってきておる象徴されたこの問題が、もっと
国民の前に、なぜこうなったかと明らなになる方が大事だと思う。あえて、私は、このことについて
NHKにも、今回の問題をもっと
内容的に明らかにする方が大事である、何が何でも今回については放送しなさいなんと言う気はありません。しかし、そこは
民放界の良識であり、
NHKの良識に従って
NHKあるいは
民放の持つ役割りに従って、今後三年の間に、NETも含めて、放送界はどうあるべきかということをもう一回私は見直してもらいたい、そのことを最後に要望いたして終わりたいと思います。
再度、この問題に関連して、午前中からの
審議あるいは
NHKの五十二
年度の
予算審議等もやってまいりましたが、今後ますます重要化してくるこの
電波の取り扱い、放送の
あり方等について、私は、この
逓信委員会に小
委員会をつくって、そして本当に
委員全体が
国民を代表する立場で、
国民の公共的なこの
電波、有限の
電波というものについての今後の
運営等について、
あり方について検討をしていく必要が今日あろうと思います。そういう
意味では、
委員長に、当
委員会が
民放の問題、
NHKの問題等も含めて、
電波・放送の行政について検討する小
委員会をつくっていただくように提案をすると同時に、
大臣に、今日のこの事態について、
大臣は
政府としてあるいは
大臣として何らかの重大な関心を持ちながら、あるいは介入もあり得るかのような発言をなされたと報道されておりますが、最後に、
大臣として介入するしないではなくして、この問題についてどのように理解をされているのか。また、そういった
電波・放送の問題について、今後、
大臣としてこの院として検討していく場合の協力の
姿勢があるのかどうか、あわせて
質問いたしまして、終わります。