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政府委員(岩瀬義郎君) いまの先ほどからの先生の御意見は、まあ
国債を
発行するに当たってのいろんな歯どめのいろんな御見識を御披露なさいまして、大臣もこの点について
一つの御見識ということを表明されたわけでございますが、いまの私
どもの
考え方は、まあ先生の御意見と余り違わないと思いますけれ
ども、まあおよそ借金というのはしない方がよろしいわけですが、借金をする以上はやはり気をつけてやらにゃいかぬと。まして
国債につきましていろんな形における歯どめというものがいまは私は必要であろうと、それが
一つの歯どめだけではなかなか効かないと思います。したがいまして、先生のおっしゃる
ような
国債自身における金利の決め方についても、それからまあ、あるいは
国債費がかさむとか、あるいは金利が高いとかということからくるところの歯どめという問題が当然に登場してくるであろうと。ただ、その場合にもやはり背景がございまして、そういう歯どめが効く
ような市場といいますか、そういう流通市場と
発行市場との関係とか、そういうものが果たして理想的にすぐ動くかどうかということにつきましても、
かなりやっぱり時間的なものも要りましょうし、それから先ほどのマネーサプライのお話も、
国債を
発行すれば直ちにマネーサプライがふえていくという形にも必ずしもならない。その同じ
国債を
発行されましても、それがどういう消化のされ方にするか、なるか、あるいは
経済の背景あるいは金融環境によりましては、これが直ちにはマネーサプライの増加につながらない場合もあるし、それがマネーサプライに影響する場合もあるという
ようなこともございますので、いまのマネーサプライ問題も含めまして、私は当分は
国債を
発行するときに、やはりまず
発行者側の慣重な態度が必要であろう。
〔
理事戸塚進也君退席、
委員長着席〕
それから、
発行した後における
国債の監視と申しますか管理と申しますか、そういうものがやはり出そろってこなければならないであろう。同時に、先生はいま
財政論の方からおっしゃいましたいわゆる歯どめ論につきましては、マネーサプライの動向というものを見ることも
一つの方法であろうかと思います。それはどうもマネーサプライというのは、通常結果というか、
経済の動きの姿の結果が出てくるということになるものでございますから、それをどういうふうにマネーサプライをリードしていくという
ような形にはなかな
かなりにくいかと思います。しかし、結果から顧みてこれから先の将来を予測あるいは断じるというか、マネーサプライが非常に増加しつつある
ような状況のときに、警戒信号の旗を上げるという
ようなそういう形のものは、私はこれからどんどん手法として取り入れられるべきではなかろうかと思っておりますが、その辺は先生の御意見と私
どもと余り変わっていないんではないか。
やっぱり
国債をこれだけ大量に
発行されて
財政の中に占めてまいります以上は、仮に単年度だけ見て、もし
国債がゼロであっても、
残高というものは膨大なものでございます。したがって、その膨大な市場に出ている
国債の管理というものをおろそかにするわけにはまいりませんし、それをおろそかにしておると、新しい
発行というものは恐らく不可能になってくる。そういう持ちつ持たれつ的なものがございますので、
国債管理政策というものが、ある
意味においてはいろんなものの歯どめの武器を、七つ道具と申しますか、そういう
ようなものが必要になってくるであろう。そういうものの中にいまのマネーサプライというものは、やはり
一つの大きな要因として、これはむしろ
経済の動向の結果を見る側からの
一つの道具ではなかろうかというふうな感じをいたしております。