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政府委員(
後藤達太君) 大変
金融制度の基本にかかわる大きな問題であると存じます。それで、わが国の現在の
金融制度がほぼいまの形になりましたのが
昭和二十年代のほぼ末ごろでございまして、御案内のような長期信用
銀行あるいは中小
金融専門機関の相互
銀行、信用金庫等々のいまの組織になっておるわけでございます。実は数年前にも大分制度ができてから時間がたっておるので、そこのいまの制度をどう
考えるかということを
金融制度調査会で御議論をいただきました。そのときには、やはり効率化のための競争原理の導入を一方では進めるべきであるが、他方各専門
金融機関の専門性の発揮ということは非常に大事なことであるから、専門性を発揮するような方向で物事を
考えていくべきである、いろいろなことがございましたが、基本的にそういう
考え方でございまして、私
どもはいまの制度に立脚をいたしまして、専門性を発揮をしていく方向で
考えておる次第でございます。ただ、昨年——一昨年になりますか、一昨年から現在の
銀行法を中心といたしまして、
金融制度全体につきまして、再び見直しを行うという
考え方に立ちまして、
金融制度調査会に、御諮問を申し上げまして、議論をしていただいておるところでございます。現在
銀行法が中心の議論でございますので、まだ専門
金融機関という分野の御議論はいただいておりませんけれ
ども、引き続きまして、そういうことの御議論もいただくことに相なろうかと思っております。
そこで、そういう専門機関に対してどういうふうに
考えていくかという御
指摘でございますが、現在これは制度的には大分授信面でほぼ同質化するような方向に現実の
動きがなってまいっております。したがいまして、なおそこで、いろいろな付随業務その他の関係では、相互
銀行、信用金庫等、現実問題として、いろいろ普通
銀行には及ばないところがある。しかし、制度的にはほぼ同じような機能を果たすように相なってきておりますので、現実的にそういうところをどう補完し、
考えていくかというところが
一つの課題であろうかと思っております。
私
どもは、いまの相互
銀行、信用金庫というものが、すでにかなりもう成長いたしておりますので、極力そういうサービス機能をできるものから充実していくようにというふうな方向で
考えておる次第でございます。