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福岡日出麿君 大店舗法の
改正についてはじっくり腰を落ちつけて慎重を期してひとつやりたいと、こういうことでございますが、先ほど申し上げますように、末端の実態、これをもうはだで感じておりますと、どうも私は大店舗法の強化ということが優先するんではないか。今日ここに至りまして分野法でやらないということになると、大店舗法でひとつこれを取り組んでやるということでなければしょうがないわけなんです。末端の自治体が、いま申し上げますような条例をつくるとか、要綱でなにするとかいうことで、いろいろ各県のそれぞれの実情によって基準面積もつくっておるようです。それだけに非常に厳しい
段階を早急にやらなくちゃいかぬからということで、県としても、あるいは県議会あたりでも、まあ中央の情勢よりもむしろ大急ぎでやるというかっこうのことが多いんじゃないか。私
どもの立場からいたしますと、各県ばらばらということでなくて、むしろ政府がある一つの基準をつくっておいて、その基準に沿った一つのあり方でこれは持っていくべきじゃなかろうかという感触を持つわけですね。
まあいろいろなにでございますが、一つの例といたしますと、最近いわゆるスーパーの進出というようなことで、神奈川県の藤沢市あたりでも大型店が一時に多数出てきたために、市内の小売業の売り場面積が、二十万平方
メーターの半分の十万平方
メーターが大型店によって占められておると、こういうような乱立
状態になっている。市の再開発ビルの大型店誘致に、地元の小売業者ばかりではなくて既存の大型店が大反対運動を起こしておるという事例もあるわけなんです。いわゆる大型店同士の競争がいかに激しいかということが、あるいは出血競争がどうして激しいかということがおわかり願えると思うんです。こういうようなことですから、地元の小さい商店はこれはどうしても対抗できないというのが現在の実情でございます。いろいろなにでございますが、先般
中小企業白書が出たわけでございますが、その白書にも大
企業が
中小企業分野への進出は、小売業ではこの三カ年間に四四・八%を超えたと、こういうようなことが出ております。製造業、卸売あるいはサービス業と比べて最も高い
数字になっているんじゃないかと、こういうようなことを
考えますと、いま申し上げましたことが非常に緊急な
対策として
考えられるべきじゃなかろうかと、かように
考えているわけでございます。ただいまの御意見ではございますけれ
ども、再度ひとつ再検討していただいて、そしてわれわれ議会としてもこれはひとつ大いに掘り下げまして緊急
対策を講ずべきだと、かように
考えておるわけでございます。この点についてはひとつ特に御配慮をいただきたい、かように
考えるわけでございます。
いろいろ先ほど衆議院の
委員会の附帯決議について、かなり前進した修正が加えられたわけでございますので、分野法自体といたしましても非常に強力な決め手ができたというような感じを持つわけでございますが、しかし、結論から申し上げますと、私が先ほど大臣に申し上げましたように、要するにこういったような分野法でチェックをするとか、あるいは大店法を強化をしてチェックをするとか、こういうことは対消費者という問題を
考えました場合は、いわゆる小規模
企業の
段階から申し上げますと緊急避難というような問題にしかならない。どういうことでひとつ対抗できるような、いわゆる消費者の皆さんが本当に御理解願うような対抗策ができるかということ、いろいろ田舎でも反対運動をしながら、少し消費者の批判を受けるということになりますと、やっぱりみんな反省しておるようです。だから、私
ども必ずしも田舎で、ああいったような末端でもって条例をつくるということでは賛成ではございません。いわゆる緊急避難的だと、こういうような解釈をいたしております。が、しかしながら、いわゆるそういったようなチェックはチェックをすることにして、本当に抜本的ないわゆる
中小企業対策というものがとられなければ私はいまの分野調整法が本当に生きてこないんじゃないか、こういうふうな感じを持っておるわけでございます。先ほど申し上げましたようないわゆる小規模
企業は組織の力というものが唯一の宝でございます。資本力もなければ、のれんの力もない。やっと現在そういったような小規模
企業の
段階で組織が強化されてきたと。この組織を利用しながらひとつ近代化なりあるいは合理化なりあるいは構造改善なり、そういうことに取り組むような方向に私はやっぱり持っていくべきじゃないかと。
先般私はドイツに参りまして、ドイツのエデカ協同組合でもっていわゆる自由競争原理を取り入れながらこの問題に取り組んでいる実情を見たわけでございます。十年前のエデカ協同組合はいわゆる小売業者がつくった共同仕入れの協同組合だった。それかといって、協同組合というようなことで、おんぶされがちなところを、今度参りましたときには、やっぱり目玉店舗をつくる、目玉店舗に対してはその店舗長が二〇%出して、あと八〇%をエデカ協同組合が出資する。それで結局、店舗長の責任においていわゆる競争原理を利用しながらやらせるんだと。そして八〇%のいまの出資に対しましては十年間で返済をするというようないわゆる活力を持たせた一つのあり方をやっておると。こういうようなことが私はいわゆる自由経済の中では非常に何かお手本になるような姿じゃなかろうかということで見てまいったわけでございますが、いずれにいたしましても抜本的ないまの小規模
企業対策というものがとられなければ、私はただチェックだけでは解決できない問題じゃなかろうか、かように
考えるわけでございます。
そこで、たとえばそういったような組織を利用してもう一つ
考えなくちゃいかぬのは、現在農業団体でございますと、いまの協同組合というようなことからいたしまして、あるいは購買事業をやれる、あるいは金融事業をやれると、こういうようなかっこうで経済行為がやれるわけなんです。しかし、いまの商工団体の
段階では、いまみたいなかっこうでは補助団体だというようなことで全然経済行為がやれないと。したがって、いまの対抗できるようないわゆる経済組織というものができないというのが私は実情じゃないかと思うんです。だから、もう少し突っ込んで申し上げますならば、やはりそういったような組織を頼りにしておる小規模
企業者が生き抜くためには、その組織が、組織であるその団体がある程度経済行為ができるような、その経済行為に対して国がある程度長期低利資金を出すとか、あるいはいまの近代化資金、あるいはまたそういったような合理化資金あたりも出して、そしていわゆる組織化をしながらこれを育て上げていくということでなければ、私はいまの浮かぶ瀬が出てこないんじゃないかという、これは私だけの
考え方でございますが、持っておるわけでございます。だから、そういう意味からひとつ今後の小規模
企業対策といたしましては本当に愛情のある、ひとつそういったような
対策が私は望ましい、かように
考えるわけでございます。これについてひとつ御所見を伺いたい。