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青木薪次君
長官への投稿による文面に、あなたがこの間、いろいろ
環境行政について世論に訴えたあの文面にあらわれた内容と、
公害環境に対する
長官の
行政姿勢のギャップに、
国民が実はいま驚いていると思うんです。これらの点について、私は、おたくの
環境庁で発行したこの「かんきょう」の中に、あなたが、私どもが言いたいようなことを言っておられるんですね。たとえば「
日本人が過去百年、いわば民族の悲願として追求し成就して来た
経済立国は、ある
意味で世界史に例のない短期間におけるおそるべき
経済成長を成しとげはしたが、その最後の拍車は、
産業時代の終ろうというべき一九六〇年代に、最も悪しき所産として怖るべき荒廃を自然を含めて人間にとって形而下形而上両面の
環境にもたらしたといえよう。その蘇生と防止はこの歴史の曲り角、文明の転換期に、我々がいち早く新しい価値観を発見造成し、それによって、
環境問題の基因となっている心理的文明的遅滞を埋めることによる以外にない。」と、こう言っているんですよ。この「心理的文明的遅滞を埋める」ということは、これを埋めるような行為、すなわち行動がなけりゃならぬと思うんです。「私
たちは今改めて、人間の人生にとって何が最も本質的な
意味を持つかということを
考え直す時に来ている。」——私もそう思います。
そういうときに
長官のやっておられることが、少し人数が多かったとか声が大きいとか何とかということでもって、三月十七日の新聞にもありますけれども、「
環境庁が門前払い
石原長官に
面会求めた反
公害グループに」という見出しの記事の中に、
川本輝夫さんや消費者連合会の飯島春子さん、東大自主講座のメンバーら反
公害団体代表約二十人が、十七日朝、境境庁を訪れて
石原長官に
面会を求めたけれども、
環境庁側はこれを拒否し、鉄とびらをかたく閉め、庁内への立ち入りを一切禁止して厳戒体制のまま。時間だけがじりじりと過ぎていくと。
川本さん
たちは、すでに
石原長官に出している
環境問題に対する
基本姿勢を問う
公開質問状に回答をもらうために訪れたということでありまして、先ほど申し上げましたように、先月二月の二十五日にも
面会を要請したが断られた。
長官室を二時間にわたって占拠するといういきさつもあった。そして、その占拠中に抜け出して
石原長官が
テニスをしていたという問題。こういう過激な行動を恐れた
環境庁側は、この朝、同庁が入っている霞が関の第四合同庁舎の入り口をほとんど閉鎖した。警備員が入庁者を一々チェックした。そして、麹町署、警視庁からも警戒の警察官十数人が庁舎を固めたということが書いてあるわけです。
しかし私は、こういうようなことまでして厳戒体制をとるような内容でない、また事柄でない。しかも、この
水俣病問題というものは、私
たち一億
国民が何とかして
対策を講じてやっていきたい。きのうも沢田
熊本県知事が来て、国のいわゆる委託事務のような形でやっているこの
認定業務というようなものについては限界に来た、これをひとつ国に返上したいということまで実は言っているわけでありまして、こういうときに、従来のように開かれた、しかもすがすがしい
気持ちで
環境庁長官とも会える、少しのわがままぐらい聞いてやろうというようなことで私は今後の対処を求めたい。よく北風と太陽ということが言われますけれども、私は
長官のやっていることは北風のたぐい、いわゆる暖かく太陽を当てることによってちゃんと
気持ちも非常にリラックスをしてくる、問題は非常にいい方向に発展するというように私は信念として
考えているわけでありまするけれども、いわゆるこの硬直した
姿勢の中には、
公害問題に対処する
一つの方針というものから問題の解決というものはあり得ないと思うんでありまするけれども、この点いかがですか。