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上田耕一郎君 ぜひ臨機応変の積極的な
予算運用をお願いしたいと思うんです。いまの局長の御
答弁ですと、約十カ年間で大体済ませていきたいと、そうすると五カ年
計画、あと二回ということになりますね。いま
昭和五十二年ですから、
昭和六十二年までには雨量五十ミリに対する改修
計画を完成させることが
努力目標になっているというようにお
伺いしました。
私、東京の
都市河川問題、その水害問題を少し具体的な、一番典型的な例として取り上げたいと思います。
東京都内には百二十五
河川あって、延長が九百一キロあると。九百キロもあるわけですが、最近の水害の特徴は広く知られておりますように、たとえば昔の東京の水害で一番有名だったゼロメートル地帯、江東地帯ですね。こういうところの水害は高潮防御
施設だとか排水
施設などの設備が進んだために減少をしてきている。逆に、かつての水害とは全く無
関係だった二十三区の区部の山の手だとか、あるいは多摩地区などでこういう浸水被害が生まれていて、局地的な集中豪雨でも小規模な浸水がたびたび起きる。農村に鉄砲水というのがあったんですが、このごろは都市の鉄砲水というのがあって、寝ていてまくらに水が来て、ああ浸水だと、豪雨が始まって一、二時間で床上浸水になるというような例が、練馬の関町なんかそういうふうな都市鉄砲水と言われるような浸水事故の被害が生まれているわけです。東京都全体を見ますと、いま危険
個所が百七カ所ある、水害が起き得る
都市河川での危険
個所が百七カ所あると。そのうち大体三十ミリ——五十ミリじゃなくて三十ミリ
程度の雨ではんらんしそうなところが約三十八カ所もあると、そういう
現状です。
整備事業がこれからどのくらいかかって、どのくらい金が要るかということを見ますと、三十ミリ
整備、これは緊急三カ年
計画でやっておりますが、五十二年以降の
事業残が三十二・二キロあって、
事業費は二百十億円だということ、五十ミリの
整備ということになるとこれは非常にまだまだ進んでおりません。五十ミリの
整備は区部で九十八・二キロ、多摩で百九十一・七キロ、二百八十九・九キロ、約三百キロやらなきゃならぬ。これにかかる
予算が総額——これもいまの物価で計算したところでしょうが、四千百十七億円、約四千億円の金が要る。東京都に聞きますと、六十年度を
目標にしておりますけれども、なかなかこれがむずかしくて、遅くとも六十三年度までには五十ミリ規模で東京で水害が起きないようなそういうことをやりたい。そういう
計画だそうですが、私は東京の水害で一番、たとえば十七号台風で板橋、練馬などで水害が起きて
社会問題になりました石神井川ですね。実際に石神井川の実地調査をしてみると、こういう都の
計画や
建設省の
計画どおり六十二年——六十年度ぐらいにいくのかどうかはなはだやっぱり危なっかしいといういろんな実情に当たりました。
十七号台風のときには、たとえば板橋の大谷口では石神井川があふれ出してからわずか二十分で一千戸水浸しだというように、これも鉄砲水ですね。五時間にわたって深さ一・五メートルの水につかって、被害家屋が床上浸水千二十二戸、床下浸水千五十四戸で二千七十五戸も被害が起きた。ここの住民から昨年、一昨年、石神井川改修
促進について国会に請願が出されていたんですけれども進んでいなかった点がある。また、練馬の関町もこれはやっぱり
相当な被害が出まして、商店街がほとんど水浸しになった。商店街の場合には商品の被害が二億円と言われるんですね。ところがこれは、大谷口の方は
災害救助法の適用があったけれども、練馬の関町の方は被害戸数が床上二百四十戸、床下九十四戸で、三百三十四戸で当てはまらないということで救助法の適用がなかったために、保険もかけてあっても、什器、家財道具には出ますけれども、商品には出ないというので商店街が大変な損害をこうむったんですね。練馬の関町に行きますと、同じ十七号台風で被害を受けて、個々の家庭や商店にとっては同じなのに、大谷口の方には出て、われわれ練馬には出ない、これは一体どういうことなんだということで非常に不満が大きく出ております。
これはいつもこの委員会でも
災害のたびごとに出る問題ですけれども、繰り返し繰り返し出る問題ですが、都市のこういう水害の場合、やっぱり
資産集中している点で、ちょっとした商店などの場合には床下浸水、床上浸水でも被害額がかなりふえますので、やはり
災害救助法の制限ですね、たとえば人口三十万以上の自治体では床上浸水四百五十戸でなければ適用されないという点の実情に合わせた見直しですね。これはやっぱり一層必要になっていると思うんですけれども、まずこの問題を最初にお
伺いしたいと思います。