○塚田大願君 このたびの
先進国首脳会議で、大臣、
大変御苦労さまでございました。
けさほどからもこの問題でいろいろ
質問が行われましたが、大臣の御答弁を聞いておりますと、とにかくこの
会議は自由な
経済体制を守ることができて成功だったというふうに評価されておられます。しかし、どうもこういう評価は少し甘過ぎるんではないかという感じが私
どもするわけであります。と申しますのは、やはり一般の
国民の論調を見ましても、今度の
会議では、今日のこの深刻な
世界経済の危機を打開するための積極的な方策は見出せなかった、そして、
日本はいわゆる
機関車としての役割りを押しつけられて
重荷をしょってきたというのが、これが一般的な
共通した認識でございます。こういう点から見ますと、大臣の評価が少し甘過ぎる、そんなものじゃなかったのではないかという疑惑がやはり払拭し切れないわけであります。
〔理事
大塚喬君退席、
委員長着席〕
この問題は、私
どももこれは理論的に
考えまして、今日のこの
経済危機というものは決して単純なものではない、やはり今日の資本主義
経済体制の構造的な所産である、したがって、そう簡単に右から左に解決できるような、そんな甘っちょろいものではないという
考え方を持っておるわけであります。それにいたしましても、こういう論議はおきましても、やはり
日本としまして今度の
会議で、たとえば
貿易問題あるいは
景気対策、あるいは発展途上国の援助問題、こういう問題を見ましても、
結論的に申し上げますと、アメリカに対する追随といいますか、あるいはそのアメリカの
世界経済支配の意向、ねらいに対する補完的な役割りを果たしたのではないか、こういう疑問があるわけであります。
きょうはしかし、私はほかの問題で
質問しようと思っておりましたので、余りこの点で詳しく突っ込んだ
質問、論議はできないと思うのでありますが、一つだけこの問題についてひとつ大臣の所見をお伺いしたいんです。たとえば
貿易問題をとりましても、非常に不協和音といいますか、みんなこうばらばらな
見解というものが出された。たとえば共同
宣言には盛り込まれておりませんけれ
ども、フランスのジスカールデスタンが言ったといわれておるあの秩序ある自由
貿易、あるいは自由
貿易の組織化といったような問題提起は、やはりいままでの
日本のやり方に対する手厳しい批判であったというふうにも
考えられます。
また、二番目に
景気対策の問題をとりましても、午前中論議されましたが、
実質六・七%
成長、こういう問題と七億ドルの
国際収支の
赤字というこの二律背反の問題、こういうむずかしい目標を達成しなければならない。大臣は
数字は出ていなかったんだとおっしゃるんだけれ
ども、
数字が出ようと出まいと、とにかくそういう内容であったことは、これはもう一般
共通の認識だと思うのであります。これなんか見ますと、こういう無理な目標を
日本が達成しなければならないということは、やはりアメリカを中心とするいわゆる帝国主義的な同盟への忠誠をはかられる結果になるんではないか、こういう点が非常に不安として残るわけであります。現に自民党の河本政審会長なんかは盛んに、追加的
景気対策が必要であるとか、あるいは大型補正予算が必要である、こういうことを言っておられます。こうなりますと、財政危機と
インフレの懸念というものが一段とわくわけであります。
また、この
国際収支七億ドルの
赤字の問題にいたしましても、大
企業、たとえば自動車のような大
企業がそういう姿勢を変えるんならばとにかく、そうでなければ、福田さんが集中豪雨的な
輸出はやめますと言ったって、そんなに簡単にこれがやまるわけではない。にもかかわらず、アメリカあたりは発展途上国から靴などを
輸入したらどうだというようなことを言ってくる。こういうことになりますと、国内の中小
企業はもう大変な打撃を受けるわけであります。ですから、この
景気対策を見ましても、やはり
日本の独自の立場というよりもアメリカに対する追随、あるいはそのアメリカの
世界政策に対する補完ということになるんではないだろうかという点が私
どもの疑問として残るわけであります。
それから三番目には、発展途上国への援助問題でありますけれ
ども、たとえば発展途上国への援助をするために
輸入を拡大する、あるいは援助を強化するというようなことは、これは決して途上国との自由な
経済関係、あるいは南北問題の本当の解決ということにはならないのではないか。もし本当にそういう点で真剣に発展途上国のことを
考えるならば、もっと自主的な平和な公平な、平等な
経済秩序をつくり出していくという
努力がなければ、やはり問題は解決しないんではないかと思うのであります。
そういう
意味で、大臣にお聞きしたいのは、これは簡単でよろしゅうございますが、とにかく
日本がやはりアメリカの枠の中に組み込まれているようなそういう
政策、そういう外交、そういう姿勢では、本当に今日の深刻な
世界経済を打開する道というものを探し出すことが不可能ではないかということを
考えているわけでございまして、その点でひとつ大臣の所見をまずお聞きしておきたいと思うわけであります。