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鈴木力君 私がいま大臣に申し上げたのは、したがって、国の
工事というのは
発注者がそれぞれ違います。同じ
公共事業と言っても、確かに地方自治体、県の事業もあり、国の補助事業で県の事業もあり、あるいは市町村の事業もある、それぞれの
発注者がこう違うわけでありますから、いきなり
建設省が全部を掌握をするということは非常にむずかしい。むずかしいけれ
ども、基本はやっぱりこの
建設業法が基本であるし、それから
建設業法に基づく先ほどの約款なら約款というものが出てきて、それが
一つの一本の流れになってこの業界全部が改善をされ、体質も強化をされていくような、そういう行政にもう少し集約をする必要があるということを私は申し上げたわけです。
私があえてこのことを大臣に直接申し上げたのは、いままでにもちょいちょい実はある省に、あなたのところのこれはと言うと、これはうちの省の
担当じゃありません、どこそこですと、それでもう
責任がなくなっていくような、そういうことであってはならないということを私は常日ごろ感じておったものですから、特に今度の
国鉄の新幹線の
事故、
事件に関しまして、これは
建設業そのものの体質改善というところの重要な
一つの問題であると思って、直接大臣にもこれは力を入れてもらわなければならない問題だと、こう思うわけです。
それから、もう
一つの点を私はお伺いしたい。お伺いしたいといいますか、
お願いをしたいのは、さっきのこの体質改善ということがございました。しかし、この体質改善ということを考えてみましても、私はよくつまびらかに調べているわけじゃありませんけれ
ども、たとえば私の
岩手県の
業者を見ますと、これも統計じゃありません。統計ではありませんが、
岩手県内の
業者の、県で言えばAにランクをされているその
業者は、恐らく年商まだ百億には至らない、七、八十億ぐらいのところであると思いますが、その第一位の次にランクをされるのは、三十億にならないような
業者が第二位なんです。非常にこの第一位と第二位の間が格差が大きいんです。そうしてその下にずっとこう中小零細がすそ野に広がっているわけなんです。私は、そういうのはそういうふうに今日の実績でそうなってきているんだろうから、だれがいいとか悪いとかと言うわけにはいかないけれ
ども、もう少しこの業界の
一つの何といいますか、共同化といいますか、少なくとも一位と二位、三位、四位が余り違わないような、なだらかな線で並ぶような方向に行政
指導といいますか、その体質改善の方向に、共同化という方向にひとつ考えてみる必要があるのではなかろうか。これはもちろん政府が
一つの枠をはめてどことどことがどうしろと言うわけにはいかないしするものだけれ
ども、業界
自体が、自分が意欲的にそこに取り組まなければならないとは思いますけれ
ども、そういう形になってきますと、さっきの大手と
下請、あるいは
孫請という形の中が、もう少し地方の業界が効果のある業績に立ち向かっていく力が出てくるのではないか。余りランクが、ランクというか、格差が大き過ぎるやつがばらばらに存在しているというところにも非常に体質の弱さがある。そういう面をどうすれば力をつけられるかということは、私もなかなか名案がありませんけれ
ども、これは業界に対する御
指導だと思いますけれ
ども、そういうような視点からの
指導ということもいま考えられていい時代に来ているんではないか。いずれにいたしましても、思いつきみたいなことを申し上げました。
これで
質問を終わりますけれ
ども、特に私は大臣に
お願い申し上げたいのは、先ほどの
倒産の原因から言いましても不況型、あるいは金融の行き詰まり、あるいは代金の回収不能、こういう形のところに非常に来ておる、そういう時期だけに、中小
業者の保護という立場からの緊急な施策ということがいま要請をされているときである。特に、
公共事業を政府が景気回復の
一つの大きな柱として施策を進めていらっしゃるわけでありますから、これは
公共事業それ
自体に景気回復の施策を進められるということには賛成なんですけれ
ども、それが地方の中小零細の
業者に本当に手が回るような
公共事業の
あり方でない。まず、大手がそこにおって、だんだんにピンはね、ピンはねという言葉はどうも余り適正ではないのですが、通称そういう形のものがあり、あるいは代金決済は手形がだんだんだんだん延びていく、現金が少なくなって、下の方がただ
資金繰りに飛び回っているだけということでは、私は
公共事業も現状のままでは景気回復には、非常にマイナスになるとは言いませんけれ
ども、いまのような
公共事業で景気回復という
一つの施策を執行なさいます場合に、即効性がないだろう。
いま、あちこち思いつきみたいな問題点、私の所見として申し上げましたけれ
ども、そういう中小を保護する立場からの業界の改善ということが合わさっていかないとこの施策は生きてこないだろう、そういう
意味でいまいろいろと申し上げたわけでありまして、大臣も御理解いただきまして緊急な
一つの施策としてお取り上げの上、善処していただきたいと申し上げます。