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下村泰君 先般来からちょっと問題になっております、モスクワにおける一九八〇年のオリンピックの放送権の取得問題で、いろいろと
お尋ねをしたいと思うんです。
大体私もかつてはその中におったものですから、私なりにいろいろと調べるというよりは、あちらこちらの方々の御意見を伺って、おおむねまとめてみたんですけれ
ども、今回のこのNETの独占放送権といいましょうか、単独でこの放送権を取得したという問題、陰にもいろいろございます。たとえば今年の二月の十六日に、モスクワのオリンピック組織
委員会の方から在京のNHK並びに民放四社あてに、この放送権をあなた方に与えるが、モスクワへ来て話し合いをしないか、あるいはこれは入札権だろうと思うんですけれ
ども、そういう招請があったんだそうでございます。その後、NHKを初めとした五社の方々が集まって話をする予定だったらしいんですけれ
ども、NHKを除いた民放四社が集まりましてトップ会談を開いたときには、NETの単独独占というようなことは全然話に出ていなかった。
それが三月の一日から十日までの間にモスクワへ来て契約をしろというような向こうのお話なので、これをモントリオール方式といいましょうか、まとまってNHKが窓口になってやろうというような形になっていたらしいんですが、突如三月の一日に、すでにNETの三浦さんが出かけていった。三月の四日にNHKを交えて民放三社が話し合って、それじゃこちらはこちらでまとまってやろうじゃないかというので、それが三月の四日だそうです。そして八日に行って、九日に行ったところが、すでに同じ会見場所でありながら部屋が違っていて、その違っている方の部屋ですでに契約が済んでいたというのがいままでのあらましらしいんです。
ところが、そのNETの場合は、昨年の十月はたしか北方領土返還のスポットキャンペーンというのを流していた。これはたしか電通制作だと思いましたけれ
ども、私もちらっとその画面は見たことあるんです。それが突如、NET側の方から電通側の方へ、これはもうやめる、やめてくれというような申し込みがあって、それ以後北方領土返還のスポットキャンペーンはストップしている。その理由は何だと申しますと、総選挙が控えているという理由と、もう
一つ、それにやや類似したような話の
内容でこのスポットキャンペーンがストップした。そうすると、そのころからもうすでにNET側とモスクワのオリンピック組織
委員会との話し合いができていたんじゃなかろうか。そうなりますると、三月の一日にすでに行っていたという話も納得ができる。
じゃ、なぜNETがこのようなことをしたのかと、いろいろ
考え合わせますと、四月の一日からテレビ朝日という社名変更がある。ところが、社名変更するについては何か大きな目玉がほしい。そうすることによって、現在非常に弱いネットワークを広げようというような気持ちがあったのではないか、これは私の勝手の推測なんですから、もし差しさわりがあったらお許し願いたいと思います。
そこで、
郵政省側にちょっと
お尋ねしたいんですが、前回のモントリオール、前々回ミュンヘン、その前のメキシコ、このオリンピックで、日本のいわゆる代表としてNHKが当たっているわけですけれ
ども、このときにどのような契約
内容があったのか、その契約
内容の中に政治的なにおいがあったかどうか、それをちょっとありましたらお聞かせ願いたいと思うんです。