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説明員(多田欣二君) 地位協定の第三条によりまして米軍は施設・区域の中におきまして、それらの設定、運営、警護、管理のために必要な
措置をすべてとることができるわけでございまして、そういう
意味で道路の建設も一応認められているところだというふうに存じております。ただし、同じ地位協定の中には「公共の安全に妥当な考慮を払って行なわなければならない。」、こういうことが書いてございまして、そういう点、米軍の配慮が欠けたということは大変遺憾であったと思います。
で、現在米軍は工事を中止いたしております。これは私
ども三月の末から数次にわたりまして現場を調査をし、戦車道の建設が周辺の河川とか、特に水源地の水を汚すというようなおそれが多分にある。したがって、現在の工事の手直しを至急やらせるべきだということで、種々具体的に申し入れを米軍にいたしました。その結果、米軍は工事を中止いたしまして、現在いわゆる土砂の崩壊防止でありますとか、のり面の保護でございますとか、それから水の流れをよくするためのカルバートの設置工事でございますとか、そういった障害を周辺に及ぼさないような防止工事を現在
実施をしているということが
実情でございます。これが第一点に対する
お答えであります。
それから第二点でございますが、被害の防止、それから補償ということでございますが、これは調査の結果、現
時点では水源の汚染等が出てはおりませんけれ
ども、雨期に入りますと水源を汚染するおそれというものが多分にございますので、先ほ
ども申し上げましたように米軍に手直し工事を具体的に申し入れまして、現在米軍が手直し工事をしている。一方現地の防衛施設局におきましても、米軍の手の届かないような水源の汚染防止
対策というようなことで、具体的に申し上げますと水源四カ所、名護市の許田水源、それから宜野座村の松田の第一水源、潟原の水源、それから川田の水源、最後に申し上げました川田の水源は直接今度の戦車道工事とは
関連ございませんが、従前の工事で現に被害を受けた、こういうことでございますので、この四つの水源については急速ろ過池を設置をするというような
対策、あるいは松田水源の下流地域、これは潟原水源の上流部に当たるわけですが、そこには土砂どめ工事を早急に施工をするというようなこと、あるいは県の明治山試験林、この周辺に土砂流出のおそれがあるということで、どういう
施策をとったらいいか、早急に具体的な調査を現地で行うというような応急
施策を現在講じているところでございます。さらに今後の状況を見まして恒久的な
対策が必要であると、たとえば砂防堰堤をどこかにつくるとかというような恒久的な
施策が必要であるとするならば、その点につきましても早急に手を打ちたいというふうに
考えております。
それから補償の問題でございますけれ
ども、立木を伐採をしたといったようなこと、その他もろもろの被害、あるいは県の試験林を切ったというような被害について、知事さん等からもお申し出もございます。これらの点につきましても、現在現地調査を延べ五日にわたりまして
実施をいたしまして、現在その成果を分析、まとめ中でございますので、それらの結果が出ますれば、早急に適正な補償をいたすということにいたしたいと思っております。
なお、まあ現地ではそのほか養鰻場の被害でありますとか、宜野座湾のモズクの被害だとか、金武湾の漁網の被害というようなことは新聞等に報道をされましたけれ
ども、これらも係官が
関係者と一緒に現地の調査をいたしまして、これらの施設につきましては、漁網だけはきょう調査に行っているはずでございますが、養鰻、モズクにつきましては現
時点では被害が出ていないということを確認をいたしております。将来、被害が出るということであれば適切に
措置をいたしたいというふうに
考えております。
それから、第三の問題の返還でございます。これは
先生御承知のように、キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンというのは、
沖繩における大変重要な演習場でございます。実弾射撃訓練を行うための演習場でございまして、この地域を返還をさせるということは大変実現見通し困難なむずかしい施設であろうというふうにわれわれは感じております。県知事さんからも特に明治山試験林、あの周辺一帯は
県民の森ですか、そういう
計画もあるので、
県民の森の用地として返還をしてもらいたいというお話もございましたけれ
ども、これも実弾射撃を行っておりますキャンプ・シュワブ演習場の一部でございまして、大変実現の見通しが立たない地域である、こういうふうにわれわれは感じております。
以上、簡単でございますが……。
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