○安武洋子君 思っていただいても困るわけで、御調査をしていただきたい。私は
関係者からこの話を聞いております。それから、私はやはりどうおっしゃろうとも、LNG船を入れていくというふうなことでこの線引きをなさった、それでなければ大阪瓦斯がこういう補償金を出すはずない。いまのようにあくまでも試案であって、本当に堂々と出せるものなら私は早くお出し願いたい。といいますのは、
関係漁民はもう大きな補償金が出るんだというふうな、こういううわさが流れまして、その補償金をめぐっていろいろうわさをしている、こういうふうな段階なんです。ですから、本当にそうでなければ、そのことをちゃんと提示していただいて、そういううわさを取り消すようにしていただきたい、こう思います。
それから私は、やはりこれはどうおっしゃってもLNG船のために引かれた
航路だというふうに断定せざるを得ないわけですけれ
ども、このLNG船の危険性については、
海上保安庁は十分に御承知のはずなんです。
日本海難防止協会で「危険物積載船の安全対策に関する調査研究報告書」、これを出しておられますけれ
ども、これは学者とか、それから運輸省とか、
海上保安庁、こういう
関係者の方が集まられて危険物積載船の安全対策に関する調査研究
委員会、こういうことで専門的に研究をなさっていらっしゃるわけです。この報告書の中で「安全運航上の問題点」、こういうふうなことで問題点を提起なさっていらしゃいますけれ
ども、この中で巨大船は運航が非常にむずかしいというふうなことを言われているわけです。ですから、「
沿岸海域では大きい船ほど海難の確率は大きい」、そうして具体的な危険度としてはこれは天候、それから風潮、こういう危険度、あるいは霧の中の危険度、夜間の衝突の危険度、それから狭
視界のときの減速
航行の必要性、これをそれぞれ分析しているわけです。
たとえば霧の中の危険度については、浦賀
水道や友ケ島
水道、明石海峡、こういうところでは衝突、乗り揚げとも霧の中は平均して九十倍前後の危険の発生率がある。また、
視界が十分の一になった場合、危険度というのはほぼ十倍になる、こういう分析もなさっていらっしゃるわけです。夜間においても明石海峡では昼間の二倍の危険度、それから
交通量が加味されると三倍になる。だから、LNG船の安全
基準として、友ケ島や明石海峡では夜間はできる限り
航行しないこととしているのは私は当然だろうと思うんです。こういう観点からも先ほど明石海峡の漁民の要求もまた至当だろうというふうに思うわけなんですけれ
ども、この報告書の中ではセパレーションスキームの確立も必要だというふうなことも
指摘をされております。現在東京湾が実施をしておりますけれ
ども、
海上交通情報機構の整備が必要である、こういうことも強調もされているわけです。
こういうふうに、LNG船の安全対策を
指摘しておりますけれ
ども、現在発表されておりますアセスメントでは、LNG船という特殊な問題についての検討が私は十分になされているとは思われないわけです。その例として挙げますけれ
ども、LNG船の避泊地について全くアセスメントでは検討されていないわけです。LNG船というのは非常に受風面積が大きいわけです。こういうLNG船にとって避泊地問題というのは、これはなおざりにできない重要な問題なんです。大阪湾内にはそういう避泊地の余裕がないし、播磨灘にもまたそういうところは非常に少ないわけなんです。
五管本部に聞きますと、
タンカーの待避のためのアンカーというのは適当なところでよいんだ。水深さえ合えばよいんだ、こんな無
責任なとんでもないことをおっしゃっている。一体台風のときとか、それから突風のとき、あるいは霧で待たなければならないとき、夜間
航行しないで待たなければならないとき、どこに一体避泊地を求めるのか、避泊地についてはどういうふうになっているのか、私はお伺いしとうございます。