○相沢武彦君 長官、再
調査はされないということを言い張るわけですけれども、依然としてそれならば国民の皆さん方の
疑惑は残ることでありまして、自衛隊にとっては決してプラスにならない、残念なことだということを申し上げざるを得ないわけです。
続いて、本題の装備品の調達に
関連してですけれども、過去一年間の当
委員会でさまざま
質疑をされまして、この面におけるいろんな難点、それから欠陥問題、これは
指摘をされてきているわけですが、この点を整理をして取り上げてみますと、一つには、装備の国産に関する政府の方針について防衛庁限りの方針、すなわち装備の生産及び開発に関する基本方針、これが防衛事務次官通達で決定をされているだけでして、いわゆる
閣僚会議あるいは国防
会議の議を経た国としての基本方針が何も明確にされてない、こういう点が明らかになっているわけです。
それから二つ目には、個々の装備の、たとえば機種の決定、こういうものが国産決定については国防
会議の議に付するのか、あるいは防衛庁限りにおいて決定をするのか、こういうことでさえ先例的に確立をされていない、こういう点も問題点として
指摘をされているわけです。
それからせんだっての衆議院ロ特委での中曽根証人の証言にもありますように、国防
会議における実際の運営というものは、下からの各省の官僚の人たちによって積み上げられてきたものをほとんど盲判を押しているんだということを証言されましたけれども、いわゆる政治的決定と言われるものはほとんど行われていない。それからまた、こういう
状態なので、各省間、特に大蔵財政当局と防衛庁の内局との調整、予算折衝が問題となる。その折衝過程における実際の
動きについて私たちとしてはこれはどうかなという大変びっくりするようなことが明らかになっているわけですね、長官。
一つ、二つその事例をこれまでの国会審議の議事録等を通じまして挙げてみますと、たとえば、財政当局である大蔵省がドル減らしの観点から防衛庁に対してFST2改の採用あるいは再
検討並びにF5Eの輸入を要請したけれども、その際財政当局としてはF5E購入の際の費用算出に当たって維持、補修費、これを含めたいわゆるライフサイクルでの費用では
検討していなかったという事実も明らかにされています。また、防衛庁の当時の装備
局長さんですか、黒部証人の証言でも、大蔵省から対潜哨戒機の必要性はわかるんだけれども、開発費をつければ必ず成功して国産による生産を主張するようになるだろう、うまい代案はないだろうかというように言われたと、このように言われております。このように装備品の国産か、輸入かの決定について何が一体その決め手になっているのか。防衛庁と大蔵省との調整過程というものを克明に
検討しましてもどうもはっきりしないという点が取り上げられるわけでございます。また、四次防の主要項目にある対潜哨戒機及び早期警戒機機能向上のための電子機器等の研究開発を行うんだという国防
会議決定にありますこの事項につきましても、その解釈について防衛庁と大蔵省とで双方に、お互いに自分たちの都合のいいように解釈ができるといういわゆる玉虫色のものにでき上がっている。これについては最後に、
田中総理のツルの一声によって持ち込まざるを得なかった。こういうように、官僚以外にわからないような
状態、しろものになっている。そのためせっかく国会の承認を得て成立した昭和四十七年度予算に計上されたPXLの設計研究委託費そのものも施行について国会にあらかじめ
報告のないまま、国会の知らないうちに取りやめの
措置が行われてきている。これは大変なことだと思うんです。このようにシビリアンコントロールの確立が最も叫ばれているその防衛庁予算について、官僚の独走が行われているという事実が明らかにされてきた。こういったようなありさまですから、国会に防衛特別
委員会の設置が必要だという声も上がってくるのはもう当然な声であろうかとも思われるわけです。
まあそれはともかくとしまして、これから先PXL決定に関して
防衛庁長官はいま申し上げたような事柄の
関連から、ひとつどのように取り運ばれようとする心づもりなのか、お尋ねをしたいわけです。
一項目として、機種決定について防衛庁限りで決めるのかどうか。これは前に増田長官のときに第二次FX、これは
措置をされておりますね。こういうような防衛庁限りで決めるのか、それとも国防
会議の議に付して決めるのか、これをひとつ明らかにしていただきたい。
それから二つ目には、ロッキード社の不正
行為、児玉の不法
行為といったものが明らかになりまして、国民の不信を買った以上、現在口事件公判の進行とPXL決定の時期的
関連についてどうお
考えになっているのか。
それから三つ目としては、現在PXLについて完全国産案、完全輸入案、折衷案、この三案が
検討中だと言われているんですが、これらの機種決定について財政当局との折衝は一体どういうような方針で進めるのか、この際明らかにしていただきたい。
それから第四点目として、決定直後PXL選定の経過、結果を国会に
報告する意思がおありになるのかどうか。
以上四点について明確に御
答弁をいただきたいと思います。