○橋本敦君 米海軍だけでなくて、
ロッキード社自身は日本をも主要な売り込みの相手国として考えていることは装備
局長もおっしゃったとおりなんで、私は、これが全部米海軍用だというように見るのはこれは当たらないと思いますよ。現に、この契約問題が
カナダ議会で論議をされたんですが、
カナダはいわゆる契約生産ということで、P3Cの今後の
ロッキード社の生産について一定の範囲でいろんな権利を取得したわけですね。たとえばトレードマークの問題、コピーライト、パテントその他のロイアルティー、いろいろある。こういうことが
カナダの
国会でも論議をされているわけで、ここにあるのは、昨年五月六日の
カナダの
国会における外交並びに国家防衛委員会の議事録なんです。これを読んでみますと、こういう
カナダがロッキードとの間の契約に基づいて取得する利益、これの将来についていろいろ議論されている。その中でやっぱり日本問題が出てきているわけですよ。この
会議に出席をした
カナダ国防次官のニクソン氏、彼が
答弁をしているんですけれ
ども、彼自身もそういう議員の質問に対して、将来の
カナダの利益に関していろんな
質疑をやったわけですが、その
答弁の中でやっぱり日本問題にも触れまして、そしてこの国防次官は、日本の
ロッキード社との関係における契約というのはいまあるというようには聞いていないけれ
ども、この作業が将来発展するという中で、この
過程では恐らく
——恐らくですよ、恐らくこのP3Cというのが採用されるであろうというようなことを発言をしているわけです。これは
カナダの国防次官の発言ですね。だから、
カナダとそれから
アメリカ側との契約ということを通じても、将来の展望ということが議論された状況がうかがわれる。そうなりますと、この
カナダと
アメリカとの契約ということを
一つの具体的なステップとして、一層ロッキードのP3C採用へという道が、防衛庁がどう考えようと
アメリカ側から深まってきていると私は見て間違いないんじゃないかというように見ているんですね。そういう点について私はひとつ
防衛庁長官に伺いたいんですが、一方防衛庁は、海上幕僚長が言うように、今日的問題として機種選定作業を急がなければならぬと、こう言っている。一方で、ロッキード疑獄という問題で
国民の納得のいく慎重な配慮をと
長官もおっしゃる。一体どうやるおつもりなのか。もうこの
時点ではっきりしてもらわないと、これはもう八月にとても間に合いませんよ。
そこで
長官に伺いたいんですが、この
カナダの契約というのはいろいろ特色がありまして、
一つは、
アメリカ政府が
カナダに対して
ロッキード社の倒産その他いろんなトラブルがあった場合に
アメリカ政府が保証するという
一つ形をとっていますね。これもユニークな形ですが、それ以外に非常におもしろいのは、
カナダ政府が発表している「CP−140導入経過について」という文書の中に、
カナダの大使館が
アメリカの国務省に対しまして、
カナダと
ロッキード社との契約締結に関連をして不正行為があったかどうか、それを
調査をしてもらいたいという要請を国務省に行っていますね。国務省はこれに対して、
カナダ大使館の要求に基づいて米上院多
国籍企業小委員会、それから
SEC——証券取引委員会並びに米司法省に対して
調査の要求をした。その結果、その回答では、ロッキードと
カナダ政府との関係での売り込み問題に関しては、不穏当な状況があったことを示すいかなる
資料もいま言った三つのそれぞれの機関は持っていないという回答を得たという、まあ言ってみれば潔白証明を
アメリカ国務省が
出していますよね。
出している。これはやっぱりロッキード疑獄に関連をして、
国民の
疑惑を解く
一つの方法としてやっているわけですよ。こういうことは、日本の防衛庁として、
政府として
アメリカに一体できるだろうか。どうお考えですか。