○
中野(寛)
分科員 私は、このたび大阪国際
空港へ乗り入れを
計画しておられますエアバスの問題につきまして、先般公害等の特別委員会でもお尋ねをしたところでございますけれども、時間のために若干
質問し残した問題もございますし、同時にまた、特に環境庁長官を中心にしての
質疑でございましたので、いま改めて若干の重要な問題について
運輸大臣を中心にお尋ねをしたいと思います。
大阪国際
空港のエアバス乗り入れに関連をいたしまして、去る三月三日に、十三項目にわたる環境庁からの
質問に対して
運輸省からの答えがあったわけであります。それに基づいて、五日に環境庁から、これまでエアバスの乗り入れについては、ストップがかかっておったけれども、その枠を外すという回答があったわけでございますが、それに基づいて、いま地元では大変大きな騒ぎとなっております。少なくとも
運輸省からの御返事によれば、エアバス導入は、騒音に対しては大変大きくそれを削減することにつながるのだ、ただ難点は、いわゆる排気ガスの中のNOxがふえることが難点だ、こういう報告になっているわけであります。しかしながら、いま地元の皆さんはこのような
運輸省の
説明に対してなかなか耳をかそうとしない、むしろ、それをまた
説明を聞いたとしてもますます不信感が強くなっている、そういう実態があります。これらについて、音源対策と周辺
整備等についてお尋ねをしたいのですが、まず、その音源対策としてのエアバスの導入、それに関連をいたしまして、現実にはいわゆる排気ガスの中のNOxだけは若干ふえるけれども、大したことはないのだという御
説明がございます。そのことについてまずお尋ねをしたいと思います。
先日いただきましたこういう「大阪国際
空港エアバス導入に関する申入れ事項(いわゆる「十三項目」)回答の要旨」というのがございます。その中の四ページを拝見いたしますと、「エアバス百回の場合には、
現状でもNOx濃度が低く、
空港に近い伊丹市の測定局においては、航空機のNOxの寄与率は一・一九〜二・二三%程度にすぎず、
現状でもNOx濃度が高い豊中市、大阪市、尼崎市等の測定局では僅かに〇・〇二〜〇・七五%の寄与率にしかならないことが推定されます。」こういう御
説明がございます。
次に、いまその地域で一番問題になっている地域は、勝部というところと走井というところでございます。そのページの次の部分を見ますと、「
空港に近い勝部地区で航空機によるNOxの年間平均濃度は〇・〇〇三一八ppm、走井の
空港直近で人家のない地区でも〇・〇〇五四三ppmとなっています。」こう書いてあります。先ほどの
説明のところは寄与率で、そしてここではppmで書いてあります。そして〇・〇〇とつくわけであります。これを読むと、何かいかにも被害が少ない、排気ガスの濃度が低い、こういう印象を、一見しますと受けるわけであります。しかしながら、すでに
運輸省が依頼をされたかっこうで船舶振興会等の出資で航空公害防止協会というのができております。そこで常に
検査をしていただいておるその中で、この「参考資料(N。2)」というのが
環境庁大気保全局から出ておりますが、それを拝見いたしますと、年平均値、この計算の根拠になっております
昭和四十九年で〇・〇四四ppmが
空港測定点の汚染度になっております。それを基礎にいたしまして、たとえば豊中市で〇・〇二ないし〇・七五%で、その影響はわずかと書いてありますが、いま申し上げました数字をそのまま当てはめて計算いたしますと、勝部地区では〇・〇〇三一八割る〇・〇四四掛ける一〇〇、そのパーセンテージでいきますと七・二%。そして走井地区では、その計算でいきますと一二・三%。数字のけたが全然違うわけであります。
どうしてこのような数値になったのであろうか、意図的であるとは思いたくないのでありますが、こういう計算をいたしますと、地元の皆さんはますます、また
運輸省にはかられたかという印象を現実に持っているわけです。大変残念なことだと私は思います。
行政が信頼をされて、初めてその
行政はますます進んでいくと思うのです。今日まで、
田村運輸大臣になる前から、この周辺の事業につきまして進捗率が悪い、約束したことが果たされない、いろいろな諸問題で
運輸省は地元から大変信頼を失っているというのが
現状なんでございまして、
田村運輸大臣のもとでそのような心配を、不信感を払拭されて、本当に冷静な話し合いができるという状態にまず持っていかれることがこの問題を解決する根本になると思うのでありまして、この数値等についてもお聞きしたいと思いますし、同時に、その数値の中で、大変詳しい資料も出していただいておりまして、その計算となった根拠値、こういう地図でその測定結果の数値もいただいております。
この滑走路隣接の勝部地区で、これはppbで出しておりますが、一〇・一四、これはこちらの
説明の中には入っていないわけであります。それを
空港敷地境界での〇・〇一〇一四ppmですか、これを計算いたしますと二三・一%の寄与率になってくるわけでございまして、このような数字を
一つ一つ見るにつけても、この資料が一般市民の皆さんが見て本当に納得できるものだろうか。まず市民の皆さんに見せるものじゃなくて環境庁に見せて環境庁がわかればいいんだということかもしれませんけれども、どうしてもこういう数値の中で私どもは今日までの行為を見ておりますので不信感がつのる、住民の皆さんと一緒に心配だという気持ちになってくるわけであります。そういう素朴な住民感情というものの上に立ってお尋ねをしたいと思いますが、ひとつ
お答えをお願いしたいと思います。