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中村(重)
分科員 憲法八十一条の問題に触れられたけれども、それを議論する時間の余裕はありません。ただ、あなたのお答えの中にと言えばいいのか、意見と言ったらいいのか、校長や教頭になる者はストにも参加しない、こういうようなことであってもらいたいのだと言われた。しかし、なぜにストをやらなければならないのかということ、これをやはり考えていって問題を解決をしていくという努力があなたにないと、いままでの文部大臣と
海部文部大臣もちっとも変わらないということになる。あなたにはそうした問題の解決、前進的なもの、それを期待されている。それをやはりお考えにならないといけないのです。一方的に
文部省のやっていることは正しいのであって、組合側のやっていることが悪いのだというきめつけというものは、全然あなたも変わらない。いままでのからの中にあなたも閉じこもっておる。少なくとも私が期待しておる
海部文部大臣はそういう人物ではない、こう私は思っている。だから、からに閉じこもらないで、いままでの問題をあなたは見直してみて、ここはこの点がいけないのだ、それを解決するのが自分に与えられた任務なんだという態度で取り組まれる必要がある。いまの
教育集会の問題、それもあなたは観念的なんで、あの教研集会の中でこの政党はいけないのだなんていうことは、いま
研究はしていません。本当に真剣にやっている。しかも父母と一緒に対話をして、そういうような話をしている。
それから、母と女教師の会なんというのは、私どもは政党人だから、政党人にだってあいさつの機会を与えないというくらいやっている。だから、あなたはやはり偏見なんだ。そういう偏見を直して、本当に中に入っていってその
実態を知るという努力をおやりにならないといけない。それは後で触れられたのがそれを意味してのお答えだったのだろうと思うから、そういうことで理解をいたしますが、そういうことで取り組んでいただきたいということを希望します。
それから広域人事の問題。これは長崎であったことですが、お互いに構えてなかなか話が進まなかった。私も
教育長と会うし、それから知事側とも会うし、教組側とも会って、とにかく何とか話し合いで解決をしてほしい。この人事交流の問題で、ストで力の対決というものはよくない。やはりいままで管理者側、
教育長としてもずっと確認書によってこれを認めてきた。一挙にこれを解決するということは無理なんだから、余り形式にとらわれないで、教組側もただ希望だけではいけない。エゴばかり言って転勤を拒む者に対してはやはりこれを強制的に転勤をさせなければならぬという態度を教組側も示すというような、
教育長側からとれば百八十度の転換もされた。そういうようなことで、一応ストの批准もできておりましたけれども、これを倒して話し合いに入っているのですが、それから先が具体的な問題になって一向進まないでいる。
こういうことなんでして、だからこういうことにもよく
調査をされて、やはりこの人事というものは、管理運営の問題であって、交渉
事項ではないのだというかたくなな形式的な態度だけでは問題の解決にならない。それはそれだけれども、円滑にやるためには十分意見を聞かなければならないし、その意見も生かしていくということでなければならないという、形式にこだわらないで、より効果のある人事というものが、人事交流がなされるような努力が必要であろうというように思います。しかしこの点は、
教育長も教組側も本当に前向きで精力的に取り組んで、そういう話し合いの場が持たれたということは私は評価をいたしたいと思っていますから、具体的な問題についてスムーズに前進をして、問題が本当に解決をするように適切な指導もしていただきたいということを要請をしたいと思います。
それから大臣、離島に先生方が行くことをいやがるのは無理もないのですよ。余りにも
生活環境が悪いのですね。住宅なんというものもない、物価は高い、
文化は低い。それからお医者さんが第一いないでしょう。私のところの県の対馬なんかは眼科がない、精神科もない。これは精神科はめったにないのでしょう。それは精神科にお世話になるような人がいないことが一番いいのだけれども、ない。歯医者さんなんかもあるのだけれども、まだ少ない。一週間も十日も痛いのをがまんしなければいけない。それで六千円も幾らも金かけて、飛行機に乗って福岡県なんかに行って歯の治療をしなければならぬという
実態。こういうところには健康と生命の問題があるから行きたがらない。こういう問題の解決というものが必要だろう。そのためには、やはり住宅をつくっていくためには
事業量を増大するとか
補助単価を
引き上げるとか、用地取得に対する起債
措置を
充実するとか、こういうことを抜本的におやりになる必要がある。それから大臣、
国立大学をおつくりになって、そこへやはり総合病院的な性格を持たせて、お医者さんをそこで確保していく、こういうことが私は必要であろうと思う。こういうことでないと、この広域人事という問題、人事交流という形式だけで押しまくっていくというようなことでなくて、いやがらないで、先生方がそういうところにも本当に喜んで行くような環境をつくっていくということが必要であろうと思います。
まずこの点に端的にお答えをいただいて、それからまたやります。