○小林(進)分科員 あと時間はどれくらい——六分ぐらいしかないのか、だから困っちゃうのだな。まだ第二問ですわ。
外務大臣、わが
日本の安全と国防の問題について、これも私は何もいま新しく言うのじゃないのですが、この前の
外務省に
質問したけれ
ども、三木内閣のときについに明確な
答弁が返ってこなかったから、私はいま一度繰り返す。
地域の上においては
日本が一番不利な
状況にある。それは何かと言えば、北のクマ、西のパンダ、東のヤンキーという、
アメリカとソ連と中国という三つの大国の、谷間という言葉はどうか知りませんが、その中に
日本が位置しているということが、
日本が地域的に一番不利な
状況にある。われわれは、国防を論ずるにも平和を論ずるにしても、この三つの国にはさまれているという現実の上に立って、国防も論じなければならぬ、平和も論じなければならぬ、私はそう思っている。この問題は、私は何もここで言うのではなくて、たとえば私も一昨年
アメリカあたりへ行って、やれシュレジンジャーだの、やれいまの補佐官になった何スキーだとかいう、そういう人々と話をするときにも彼らが言った。何とかいう、あのときは原子力何とか
局長をやっておりましたけれ
ども、それな
ども言う。
日本とアフリカや南米あたりに位置する国と同格に考えてもらっては困るということは、向こうも言うし、こっちも言う。
それで
日本の安全を考える場合に、どうしてもニクソンと周恩来の共同声明、上海コミュニケ、それから田中・周恩来の日中共同声明、これを政治の面で生かす
努力をなぜしないかということを私はしばしば言った。三木さんにも言ったけれ
ども、これはあなたの後ろにいる山崎君なんかが知恵をつけて、愚にもつかない
答弁だけをはね返してよこすのだけれ
ども、ともかく
日本と中国との間にいま問題になっている共同声明の第七項目、日中両国間の
国交正常化は第三国に対するものではない、これは宮澤もごまかしてしまって、宮澤はつまらない四項目なんか出したけれ
ども、最初のときからこんなものは必要ないのだ。「第三国に対するものではない。」と言っているのだから、特定国を相手にする云々なんということを四条件の中に入れる必要がないのに、宮澤というのは日中平和友好
条約をやらないための理屈をこういうところから持ってくる。「第三国に対するものではない。」と言っているのですから。「両国のいずれも、アジア・太平洋地域において覇権を求めるべきではなく、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国あるいは国の集団による試みにも
反対する。」きちっとこう言っている。アジア・太平洋地域に覇権
反対の平和な地域をつくろう、こういうことを言っていますね。これは
日本と中国です。今度はニクソンの上海共同コミュニケの中にもちゃんとこういうことがあるわけだ。どちらの側も、アジア・太平洋地域で覇権を求めるべきではないと言っているのだ。いずれの側も、いかなるその他の国あるいは国家集団がこうした覇権を打ち立てようとすることに
反対する、こう言っている。これは中国も
アメリカも、太平洋地域における覇権に
反対する、他国の主権を侵さない、他国の領土を侵さない、他国の主権に干渉しない、
武力を用いない、こういうことをちゃんと言っている。
日本と
アメリカと中国と三つの国の間で、アジア太平洋地域ですから
日本海も含めて、この間には暴力も用いないし他国も侵略しないぞという約束をしているのだから、四つの国の中の三つの国がこんなりっぱな約束をしているのだから、残るのは
一つだけじゃないか、ソ連だけじゃないかというのだ。そのソ連に対しても、お互いにひとつアジア・太平洋地域に覇権国家にならないでおこうくらいの共同声明をなぜつくらないのか。それをやるのが
日本のあなたの仕事じゃないか、福田内閣の仕事じゃないかというのだ。そうすれば、
日本海もアジア・太平洋地域も、四つの国がみんな覇権国家にならない、
武力を用いない、他国の干渉はしない、領土は侵さないと約束してくれれば、そこで初めて
日本の永遠の平和ができるのだから、その約束に入らぬのはソ連だけなんだから、そのソ連に堂々と交渉したらどうかというのです。
どうですか、私のそれ。その私の要求をあなた政治日程にのせますか。宮澤みたいに船に乗っていって北方領土をこんなしてながめて帰ってくるだけかね。そういうことじゃだめなんだ。外交というものは哲学だというのは、私はそれを言うのですよ。鳩山さん、おやりになりますか、あなたは。