○
安島分科員 短時間の間で問題を指摘するのには余りに大き過ぎる問題なので、いまの
説明にやや抽象的で納得しがたい点がありますが、次に進ませていただきます。
次に、
政府の
エネルギー行政がきわめて貧困ではないかという点で問題を指摘したいと思うのです。
特に
日本の置かれている立場を考えますと、福田総理を初め、いろいろな機会に資源有限
時代ということを強調され、非常に大変だと口では言っているのですが、本当に国民は
政府が言われるようなことを実感として受けとめているのか。それから、国民に対して常に協力を要請しているけれ
ども、これはただ単に協力を要請する性格のものではなくて、
政府が確固たる
方針と見通しを持って国民の前に明らかにして、そこで初めて具体的に協力を要請するという手順があるわけでございます。
アメリカはすでに、カーター大統領が議会に提出しました一九七七
年度の
予算教書では、前のフォード大統領の
予算案を修正して、新政権の財政経済政策の方向を明らかにしております。アメリカは共和党から民主党へと政権がかわったわけですけれ
ども、新政権発足後まだ一ヵ月程度というような時間的な
制約の中で、十分な
検討までいってないとはいいましても、カーター大統領が積極的に、
長期の戦略的な視点から、総合
エネルギー政策を重視しているのは注目に値してよいと思うのです。
それから、西ドイツの場合も、
日本と同じように原子力発電
計画にいろいろな問題が生じておりまして、これは予定どおり進みそうもないということに
対応して、
石炭を初め、在来の
エネルギーを再評価して、十二億マルクの
資金を投入して非核
エネルギーの研究開発を行うということを私は新聞報道で見たわけです。
こういうように、
日本よりもどちらかというと恵まれたと考えられる立場にある国々が、
エネルギー問題に対して積極的に真剣に考えているというのに比べますと、
日本の場合はどうも口先だけで、
計画そのものに本当に国民を納得させるだけのものが示されていないというのは非常に残念でありますし、
対応が非常におくれているのではないかと考えるわけです。
先般、国際
エネルギー機関、IEAですかに出席して、石油問題等では諸国の批判を受けたり、あるい原子力発電所は事故が続いている、それからオイルはどう考えても、これは今後ともに確実に値上がりは避けられない、こういうような
状況の中で、行政の不手際、見通しの甘さというものを、
政府のこれらの行政がきわめて貧困であるということを、私は指摘せざるを得ないのであります。電力の安定供給を求める国民のそういう立場からすると、非常に頼りない、不安がつのるわけであります。特に
政府は五十二
年度予算の中で、
エネルギーの
長期計画実現のために一体何ほどの
努力をされたというのか、具体的に示していただきたいと思うのです。これは将来の問題も含めて、先ほどから強調しておりますように、
長期的な
エネルギーの需給
計画の策定というものは、やはり国民の合意を得る前提としての、
政府のそういう
努力というか、あるいは決意というか、あるいは的確な見通し、そういうものが必要であると考えるわけです。そういう点から考えましても、これからの電力の安定供給の確保を図るという上においては、伝えられるところによりますと、今後十年間に約五十兆円も所要
資金は必要である、これは試算の段階ですが、そう言われることが伝えられているわけですが、これはすべて財政支出で賄わないにしても、この膨大な
資金をどう調達するかというような問題あるいは先ほどから強調しておりますような、こういう
長期的な見通しの上に立って
計画を策定し、こういうことで
政府も
努力をしますから、国民の皆さん、よろしく協力をしてくださいというような、いわゆる国民に対する信頼をつなぐに足りるだけのそういう
計画を示して国民の協力を求める、こういう点が非常に欠けているように思われるわけでございます。
特に、
日本の産業構造上の問題からして、省
エネルギー対策というのは、これはなかなか時間のかかる問題であります。そういうことが私たち国民の消費電力というものに大きな影響を与えるようなことは許されるべきではございませんので、そういう点からもこの
計画というものの早期な、明確な
方針を示してもらうと同時に、次に新
エネルギーの開発という問題について、若干続けてお
伺いしたいと思うのです。
特に新
エネルギーとして、四十九
年度よりナショナルプロジェクトとして推進しておりますサンシャイン
計画、地熱利用はわが国の将来にとってきわめて重要な意味を持つと考えますが、一体いつごろを実用化の目標として考えておるのか。またこれが実用化の段階には、いわゆる電力需給
計画の中にどの程度の比率といいますか、そういうものを持つものなのか。たとえて言うならば、この研究開発が
長期的な
エネルギー需給
計画の上で、どの程度の実効果を持つとお考えになっているのか、この辺のところを明確にお
伺いしたいと思うわけでございます。