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金子(み)
分科員 私は、本日は時間の
関係もございますので、「
国内行動計画」に限って少し質問させていただきたいと思います。
質問させていただきます前に、これは御答弁は必要ございませんので、聞いていただきたいことがございます。
それは、去る三月五日の土曜日に、主婦会館におきまして、先般二月一日に発表されました「
国内行動計画」、これに対して不満を表明する
婦人集会というのが開かれたわけです、
御存じだと思いますけれ
ども。これは三十八
婦人団体が集まって実施いたしたものでございまして、その
集会に
婦人問題企画推進本部の
婦人問題担当の
室長もお見えになっていらして、そして
室長からいろいろ御説明がございました。そしてその御説明が終わりましてから後、三十八団体が
計画をいたしましたのは、
行動計画の中の全般の問題、総括的なこと、それから政治、教育、労働、家庭、福祉、こういうふうに六つの部門に分けましてそれぞれ代表者を立てまして、その人
たちからこの
行動計画に対する
考え方あるいは不満と思う点、それらを指摘するということがございまして、その後一般討論に移ったわけです。
それで、そういう
集会が持たれたわけでございますが、私も
出席いたしておりました。ところが
室長が最後までみんなの討論をお聞きにならないでお帰りになったという事実があるわけなんです。わりに早くお帰りになった。多分いろいろと事情がおありになったのだと、それは私もよくわかるのですけれ
ども、お帰りになったその後で、会場では大変にみんなが怒りまして、そして何というのでしょうか、全然誠意が見えないとか、あるいはこれでは信用できないとか、大変不信感が巻き起こったわけでございます。私はちょうど
反対側の方に座っておりましたから、いつお出になったのかわからなかったのですけれ
ども、そういう声が起こって初めてそのことがわかったわけでございます。
それで、私は自分でも経験がありますけれ
ども、こういう種類の会に担当者が
出席をするということは、余りいい気持ちのするものではないということはわかります。むしろ大変つらい気持ちで座っていらっしゃるということになることもわかるわけなんで、そのことはよくわかるのでございますけれ
ども、それはそれとしてやはり、どういう御事情がおありだったか存じませんけれ
ども、できるだけほかのものは、できれば組みかえて、そうしてこの種の会には最後まで謙虚に、まじめに耳を傾けていただくべきではなかったかというふうに
考えるわけです。結局、これは
室長だけの問題ではないのであって、
室長がおひとりで何をなさろうと思ってもおできにならないことはみんなよく承知しておりますから、その日もみんなの声は
室長に向けられたのではなくて、その後ろにある
推進本部並びに
総理府の姿勢とか
態度とか、そういうものに対する不満だったというふうに私
たちは受けとめているわけでございます。やはりこういう問題は思うように、どんなに努力してもみんなが気に入るような形にできないということもよくわかるわけでございますけれ
ども、それはそれとして、やはり本気で
婦人問題に取り組んでいるという姿勢が見えなければいけないし、誠意を持ってやっているのだということがわかる必要があるのですね。それはそうなんだとおっしゃるかもしれませんけれ
ども、そのことがみんなにわかるためには、やはり第三者が、だれが見てもそれがわかるような形というのをあらわされなければならないというふうに思いますので、私はこれは大変に残念であったというふうに思います。そういうことのないようにこれからは気をつけていただかなければならないのじゃないかというふうに
考えるわけでございます。ですから、これはもちろん
室長の問題ではないので、
推進本部がこの
婦人問題に対して誠意を持って、熱心にと申しますか、取り組む姿勢が見えなかったということでみんなの不満もあったというふうに思います。ですから、これからも長いことでございますし、いろいろな機会があることだと思うのですけれ
ども、その都度そういうことをよく心にとめていただきたいし、そのことは今後の問題もございますので、御注意申し上げておきたいというふうに思うわけでございます。
続けて質問さしていただきます。そこで私は、この
行動計画に関して二、三お尋ねをしたいと思いますことがございます。
その一つは、これはもう申し上げるまでもありませんけれ
ども、先般メキシコで開かれた
世界婦人会議で決議をした「
世界行動計画」、これを受けとめて、そして「
国内行動計画」がつくられるという運びになっているわけでございますから、「
世界行動計画」の趣旨を、
日本も一票を投じてきたわけでございますから、その意思を体して「
国内行動計画」がつくられているものだというふうにみんなは
考えるわけでございます。
問題だと
考えましたことは、まず一つは、これが
婦人の十年ということが前提になっておりますから十年先、
昭和五十年に開かれた
会議から十年先ですから、六十年。その十年先を目途としてそれぞれの国が「
国内行動計画」を立てるということになっているわけでございますから、
日本の
行動計画の中にも、その姿をみんなは見たかったわけです。どういうふうな十年
計画を立てられるであろうかということが非常にみんなの期待とそして関心とが寄せられていたわけでございますね。ところが、発表されました中身を見ましてみんなが大変失望いたしましたのは、十年
計画になっていなかったということなんでございます。この点について私はもう少しお
考えを聞かせていただきたいのでございますが、
婦人問題の
解決あるいは
婦人の平等権を確立して
婦人の
地位を
向上させるというようなことを行うために
日本の
政府は長期展望というものをどのように持っておられるかということが当然この
計画の中に示されているべきであったし、盛られているはずだと思うわけです。いろいろと読んでみますけれ
ども、どうもそのことがはっきりと示されていない。むしろ目につきますものは、五十二年度における
関係省庁の
予算の範囲内で、この五十二年度の
予算ではこれだけのものが取れたということが前提になって
行動計画の基礎の資料になっているというふうに見られるわけでございますね。その点が大変に消極的で、十年
計画の目的には沿っていないじゃないかというふうに
考えるわけです。そのときの御説明にもございましたが、
日本の国の
予算の立て方が単年度でつくられていく。二年でつくられているというようなところもございましょうけれ
ども、
日本の場合は単年度で
予算が決められるということがあって非常にやりにくいというふうな御説明もあったように覚えておりますけれ
ども、私はそれはそれとして
考えていいと思います。やはり十年
計画でございますから、十年先にはどこまで持っていこうと思っているんだということを、
予算の裏づけがあるなしは別問題として立てられて、そしてそれに逐次
予算をつけていくという
方向づけと努力がなされるべきじゃなかったかというふうに思うのでございますが、それがなかったということが大変にみんなを失望させているわけでございます。この点どういうふうに説明していただいたらみんなが納得できるかということなんですが、私自身もぜひその点をひとつ聞かせていただきたいと思うわけでございます。