○山原
委員 委員の構成の問題について次に御
指摘をいたしたいのであります。
政府は「所掌事務に利害
関係がある者を代表する者を
委員に任命するときは、原則として、これらの
委員の総数が
委員の定数の半ばを越えないものとする。」ということを閣議で決めております。この点、たとえば財界は
大臣や一部の高級
官僚と結びつきまして、ほとんどの審議会にその利益代表者を送り込んでおります。しかも重要な地位と比重を占め、その承認なしには政策立案や許
認可事項の
決定ができない仕組みをつくり上げ、事実上その実権を握っておると言えます。たとえば通産省の産業構造審議会の場合、
委員七十七名中、財界、企業代表が四十四名、率にいたしまして五七%、
政府関係者が七名、率にいたしまして九%を占めています。会長には土光敏夫経団連会長がおりまして、財界本位の運営をほしいままにしておると言っても過言ではありません。産業構造審議会の実態は陰の通産省とまで言われておることは御承知だと思います。この審議会は
委員定数としては中規模でございますが、その裏に隠された機構は膨大であります。想像を絶するものがあります。産構審の実際の運営は部会、小
委員会、
分科会単位で行われておりますが、そのスタッフとして
委員以外に専門
委員が任命をされております。
昭和四十七年から現在までに活動した部会等は二十一部会、二十二小
委員会、四十四
分科会に及びまして、これらに
配置された
委員、専門
委員等の延べ人員は千四百十一名にも達しております。これらの
委員、専門
委員等の
出身階層を調べてみますと、財界、企業代表が九百名、率にいたしまして六四%、
政府関係者が百二十三名、率いにいたしまして九%を占めております。これを部会ごとに見てみますと、産業資金部会では、財界、企業代表が六七%、
政府関係者が二一%、化学工業部会では、財界、企業代表が七九%、
政府関係者が九%を占めています。ことに鉄鋼部会に至りましては、財界、企業代表が九八%、
政府関係者が〇・六%という事態になっております。こうした実態は、国の経済、税制、財政、金融政策を左右する経済
関係の審議会についてもほぼ同様でございまして、たとえば経済審議会や貿易
会議など十一の主要な経済
関係審議会では、財界、企業代表が
委員総数の五六%を占め、
政府関係者が二一%を占めております。会長のポストも、両者でほぼ独占をしておるのであります。
こうした
委員構成は、財界と官庁との癒着の温床となり、審議会制度形骸化の重大な原因ともなっています。同時に、こうした実態は、
閣議決定の原則とこの
閣議決定のもとになった「
調査審議事項に関し各方面の意見が総合的かつ公平に反映されるように、
委員の構成を適正にする。」という臨調意見にも違反するものでございます。臨調にかわって設置された行政監理
委員会は、去る四十九年十月に、こうした実態を踏まえた上で、審議会等行政に対する国民の直接参加の制度は、社会経済の発展と国民のための行政の姿勢を確保する必要性に伴ってますます重視されなければならないと提言をしております。
政府は、臨調意見や行政監理
委員会の提言を踏まえまして、行政に対する国民の直接参加の機会を拡大する立場から、
委員の構成のあり方について真剣な検討を行うべきであると考えますが、私の
指摘に対しまして、
行政管理庁長官はどのような見解を持っておるか、伺いたいのであります。
〔
委員長退席、大村
委員長代理着席〕