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1977-04-14 第80回国会 衆議院 本会議 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年四月十四日(木曜日)  議事日程 第十三号   昭和五十二年四月十四日     午後一時開議  第一 恩給法等の一部を改正する法律案内閣     提出)  第二 農業改良助長法の一部を改正する法律案      (内閣提出)  第三 農業改良資金助成法の一部を改正する法     律案内閣提出)  第四 昭和四十四年度以後における私立学校教     職員共済組合からの年金の額の改定に関     する法律等の一部を改正する法律案(内     閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  日程第一 恩給法等の一部を改正する法律案   (内閣提出)  日程第二 農業改良助長法の一部を改正する法   律案内閣提出)  日程第三 農業改良資金助成法の一部を改正す   る法律案内閣提出)  日程第四 昭和四十四年度以後における私立学   校教職員共済組合からの年金の額の改定に関   する法律等の一部を改正する法律案内閣提   出)  健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法   律案内閣提出)の趣旨説明及び質疑     午後一時三分開議
  2. 保利茂

    議長保利茂君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 恩給法等の一部を改正する法律案   (内閣提出
  3. 保利茂

    議長保利茂君) 日程第一、恩給法等の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。内閣委員長正示啓次郎君。     —————————————  恩給法等の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔正示啓次郎登壇
  4. 正示啓次郎

    ○正示啓次郎君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、昭和五十一年度における公務員給与改善に伴う恩給年額の増額並びに普通恩給等最低保障額引き上げ等措置を、昭和五十二年四月目から実施するほか、公務関係扶助料及び傷病恩給に対する金額の上乗せ、旧軍人等加算減算率緩和等措置を、昭和五十二年八月一日から実施しようとするものであります。  本案は、二月二十三日本委員会に付託され、三月三日政府より提案理由説明を聴取いたしました。その後、内閣より本案についての実施時期を二カ月繰り上げる旨の修正の申し出があり、三月十五日本院においてこれを承諾いたしたものであります。  かくて、四月七日質疑に入り、慎重審査を行い、四月十二日質疑を終了いたしましたところ、木野委員より、施行期日に関する修正案提出され、趣旨説明の後、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。  なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党革新共同及び新自由クラブの各派共同提案により、スライド規定法律化実施時期の繰り上げ、最低保障改善扶助料の七割給付老齢福祉年金支給制限の撤廃の五項目にわたる附帯決議全会一致をもって付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  5. 保利茂

    議長保利茂君) 採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 保利茂

    議長保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第二 農業改良助長法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第三 農業改良資金助成法の一部を改正する法律案内閣提出
  7. 保利茂

    議長保利茂君) 日程第二、農業改良助長法の一部を改正する法律案日程第三、農業改良資金助成法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。農林水産委員長金子岩三君。     —————————————  農業改良助長法の一部を改正する法律案及び同報告書  農業改良資金助成法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔金子岩三登壇
  8. 金子岩三

    金子岩三君 ただいま議題となりました両法案につきまして、農林水産委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  最初に、両案の内容について申し上げます。  まず、農業改良助長法の一部を改正する法律案は、最近における農業及び農村をめぐる諸事情変化にかんがみ、近代的な農業経営を担当するのにふさわしい農業者育成確保に資するため、農業後継者たる農村青少年に対する研修教育協同農業普及事業として位置づけるとともに、協同農業普及事業に係る補助金協同農業普及事業負担金に改めようとするものであります。  次に、農業改良資金助成法の一部を改正する法律案は、最近における農業及び農家生活をめぐる諸事情変化にかんがみ、農業経営の安定、農業後継者育成等に資するため、技術導入資金貸し付け限度額引き上げ及び農業改良資金貸付金償還期間延長を行おうとするものであります。  委員会におきましては、両案を一括議題に供し、三月二十四日政府から提案理由説明を聴取し、三月二十九日から四月十二日までの間に四回にわたり慎重に審査を重ねました。  かくて、四月十二日に質疑を終局し、同日採決いたしましたところ、両案とも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、両案に対して、それぞれ附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  9. 保利茂

    議長保利茂君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 保利茂

    議長保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第四 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出
  11. 保利茂

    議長保利茂君) 日程第四、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。文教委員長藤尾正行君。      ————◇—————  昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔藤尾正行登壇
  12. 藤尾正行

    藤尾正行君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案の要旨は、  第一に、私立学校教職員共済組合が支給する既裁定年金の額を、国公立学校教職員年金額改定に準じて増額すること、  第二に、掛金等の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限を、国公立学校教職員の例に準じて引き上げること 等であります。  本案は、去る三月三十日当委員会に付託となり、四月一日政府より提案理由説明を聴取いたしました。同月十三日質疑に入り、同日質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。  次いで、藤波孝生君外五名から、本案に対し、附帯決議案提出され、採決の結果、異議なく可決されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  13. 保利茂

    議長保利茂君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 保利茂

    議長保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明
  15. 保利茂

    議長保利茂君) 内閣提出健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案について、趣旨説明を求めます。厚生大臣渡辺美智雄君。     〔国務大臣渡辺美智雄登壇
  16. 渡辺美智雄

    国務大臣渡辺美智雄君) 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  医療保険制度につきましては、昭和四十八年の改正により大幅な給付改善保険財政健全化のための諸施策が講ぜられ、また、昭和五十一年には社会経済情勢の変動に対応したスライド的な改正が行われたところであります。  しかしながら、医療保険をめぐる諸情勢は一層の厳しさを加え、各制度ともその財政状況は逐年悪化の傾向にあります。保険料収入については、かつてのような大幅な伸びが期待できない反面、医療高度化人口構造老齢化進展等により、保険給付費は今後も増加傾向を示すものと思われます。  政府は、このような社会経済情勢下における医療保険給付あり方とこれを支え得る費用負担あり方の両面にわたっての全般的な検討を急ぎ、その結果に基づき必要な措置を講ずることとしておりますが、健康保険財政は、現在すでにきわめて窮迫した状況にあり、制度運営にも支障を生じかねない状態となっております。  今回の改正は、このような事情を考慮し、健康保険制度の当面の円滑な運営を図るため、必要な措置を講じようとするものであります。  以下、この法律案内容について概略を御説明いたします。  まず、健康保険法改正について申し上げます。  第一は、標準報酬上限改定でありますが、最近における給与実態にかんがみ、被保険者保険料負担の公平を図る見地から標準報酬上限現行三十二万円から三十八万円に改定するものであります。  第二は、賞与についての特別保険料徴収であります。政府管掌健康保険においては、その窮迫した財政状況に対処するため、当面の臨時応急措置として、健康保険制度全般に関する速やかなる検討により必要な措置が講じられるまでの間、被保険者の受ける賞与を対象に、その二%を事業主及び被保険者の折半により特別保険料として徴収することとしております。  また、健康保険組合につきましては、規約の定めるところにより、料率は二%の範囲内、被保険者負担分はその二分の一以下の範囲内で政府管掌健康保険の場合と同様の特別保険料徴収できることとしております。  第三は、一部負担金の額の改定であります。現行一部負担金の額は、昭和四十二年以来十年間にわたって据え置かれておりますが、その間医療費所得等が大幅に伸びていることにかんがみ、初診時一部負担金の額を現行二百円から七百円に、入院時一部負担金の額を現行一日当たり六十円から二百円に改定することとしております。なお、継続療養を受ける者の入院時一部負担金の額は、一日当たり三十円から百円とすることとしております。  第四は、傷病手当金支給期間延長でありますが、被保険者の強い要望等を考慮いたしまして、現行六カ月を一年六カ月に延長することとしております。  次に、船員保険法改正について申し上げます。  第一に、標準報酬上限改定でありますが、現行三十四万円から三十八万円に改定することとしております。  第二に、一部負担金につきましては、初診時一部負担金の額を健康保険と両様に現行二百円から七百円に改定することとしております。  なお、この法律実施時期につきましては、本年六月一日からとしておりますが、健康保険法及び船員保険法標準報酬に係る改正につきましては、本年八月一日から実施することとしております。  以上が、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案趣旨でございます。(拍手)      ————◇—————  健康保険法及び船員保険法の一部を改正する   法律案内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  17. 保利茂

    議長保利茂君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。川本敏美君。     〔議長退席、副議長着席〕     〔川本敏美登壇
  18. 川本敏美

    川本敏美君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のございました健康保険法等一部改正案について、総理並びに関係の閣僚に御質問申し上げたいと思います。  福田総理政府は、憲法第二十五条によって、すべての国民に健康な生活と適切な医療を保障する重大な責任がございます。しかるに、医療の現状はどうでありましょうか。保険あって医療なしと言われる医療行政のもとで、国民医療に対する不信と不安はますます増大しつつあります。  そもそも、医療砂漠と呼ばれる医療荒廃の根源は、去る昭和三十六年、政府国民保険に踏み切った際に、その前提条件である医療供給体制整備を放置してきた行政の怠慢に端を発するものであります。  今日、国民の多くは、救急患者たらい回しにされるような休日、夜間救急の際の医療不安に脅かされ、また、薬の乱投与を背景にスモン病等薬害は拡大の一途をたどり、さらに、公害病の恐怖は日本全土を覆っています。加えて、不況下の過酷な労働条件は、労働災害や職業病となって労働者を苦しめているわけです。しかも、いざ入院するとなれば、差額ベッド付添料のような保険外負担は莫大な金額となってのしかかり、お金がなければ入院治療もできないという深刻な医療不安に脅かされているのであります。  にもかかわらず、歴代自民党政府は、国民医療を保障する責任を果たそうとしないばかりか、当面の医療財政患者国民負担にすりかえることによって当面を糊塗し続けてきたのであります。医療保障制度全般についての混乱と行き詰まりの責任は、挙げて政府の怠慢にあると言うべきであります。(拍手)  ただいま提案されました改正案も、その例外ではありません。傷病手当金支給期間延長による改善措置以外は、すべて被保険者負担を大幅に増大し、不況、インフレに苦しむ国民を一層むちうつことによって、健康保険財政累積赤字を一挙に解消しようとする、単なる財政対策以外の何物でもないのであります。(拍手)  昭和四十八年、第七十一国会における健康保険法改正当たり政府は過去の累積赤字約三千億円のたな上げをするとともに、給付費の一〇%定率国庫補助制度及び保険料率を千分の八十まで引き上げるいわゆる弾力条項の新設を行い、その後、二回にわたる発動によって保険料を千分の七十八まで引き上げ、被保険者負担増による赤字解消を図ったのでありますが、それでも昭和五十二年度末には合計千六百二億円の赤字が累積するものと推定されています。  そこで、今回、ボーナスからの特別保険料徴収を初め、標準報酬上限改定初診時、入院時一部負担金引き上げ高額療養費自己負担限度額引き上げ等、すべて被保険者負担増により一挙にこの四年間の累積赤字を解消するというきわめて悪らつな改定でありまして、一年間に被保険者一人当たり約五千円の負担増加するという、まさに低福祉高負担政策そのものであります。政府がまたもや国民を欺かんとするのを、私たちは断じて許すことはできません。(拍手)  特に、この特別保険料徴収については、総理諮問機関であります社会保障制度審議会は、去る二月二十一日、全会一致答申の中で、「多くの問題があり、慎重に対処したものとは認められず、たとえ時限的措置を講ずるとしても、にわかに容認することはできない。」と指摘しているのであります。  また、初診時、入院時一部負担引き上げは、昨年第七十七国会において与野党が満場一致で削除した条項をそのまま盛り込んでいるものであって、国会審議経過関係審議会答申を無視し、民主主義のルールに反したこの提案には断じて同意することはできないのであります。(拍手)  福田内閣は、口に協調と連帯を唱えながら、実は独善と欺瞞、独断と専横の政府であることをみずから暴露したものと断じてはばからないところであります。(拍手)  私は、直ちに本案を撤回することを要求するとともに、早急に抜本改正を行い、それまでの間は、被保険者負担現行法のままとし、定率一〇%の国庫補助率を二〇%に引き上げるよう提案いたしたいと思いますが、総理の明確な答弁を求めるものであります。  以下、私は数点について政府見解をお聞きいたしたいと思います。  今日、多くの国民が期待しているのは、当面を糊塗する赤字対策ではなく、医療保障制度全般についての抜本改正であります。  昭和四十年度に一兆一千二百億円であった国民医療費は、厚生省の発表によりますと、昭和五十一年度には実に七兆七千億円に達する見込みで、それが国民所得に占める割合も、三十年代の三%から五・六%へと約二倍近くに増加しており、この異常とも言うべき姿には、次のような制度的矛盾があるのであります。  すなわち、その第一は、点数出来高払い制と言われる現行診療報酬制度であります。  現行制度のもとでは、医療機関施設整備費人件費はもちろん、開業医にあっては、開業資金の返済も医療器械器具支払いも、子どもの医大入学金も、すべて診療報酬に依存することになり、医師は医学上の見地からだけではなく、より点数の高い診療行為を選択する傾向が生まれ、三時間待って三分という神風ドクターがあらわれたり、ついには診療報酬水増し請求事件が相次いで発生するなど、制度の破壊がますます進行し、これ以上放置することができない状態にあることは、すでに周知のとおりであります。  私ども社会党は、すべての国民がいつでもどこでも安心して医療を受けられるためには、このような点数出来高払い制度を改め、すべての医療従事者人件費をガラス張りで保障するとともに、物件費については実費弁償をたてまえとする支払い制度を確立しなければならないと思いますが、政府見解を明らかにされたいのであります。  その第二は、薬価基準についてであります。  健康保険財政は、製薬企業大量生産大量販売を支えるためにあるのでしょうか。薬価基準は、医療機関の実際の購入価格の倍以上という高いレベルで設定され、したがって、大量購入大量投与売薬医療とか薬づけ医療と呼ばれるありさまであります。  五十一年度、国民医療費薬剤比率が四〇%以上にもふくれ上がり、薬害列島日本では、一方でスモン病を初め、数々の薬害病患者を大量に生み出し、その患者の方々の二度とない人生を無残にも破壊すると同時に、保険財政赤字に陥れ、また一方では、製薬大手十二社の収益率を他の全製造業平均や全化学工業平均の二倍ないし三倍にして、製薬資本に奉仕する結果になっているのであります。  私は、主要薬品については、品質保証のできるものを公的機関が一括購入し、実費医療機関に供給する制度を創設すべきであると考えます。また、このような制度を確立するまでの間は、薬価基準を適正化するため必要な措置をとるべきであると考えますが、政府方針を伺いたいのであります。  以上、指摘いたしましたような健保の赤字を生み出す構造的要因をなくし、抜本的な制度改正を早急に行い、治療中心の今日の医療予防先行医療制度に変えない限り、幾ら財政対策を講じても、それはまさにざるに水を注ぐがごとき結果としかならないのであります。(拍手)  政府は、健康保険法改正たびごと抜本改正を繰り返し口にしてきました。渡辺厚生大臣は、政府としては昭和五十三年度をめどにこの問題と取り組むと言っておられますが、果たして抜本改正と取り組む決意があるのかどうか、さらに、その時期とその基本的方針について、私の具体的な提案と比較しながら、政府の考え方を国民の前に明らかにするよう要求するものであります。  次に、私は、健康保険法に敷衍して、救急医療対策についてお聞きいたしたいと思います。  急患たらい回しは、今日国民大多数の不安をますますつのらせています。消防庁の救急白書によれば、年間五万人以上の人がたらい回しされており、救急体制整備は一日も放置できない実情にあります。  政府救急医療対策費は、五十二年度で約百億円と前年度の三・八倍に伸びていますが、その実情について見ますと、まず夜間診療確保については、いま百七十三カ所の休日夜間急患センターの中で、毎夜間、翌朝まで診療しているのはわずかに三十二カ所にすぎません。今次予算は三年計画の初年度と言われますが、政府は、どのようにしてこの休日夜間急患センターのすべてに毎夜間診療確保しようとされるのか、また、それが実現できる保証が果たしてあるのか、しかと承りたいと存じます。(拍手)  私たち社会党は、いま救急医療整備法を立案中でありますが、政府もせめて一般病院である国公立病院にはすべて救急部門を設置する計画を持つべきではないでしょうか。この点、明確な御答弁をいただきたいと思います。  次に、差額ベッド付添料等のいわゆる保険外食掛の問題についてお尋ねいたします。  政府調査によれば、昨年七月一日現在で全病床の一八%が差額ベッドであるということでありますが、他の各種の民間団体調査と対照してみますと、この数字が果たして正確なのかどうか疑わしいのであります。  社会党は、国公立病院には差額ベッドを置くべきでないと考えています。まず政府は、どこのどの病院に何床の差額ベッドがあるのか、その料金とともに利用者、住民に公表すべきであると思いますが、政府見解をお聞きいたしたいと存じます。  次に、基準看護病院における付添料の問題であります。  これまで政府は、基準看護病院には付添婦を置かないことになっているからあえて調査する必要がないという態度を貫いてきましたが、基準看護病院においても重度重症患者の場合には、付き添い置かざるを得ないという状況はすでに常識であります。  政府は、その実態をまず正確に調べた上で、看護婦配置基準改善策を立てるべきではないでしょうか。政府の積極的な態度をこの際明らかにされたいと思います。  最後に、私は、老人医療費公費負担制度について御質問申し上げます。  政府の五十二年度の予算編成の過程で、老人医療有料化について大蔵省が一定の見解を出しています。これは福田総理が昨年八月刊行した「続・これからの日本 祖国新生論」の中で、「問題だった老人医療無料化」と題して、「いまわれわれは、このことを痛恨こめて反省しなければならない」と言っておられるところと全く一致いたしております。福田内閣現行老人医療無料制度を五十三年度からでも有料化しようと企図しているのではないかと、いま日本じゅうのお年寄りは不安におびえているのであります。  私は、戦後荒廃のきわみにあった日本をここまで発展させてくれた恩人である今日の老人は、国の宝として、もっともっと大切にされなければならないと思います。さらに、わが国における将来の人口構造老齢化を考えるとき、老人福祉制度は、政治の根幹とも言うべき重大な課題であります。  私は、この際、老人医療費無料化制度は堅持するという福田総理の明確な態度をお聞きいたしたいと存じます。  以上、総理の明解な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣福田赳夫登壇
  19. 福田赳夫

    内閣総理大臣福田赳夫君) お答え申し上げます。  健康保険制度にはいろいろ問題があるが、とにかく今回の政府提案はこれを即時撤回すべし、明確に答えよ、こういうお話でありますが、明確にお答えいたします。これは撤回いたしません。  御指摘のように、医療保険制度にはいろいろな問題があるのです。なかなかむずかしい問題でありまするが、特に政府管掌健康保険、またその他相当数健康保険組合におきましては、財政状態は非常な窮迫である。この状態を放置いたしておきますると制度運営にも支障を生ずる、こういうような状態でありますので、今回の提案は、国民に対して若干の負担増加をお願いをするということになりますが、これはまげてひとつ御審議を願いたい、かように存ずる次第でございます。  健康保険の問題につきましては、そのうち特に医療保険制度の基本的なあり方につきましては、これは五十三年度を目途といたしましてその改正をいたしたい、かように考えております。給付、また費用の負担制度間格差の是正、そういう問題、あらゆる問題にわたりまして検討し、国民の総意のもとに時代に即した制度を確立いたしたい、かように考えておる次第でございます。  それから、政府老人医療制度有料化に向かっておるのじゃないか、そういうお話でございますが、そういうことはない。今後の老人保健医療あり方につきましては、もう老人が急速に増加してくる、これは御承知のとおりでありますが、これらの老人に対しまして、健康で、豊かで、伸び伸びと生活していく、それにはどうしたらいいかという見地から、これは医療保険財政の問題もあります。これは健全化させなければならぬ、これはもちろんであります。同時に、年金問題、これも非常に大きな問題だ、こういうふうに考えております。また、福祉のサービスの問題、これも重大な問題である。それら等全部あわせましてこの老人問題を解決していきたい、こういう考えでありまして、老人保健医療問題懇談会において鋭意検討中である。  大事なことは、私は、老人を大事にするという国民の心、これが一番大事だと思うのでありまして、老人を大事にする心におきましては、福田内閣はだれにも負けない立場で取り組んでまいりたい、かように考えております。(拍手)     〔国務大臣渡辺美智雄登壇
  20. 渡辺美智雄

    国務大臣渡辺美智雄君) 各般にわたって広範な質問でございますので、順序を追いましてお答えをさせていただきます。  まず第一は、特別保険料徴収当たりまして、社会保険審議会等にもいろいろ異論があったではないか、また、昨年の改正の際の国会の議決、こういうようなものも無視されているんではないか、こういうような趣旨の御質問でございます。  われわれといたしましては、実は社会保障制度審議会あるいは保険審議会等でいろいろ御議論がございました。いろいろ御議論がございますが、賛否を含めまして、それらの御議論も十分に頭の中へ入れまして、いずれにいたしましても、当面の財政状況を無視しては保険制度は成り立たないわけです。理屈だけでは成り立たない。しかし、現実の問題にすぐこうぶつかっておるわけなので、そういうものも頭に入れて、実は今回このような緊急対策としての法案の上程をお願いしたわけでございますので、何とぞ御理解の上、御賛成賜りますようにお願い申し上げる次第でございます。  なお、次には、赤字解消の問題でございますが、健康保険赤字解消については、被保険者負担をふやさないで、それで国庫補助を二〇%ぐらいにふやして穴埋めしたらいいじゃないかというような御質問でございます。  これは、御承知のとおり、保険制度を維持するためには、その加入しておる、要するに組合員といいますか、被保険者がそれを負担するか、あるいは足らないところを、その他の国とか公共団体が持つか、二つしか方法はございません。  わが国は、実は諸外国の例から見ますると、負担はたくさん持っておるんです。また、保険料率も低いのです。日本は、御承知のとおり、現在千分の七十八という保険料率でございますが、西ドイツは千分の百十二、それからフランスの場合も一般的な制度としては千分の百七十九・五と、こういうようなことでございますし、また、社会保障の国スウェーデン、スウェーデンとよく申しますが、スウェーデン等においては、受診時の負担金引き上げの例といたしまして、一九七六年には外来に対して、外来ですよ、お医者さんにかかる都度に、日本の金にして一千二十円というお金を払うというようなこと等もございまして、まあそういう外国の例から考えてみると、日本の場合はそんなにたくさんの、過重なものではない。非常に低いことになっておる。しかも、ヨーロッパ等では政府定率補助金を出しているというところは、実は私、寡聞にして知らないのでございます。厚生省でも調べさせたけれども、そういう先進国はないということでございますから、国際水準というようなもの——日本医療制度もこれだけよくなって、これは国民保険のおかげだとわれわれも思っていますし、国民の方々も、保険制度ができてよいと大多数の方は考えておるのでございまして、この保険制度を維持していく上において、今回の暫定措置として、ともかくボーナスの一%、事業主も一%ですよ、それから被保険者も一%ずついただくというようなことや、一部の負担についてこれは負担をしていただく。入院時の問題におきましても、一日六十円、これは十年来据え置きですからね。その間に物価その他が非常に上がっておる。十年来据え置いておる。したがって、これは一日六十円をまあ二百円ぐらいまでするのは社会の常識から見てやむを得ないことではないか、こういうふうに考えまして、御提案を申し上げた次第でございます。  第三番目の支払い方式の問題に移りますが、現行の出来高払い方式というのはいろいろ問題があるのではないか、もっと人件費とか物件費とか、いろいろ内容に分けてしまって、分解した方式をとったらいいじゃないかといろいろ言われますが、一長一短でございます。診療報酬支払い方式には、戦前のように、団体で、幾らの団体一年間何千人で何ぼというような決め方もありました。イギリスなんかはそれに近いそうでございますが、人頭割りで、人間割りで幾らという契約の方法もあるようでございます。日本のものは、いわゆる点数制に基づいて、一回かかれば幾ら、どんな病気なら幾ら、どんな手術なら幾らというような出来高払い方式でございます。一長一短はございますが、ともかくそれをばらしてやるということも実際なかなかむずかしい。この出来高払いの方法が定着をしておることでございますから、検討して改正すべき点があれば改正するにやぶさかでございませんが、私どもは、今後とも、中医協等専門家の意見をよく聞いた上においてこれは対処をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  その次に、医薬品の問題につきまして、医薬品は、いま自由にばらばら売ったり買ったりしておるよりも、主要な医薬品については、その品質を確保するために、公的機関か何かこしらえて、一括して買って、それで医者に分けてやったらいいじゃないかという趣旨の御意見だと思いますが、自由主義経済社会の中において、この現在の自由に売っておる医薬品、これを一括購入して個人個人の医療機関やお医者さんに配付するということは、まあ理屈の上ではすぐできますが、現実の問題としては非常にむずかしい問題でございます。  したがって、そういう配付する制度につきましては、これは薬価基準の適正化というようなことで、現行制度にもいろいろ問題点がございますから、それらの問題点については、今回も皆さんの意見も十分聞きまして、薬価基準については、市場の価格が的確に反映するように、そういう仕組みをつくっていかなきゃならぬ。そういうような点から、次回の薬価基準の全面改正におきましては、銘柄別の薬価の収載方式というものを採用していきたい、かように考えて、目下作業を進めておるような次第でございます。  なお、医療制度抜本改正については本気になってやる気があるのか、五十三年度をめどにしてと言っているようだけれども、その気があるのかということでございますが、われわれとしては、いろいろな医療関係の専門家の懇談会やいろいろな会議において、真剣に専門家の意見を聞いて、皆様方の意見も聞いていきたい。これは私もかねて国会で申し上げているとおり、野党の皆さん方からもなかなかいい意見がたくさん実は提案をされております。こういう意見等も、ともかくコンセンサスができるならば積極的に受け入れて、抜本改正について真剣に考えてまいりたいと私は思いますので、今後とも本当に御協力のほど、お願いを申し上げます。  なお、夜間急患センター等の問題で、これは夜までやっているところ、明朝までやっているところは少ないではないか、まことにそのとおりでございます。それではいかぬというようなことでございますので、夜間急患センターについては、これからは十万人のところを五万人におろしたり、やはり在宅医院、お医者さんが在宅の方が多いわけですから、在宅のお医者さん方の輪番制等を考えて、そして十二時以降六時までの間も患者の取り扱いができるような工夫をしていきたい、こういうことで、救急医療制度というものを今回御提案申し上げておるような次第でございます。  なおその次に、救急医療について、国公立の一般病院はすべて救急部門を持つべきである、こういうことでございます。それは御承知のとおり、政府関係機関が救急に協力しないで、民間にだけやれやれと言っても、(「そのとおり」と呼ぶ者あり)全くそのとおり、これはなかなか納得がいかないと非難をされるわけでございます。したがいまして、まず、厚生省の国立関係病院からこれは率先してやらなければいかぬよというようなことで、やっていただいておるわけであります。  がんセンターとか特殊なところで救急に向かない施設がございますから、これは御勘弁をいただくほかございませんけれども、さらに、国立病院ばかりでなくて、先般、これは予算委員会で衆院、参院両方とも、政府のいわゆる大学病院とかあるいは逓信関係のところとか国鉄関係とか、いろいろあるではないか、それも協力すべきだという御質問がありまして、直接わが方の所管ではございませんが、大変ありがたく実は思っておる次第でございます。ぜひともお願いをいたしまして、そういう機関にもできる限り救急の指定を受けて御協力いただくように、私の方からもお願いを申し上げているような次第でございます。  次には、救急医療整備法、こういうようなものの法制化ができないかというような御趣旨の御質問と受け取ったわけでございますが、救急の基本法をつくるのも確かにいいことなのではございますけれども、いますぐにこれをやるというわけにはなかなかいかない。それから、義務づけの問題というような問題もございまして、われわれといたしましては、その義務づけ法制化という前に、まず現行制度の中でなぜ救急医療が行われないか、そういうようなことを深く反省をして、その穴をふさいでいく、それと同時に、やはり御協力をお願いをしていった方がいいではないか、こういうようなことから、権利義務ということよりも、やはり医者とか病院の使命感、あるいは使命感だけでやっていけないから、それに対するいろいろな赤字対策とか助成制度とか、そういうようなものも含めて対応して、まずやってみよう、こういうことでスタートいたしましたので、しばらくひとつそれで御協力を賜りたいと思うわけでございます。  また、差額ベッドの問題等について、どれぐらい差額を徴収しているのか、それは病院名と、金額等がわかったらば全部それを調べて公表しろということでございますが、われわれは、差額ベッドについては、できる限りこれがないように実は指導しておるわけでございます。現在まだ一八%ございますことは、われわれとして、もう少し少なくしなければならぬ、こういうことで努力をいたしておるわけであります。  なお、差額を徴収している病院名等の公表という問題については、今後いろいろ御協力をいただくという関係もございますので、この席で公表をすることは、これは差し控えさしていただきたい、かように考えておるわけでございます。  なお、基準看護病院における付き添いの実態調査して対策を講ずべきと思うが、どうだ、こういうような問題につきましては、基準看護の体制をとっている医療機関においては、その責任において必要な看護を行うというのがたてまえになっておるわけでございます。しかしながら、基準看護病院において付添婦等がいまでも付き添っておるという実態が、全然ないというわけではございません。そういう事実を十分に把握をいたしまして、基準看護について御指摘のような御質問もございますが、看護婦供給体制という問題については、今後も御意見等を十分参考にして考えてやってまいりたい、かように思う次第でございます。  どうもありがとうございました。(拍手)     —————————————
  21. 三宅正一

    ○副議長(三宅正一君) 平石磨作太郎君。     〔平石磨作太郎君登壇
  22. 平石磨作太郎

    ○平石磨作太郎君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま趣旨説明がありました健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係閣僚に対し質問をいたします。  本法案は、国民の生命、健康にかかわるきわめて重要な問題を多く含んでおり、国民の関心は強く、質問に対しては誠意ある答弁をまず最初に要望するものであります。  現在、国民の間には医療に対する不安感、不信感が充満しております。すなわち、長期療養者を抱える家庭に重くのしかかる差額ベッド料、付添看護料の負担救急医療たらい回し事件、国民総薬づけともいうべき薬の乱用、医療過誤、薬害問題など、国民の健康を守るという医療の目的とは相反する問題が随所に見られることであります。  さらに、わが国では、急速な人口の老齢化が進んでおり、それに伴う医療需要の増大に対する対応策に欠け、また、経済の発展、拡大がもたらした各種公害が国民の生命と健康をむしばんでいる状況にありながら、これらに対する医療対策が確立されていないことであります。  国民保険のもとで、このような基本的な諸問題の解決をするため、政府は、積極的な姿勢を示さないまま、本法案に見られるとおり、いわば構造的な政管健保の累積赤字に対し何らの展望もなく、単なる財源対策として、被保険者に大幅かつ急激な負担増を強いるところに、政府みずからが医療制度の抜本改善への取り組みを避け、当面の財政的視点からの糊塗策に終始していると言えるのであります。  以上の観点から、まず総理にお伺いいたします。  医療の問題は、人間の生命にかかわるきわめて重要な問題であるにもかかわらず、国民医療に対する不信は増高して、医療が今日ほど社会問題化したときはかつてなかったのではないでしょうか。総理は、この現状をどのように認識し、また解決されようとするのか、その基本姿勢をお伺いいたします。  次に、具体的な問題についてお尋ねいたします。  政府は、五十三年を目途に医療保険全体の見直しを行うとしていますが、本改正案には、総報酬制の導入ともいうべき制度の根幹に触れる賞与特別保険料の創設があります。  これが、特に政管健保の対象である中小企業など脆弱な経営基盤の上に立つ労使に対し負担を強要することは、社会保障制度審議会や社会保険審議会の答申にもあるように、現在の社会経済情勢下においてはきわめて問題があります。むしろ、五十三年に医療保険の見直しを行うというのであれば、そのときにゆだねるべきであり、その上で具体案を示し、国民の理解と協力を得られるよう努力するという態度こそ望まれるのであります。(拍手)それにもかかわらず、審議答申を無視して、諮問内容のまま本法案を提出したことは、明らかに審議会の軽視であり、何のための諮問なのか、理解に苦しむものであります。  また、同じ健康保険制度下にある被用者保険制度の中で、政管健保のみ賞与に対し特別保険料徴収し、組合健保では任意であるといった格差を制度に持ち込むことは、とうてい納得できません。  こういう不公平を導入する制度創設に踏み切った理由について、総理責任ある答弁をいただきたいのであります。(拍手)  次に、厚生保険特別会計法についてお伺いいたします。  政管健保財政の窮迫は、四十八年度以降の経済変動に対応した政府の収支見通しの誤りに原因があり、また、他の被用者保険に比し、負担能力が低く、かつ、老齢者が多いという構造的な要因に基づくものであります。したがって、その赤字対策を、単年度で、しかも被保険者負担のみで処理しようとするところにまず問題があり、当然、その赤字解消には三年程度の期間が必要であると考えるのであります。  今日の医療の不平等と混乱と制度間の不公平を放置して、急激な保険料負担や一部負担を強化して解決を図ろうとしても、被保険者はもとより、国民の納得できるものではありません。  当面、政府は、被保険者負担増を行う前に、むしろ厚生保険特別会計法の借り入れ制限規定の緩和を図り、そのための法改正を行うべきだと思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。  次に、初診時及び入院時の一部負担金引き上げ措置についてであります。  健保が社会保険である以上、強制加入であり、日ごろから健康なときに保険料を掛けて、疾病のときには安心して医療を受けられる制度であることは当然であります。健保の被保険者給付を受ける場合に、国鉄や郵便料金のように受益者負担ということで一部負担金を支払うことが当然という考え方は、大変な誤りであります。  さらに、保険財政赤字が増大したからといって、一部負担金を一挙に三倍以上に引き上げることは、本来、社会保障制度の本質からいって、何のための、だれのための健康保険であるのか、理解に苦しむのであります。  また、一部負担金引き上げについては、昨年の国会審議において全面的に据え置かれた経緯もあり、性急に取り上げる政府態度はきわめて問題であります。  さらに、保険外負担が増大している今日、国民は、皆保険の名のもとで、その負担は年間支払い総額において約千五百億円を超えると推定されており、まさに医療保険制度が空洞化され、医療荒廃を招いている現状に対する対策のないまま一部負担金引き上げることは、とうてい容認できません。厚生大臣の明確なる御答弁をお願いするものであります。  次に、船員保険に対する国庫負担金は、定額で昨年度と同額の六億円にとどまっており、一方、健保組合に対しては六億円から八億円と、わずかに二億円が増額されております。  この措置は、医療費の増高など、財政悪化の状況を踏まえ、これら保険について、財政健全化のため、国庫負担を定額制から政管健保同様定率制に移行することを検討すべきことだと考えるのでありますが、厚生大臣の見解を承りたいのであります。  次に、老人医療無料制度についてお伺いをいたします。  同制度は、昭和四十八年から実施されたことに伴い、受診増等が要因として各種保険財政を圧迫したとして、見直し論が出てきたのであります。しかし、一時の受診増も現在では横ばいの状態になっているにもかかわらず、扶養義務者の所得制限を据え置いたことにより、約八千人の老人がこの措置から除外されたのであります。しかも、五十二年度予算編成過程において、財務当局は所得制限を大幅に強化し、老人医療無料制度が大きく後退する懸念がありました。  そこで、政府は、五十三年度以降、今回のような所得制限強化の施策を行う考えがあるかどうか、厚生大臣の明確なる答弁をお願いするものであります。  さらに、わが国の医療保険制度は八種類の制度に分類されておりますが、これら制度負担給付の格差を是正し、公正な、しかも整合性のある制度を打ち立てるため、各種保険制度の統合が必要であると思いますが、この問題についてどのように考えられるか、厚生大臣の見解を賜りたいのであります。  次に、医療供給体制についてお伺いいたします。  医師、看護婦等の養成と医療機関などの施設整備、さらに、これらの適正配置は、医療行政上不可欠の要件であります。  今日の大都市偏在の医療機関、無医地区、僻地医療改善は、長期的、かつ、総合的に進めなければなりません。半ば公然化している私立医大の裏口入学や、また、僻地に勤務する医師の劣悪な勤務条件など、医療供給の適正化を阻むこれらの要因を解消しない限り、問題の解決は望むべくもありません。  医療資源の開発、供給体制について、総理大臣の見解を承りたいと思います。  次に、ILO百三十号条約、すなわち、医療及び疾病給付に関する条約の批准問題についてであります。  医療給付範囲及び傷病給付の対象者の範囲支給期間などについて、国内法の整備検討を要すると承っておりますが、わが国の医療水準を引き上げるため速やかな批准が望ましいことは言うまでもありません。  政府は、この条約批准についてどのように考えられるのか、国内法整備の問題点等について、厚生大臣にお伺いをいたします。  最後に、医療費改定財政対策についてお伺いいたします。  本改正案によって構造的な政管健保の累積赤字千六百億円を五十二年度単年度で解消しようと考えておられるようでありますが、しかし、また一方で、来年度医療費改定について懸念がされております。これをどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  もし改定があるとすれば、被保険者負担がさらに強化されるおそれがあり、とうてい容認することはできません。これに対してどのように対処されるのか、厚生大臣の所信をお尋ねいたします。  以上、申し上げましたように、本法案は、その内容において問題点が多く、しかも抜本改正を怠ったものであり、わが党は撤回を主張し、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣福田赳夫登壇
  23. 福田赳夫

    内閣総理大臣福田赳夫君) 私の医療対策に対する基本的な姿勢いかん、こういうお話でございますが、私は、老人がひとしく健康で豊かな生活を享受し得るよう、あるいは年金におきましても、あるいはサービスの向上におきましても、また医療問題におきましても、最大限の努力をいたしていきたい、それが基本的な考え方でございます。  なおまた、そういう基本的な考え方に基づいて、医療制度の根本的改正がなされないままに、今回の財政対策のみが先行するのはいかがなものであるかというお尋ねでございますが、これは、先ほど申し上げましたように、根本的対策は対策として、五十三年度にこれを実現いたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。しかし、政府管掌健康保険など多数の組合の財政状況はそれを待ついとまがない、こういう窮状でございますので、ぜひとも本案に御賛成願いたい、かように存じておる次第でございます。  それから、社会保険審議会の答申を無視した今回の保険料徴収は問題ではあるまいか、こういうお話でございますが、審議会の答申につきましては、これを十分に検討し、また、できる限り尊重する方向で対処したつもりでございます。  ただ、改正事項のそれぞれ個々の問題につきましては賛否が分かれるというようなものもありましたけれども、当面の財政状況に対処するための緊急措置の必要性につきましては御理解を願っておる、そういうふうに認識しております。  また、厚生保険特別会計法の借り入れ制限規定の緩和を図るべきではないか、こういうようなお話でございまするが、健康保険財政、これは非常にむずかしい問題です。そういう健全財政主義を貫く上におきまして、どうしてもこの制限規定は必要である、これは保存をいたしたい、こういうふうに考えております。  また、医療供給のためのマンパワーの確保、また適正配置、こういうようなお話でございますが、これは、私はそのとおりと考えます。賛成です。従来とも救急医療対策、僻地医療対策、それから医療施設の整備医療従事者の養成、そういうことに努力をしておりまするけれども、なおこの上とも努力をいたしたい、かように考えます。(拍手)     〔国務大臣渡辺美智雄登壇
  24. 渡辺美智雄

    国務大臣渡辺美智雄君) 平石先生にお答えをいたします。  一部負担引き上げは受診抑制になるのではないか、あるいは早期治療の妨げともなるのではないか、引き上げ幅が少し大き過ぎるのじゃないか、こういうような御質問でございます。  御承知のとおり、過去十年間、初診時の一部負担というのは二百円、それから入院時の一部負担は一日について六十円ということでございましたが、いろいろ諸般の情勢を勘案いたしまして、在宅であっても食事もすることでもあるし、そういうふうな観点からすると、財政難の折から入院時一日二百円は最小仕方ないのではないだろうか、こういうようなことで実はそのように決まったわけでございます。  この十年間に患者一件当たり医療費というのは、昭和五十一年で約三・六倍になっておりますし、それから標準報酬も十年間に四・二倍になっておるというような点から考えますと、今回の一部負担三・三ないし三・五倍の引き上げ、これはわれわれとしてはやむを得ないところである、こう考えまして御協力をお願いするようにしたわけでございます。  次には、船員保険につきましても、これは国庫の補助というものを定額でなくて定率制にしてはどうかという御質問、御意見でございます。  今回は船員保険について保険料引き上げを行わないことにいたしておりますが、いろいろ問題、議論のあるところでございます。国庫補助の現在の六億円をふやせというのは非常に各方面からございまして、これは定率がいいのか定額がいいのかという問題、これらについては今後とも船員保険実情を踏まえて十分に検討してまいりたい、かように考えております。  それから傷病手当の問題につきましては、御承知のとおり、現行傷病手当金給付水準は標準報酬の六〇%というようなことになっております。今回の改正案におきましては、きわめて厳しい財政事情のもとではございますが、傷病手当については、被保険者の御要望、障害年金の支給の開始時期、こういうものを考えまして現行六カ月から一年半に延長するということにしたわけでございます。  また、老人医療について五十三年度に所得制限の強化、有料化を図るか、こういうことにつきましては、この老人医療問題、これは医療問題のいろいろな問題を抜本改正をする上において非常に重要な地位を占めるものでございますので、専門家の懇談会等において十分に検討を願い、その御意見に従って老人医療の充実に努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  医療保険の統合についてどう考えるか、これも非常に根本問題であります。なかなか、総論賛成だけれども各論になるとそう簡単にみんなが賛成といかないような、非常に大きな問題を含んでおるわけであります。したがって、これは、医療保険制度全部を一緒に統合するということは、当面すぐにできるものというふうには私、考えておりません。非常に困難である。しかし、理想的な一つの考え方であることは間違いない。したがいまして、この機構の根幹に触れる問題でございます。しかしながら、統合はできないまでも、各保険の組合間に給付のアンバランスがあるというようなことをそのままにしていいというわけにはなかなかいかない、これも事実であります。したがって、そういうふうな格差を是正するとかして、仮に統合までいかないまでも、その理想的なものが実現できるために一前進、二前進できるような方法をとってまいりたい、かように考える次第でございます。  ILO百二十号条約の批准の問題でございますが、この問題につきましては、実はまだ批准しないわけでございますが、これは傷病手当金支給期間の問題、ほかにその保護対象の範囲、つまり、まだ日本では五人未満はやっておりませんけれども、それを五人未満をやれとか、あるいは経済人口の七五%を含めるというようなことなど、国保ではそれがそこまでいっていないようなこと等もございまして、これはいろいろ今後とも検討を進めてまいりたい、かように考えております。  医療費改定の問題につきましては、これは五十一年の四月、歯科については五十一年の八月に改定を行ったところであります。次回の改定の具体的な時期につきましては、中医協の審議状況等も関連をいたしまして、現段階では未定でございます。  報酬の改定を前提としての財政負担の問題等は、現段階で申し上げることができない状況でございますので、御了解いただきたいと存じます。(拍手)     —————————————
  25. 三宅正一

    ○副議長(三宅正一君) 米沢隆君。     〔米沢隆君登壇
  26. 米沢隆

    ○米沢隆君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に関し、その問題点を指摘しながら、総理並びに厚生大臣に質問を行いたいと思います。  さて、まず第一に、政府の今後の社会保障充実策についての基本方針についてであります。  御案内のとおり、わが国の社会保障制度は、その歴史も浅く、制度的には曲がりなりにも万端整っているかに見えますけれども、実際にはその保障機能を十分果たし得ておりませんし、またその保障給付水準も、高度成長時代を経た今日においてさえ、対国民所得比率九%という数字が示しておりますように、依然として欧米先進諸国のそれの二分の一にも満たない低水準の状況にあります。  こうした低福祉水準に対する国民の不満や改正要求あるいはまたその改善策についての問題指摘は、毎国会ごとにたびたび議論が重ねられてまいりましたが、残念ながら、これまた政府の社会保障に関する理念と政策と、何よりも意欲の欠落によりまして、かかる対策が遅々として前進していないのが現実の偽らざる姿であると言わねばなりません。(拍手)  その上、近時このようなわが国の福祉の低迷の上に、低成長経済や不景気ゆえの財政難という難問が重なってまいりました。それゆえ、社会保障政策もまた、先進諸国の福祉水準へのキャッチアップの要請とはうらはらに、これまでの高度成長時代の安易な甘えからの覚せいが求められ、その厳しい情勢の中でこそ、着実な前進を目標として、新時代に対応する確固たる福祉ビジョンのもとに、新しい政策の確立が待たれておりますことも事実であります。  しかしながら、いま福田内閣がこのような時代的要請に便乗して、近い将来において老人医療無料制度有料化の改悪を加えるとか、児童手当制度の撤廃が云々されるごときは、いわゆる福祉内容を後退させることによって今日の財源難を乗り切り、そして福祉の見直しを実現せんとしているこのような姿勢は、まさに低成長便乗型の福祉の逆行現象であり、われわれとしては断じて容認できないところであります。(拍手)  総理の施政方針の中には、「真の福祉社会は、福祉の心に裏打ちされてこそ初めて成り立つ」と格調高いくだりがありますが、あなたの福祉の心は、かかる姿勢のどこに見出されるのでありましょうか。もし、あなたが福祉の心を口にされるならば、いかに低成長時代に直面したとはいえ、今日のわが国の経済力の現状に照らせば、福祉向上の目標は、決して経済的、財政的理由によって後退を余儀なくされるものであってはならないはずであります。したがって、このような時代にこそ福祉の向上増進につき将来のあるべき目標を設定し、国民的合意を形成しつつ計画的な前進が図らるべきだと確信をいたします。  福祉の中心とも言うべき社会保障については、従来まで何ら計画化がなされておらず、全く政府の恣意的な行き当たりばったりの判断にゆだねられてきたところに、わが国の社会保障が向上しない根本的な原因があるのではないでしょうか。(拍手)  かかる観点から、まず第一に、これから先、高成長なき経済あるいは財政難が展望される中で、社会保障制度の充実について、政府は今後どのような基本方針で臨まれるのか、その姿勢について総理の所信をお伺いしたいと思います。  同時にまた、政府は、この際、早急に社会保障五カ年計画を策定され、所得保障制度医療制度、社会福祉政策の確立など、社会保障全体のナショナルミニマムの確立とその着実な、そして計画的な推進を図るべきであると思いますが、総理並びに厚生大臣の前向きの見解をお聞かせいただきたいと思います。  次に、医療保障の抜本的な見直しについてお伺いをいたします。  御承知のとおり、わが国の最大の社会問題の一つに、いわゆる国民の健康と命を守るべき医療制度実態が、荒廃の一途をたどっているという問題であります。御案内のとおり現行制度のもとでは、一方では、先ほどるる出ておりますように、三時間待って三分診療という現状があり、他方においては、三千地区にも及ぶ無医地区の存在など、医療供給面での極端なアンバランスの問題、また看護婦不足など医療担当者の慢性的な人材難も著しく、かつ、予防からリハビリテーションに至る一貫した医療保障が確立されていないなど、多くの問題が山積いたしております。まさに保険あって医療なしというのが悲しい医療の現実であります。  さらに、いわゆる薬づけ医療と言われるようなものへの批判は薬害への不安を醸成し、国の薬事行政に対する不信はかつてない高まりを見せてその対策が急がれておりますし、技術軽視の診療報酬体系の矛盾も早急に是正すべき課題の一つであります。いまさらながら、かかる医療荒廃を放任してきた政府責任の重大さを指摘しなければなりません。  いまこそ、現行医療制度におけるすべての矛盾や不備な点を抜本的に改めて、国民が安心して医療が受けられる国民本位の医療制度を確立すべきときであります。  四十二年以来歴代の自民党政府は、再三再四にわたり医療制度の抜本的な改善に着手する旨を明言しながら、いまだに約束は履行されておりません。  政府は、医療保険制度につきましては、来年度に抜本的改革案を国会提出することを約束いたしておりますが、あわせて医療保障制度全般にわたる抜本的改革、その実現のための具体策を約束どおり提案すべきであります。それをベースに、ひいては医療保障基本法の制定に努力すべきであると思いますが、総理の明快な所信をお伺いしたいと思います。  また、厚生大臣には、本来あるべき医療あり方をどう考え、どのような方向を目指そうとされておるのか、聡明なる大臣にはもう基本的認識は固まっているはずでありますが、いかがでありましょうか。また、特に医師の薬剤多用化の傾向や医薬分業がいまだ進展していない問題と技術軽視の診療報酬体系の適正化の問題は相互に絡み合っている問題でありますが、当面どのように改善されるおつもりか、これもあわせて御答弁をいただきたいと思います。  次に、医療保険制度の抜本的改革についてお尋ねをいたします。  医療保険における最大の矛盾は、先ほどから言われておりますように、制度が多岐に分かれ、その制度間に著しい格差が存在することであります。たとえば保険相互間の給付負担の格差の問題、被保険者と被扶養者の給付格差の問題をどう是正するのか。また傷病手当金などは、共済が八割給付であるのに対し、健保は六割、国保の場合は任意給付であって、いまだに給付できない実情にあります。  このように、先進諸国においては例を見ない制度による国民の差別的措置は早急に是正すべきでありますが、今後どう取り組まれるか、その方針を示していただきたいと思います。  次に、退職者医療制度に関し答弁を求めます。  御承知のとおり、現行制度では健保加入者は、定年退職しますと、再就職によって再度健保に加入する場合を除き、健保の被用者保険の家族となるか、国保の被保険者になるかということになります。この場合、いずれにしても現行では給付水準が大幅に低下し、自己負担が増大をいたします。多年にわたり多額の保険料を納めてきた健保の加入者が、病気にかかりやすくなる年齢になると低い給付しか受けられないのはまことに不合理であります。また、国保の立場からは、これまで国保財政に何ら寄与してこなかった高齢者を抱えざるを得ないために、老齢者医療の急増に伴う財政の窮迫に直面しているのが実情であります。  したがって、この際、定年退職後も老人医療が受けられるようになるまでの間、退職前の健康保険が継続適用される退職者医療制度の創設を図るべきだと考えますが、これについての政府見解はいかがでありましょうか。  次に、出産の給付改善につきお尋ねいたします。  ILO百二号条約では、妊娠、分娩の場合は一部負担を認めず全額保障を定めております。しかし、わが国の場合は、被保険者の分娩費の最低保障額及び配偶者分娩費は十万円であり、実費の全額支給でないために一部負担が残っております。  したがって、政府はこの際、ILO条約の基準を満たすよう、出産の現物給付化を実現すべきであると思いますが、その見解を求めたいと思います。  さて、わが国にあっては、いわゆる国民保険体制が確立されておると言われますけれども、最近とみに、今度は保険あって保険なしと言われる傾向が顕著になってまいりました。すなわち差額ヘッド、付添看護料といった保険外負担が拡大し、患者生活を大きく圧迫いたしておることでござ一います。  差額ベッドについては、厚生省調査では総ベッド数の一八%にすぎませんが、実態はこれを大幅に上回っております。(拍手)たとえば健保連の調査によりますと五一%にも達しており、医労協の調査によれば、私大病院に至っては八六%が差額ベッドであると、驚くべき実態が明らかになっておるのであります。  こうした実態を正しく把握されて、差額ベッドの廃止または規制の強化を徹底すべきであると思いますが、政府方針を明らかにしていただきたいと思います。  同時に、付添看護についても患者負担を避ける措置をず講べきではないでしょうか。強く政府に要望をいたしたいと思います。  さて、私はるる問題点を指摘をしてまいりましたが、こうした現状をいたずらに放置し、長期的展望を持たないままに、ただ数字合わせの応急的な赤字対策に終始しておられる政府に強い不信を持つ一人であります。今回の法案も、国民的合意のないままに、安易な国民負担増による単なる財政赤字対策にすぎないものだと断ぜざるを得ないのであります。  最後に、私は、特別保険料徴収を撤回されるよう強く要求いたします。  特別保険料徴収は、当局はあくまで緊急避難的措置と言われますけれども、例によって例のごとく、制度の見直しの困難さを理由に、明確な歯どめ措置さえとられぬようになるととは必至でありまして、その上国民の新しい大幅な負担増、それに引きかえ制度改革は置き去りにされるこの厚かましさ、任意適用の組合健保と強制適用の政管健保との負担上の不公平の拡大の増加など、これは制度の根幹に触れる重大な問題を含んでおります。  私が申すまでなく、社会保険審議会の多数意見も反対の立場を明確にいたしており、社会保障制度審議会においてもにわかに容認できないとして反対の答申を行っております。こうした答申を無視し特別保険料を設定することは、暴挙と言うよりほかに言葉を見出し得ません。  政府は、国民の声と答申を尊重され、一部負担金改悪部分はもちろんのこと、特別保険料の設定、そしてその安易な考え方を含めて撤回すべきであります。いかがでありましょうか。当局の見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣福田赳夫登壇
  27. 福田赳夫

    内閣総理大臣福田赳夫君) お答えいたします。  高度成長が終わっていわゆる低成長時代になる、そういう際における社会保障政策に対する考え方いかん、こういうことでございますが、私は、低成長時代になる、そういうことになりますと、財政が非常に窮屈になると思うのです。高度成長時代には、経済成長の速度が速いわけでありまするから、まあ世の中の小さい弱い立場の人もそれに均てんするという傾向がありましたが、低成長時代になりますと、そういう傾向が非常に薄れていくと思うのです。そういうことを考えますと、低成長時代におきましては社会保障政策に格段の配慮をしなければならぬ。つまり、国民総生産における配分、これは社会保障にだんだんだんだんとシェアを広げていかなければならない、こういうふうに考えるのであります。  そういう考え方のもとに諸政策を進めてまいりますが、大事なことは、先ほど福祉の心というお話がありましたが、私は、それだと思うのです。やはり国民全体の中にお互いに助け合おうというこういう心、福祉の心、特に老人に対しまして、老人を大事にしましょうという心がこれは満ち満ちてくる、そういう中で初めて制度も生き生きとそのねらうところを発揮するんじゃあるまいか、そういうふうに思うのでありまして、どうか相協力いたしまして、老人を大事にする心を推し進めていきたいものだ、かように考えます。  それから、社会保障五カ年計画を樹立すべきではないか、そういうお話でございますが、私もかねがねこのことを考えておりますが、しかし、なかなかこれはむずかしい問題である。長期計画ができるといいなあ、こういうふうに思っておるのでありますが、鋭意検討いたしております。厚生省で検討を進めておりまするが、その検討の結果を見て対処をしよう、こういう考え方でございます。  それから、医療保険制度改革についての基本的な考え方、こういうお話でございます。このことにつきましては、先ほど川本さんにも平石さんにも申し上げたとおりでありまして、五十三年度を目途といたしまして、基本的な、総合的なこれらの諸制度の改革を行いたい、かように考えております。  それから、今回の健康保険法、特に特別保険料を撤回せい、こういう御意見でございます。御提案ではございますけれども、いま保険財政が、本当にもうその運営が妨げられるというくらい窮極に至っておるわけでありまして、臨時、緊急の措置として、ぜひひとつ御賛成を願いたい。お願いを申し上げます。(拍手)     〔国務大臣渡辺美智雄登壇
  28. 渡辺美智雄

    国務大臣渡辺美智雄君) 米沢議員にお答えを申し上げます。  総理とあわせて、医療保障制度について抜本的な見直しが必要ではないか、こういうお尋ねでございますが、総理からお答えのとおり、医療体制を含んだ医療制度そのもの、これについては、年々いろいろな医学の進歩に相応して、医療機関整備等も行って、いろいろ改善もし、予防から治療、リハビリテーションというようなものを一貫して体制の整備を行っております。  それと同時に、医療制度の一環である医療保険という問題につきましては、各種の保険制度がございますが、これらについては、全体的な見直しを行ってまいりたい。  また、医療基本法の制定ということについては、昭和四十七年に国会に上程して廃案になったといういきさつもございますので、現在のところ、再提出ということは考えておりません。  次に、医薬分業をどういうふうに進めるかということでございますが、医薬分業の問題は、戦後かなり長い間言われておる問題でございますけれども、一言うべくしてなかなかむずかしい。一つは、日本人がやはりものぐさというのですか、お医者さんに診てもらって一緒にお薬をいただきたいという長い間の習慣等もございます。患者の利便という問題も考えなければならない。それからもう一つは、長い間医薬分業をやっておらないために、薬剤師さんの方、つまり薬局の方でその受け入れ体制というものが必ずしもきちっとできておらない。  一長一短ございますが、やはり医薬分業をするという方向に意義があるわけでございますので、薬剤師の調剤研修、こういうようなもの等もいまやっております。それに、特にやはり医師会と薬剤師会が話し合いの上で医薬分業をやるということが一番いいことでございまして、長野県の上田市などは日本一じゃないかと思うのでありますが、話し合いの上で医薬分業が進んで、処方せんの三〇%以上も実は分業化されておるという点がございます。  そういうようなことでございますから、これにつきましては、今後とも関係者の間の積極的な話し合いを行って進める、こういうふうにしてまいりたいと考えております。  それから、医療報酬体系の整備というような問題につきましては、これは今後とも中医協等の意見を聞いて適正に進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  なお、医療保険制度における負担格差、給付内容の格差、各保険間にあるわけでございます。先ほども申し上げたとおりでございまして、これが格差の是正ということについては、今後とも抜本見直しの中で鋭意努力をしてまいりたい、かように考えております。  それから、退職した人の保険制度、つまり、いわゆる退職者医療保険制度とでも申しましょうか、これにつきましては、制度の仕組み、それから退職してからの負担をどうするのかというようなことが一つの問題点であります。また、老人保険だけを全然各保険から取り出して別なものにするかというような考えもほかにございます。いろいろと専門家等の意見も聞いて、これについても、ともかく退職をした人が安心して医者にかかれるような、いわゆる老人医療制度の一環としての充実という点については引き続き検討してまいりたい、かように考えております。  出産給付改善というような点でございますが、これは御承知のとおり医療保険における分娩費の現物化についてはいろいろ問題がございますもので、慎重に検討をしておるところであります。  異常分娩については、当然疾病として扱っておるけれども、その他のものについてはどういうふうにやっていったらいいのか、現行制度の問題もございますし、どの程度に評価するかということ自体がまたいろいろむずかしい問題がございます。  なお、いまは十万円を出しておるわけでございますけれども、それよりもはるかに何倍ものところもあればそれ未満のところもあって、いろいろあるわけです。したがって、これらの問題については今後とも慎重に考えてまいりたい、かように考える次第でございます。  保険外負担の解消につきましては、でき得る限り解消に努めてまいるつもりでございます。これも保険負担の問題あるいは医療内容の見直しの問題とからめて、やはり本当に重症とか長い間の病気になった人が安心して医者にかかれるということを重点に考えていくべきではなかろうかと思っておりますが、専門家の意見も十分に尊重してまいりたいと私は考えております。  以上でございます。(拍手)     —————————————
  29. 三宅正一

    ○副議長(三宅正一君) 浦井洋君。     〔浦井洋君登壇
  30. 浦井洋

    ○浦井洋君 私は、日本共産党革新共同を代表して、健康保険法等の一部改正案について、総理大臣並びに関係閣僚に質問をするものであります。  本法案の特徴は、健康保険赤字だからと称してボーナスからも保険料徴収するなど、不況とインフレにあえぐ国民に一方的に負担増を押しつける国民生活破壊の悪法であります。しかも、今日の相次ぐ公共料金の値上げの中で、これが強行されると国民生活全般に深刻な影響を及ぼすことは、火を見るよりも明らかであります。あまつさえ、初診時、入院時の一部負担金をそれぞれ三・五倍、三・三倍に引き上げるということは、国民の受診機会の抑制をねらうものであり、まさに医療保障制度の後退をもたらす大改悪であります。  そこで、私は、政府管掌健康保険財政赤字の原因と責任について政府がどのように考えているのか、まず最初に尋ねておきたいのであります。  もともと、中小企業に働く低賃金の労働者を対象とした政府管掌健康保険は、財政基盤が弱い上に、政府財政経済政策の失敗によって生じた戦後最大といわれる不況の長期化やインフレ、労働者の賃金の抑制により、保険料の収入見込みが減少し、財政の困難が一層深まっておるのであります。しかも、政府が、大資本優先の政策で国民生活の圧迫と環境破壊を進め、十人に一人は病人という高い有病率をつくり出し、予防、公衆衛生やリハビリテーション医療の拡充強化などの対策を怠ってきたことも保険給付の増大の大きな要因であります。  このように保険財政赤字が累積されたのは政府責任であるにもかかわらず、何の責任もない労働者国民赤字負担を押しつけようというのは、全く許すことができないのであります。  総理並びに厚生大臣は、一体政、管健保の赤字の原因についてどのように考えておるのか、ひとつ十分に納得のできる答弁を求めるものであります。  第二に、本改正案は、その提出経過から見て、無理を押し通し、道理を踏みにじろうとするものであると言わざるを得ません。総理諮問機関である社会保障制度審議会においても、特別保険料について、たとえ時限的措置としても、にわかに容認することはできないときっぱりと明言をしているのであります。また、医療を担当する日本医師会も、初診時、入院時一部負担の値上げは根拠のないものとして反対するとともに、政管健保の赤字は構造的なものであり、根本的にメスを入れよと言っておるのであります。  いま、国民が期待をしておるのは、小手先の財政対策の繰り返しではなく、いつでもどこでも十分な医療が受けられるよう、医療体制の改善と、医療保険制度の改革のための根本対策を打ち出すことなのであります。政府がいわゆる抜本対策を公言してからすでに久しくなっているのでありますが、今日に至ってもなぜその案を国民の前に示さないのか、総理、厚生大臣の明確なる答弁を私は求めるものであります。(拍手)  私は、続いて、保険財政を圧迫する大きな要因について尋ねたい。  その一つは、薬剤費の問題であります。  深刻な不況下にもかかわらず、製薬大企業は国民保険に寄生をして、製造業平均の三倍もの利益率を上げるという大もうけをしております。それだけではありません。薬価基準と実勢価格の間に大きな開きのあることは、自治体病院でも、その価格差が二五%にも達するとみずから発表しているところから見ても明らかであります。  政府がこうした異常な事態に根本的なメスを入れて、仮に薬価を一割引き下げたとしても、五十一年度の政管健保の薬剤費としての給付は七百三十億円も減少をし、これだけで、五十二年度政管健保の赤字見込み額二百二十六億円の数倍にもなるのであります。  しかし、不幸にして、事態は逆であります。政府がこの面での適切な対策を怠り、放置をしてきたために、保険財政赤字が累積したばかりではなく、薬害による国民の被害が、今日きわめて重大な問題になっているのであります。  政府は、独占薬価を引き下げるのは自由経済のたてまえから問題だというようなことを言っておりますが、そもそも薬価基準とは、国民の拠出した保険料によるところの薬剤等の購入価格であり、他の普通の商品と同一に扱うことのできない、いわば当然社会的規制を受けるべき性格のものであります。(拍手)すでにアメリカやフランスでも、医療費増大を抑える重要な対策として、政府がこれに介入をしておるではありませんか。  私は、いまこそ政府が市場価格に基づいて薬価を決定する方式から、製造原価に基づいて適正な価格を定める方式に改めるべきであると思いますけれども、厚生大臣にその意思があるのかないのか、ひとつ明確な答弁を求めるものであります。(拍手)  さらに、最近の新しい問題として、高度医療機械の導入問題があります。  これらの機械の開発、導入は、国民医療の向上に役立つものである半面、一台数億円にも上る巨額の費用を要するものであり、無制限な導入は結局は医療保険財政にはね返ってくるものであります。高度医療機械を真に国民医療に役立つものとするためには、国公立、民間医療機関を問わず、その適正な配置、効率的な利用について、いまから適切な対策を講ずることが必要であると思います。この点、政府の対策をこの際尋ねておきたいのであります。  次に、私は、国民の健康を守り、医療改善をするために、国民が求めている当面の切実な問題について、政府見解を伺います。  その一つは、保険が適用されておらない高い差額ベッド料や付添料の問題であります。  政府調査でも約二割の病床でベッド料が徴収されていますが、実態はもっとひどく、それが七割を超える病院もあります。こうした現にある膨大な差額ベッドは、特別の場合を除いてすぐに改めさせるべきではありませんか。  そのためにも、医療機関が、患者から保険外の自己負担分や薬剤の差益に依存をせずに経営を安定させ、国民が安心して医療を受けられるように、政府は直ちに診療報酬を適正に引き上げるべきだと思うのでありますけれども、政府にその見解を求めるものであります。  第二に、救急、僻地など、医療保険では対応し切れない不採算医療といわれる分野こそ国公立病院が率先して取り組むべき性質のものではないでしょうか。  そのためにも、国公立病院の独立採算制をやめ、不採算医療を担当するところの民間病院に対しても財政上の援助を行うべきであります。また、休日、夜間など、初期診療体制については、現在大きな役割りを果たしておる開業医の協力も得て、当面人口十万人に一カ所の休日夜間診療センターを設置することを具体的に推し進めるべきであると思いますが、政府の対策を伺っておきたいのであります。  第三に、最近、政府は、財政難を福祉にしわ寄せをし、その一つとして、老人医療有料化検討しているというふうに聞きますが、私は、このような改悪は、断じて認めるわけにはまいりません。  総理は、来年度以降も有料化しないと約束できるのかどうか、ひとつこの際、明確な答弁を求めるものであります。  第四に、保険料については、現在の労使折半の負担を改め、労働者負担を減らすようにすべきであります。  政府は、労使折半が定着しておると言っておりますが、組合健保では、実質上労働者四、企業主六となっております。国際的に見ても、フランスやイタリアなど、労働者よりも資本家がはるかに多く負担しておるのが常識になっております。  政府は、労働者三、企業主七の負担割合に改める意思があるのかないのか、あるいはまた、その際、中小企業主が負担増とならないように、国が援助をする意思があるのかないのか、これも明確な答弁を厚生大臣に求めるものであります。  経済の高度成長政策が破綻をして、長引く不況と激しいインフレの中で、国民生活不安が深まっておるいまこそ、社会保障、医療体制の充実が切実に求められておるのであります。私は、この際、真に安心をして医療を受けられるようにという国民の願いに逆行するような本法案を、総理が勇気を持って撤回されるよう要求をして、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣福田赳夫登壇
  31. 福田赳夫

    内閣総理大臣福田赳夫君) まず、保険財政がこのように悪化した根本原因は何かというお話でございますが、これはオイルショックに伴う経済不振、そういうことから保険料収入が伸び悩んだ、こういう点、それに反しまして、医療内容高度化してくる、それから人口構造老齢化してくる、そういうような理由によるもので、政府の施策の失敗であるというふうには考えておりません。  それから、今回の改正法案は両審議会の答申を無視しておる、こういう話でありますが、これは無視しているわけではないのです。その趣旨を十分取り入れておる。改正事項の具体的なそれぞれにつきましては、賛否を含めましていろいろの意見がありましたが、財政上緊急の必要性がある、このことにつきましては御理解があった、こういうふうに考えております。  それから、老人医療、来年度以降はどうなんだ、こういうお話でございますが、これは老人医療全体につきまして検討中であります。医療制度全体につきまして検討中であります。その検討の中で老人に対し手厚い配慮をする、これはもちろんであります。  それから、この法案を撤回せい、こういうお話でありますが、累次申し上げておるとおり、これは撤回はいたしません。御賛成のほどをお願い申し上げます。(拍手)     〔国務大臣渡辺美智雄登壇
  32. 渡辺美智雄

    国務大臣渡辺美智雄君) お答えをいたします。  赤字の原因等については、総理大臣から御説明がありましたから、省略をさせていただきます。  わかりやすく一つの例を言えば、たとえば、入院の一部負担が六十円で十年間据え置き、実際には保険ではその何倍ものものが医療機関に支払われているということになれば、これは当然赤字になるわけですから、そういうようなことも大きな原因の一つであるということをつけ加えさせていただきたいと存じます。  それから、この赤字政府責任で解消しろということでございますが、政府といたしましても、政府管掌保険には一四・八%の定率の補助を出しております。そのほか、百三十億円ことしは計上をすることにしております。ですから、約三千百数十億円という金を政府が出すわけでございまして、決して政府として金を出していないというようなことはございません。普通の組合保険等については八億円しか助成をいたしておりませんが、これには三千億円から助成をしておるということを考えていただきましても、やはり政府管掌保険というものが財政力が弱いということを考えて、三千億円からの金を補助しているのだということを御理解いただきたい、かように考える次第でございます。  それから、薬価基準の問題でございますが、薬価基準で、自治体病院等は二五%もいまの薬価というものは実勢価格と乖離があるではないか、こういうようなことで、これをもっと下げたらいい、私もできるだけこれは下げたいと思っているのです。しかし、これは中医協等で申し合わせがあって、薬価基準を下げたからといって、その下げたものはお医者さんの技術料に回すというような長年来の申し合わせがあるということのために、それは薬価基準としては下がったけれども、お医者さんの方の技術料に回るということで、財政的にはそのとおりやれば余り関係ないという話に実はなってしまう。したがって、こういうようなもの等については、今後中医協等の意見も聞いて、国民の意見も織り込んでもらうようにしながら、これは考えてまいりたいと思います。  銘柄別収載というものをやるために、すでに薬価の調査も終わっておりますし、高い薬は高い薬のように、銘柄別に、本当に原価に近いものを収載するという制度をとっていくつもりでございます。  それから、高度医療機械、この問題は、浦井先生お医者さんだけにその方を本当にずばりつかれたわけでございますが、やはり高度の医療機械というものは今後かなり普及をしていく、これは間違いないと思います。これは健康保険の方も関係が出てくるのです。しかし、これは必要があって進むものは進むのでございますから、それについては、医学の進歩というものに伴って電子機械というようなものがいろいろ出てくる。この機械の開発導入というものを進めておる。われわれは、この医療機械というものが非常に地域の健康に有効に働くという場合については、現行の助成制度を通じ、今後とも適正にその配置等についてうまくいくように協力をしてまいるつもりでございます。  それから、保険外負担の問題については、先ほどもございましたが、でき得る限りこれは解消していくというのが筋でございます。これも費用負担の問題と、要するに、この医療保険制度の中身の洗い直しというような問題と絡めて、これは解消する方向、解消までもいかないかもしらぬが、保険外負担を極力少なくするという方向に私は最善の努力をしてまいるつもりでございます。  以上で終わりであります。(拍手
  33. 三宅正一

    ○副議長(三宅正一君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  34. 三宅正一

    ○副議長(三宅正一君) 本日は、これにて散会いたします。     午後二時五十七分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  福田 赳夫君         文 部 大 臣 海部 俊樹君         厚 生 大 臣 渡辺美智雄君         農林大臣臨時代         理         国 務 大 臣 長谷川四郎君         国 務 大 臣 藤田 正明君      ————◇—————