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二階堂委員 以上、私は、こういう処置については衆議院議長に対しても適当な措置をお考え願いたいということを私は後日申し入れるつもりでおります。これは許すことのできないことだと思いますから。
もう一点、私は、時間もありませんからお伺いしますが、昨年の八月二十六日の検察庁の検事豊島さんと記者懇において、夕方、私
ども四名が
事情聴取を済ませた、済んだという発言をしておられるということであります。新聞記者の諸君からも聞きました。昨年の八月二十六日。それをまた確認するために、司法クラブの幹事の方が、書いていいですか、いいですよ、
名誉棄損にもならぬということを豊島という広報担当の検事が言われたということが耳に入りました。その晩の十一時のNHKのニュースでは、
灰色高官だと言って私を含めて四人の
名前が全部言われている。そうして経歴も事実
関係も、金も取ったと、こういうことが発表された。そして二十七日の新聞には各紙、各放送、
二階堂外四名
灰色、金を取ったんだ、こういう放送がなされた。私は夜の十一時のニュースを聞いてびっくりいたしました。そういう昨年の八月二十六日までに、私を含めて四人、
検察当局から
事情聴取を受けた事実は全くない。全くないのに、
ロッキード事件を担当している
法務、
検察側の広報担当と言われております豊島さんが、済んだよ、書いてもいいよ。ある人の言によると
名誉棄損にもならぬと言われた。私はこれは確認をいたしておりませんよ。しかし、新聞社の方からそういう情報でございました。だから二十七日の朝刊には全部こういうことが発表されている。でかい活字で、各紙です。全国に、世界に向かって放送もされた。それからというものはこれは大変なことでございました。新聞社の一線の
方々も朝から晩まで、ぼくの私宅にも来られて、六時ごろからベルを押される。隣近所にも聞いて歩かれる。私はえらい被害を、じゅうりんを受けました。それで私は、新聞社にもNHKにも、そういう事実は全くありませんということを何遍も繰り返して言ったが、聞いてもらえない。翌二十七日には
法務省の高瀬検事正が記者会見をされて、これは遺憾であった、そういう談話がそのような記事になるヒントを与えたとするならばまことに遺憾でございました。そして、言わずもがなのこと、そういうことを言っちまったものだから、近く四人については
事情聴取をいたしますということまで言われておる。
捜査当局に当たる
検察側がそういうことを言っていいんですか。何の事実もないことを
検察当局は報道機関に発表して、その以後というものは、八月以来というものは、私は二カ月にわたって大変な
人権と自由の束縛を受けました。侵害を受けました。私の家内なんか東京のアパートに住まっておれなくなって、アメリカの息子のところまで逃げ
出しました。私もホテルに住まわなければならなくなった。私の家内の友人がタクシーに乗った。私はタクシーで着がえのために帰ったことがあります。そのタクシーにわざわざ私の家内の友人が乗ったところが、いまおりたのは
二階堂だ、けしからぬやつだ、車をぶつけて殺してやろうかしらん、こんなことまで言っているのですよ。その友人が私の家内に電話をして、もうタクシーに乗りなさんな、あなたを殺すというやつがおりますよ、こういうことであった。私は限りなき行動の自由を束縛されました。
人権も侵害されました。それから毎日ですよ。ここで高瀬検事正が、それは遺憾でございました。
法務省の官房長が自民党の
法務部会に来まして遺憾の意を表明し、その検事に対しましては厳重注意をいたしましたということを承りました。私は、ないことをなぜ
検察当局はそんなことを言ってこういう発表をされたのか。これはそういう立場になった者でなければわかりませんですよ。朝から五台も十台も一線の記者諸君がつきまとっておる。なぜそんなにするかと言ったら、上の方から命令でございますと言う。私がホテルに行って便所に入ったら、便所の中まで来て、おるかおらぬか確かめる。これはそういうものを受けた者でなければわからぬですよ。そういうことをされたというこの原因をつくったのは、豊島さんという広報担当の次席検事だ。そういうことがあったんですか。新聞が全部書いているんですよ。放送が全部放送しているんですよ。加藤さんもおられますけれ
ども、
事情聴取を受けた覚えはないとおっしゃる。なぜこういうことを
検察当局が事前に、事実もないことを言わなければいかぬのか。そういう姿勢で人の
人権が守れますか。事実があったのかなかったのか。なかったとおっしゃるなら、新聞が勝手にこういうものを書いたということになるのですよ。二十七日の新聞の中には、
事情聴取が受けられていないということを高瀬検事正がしゃべっておりますから、読者に対しては御迷惑をかけましたと書いてある、おわびをいたしますと書いてある。全部の新聞と全部の放送機関が挙げて
灰色だ
灰色だと
説明した。それだから、九月の初旬になって
検察当局から、何とかして
事情聴取、参考意見として意見を聞かしてくれと来られた。私のおるところで、いつでも何時でもいいですからお伺いします、そして
事情聴取も私ちゃんと述べているのですよ、事実についてなかったということを。そんなものは全然無視されておるでしょう。こういうことをやられたのでは、一政治家も、一政党も、検察がマスコミと一緒に組んでこんなことを平気でやったならば、個人の
人権とか、政党とか、一内閣であってもつぶされるじゃありませんか。こういう人がまだ
検察当局のいすに座っているということは、私にしてみれば許すことのできないことだと思いますが、その事実があったのかなかったのか、あったとするならばどういう処置をあなた方はお考えになったのか、お聞かせ願いたい。