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横山委員 この密入国者のほとんどが韓国人であるということ、この八万人の密入国者が現在
日本におる、密入国者の
生活について私もいろいろ知っております。これはもう社会で公然と働くことができません。そして
大阪等の一部に蟠踞しておる。公然と働けないのですから、いろいろな仕事をします。低所得層であります。そしてそれが
犯罪の温床だと必ずしも申し上げることはできませんけれども、少なくともそれに近い条件下にある
人たちであるということは、もうだれも首肯せざるを得ないことであります。したがって、国内で
犯罪を犯したときに逮捕することもさはさりながら、八万人の密入国者が現にあって、年々歳々韓国から、特に済州島から密入国があって、検挙数は減っているのですけれども、ようつかまえられないのかもしれませんから、密入国者が減っているという証拠にはならぬのであります。これは根本的にいろいろな角度から考えなければならぬと思います。
一つは、いま
局長が言われたように、韓国
政府にもっと厳重な取り締まりをしてもらわなければなりません。済州島対策を特別にしてもらわなければならぬとも思います。
それから八万人の密入国者が現に
日本にある。何かの
関係で交通事犯をやった、何かのときにひっかかる、そこで密入国者とわかるということになっていくわけであります。それを逃げるために、彼らはまた別な手段を講じてひき逃げだとかいろいろな問題に発展をしていくわけであります。
こう考えますと、現におる八万人を逮捕すること、あるいは
調査することもさはさりながら、一体、いつまでたっても密入国者として処理をしていいものかどうか。ある時期になって、
日本に定着をした、そして生業をやっておるという者については、みずから名乗り出るように、自首をするように指導することも必要であって、その自首によって審査をし、できる限り公然たる立場を与えてやることが
犯罪を防止する一つの方法ではなかろうかとも思います。
それから、いま私が指摘したように、何にしても入国警備官が少な過ぎる。圧倒的なイナゴの大群が来るのに、人間が人力でイナゴを一匹一匹つかまえているような
状況を私は思わざるを得ないのであります。私は、入国管理局の仕事についてはいろいろこの
機会に
調査をしたわけでありますが、まだいろいろ問題があるけれども、この密入国、あるいはまたここ二年来ふえてまいりました
ベトナム難民、そういうような問題に対処できない機構、運営になっているのではないか。思いを新たになさらなければなりません。
それからもう一つ、
局長が言及をされたのでありますが、入管令の問題があります。この入管令の問題は、私どもがかねがねあのときの
政府案に反対をしてまいりました。それは条件が私どもと違うからであります。私どもは、あのような南北を差別しないで、もうこの際一本の入管令をつくったらどうかというのを基本原則として考えているわけであります。南北両朝鮮のいろいろな違いはありましょう。けれども、この南北の扱いの違いというものが入管の仕事を複雑にしておると私は思うのであります。そしてまた、その中から南北両朝鮮人の
諸君の反目あるいは競争、そういうものが生じておるわけでありますから、この際、これは政治的な決断、判断が必要ではありますけれども、入管令は、四回流れた経緯をも踏まえてひとつ新しい立場に立った方がよろしかろう。これはさきの
法務大臣が私どもに言われたことがあります。それは、もうとにかく四回も流れたのですから、この際与野党コンセンサスの案をつくってもらえば
政府ものんでもよろしい、こう大胆な発言をされたことがあります。そういう点から考えますと、何も私どもが言っておることはおわかりのことだと思いますから、思い切った南北両朝鮮人の平等な立場という立場に立った物の考え方を基礎にしてお考えになったらどうか、こう考えているわけでありますが、これらの点について、次官並びに
局長の御
意見を伺いたいと思います。