○
金子(み)
委員 私は昨日の
調査の一員となりまして
調査をさせていただきました。もちろん、一日の
調査でございますから、十分目的を達成するということなんかはむずかしいと初めから
考えておりましたのでございます。
現地へ参りまして、私
どもは東京におりまして、
消費地におりますので東京における
状態がこうなのだということは理解いたしておりましたけれ
ども、
産地でどのような
状態になっているかということについての認識がございませんでしたのが、あちらに参りまして、
現地の
方々に直接
お話を承ったり、あるいは
消費者の方たちから
お話を聞いて、そのことが東京における
状態と変わらないということに非常にびっくりいたしました。そういうことが一つ。あるいはそのほか、私
どもが承知しておりませんでした新しい事実も勉強することができまして、大変によかったと思っております。いま一つは、いろいろな
関係者の
方々の陳情を伺ったり、御
報告を伺ったり、あるいは御
意見を聞いたり、
要望を聞いたり、
実情を聞かしていただいたりしておりますうちに、何かよけいに頭の中が混乱してきたような
感じがいたします。非常に糸が乱れたようなかっこうでございまして、一つもすっきりするところがないということがわかってまいりまして、これは大変なことだというように思ったわけでございます。そのことをきょうここで解明することができるなどとは思っておりませんけれ
ども、その事態を少し御
報告申し上げながら、私は、これからの
対策の問題、いますぐ手をつけなければならない問題というのがございますので、それについて当局の
方々の御
意見を伺いたい、お
考えを聞かせていただきたいというふうに
考えるわけでございます。
東京の
状態と
産地塩釜の
状態とが決して違っていなかったということについて、実はいろいろ
数字がございますが、その
数字を一つずつ申し上げておりますと時間がかかりますので、省略いたしますが、たとえば
北洋物が高いというのは、もうみんなが一様に
考えている。その
北洋物が高いということは、いろいな
資料の中に
数字がございますからここでは省きますけれ
ども、
北洋物が高いことに便乗した
感じで、近海物、いわゆる大衆魚と言われているアジですとか、イワシですとか、サバですとかというものまでもが非常に
高値になっているという問題、これは非常に大きな問題だと思います。これは二百海里の
漁業協定の問題が長引けば長引くほどパニック
状態が起こるのではないかということは、素人の人たちも想像はしていたわけですね。それが今日その
状態が起こりかけてきているということについて、
地元の
方々は異口同音に、手の打ち方が遅過ぎるじゃないか、いつも
政府は
対策が
後手後手になる、ということのふんまんをまずどなたもぶつけていらっしゃったわけです。
それはそれといたしまして、いま近海物の
値上げの問題を申し上げたわけですが、たとえばこれは
塩釜の
消費者の方が出していらっしゃった
数字ですが、昨年の五月とことしの五月と比較しておるのです。アジが一本九十円だったものが百三十二・八円となっている。四七・五%の
値上がりということです。イワシは二十三円だったのが二十九円になって二五・九%。これはみんな一本でございます。それから、サバが一本二十六円六十銭だったのが三十三円三十銭になって、これは二五・二%の
値上がり。さらに、サンマを申し上げれば一本八十四円十銭でしたのが百十三円九十銭、三五・四%の
値上がり。こういうふうに、幾つも幾つも挙げられておりますけれ
ども、近海物の小売
値段がこのように
値上げされているという問題でございますね、これは何とか解決していかなければならない問題だというふうに思うわけです。
それで、なぜこういうことになるのかということなんですが、なぜこういうことになるのかについては、いろいろなその間における
価格の操作の問題があるだろう、あるいは
先ほど来
お話を伺っておりましてもわかりますが、基本である
北洋物の
漁獲量が少ないから値が上がるというふうな大変に常識的な御答弁があったようですけれ
ども、必ずしもそうでないという問題は、後ほど私もまた
説明をさせていただきたいと
考えております。
その前にひとつ申し上げておこうかと思いますのは、実は
塩釜に参りまして、私自身は一つ目的を持っていたのですが、その目的が、十分ではございませんでしたけれ
ども、何となくにおいがするところまでつかむことができたものが一つございました。それは、要するに、魚の
値上がりの操作に関する一つの方法でございますが、
流通の問題でございまして、いわゆる魚転がしとかキャッチボールとかいろいろ言われておりますが、この
関係があるいは
魚隠しとの
関係で何かありはしな
いかということを思うわけでございます。
塩釜港の
調査をさせていただきましたらば、
水産加工団地の冷凍庫を見せていただいたわけです。いま長官が防寒具を用意したとおっしゃいましたが、私
どもは防寒具がございませんでして、普通のままで入っていきました。短い時間で入ったわけでございましたけれ
ども、しかし、私はその入ったときに
倉庫の中は満杯だと思いました。というのは、冷凍
倉庫というのは、天井まで積み上げてぎっしり詰めたのでは冷凍庫の
意味をなさないので、大体六〇%ぐらいまで荷が入っていればそれで満杯と解釈するのだというふうに専門家の人から聞いております。そういたしますと、昨日見ました
倉庫の中は、まさしく満杯だなというふうに見えたわけでございます。
かなり高く積み上げてございました。
いま一つおかしいと思いましたことは、冷凍庫の中に幾つも積み上げてありますものの中に、どこから来たという魚の表示のありますものもありましたけれ
ども、小麦粉の袋に入ったものが大分積み上げてありました。日清製粉の小麦粉の袋です。それから、よく標識は見えなかったのですが、段ボール箱に積み上げてあるものもございました。そのいずれもが中に何が入っているのだかわからないわけです。後で聞きましたら、あれは全部魚だ、こういうふうにおっしゃったのですが、それならその標識をなぜ外につけておかなかったのか、つけてないのか。あるいは日付も何も書いてありませんでした。どこから来たものだということも書いてないわけです。そのことを後の
懇談会で質問いたしましたら、魚はむき出しで置いておくと傷がつくから、廃物利用したのだ、こういう言い方をしたのですが、さらに追及する時間がございませんでしたから、おかしいというふうに思いながらそのままにいたしてございますが、そういう
状態がございましたことです。
それからいま一つは、その
倉庫の前に折からちょうどコンテナが到着しておりまして、そのコンテナの中から荷物がおろされていたわけです。そのコンテナは、稚内の松田産業というところから送り届けられてきたスケソウの
すり身でございます。これが、日付を見ましたら五十二年一月十四日、同じく一月十五日の日付のものなのでございます。きのうは五月の二十三日でございます。それで、そのことについて
説明を求めました。そうしましたら、
説明をしてくださいました組合長の方のおっしゃるには、本来ならば一月の日付のものならば大体二カ月か三カ月までの間に来ているはずなんだ、ところが、ないないと言っていままで一つも送ってこなかったのに、いまごろになってからこんなにどかどかと送りつけてくる、こういうふうに申しておりました。そういうことを聞きますと、私
どもは何かここに
魚隠しと申しますか、出荷の操作をしているのではないかということが
感じ取れるわけでございます。したがいまして
値段にしましてもこの
冷凍すり身は二十七万円、これは去年は十二万円であったもの、これは地上分です。洋上分でございますと三十万円になる、こういうわけです。大変な
高値でございます。
こういう実態を見まして私はやはり何となくにおいを
感じたわけでございまして、決して何も操作はしていない、材料が少ないから
値上げになったのだということだけにはならないんじゃないかというふうに
感じたわけでございます。そのことをきのう見まして
感じました。
それから、それと関連をいたしまして、その
流通の問題としては、ほかにもたとえば指図転送などというやり方があるということも聞いております。これは
市場に直行させないで、指図された
大手商社の
倉庫に直行させる、こういうやり方をしております。あるいは本来送りつけるべき目的の
市場には途中で荷を振り分けてそして量を少なくして送りつける。こういうようなやり方があるということも聞いております。あるいは、
先ほども出ましたが、ひもつき船ある一船買いとか洋上買いとかという言葉を使っておられるようでございますが、船ごと
大手の商社が
買い占めて、そしてそっくりそのまま商社の冷凍庫に入れてしまう。したがって、荷は
市場には出てこない。結果として生まれるものは品不足、こういうふうになる。それで品不足にして、品不足だから値が上がるのは仕方がない、こういう言い方になるわけですね。こういうふうなのはすべてつくられた品薄だ、こういうふうに
考えられると思うのでございますが、こういうような
流通機構のあり方、きのうの
懇談会のときにも発言をしておられる
業者の方がございまして、要するに、
流通機構というのは、縦に
流通機構があることは正常だけれ
ども、横の
流通機構みたいなものがつくられてしまっていることは問題なんだ、こういうふうに言っておりました。
この
流通の問題について、このような実態があることを御承知でいらっしゃると思うのでございますが、このような実態をどのように改善するように御
努力があっておられるのか、あるいはこれからしようと思っていらっしゃるのか。これからでは後手になって間に合わない、手おくれの形ではございますけれ
ども、しかし、これからでもしないよりはこれからの問題を解決するためには役に立つというふうに
考えられますので、どういうふうにお扱いになるおつもりでいらっしゃるか、あるいは過去に何をなさっていらっしゃったかを聞かせていただきたいと思います。