○
平泉委員 いま
長官の御
答弁、私、大変に意見一致しているのですよ。ぜひそういうことを推進していただきたい。やはり
日本の
食生活は明治以来非常に混乱してきたということを私は非常に感じます。ことに戦後は欧風
生活というものが非常に入ってきたわけですが、その中で本当に自信のある
食生活というものをわれわれは見失ってしまう。そのために
価格の点でも大変アンバランスが生じたり、あるいはそれを無理やりに何とか押し込めようとするために事実上いろいろな問題があります。たとえば具体的な例を申し上げますと、
わが国のソーセージというものは、一体、中に詰まっている肉は何かということを調べてみる必要があるわけです。これはソーセージという食品がヨーロッパにあるから、あるいは
アメリカにあるから
日本でもなければならぬ。それはある
程度の妥当な範囲でなければならぬということになると、今度は質が違ってくるわけですね。これは羊頭を掲げて狗肉を売るという言葉がございますけれ
ども、
わが国の
食生活にはそういう色彩が非常に出てきておる。
わが国のハンバーガーというものは、オール・ビーフ・ハンバーガーはほとんど見当たらない。これもやはり羊頭を掲げて狗肉を売るということになってくる。
やはり私
どもそういう
国民生活の
実態というものをもう少し正面から見て、そうしていま
長官がおっしゃったように、本当の
日本の
経済の
現実というものを見据えた
情報を
国民に提供し、その中でコンセンサスがそろっていきませんと、私は農林水産の方の常任
委員でございますけれ
ども、どうもこれから先の
日本の農業政策について
国民のコンセンサスを絶えず得ていくためには、よほどの努力が必要じゃないかと私は思います。
そのためにも、まず
日本人の
食生活はいかにあるべきかということについて大いに公論を巻き起こしていただきたい。そうでないと、何か表面を糊塗した中でだんだん不満が高まってくる。いま
現実に、私、かなり広く選挙区の
皆さん方に頼みまして、実際に晩御飯に食べていらっしゃる献立をずっと
調査いたしておるのであります。
相当広く聞いて回りますと、大変
皆さん苦労をした献立をしておられる。それから先日も青果
市場に私
ども参りましたときにも、見ておりますと、どうも
野菜の
品質についての感覚が大分私は変わってきていると思うのです。
わが国のトマトというものはたとえばどういうものなのかということも、一度調べてみる必要があると思います。確かにトマトをグリーンハウスで年間を通じて栽培できるということは、農民の所得というものを考えますと非常に大きな技術開発ではございますけれ
ども、その中で、それではトマトというものはどういう味のものかということになると、恐らく本当の
認識とは変わったものが
市場に出回って、それしか手に入らなくなってきておるというような
現実、そういう中を見据えまして、やはり本当の質というものと一致した
食生活の
現実、これをわれわれは本当に
調査をしていただき、またわれわれもそういうことについての
認識を深めて、その中で
長官がおっしゃったようなジャパニーズ・ウエー・オブ・ライフですか、
日本式
生活のあり方というもののコンセンサスをそろそろ打ち立てていかなければならぬということを本当に痛感いたします。
いま大事なことを
長官おっしゃいましたけれ
ども、大豆にしても、いま
わが国は恐らく九〇%輸入でございますから、やはり輸入原料をもとにしたジャパニーズ・ウエー・オブ・ライフですが、ただ、そういうわりあいに安価なものを
中心として、
日本では
食生活の
値段のコストを引き下げることができるのだという例として
長官はお示しになったんだろうと理解いたします。まあ
エンゲル係数のある範囲内で質の高い、なるほど
日本ではこういうものをこういうふうに食べていれば、おいしくて栄養価値のあるものを実質的に食べられるのだなという辺のコンセンサスづくりというのは、私はいまの段階の
日本で、また国際的にこれをアピールしていかなければならぬだろう。
日本はなぜ農産物品についてこのような貿易政策をとっているのかということを、本当に世界の
市場ではっきりと答えなければならない状態にいま来ておるわけでございます。そういうときにその辺が非常にぐらついておりますと、豪州の牛肉問題を初めいろいろな問題、絶えず閣議の席で
長官も大変御苦労だと思いますけれ
ども、そういう問題があるわけでございますから、ぜひお願いをいたしたい。
私、
食生活だけを申したようですけれ
ども、実はきょうはいきなりの時間でございましたので、
皆さんとも十分連絡、打ち合わせもできず、余り
意味のない問答になってはいけませんから、問題点だけちょっと先にお願いをいたしておきたいのであります。
国民の貯蓄性向の問題ですが、これもこの
国民生活白書で非常に取り上げておられるわけです。そこで、先般
経済企画庁長官と松下幸之助氏との間で論争が行われた。これは私、紙上で拝見をいたしたのでありますが、さすがに
長官は非常に大事な問題を論じておられると思いました。また松下幸之助氏もなかなかおもしろい議論をしておられる。
そこで、
御存じのとおり、
わが国のGNPというものがどういうふうに使われているかという段階で、
日本では非常に貯蓄性向が高いのだ、個人
消費はいわゆる欧米諸国とは非常に違うのだ。そこで、その貯蓄というのはどういう形になるのだという問題について、投資物件はどうなっているのか、この辺
一つ大きな問題があると思うのです。
国民は長い間貯蓄をしてきた、国債を買った、郵便貯金に貯金をした、さらには銀行に定期預金を
たくさん積んだ。貯蓄の行った先についての
統計がございますが、圧倒的に銀行あるいは郵便貯金にそういう形の定期性預金という形で行った。そういう金は何に使われているのか、そういうことで循環しているわけですが、どうやら高投資、高成長の時代が変わってくるという
認識の中で、この貯蓄性向というものをどういうふうにこれからわれわれは考えていったらいいのか、それをどういうふうに
国民経済の中で考えていくべきか、非常に大きな問題があると思うのですね。その辺をめぐって、この間、
長官はあの中で論争をおやりになったと思いますが、大きな問題だと思います。これが一点。
もう
一つは、これはとても御
答弁の時間をいただけないかもしれませんけれ
ども、私、先ほど衣食住と申しましたが、
国民の住
生活の問題。先般のロンドンの首脳
会議で、外国側からは
わが国の住
生活についての批判が
相当出ている。
経済企画庁あたりで純粋にこの問題に取り組んだ
白書をぜひお願いしたい。
食生活白書と住
生活白書をお願いしたいのですが、そのポイントは、土地の売買、家賃、あるいは家を建てたりすることのために行われる貯蓄、あるいはそれを今度は借りてきて金利を払う、そういうセクターに大変大きな金が流れていくわけでありまして、
経済もそちらの方に大きく影響を受けるということが
国民経済の中でどういう
意味を持つのか、
日本の
経済発展、
経済生活というものをどういうふうにゆがめているのか、その辺、真っ正面に見据えなければならない段階ではございませんか。
私は、この二点がこれからの
日本のことを考えますときに特に大きな問題だと思いまして、一例を申し上げたわけです。私は、この二点に非常に問題意識を持って、これから
物特の場で、あるいはほかの
委員会の場でお伺いしてまいりたいと思いますけれ
ども、もう時間がございませんので、さしあたって問題提起という段階で
長官の御意見を承らしていただきたいと思います。