○
津川小
委員 きょう、農協の人たちの要求大会がありましたし、すでに私たちもきのう米麦の
価格について
政府に申し入れしてありますが、私たちきょう出てみまして、農協の要求しておる
米麦価は十分支持することができると思いますので、
政府においてもあの要求に一〇〇%こたえるようにひとつ
要請して、次の問題に入っていきます。お米です。
米は、農民の懸命な
努力、
政府の指導もありましたりして、
生産量は
昭和三十七年にそこいらが限界かと思ったら、また
生産量は上がっております。それから
農業労働の
生産性も向上しておる。日本
農業の中心が米であって、米を中核にして複合
農業経営も展開されているし、また低賃金にあえいでいる労働者に生活を保障しておるものとして、米をこれだけつくる技術が進んだために、そこに兼業が行われる。ここで低賃金を補っている、こういう形での兼業を可能にしている。これは非常にいいことだと思います。ますます米というものに対する施策を強めていかなければなりません。
ところが、これで困っているのが米の余り、繰越米、こういう
状態になってきたわけであります。いいことが私たちを苦しめておる。そこで、米についてこれだけのいいことを他の
農産物に実施したならば、たとえば基盤整備にしてもそのとおりであります。そこに深い思いをいたすわけであります。余り米、過剰米、繰越米、近く青森県の農民団体が、全量買い上げしないのは法律違反だという訴訟を起こす、これは当然だと思います。米の全量買い上げは当然だという前提、これは要求してきょうは
議論しません。
そこで、余っていく米をどうするかという点、
消費について言うならば、とにかく私たちは、国民の嗜好、これは何よりも大事な人権として尊重しなければなりません。パンを食べている人の口の中にお米を押し込むわけにはいきません。これは大きな前提です。だが同時に、不当に米の
消費が抑えられている向きがありはしないか。たとえば学校給食、ある大企業の工場の昼飯時間二十分、これではお米のものを食べたくても食べられないでいるという
状態がある。こういう
状態を取り除いていく、不当に抑えられた米の
消費を取り戻すということを
一つの前提としていって、そこで自主開田も進む一転作からまた返ってくる。転作をやっていても、野菜はだんだん少なくなっていく、飼料作物も少なくなってくる、こういう状況なので、農民が喜んで自主的に米からほかのものに転換していける体制を速やかにとらないと、私たちは大変な
状態になると思います。この点を先ほどの
懇談会のときも話しましたけれ
ども、私たちは、強い心配を持つ、ここに大きな関心を持つと同時に、
農政をそこにひとつ集中していかなければならないと思います。
そこで、他の
農産物に農民が転換する場合、まず問題なのは、
価格です。大豆つくって、十アール当たり七万ぐらいになりましょうか。小麦つくって、いろいろな
生産調整費だとか奨励金だとか団体のやつを出して八万ぐらいになりましょうか。お米をつくって四百キロやっていくと十三、三万になっている。これでは、麦に転換せよ、大豆に転換せよと言っても無理です。これはひどい人権じゅうりんの押しつけになります。そこで、どうしても農民が喜んで他の
農産物に転換できるように、
価格保障をやることが第一の問題です。
私たちはこの間試算してみて、去年の
予算で言うならば、いまの
予算にさらに四千八百億円追加するならば、米から他のものへの転換を可能にせしめる米並みの労働報酬を保障できるんじゃないか。国の
予算で言うならば、一〇%落ち始めた
農林予算というものを一五%ぐらいのところに持っていくならば、私たちはこの点で投資は有効的になると考えている。過去におけるあの余り米を処理するための一兆円などというむだな
経費は使わないで済むんじゃないか、こういうことなんです。したがって、一の
質問は、他の
農産物の
価格保障をどうするかということ、これが第一の
質問です。
第二の
質問は、米から転作するについても、土地基盤の整備が必ずしも十分でない。特に灌排、排水の問題、これが完全にやられているならば、かなり転換が可能である。現在そういう灌排事業が三〇%しか行われていない。
ところで、一番おくれている灌排事業は、国営よりも県営がおくれている。県営よりも団体営がおくれている。稲作から畑作に転換するとすれば、主としてその対象面積になるところがこういう団体営の土地基盤整備で、ここのところをかなり重点的に施行していかなければならぬ。土地改良の立ちおくれというものがいま問題になっている中で、土地改良の立ちおくれを回復する第一の出発点は、団体営のそういうものでなければならぬ。特に、兼業
農家がやっておる小さな面積の稲作に対して、ここいらでの土地基盤整備がおくれているので、兼業
農家がそこから転作するのにもかなり困っている。したがって、ここの点の方策を第二としてお伺いします。
第三の問題は、大豆にも小麦にも共済
制度が試験的に行われておりますが、稲作に比べると共済
制度が段違いです。したがって、ここいらにもなかなか転換の及ばないところがありますので、たとえば共済
制度などというものを稲作並みにやっていくという形のものが、稲作のいいところをしっかりと踏まえてそこに近づけていくということ、そこを越さしていくということが、いま問題になっておる、心配になっておるお米というものの根本的な解決になって、米のいいところを生かしていける、こういう政策だと考えております。
この三点について、
お答え願います。