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稲垣委員 いま私の選挙区の大先輩である
中野四郎先生が
イネミズゾウムシの
被害が非常に拡大化されたことを憂えまして緊急
防除対策のことにつきまして質問されましたが、私も実は現地をよく視察し、現地の
農民の声を身近に聞きました者の一人といたしまして、ぜひ
農林省を挙げて真剣な熱意を持って
対策を講じてもらいたいということで質問をしたいのでございます。
私は、五月十四日の土曜日でございますが、
愛知県家武地区、また額田郡の幸田町の須美地区の
農民の人たちより、
イネミズゾウムシが物すごい勢いで、去年も大変だったけれ
ども、ことしもまたどえらい調子でふえておる、この調子でいくとことしは虫害で大変なことになってしまう、適確な薬剤もないままに推移しておることはまことに遺憾だし、
農民の米づくりに対する生産意欲がなくなっては大変だということで、真剣な陳情を実は受けたわけでございます。そしていまのうちに、とにかく初期的な段階で思い切った絶滅をさせるという
対策がなければならない。いわゆる緊急
防除対策をしてほしい。しかもそれは
農民の負担でやるということになると、もう少しやりたいけれ
どもお金がかかり過ぎて米の値段に比して農薬代がうんとかかってしまうというようなちゅうちょがあってもいけない。やはり思い切った
措置をするには国の全額負担で、しかも初期的な段階で——聞くところによりますと、
成虫が山やあるいはあぜ道のところへ出てきまして卵を生みつける。そして
幼虫にかえるのがちょうど
田植えが終わった後でございますが、その
幼虫が根を食ってしまう。そのときが一番
被害が大きいし、また薬剤の散布をするときはそのときが一番よく効く、こういうようなことでありますので、いまのこの初期的な段階で国の費用で思い切った
防除をしてもらいたい、そうすれば食いとめることができる、こういう現地の切実なる生の声を私受けたのであります。早速現地へ参りまして、たんほの中を長ぐつを履いて見てまいりました。そのときとったものは大分稲が枯れてしまいましたが、これは私が最初に採取したのでございます。実は私きょう質問するということで、きのう現地へそう言いましたら、これまた
農民の方から、いま生きておるそのままのを持ってこられました。これは非常に封をよくしておるというのは、この虫自体は雄はいないようです。雌だけで単体で生殖をして繁殖するということでありますから、この一匹がもしそのあたりへ逃げてしまうと大変なことになりますので、私自身もいまこれを持ってくるのにも非常に厳重に管理をして、注意をしているわけでございます。
私がたんぼの中へ入ってまいりましたときにびっくりしましたのは、どの苗を見ても少ないのは一、二匹、多いのは五ないし七匹ついておりまして、この分で計算するとこれはえらい数字になるなと思われてならないのであります。昨年からことしにかけてどんな推移の模様かとお聞きしましたら、昨年
発生確認実面積は七百三十ヘクタールである。そして今年知多
地方と西三河
地方、すなわち知多
地方では半田市、常滑市、知多市、阿久比町、美浜町、武豊町、西三河では西尾市、幸田町でありますが、作付予定面積は七千四百十九ヘクタール、現在まで、五月十八日現在で
田植えが終わったのが千九百一ヘクタールでございますが、そのうち
発生程度別面積でまいりますと非常にはなはだしい。つまり、一株取ってみると必ず一匹おるというのが二百二ヘクタール、五株ぐらいに一匹おるのが、多とするものが三百四十二ヘクタール、中
程度という十株に一匹ぐらいおるのが五百四十八ヘクタール、それから百株当たりに一匹という
程度のもの、少といいますが、これが三百二十二ヘクタール、合計千四百十ヘクタールでございますから、これを積算しますと
田植えの済んだところの
発生率が七五%になるのですね。そうしますと、ことしの作付面積をずっと計算すると三千四百ヘクタールに拡大化されるのじゃなかろうか、こういう予想がうかがえるわけであります。去年の七百三十ヘクタールに対して三千四百ヘクタールですから実に五倍という恐ろしい増殖ぶりであります。そういうことを考えてみますと、どうも先ほどの質問並びに答弁を聞いておりますと、まだまだ悠長に研究をしながらということでいいような感じがしておるのですが、とてもそんなわけにはまいらないと思います。
先日、私も
農林省に訴えまして、
農林省は事の重大さを感じていただいたのか一週間後の五月二十一日現地を
調査されたのであります。大変お忙しいところを来ていただいたのでございますけれ
ども、私もたまたま現地で皆さんと会いまして、
農民の人たちの真剣な声を聞きながらどうしたらいいかということを現場で感じながら皆さんと一緒に
調査をしたのでございます。そのときに
農民の悩んでいる姿をごらんになって、現地へ行かれました
植物防疫課長さん、また担当の
局長さんはどう感じられたか、まずこの点についてお聞かせを願いたいと思うのでございます。