○岡田(利)
委員 特に根釧、天北、これが北海道の酪
農地帯の乳量
生産でいえば七五%を超える
一つの指標というものはすでに出されておるわけですから、そういう
意味で考えますと、すでに一般の
地域においても草地造成、そして経営面積を広げるという
意味では、いいところはもうすでに着手されておりますから、概して湿地帯が多いわけであります。そういう
意味では湿地
酪農なんという言葉も実は
現地で生まれておるわけであります。それだけに泥炭地帯における草の研究というものはこれからもきわめて重要な位置を占めるわけであります。
聞くところによりますと、天北
地区でこの開発
調査に当たって一応の研究がなされたということもございますけれ
ども、広大な根釧
地域ではそういう専門的な泥田地帯における草の試験研究機関というものはないわけであります。これは
八郎潟のように
圃場をつくって国で進めるのか、あるいは県に対して補助をして積極的にこういう研究を進めるのか、いずれにしてもこれは重要なポイントだと思うわけです。一方、
政府は緊急粗飼料対策でその
政策を展開いたしておるわけでありますから、この部面が欠落しては
政策が欠けているといわなければならないと私は思うのですが、この点についてどういう対応策があるかというのが第一点であります。
第二点の問題は、御
承知のように北海道は補助率でも他の
地域より五%高い。また北海道というのは非常に広い
地域で、気候も違うわけです。特に草地
酪農を考える場合に、草は普通根釧であれば反収三・五トン、今度の設計でも四・二から四・六という数字を出しておりますけれ
ども、残念ながらいま根釧では反収は三・五トンが平均であります。一方十勝においては、若干一部の
地域がありますけれ
ども、六トンが平均である。あるいは網走一般では六・二トンぐらいになっておる。言うならば草の反収は倍ぐらい違うわけですね。そうしますと、たとえば永年牧草地を更新する、二十万円で五〇%補助金を出す。十勝では一町歩やればいいところを根釧では一・八町歩やらなければならない。もちろん補助金も高いけれ
ども、
農民の負担も高い、こういう実態にあることを十分
農林省は御存じだと私は思うわけです。そうしますとこういう
政策を進める場合に実践的な過程においてこの点がその実態に即応して配慮されなければならないということは当然ではなかろうか。そういう
意味でこの点についてどのような
考え方を持っておられるかというのが第二点であります。
第三点は、これは北海道開発庁にお聞きすることになると思いますけれ
ども、交換分合が進められておるわけでありますが、特に二百海里時代における根釧、天北の農用地開発、こういう問題意識が、
計画を進め
事業を進める場合に常になければならない時代に入ってきた。御
承知のように西別川、清丸別、風蓮川あるいは士別川、その他幾多の小河川がありますけれ
ども、全部サケ・マスのふ化河川であるわけです。今度の
公団設計では河川に百メートルずつ林地をつくって河川の汚染を防止する、こういう設計がなされておりますけれ
ども、この
地域全体についてどう対応するか、このことを解決しないでこの酪近の目指す
方向というものは実現できない、私はこう思うわけであります。もちろん附帯決議では林地の活用という問題があります。そうしますと天北の
地域は林業と
農業とそれから水産業、いわばわが国の一次産業というものをどのように共存的発展の
方向を目指しながら問題を組み立て、解決をしていくか、この視点が二百海里時代に特に強く要請をされるし、そういう
意味で
農林省という省で一まとめになっておるわけでありますから、そういう立場からすれば
対象区域だけではなくして総合
地域的にこれらの
一つの地図をつくる、
調査をする、こういう積極的な姿勢がなければならないと私は思うわけであります。もちろんこの中には百間の防風林というものがある。これは一体百間必要なのかどうかという問題もあるでしょう。あるいはまたたとえば防風林地帯をつくらなければならない地帯もあるかもしれない。こういう点でかつて
農業地図をつくるという話が黒澤
先生からありましたけれ
ども、私は
酪農専業型のこういう
地域の一次産業の共存的発展の
方向を目指して新しい
調査と企画を立案すべきだ、対応策を立てるべきだ、こういう
考え方があるのですが、ひとつこの三点について御答弁を願い、総括的に次官から私の
意見に対して答弁をいただきたい、こう思います。