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馬場(昇)
委員 いまいみじくも言われましたように、これは明らかに
高度経済成長政策時代に考えた
一つの
企画なんですよ。だからいま言われましたように、新しい二百海里
時代で
沿岸漁業をどう
振興しなければならないかという新しい緊急な
課題が出てきたわけですから、そしてまた
高度経済成長政策時代は終わったわけですから、これは当然この時点で再検討すべき
課題であろう。いま、どう調和するかということで再検討したいというようなことを言われましたけれども、これは本当に再検討しなければならぬ
課題であろうと思うのです。
そこで、具体的な話の
前提にもう
一つ聞いておきたいのですけれども、
開発というものは、何といっても
地域住民の
理解と納得なしには行ってはならないし、行う筋合いのものでもない、こういうぐあいに思うのです。そしてこの
諌早湾の
干拓を考えてみますと、これは
有明海全体に大きな
影響を与える、そして貴重な海を失う、また自然破壊にもなるということは明らかであるわけでございます。先ほど言われた、この湾内の十二漁協が二百四十六億八千万で
漁業権の放棄をしたということは私も知っておるわけでございますけれども、
諌早湾を締め切るということは何も湾内十二漁協に関する問題ではない。これは明らかに
熊本とか
佐賀とか
福岡の漁民にも
関係するのです。そういう
意味で、
福岡とか
佐賀とか
熊本、こういうところの漁民の納得は得ておるのかどうか。
熊本県の漁連は
佐賀、
福岡の漁連と連絡をとりながら、やってはいけないという抗議運動を起こそうとしておるのです。また
佐賀の
有明海の漁連会長も、こういうことをされたら海流や腐泥物の堆積で大変なことになる、そういうことは干潟で
干拓をした歴史で明らかだということで
反対をしておるのです。
端的に聞きますが、
熊本、
佐賀、
福岡の漁民の賛成は得ておるのかどうか、どういう話をしておるのかということが第一点です。
第二点は、漁民とともに県民全体に
影響を与えるわけですから、県民を代表した
熊本の県知事、
佐賀、
福岡の県知事は何と言っているのか、もう納得をしておるのか。私が聞いたところによりますと、
熊本県知事は、まだ
熊本県の漁民の了解も受けていない、そういう漁民の了解を受けられないようなものは
工事に着工してもらっては困るとはっきり言っております。そして、
干拓による
有明海の
漁業資源、海流への
影響、こういう
調査も十分
実施していない、その資料もまだ私のところには全然来ていない、こういうことも言っております。そして、
海域が狭くなるわけですから、こういうことをすると
漁業の秩序も混乱をするのだ、現にいまでも
長崎の漁民が
熊本県の
海域を侵犯して、被害を出して非常に困っておるのだ、そういうことがこれをやるとさらに進む、こういうことを
熊本県知事ははっきり言っておるわけでございます。
そこで、漁民の了解を得ておるのか、あるいは三県知事の了解を得ておるのか、三県知事はどう言っておるのか。先ほども言われましたのですけれども、この問題は決して
長崎県だけの問題ではなしに、広範な
地域にはかり知れない
影響を及ぼすわけですから、一
地域の問題でないわけですから、いま言いました
関係漁民並びに県知事との
交渉状況、その向こうの考えを明らかにしていただきたいと思うのです。