○島田
委員 農業者年金から質問をいたします。
昨年に引き続く
改正でございますから、昨年もかなりの議論が行われましたし、また、けさからも問題になる点がそれぞれ浮き彫りになってまいりましたから、かなり二番せんじになるところもあると思いますが、多少だめ押しをする
考えでお尋ねをいたしますので明快にお答えをいただきたいと思います。
魅力のない
年金ではないかというのが、けさから質問に立った者の一致して
指摘をしているところであります。昨年もそういう
指摘をいたしました。その点については魅力がないのではなくて、われわれのPRが足りなかったのだという反省も述べられているわけです。果たしてそうでしょうか。昨年から、
任意加入ということで、
学割りの三十五歳までの
後継者の
加入制度を新設されたわけです。報告によりますれば二十万人ほど
加入者があった、こういうことであります。
しかし昨年、わが党の野坂君がかなり力説をいたしましたのは将来展望、つまり、いまはこうだが、将来すそ野の広がりから
年金制度というのは安定する、そういう目安とか方向が示されれば、われわれは現行のやり方に対しても長い目で見守ろうじゃないかという
趣旨の発言もなされておるわけであります。
私はこの一年間、特に
経営移譲年金が昨年の一月から
支給に入りまして、受給者のいろいろな
意見や感想な
ども聞きました。賛否いろいろあります。また注文もあります。全体的には長谷川
大臣が言っておりますように大変喜ばれている、こういう点は私は否定するつもりはございません。ただ、それでは果たして、ないよりはましだが魅力のある、将来ともこの方がうんと安心して
加入していくことができるのだというふうにお
考えですかと聞くと、そういう点については早速イエスという返事が返ってこない。
つまりそれは、いまも幾つか神田
委員からも
指摘がありましたが、せっかく掛けても銀行や郵便局に積んでおく金利よりも低いようなそんな給付額にしかなってないというのでは、やはり二の足も踏むし、ためらいもする。せっかくつくってくれているのであればもっと将来喜べるような
制度に改めてほしい、こういう率直な
意見が返ってきます。これは私はきわめて素朴な受給者のあるいは被保険者のお
感じではないかと思います。かく申す私も、
農業者年金の
加入者であります。しかし、どうも生命保険よりも何だか損だ、余り得でないという
感じがいたします。そこは、
制度の発足から根本的に
考え方が違うところから出発しているからまあ仕方がないのだというふうに割り切ってしまっていいの、だろうか。
この
制度が発足いたしましたいまから六年前に、時を同じくしてわが党は
農業者年金の
制度化に対する議員立法を国会に提案いたしました。私はそれを比較してみますと、当時これは、自画自賛するわけではありませんが、非常に
年金制度というものの将来を見通した、いまの
農業者ばかりではなくて、
年金そのものの中身に対して幾つかの問題提起を行っている、そういう
評価すべき提案であったというふうに実は思っています。
きょうは、ここでPRをする
考えはございません。そういうものを十分頭に置かれて、
局長は今後の
年金制度について、たとえばさっき、
経営の従事者である婦人の
加入、とりわけ奥さんは、どっちかと言えば
経営主よりも農場に出て働く時間と
期間が長い、これは何人も否定し得ないところでありますが、こういうものについては御
意見があるから秋口ごろに
研究会を開いて
検討するというところまでは
考え方を示したから、私は重ねて追い打ちをかけるような質問にするつもりはありませんけれ
ども、大事なこれからの
農業者年金、あるいは将来われわれが主張しております漁業者
年金なんというものも
検討がなされるとすれば、家族ぐるみで働いて、奥さんも息子の嫁さんも同じように職場をともにしているという立場から言えば、これはもうあすからでも
検討に入るべき
課題ではないかと思うのです。ですから、そういうものを
一つ一つ指摘をしてまいりますれば、どこが魅力がない原因になっているかという点がほぼ明らかになると思うのです。
そこで、いまのことに
関連をして
一つ二つお尋ねをします。魅力のない
年金になっているという点で大変大事な柱は何かと言うと、
制度全体が、
農業者年金は
完全積立方式で他の
年金は
修正積立方式という形の違いがございます。これも含めて魅力ある
年金制度に改めていくための幾つかの問題提起はすでにいままで行われてきましたので、整理をする
意味でひとつ、この
制度をそのままにしていく
考え方はないということを言い切られたのですから、そうであるならば、どういう点を整理して、今後どういう時期にこの
制度を改めていくというお
考えをお持ちなのか、この辺をちょっとお尋ねをしておきたいと思います。