○島田
委員 それでは次に移ります。
次は、てん菜と沖繩のサトウキビをめぐります問題について、主として
生産段階における若干の問題について
お尋ねをしてまいりたいと思います。
実は、これも先月の二十六日に、甘味資源審議会が開かれました。その審議会の意見書なるものが建議という形で大臣に出されてまいりましたのを、私は一部写しをいただいております。この甘味資源審議会の出されました意見を中心にして若干の
質問をいたしたいと思います。
第一の点は、私は前回の本
委員会における
質問の中でも、甘味資源審議会というのは、数ある審議会の中で大変前向きの審議会である、こういう評価の仕方をいたしました。果たせるかな、今度出されてまいりました建議、三項目にわたりますが、これを見ますと、わずか一日の短い時間でありますけれ
ども、相当真剣に
議論がなされたということを容易にうかがい知れる建議の
内容になっておるというのは、大変私は喜ばしいことだと思うのであります。問題は、いままでも幾度か私は
指摘をいたしましたが、せっかく審議
委員の皆さんが大変前向きに真剣に
議論をし、そうしてその
考え方をまとめて大臣に答申されても、受ける政府側の姿勢に非常に多くの問題を持っているのではないか、こういうふうなことを感じてまいりました。そこで私は、この答申、建議を踏まえて、今後政府がどういう具体的ないわゆる政策を、あるいは行政をお進めになるか、この点をどうしてもきょうはかなり詳細に聞いておかなければならないと実は思うわけなんです。
そこでこの建議の第一項の中にございますが、てん菜、サトウキビは畑作経営における基幹作物だ、その
生産振興を図っていくというのはきわめて重要だ、それは六つの柱がある、こういう
指摘でありまして、第一の点は土地基盤
整備を推進していかなければならない、試験研究機関を充実せよ、またさらに機械化を推し進めていかなければならない、こういうふうに柱を三つ示してございます。いまさらという感はなきにしもあらずでありますけれ
ども、しかしいまさらながらこういう
指摘をしなければならないというほど、甘味作物に対する政府の
対応が、まだ現場において
生産をしている
生産農民の立場からも評価を受けていないということの
一つの裏返しではないかとさえ実は思うのであります。
さらにまた第四の柱として、てん菜については合理的な輪作体系を確立せよと言っております。五つ目は優良種苗の供給体制を
整備強化せよ、これは大変厳しい
指摘であると思うわけであります。最後の六つ目にはサトウキビでありますけれ
ども、台風や災害が非常に恒常的に襲いかかってくる地帯で
生産している
地域の実態としてはまさに深刻な問題でありますが、災害の結果受けた被害の補償
制度というのが非常に待たれる政策の大事な
一つであります。このように六つの点が第一の建議事項の中に盛られているわけでございます。
私は、順序立てて
一つずつ伺いたいのでありますが、「土地基盤
整備の推進、」北海道のてん菜もそうでありますが、とりわけ沖繩のサトウキビの土地基盤
整備というのが、これはずいぶん早いころからいろいろな具体的な要求も出されてまいりましたがなかなかこれが進んでいかない。たとえばわが党は早くからサトウキビの基盤
整備というのはこれは大変重要な、急がれる施策の
一つである、そのために休耕補償というもう
一つの柱をきっちりと打ち立ててやらないといけないということが当面起こってくるが、この点についてはどうなのか、こういういわゆる
指摘をしてまいったのでありますが、なかなかこれが進んでいきません。時間が限られていますから簡単にで結構でありますが、これは所管は畑作
振興課、つまり農蚕園芸局の
仕事だと思うのでありますが、ひとつ
考え方をお示し願いたいと思います。
それから、ついでにそれぞれ所管の
方々に関連のあるところでありますから
お尋ねをしてまいりますが、「試験研究の充実、」ということがございます。私は三年ほど前になりますが沖繩に参りまして、沖繩のサトウキビの試験研究の実態を見てまいりました。研究員の
皆さん方は大変真摯な姿勢で、あの酷暑と闘いながら、しかも恵まれない
地域において、子供の
教育もままならぬというふうな
状態を克服しながらサトウキビの試験研究に全情熱を傾けているという姿を見て非常に感銘を受けてきた一人であります。また北海道においては、民間に委託をされておりましたてん菜の試験研究機関を
国立に移管をいたしましたのも、私が国会へ出てきてからの
仕事の
一つでありまして、いまさら「試験研究の充実、」というようなことが建議されるというのには私はそれなりの理由が
一つあると思うのであります。こういう点について、ひとつ
原局の
考え方を明確にしていただきたいと思うのです。
それから三つ目は「機械化の推進」ということでありますが、これは今日的な課題で言えば機械化というのは大変重要にしてなかなかこれでいいというふうな解決点を見出すことはむずかしいわけでありますが、北海道のてん菜にしても掘り取りの機械、これらは輪作体系というようなものを推進し、それを促進していけばいくほど、機械というものはさらに一層改良が加えられていかなければならないというような期待が
生産者の
段階から上がってくるわけであります。そしてまた、南の沖繩のサトウキビを見ますれば、サトウキビの
対策の中で、実はいただいた資料を見てまいりましたら、サトウキビの、沖繩の問題になりますが、——沖繩ばかりではありません、サトウキビ全体の問題になりますが、実は集中脱葉実験事業というのと収穫合理化緊急
対策事業というのがございます。ところが、これは五十年の
予算で収穫合理化緊急
対策事業は打ち切られて、その後五十一年、ことしの
予算でも要求がされていないわけです。つまり、事業を打ち切ったということになるわけです。それから集中脱葉実験事業にいたしましても昨年で打ち切りで、ことしは
予算の要求をしていないということになるわけです。「機械化の推進」というようなことが実は審議会でも問題になって建議の
内容にも一項起こして盛られているというようなことは、まさにこういう点についての現地の期待を裏切っているではないかということの証拠とも受け取れるような建議の
内容になっているわけでありますが、私は二、三の例をこうやって挙げてみたわけでありますが、これらについても、もっと現地に根差した「機械化の推進」というようなことがやられていかなければならぬのではないか、私はこんなふうに
考えますので、このことについても
原局の今後の
考え方がぜひ伺いたいのであります。
さらにまた、これは農蚕園芸局、特に畑作
振興課が全情熱を傾けててん菜の合理的な経営を推進するための「輪作体系の確立」というようなことを言いました。これはことしから芽を吹きました。大変御苦労でありましたし、私は、これは大きな成果だというふうに
原局の御
努力に敬意を表しましたし、いまも敬意を表しているわけであります。ぜひこれを本当の意味で確立をしていただくということが必要だと思います。これは伊藤
課長やあるいは係の
皆さん方にも具体的には幾度か
お話しをいたしましたから、この点については整理をされて今後私
どもが期待しているような「輪作体系の確立」ができ上がるものと思いますけれ
ども、改めて公式の場でひとつこの点についてのお
考えもお示しを願いたい、こう思うのであります。
それから「優良種苗」、これも同じ課ですから一緒に
お答えいただきますが、「優良種苗の供給体制」というのは、特に「さとうきびについて」と前置きがされております。これは先ほど私が申し上げました沖繩のサトウキビの試験研究所において大変真剣にこの問題にも
努力を重ねられて、一般
生産者のところでは六トン
程度しか取れないサトウキビも、試験圃場では十トンないし十二トンという驚異的ないわゆる反収を上げているというようなことを目の
あたりにしてまいりましたが、この種苗の研究開発についてはかなり進んでいるものと私は受けとめてまいりましたが、それが一般化していかないというのは大変残念なことであります。一体これはどこにネックがあるのでしょうか、その点をお聞きしておきたいと思います。
最後の「補償
制度」は、
経済局長がお見えでございますから、これはまた後ほど別にして
お尋ねをいたしますので、いまの五つの問題について
関係の農蚕園芸局から
お答えをいただきたいと思います。