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1977-04-08 第80回国会 衆議院 内閣委員会恩給等に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和五十二年四月七日(木曜日)委 員会において、設置することに決した。 四月七日  本小委員委員会において、次のとおり選任さ  れた。       逢沢 英雄君    関谷 勝嗣君       竹中 修一君    塚田  徹君       塚原 俊平君    大出  俊君       栂野 泰二君    新井 彬之君       受田 新吉君    柴田 睦夫君       中川 秀直君 四月七日  竹中修一君が委員会において、小委員長選任  された。 ————————————————————— 昭和五十二年四月八日(金曜日)     午前十時七分開議  出席小委員    小委員長 竹中 修一君       逢沢 英雄君    関谷 勝嗣君       塚田  徹君    塚原 俊平君       大出  俊君    栂野 泰二君       新井 彬之君    受田 新吉君       柴田 睦夫君    中川 秀直君  出席政府委員         総理府恩給局長 菅野 弘夫君  小委員外出席者         内閣委員長   正示啓次郎君         総理府恩給局恩         給問題審議室長 手塚 康夫君         内閣委員会調査         室長      長倉 司郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  恩給に関する件      ————◇—————
  2. 竹中修一

    竹中委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  私、このたび当小委員会の小委員長選任されました。はなはだ微力ではございますが、各小委員各位の御協力によりましてこの重責を全うしたいと存じます。各位の御協力と御鞭撻をお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。  恩給に関する件について調査を進めるのでありますが、この際、その進め方について御協議をいたしたいと存じます。  速記をとめてください。     〔速記中止
  3. 竹中修一

    竹中委員長 速記を始めてください。  内閣委員会におきまして、去る第七十八回国会において恩給改善に関する件について決議をいたしたのでありますが、今国会に提出されております恩給法等の一部を改正する法律案を含めて、その後の改善措置につきまして政府当局より説明を聴取いたします。菅野恩給局長
  4. 菅野弘夫

    菅野政府委員 御説明をいたします。  前年の法律が通りましたときの附帯決議と、それから附帯決議はございませんでしたが、昨年の十一月四日の内閣委員会恩給改善に関する件という決議と、両方を見比べながら、その後の検討なり、あるいは今国会において御提出申し上げて御審議をいただいております法律案等にどういう形でそれが反映をされているかということを御説明をいたしたいと思います。  まず第一番目に、恩給年額増額改定時期の問題でございますけれども、これは、昨年より一歩進めたという形で六月という形で御提案を申し上げ、先生方十分御存じのように、過ぐる時期におきまして、減税問題とも絡みまして、年金の実施時期の前進ということが合意されましたものに基づきまして、さらに二カ月繰り上げたということで、いわゆる公務員給与基準といたします部分につきましては四月にするということになっております。そういう意味で、年度当初からということがことしは実現をしたわけでございます。  第二番目に、最低保障額でありますが、最低保障額の引き上げにつきましては、国家公務員共済年金最低保障額との均衡恩給年額の一般的な増率を考慮いたしまして、六十五歳以上の長期在職者普通恩給最低保障額を五十五万円から五十八万九千円に増額をするとともに、これに準じてその他の普通恩給扶助料最低保障額を引き上げましたほか、普通扶助料につきましては、六十歳以上である寡婦の方、あるいは六十歳未満であっても扶養すべき子供さんを有する寡婦の方、そういうような方には、特にその最低保障額を、普通恩給最低保障額の五割を上回るような額を設定いたしまして、昨年新設されました寡婦加算制度とあわせまして、本年も引き続き扶助料給付水準改善を図ったところでございます。  文武間の仮定俸給格差是正につきましては、六十歳以上六十五歳未満短期在職准士官以下の旧軍人仮定俸給を一号俸引き上げるという措置をいたしております。  それから、旧軍人等加算恩給につきましては、五十五歳以上の方の加算減算率を緩和する措置をとっております。  以上のとおりでありますけれども、御決議の趣旨は、いろいろな形で、ただいま御審議を賜っております法案の中においてできるだけ反映することといたしております。  先ほど来お話がございますように、給与スライド制度化をしろという点、それから加算年金額計算への算入等の問題につきましては、今後とも引き続いて検討してまいりたいという態度でおります。以上でございます。     —————————————
  5. 竹中修一

    竹中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出君。
  6. 大出俊

    大出委員 私、きのう委員会で長い質問をいたしましたが、そのときにすでに申し上げましたように、恩給審議会の当時の会長であった新居さんが、当時内閣委員会出席をして、私の質問答えられまして、政府恩給法二条ノ二という法律修正をしておいて、しかもその二条ノ二そのものについての解釈権を持たずして、それを審議会解釈をしてくれと言って諮問をするというふざけたことになっている、そこで審議会は、にもかかわらず解釈権審議会として付したんだ、それがつまり、年齢別三本立ての仮定俸給表というものを、これは不合理だから一本にしろ、一本にした上で制度化すべきであるということにしたんだ、少なくとも政府が諮問したんだから、政府制度化するのはあたりまえでしょうということを言っているわけでありまして、にもかかわらず、かれこれ十年間、なお制度化をしないという、これはどこからいっても筋の通る筋合いではない。だから、どうしてもこれは次期国会に向けて法律改正をして制度化をすべきである、こういう筋道なんですが、これに対するきのうの恩給局長答弁は、制度化と言ってもなかなかむずかしい問題がある、その中で出てまいりました重点の一つが、果たして物価スライドなのかあるいは現職公務員給与スライドなのかという問題がある、昨今のごとく賃金が低く抑えられるということになるとそれを上回った物価上昇という現象さえあるという話が、実はきのう出てきたわけなんです。そこで、受田先生先ほど雑談で話しておられましたように、私も実は同じ考え方で、人事院は少なくとも消費者物価上昇を下回る賃金勧告などをすべき筋合いではない、法律上そうなっているという解釈を私どもしておったわけです。その理由を簡単に申し上げておきますが、公務員法百七条というのは、一口で言ってしまえば、退職をした公務員生活責任人事院が負うという条項なんです。これは人事院義務です。ところで、次の百八条というのは、百七条を受けまして、だからこそ人事院恩給というものを研究をしてその成果を明らかにすることができるという条項になっている。つまり百七条で、退職した公務員生活保障をする責任があって、百八条で、だからそのために、必要ならば恩給に関する研究成果人事院が明らかにすることができると、こうなっているわけですから、そうすると、人事院がその責任義務を完全に果たす限りは、物価上昇以下の賃金勧告が出てくるなどということがあるはずはない。とすると、受田さんがおっしゃるように、現職公務員給与スライドでよもや人事院物価上昇以下の勧告はしないであろうと、これは常識なんですね。  ところがここに一つ隘路があるのは、給与法に基づく賃金決定原則というのは、公務員生活の実態、というところで点が入っている。ところがこれに従って人事院はやらないで、まさに単なるマーケットバスケットという方式は壊れておりまして、単なる官民比較にのみ頼っている。官民比較に頼った上で、横目で公労委、公労協の方をながめて、これとの均衡などということを予算当局を背景にして考えるというところに、実は民間賃金が落ちる、あわせて仲裁裁定が落ちる、となると公務員人事院勧告が落ちるということになる。一つ間違うと消費者物価以下におさまるということになりかねないというところに、恩給局長がきのういみじくも言っている、こういう時期になると物価スライドなのかあるいは現職公務員賃金スライドなのかという問題が出てくるという理由があるわけです。  そこで私は、これは制度の決め方であって、つまり物価スライド方式あるいは現職公務員賃金上昇の度合い、両方を勘案をして、有利な物の考え方恩給予算要求をするという方式はとれなくはない。現に、調整規定と言われる恩給法二条ノ二というのはそうなっているわけであります。物価上昇あるいは公務員給与、さらに国民生活水準三つ恩給法二条ノ二の中心なんですから、だから、そこらのことを含めて、つまりそれは調整規定であってスライド規定でないという解釈をしているところに問題があるんだから、つまりそれが調整規定ではない、スライド規定なんだということにすれば制度化はできるわけでありまして、大変むずかしいものじゃない。だから、もう一遍この席で改めて恩給局に、なぜ制度化ができないのかという点を承りたい。いかがでございますか。
  7. 菅野弘夫

    菅野政府委員 きのう申し上げたことなんですけれども、この附帯決議をそのまま制度化をしろということになりますと、制度化意味もちょっと幅があるように思いますが、たとえばきのう先生厚生省等に御質問なさいましたように、厚生年金等のああいうやり方を頭の中に置きます場合に、問題点は、どういうものを指標にし、どういう方法で、どういう時期からやるかという、もっとあるかもしれませんけれども、大ざっぱに言ってその三つは欠かせないのではないかと思います。そうしますと、その三つともいろいろ周辺の問題としては整理をされていないのではないかという感じがしてきのうああいうお答えをしたわけでありますが、その一点がいま言われました物価給与の話でございます。たしか、この前の小委員会のときにもそういう話が出まして、あのときは速記もございませんでしたので、私が受田先生に、反対になった場合でもいいのですかというお話をして、先生がそういうことはあり得ないのだというお話がございましたのですけれども、附帯決議のままに、いま言いました第一点の指標のことを、給与スライドするように法律に書けということになりますと、もしもきょうまでの御議論のようにこの附帯決議のとおりに書けということになりますれば、いま言ったような問題がたちまち起こるということを私たちは懸念をしておったわけでございます。  そういう点が一点でございまして、あと先ほど申しましたように、どういう方法でどういう時期からやるかということも、これもやはり法律の書き方によりますけれども、先生が昨日挙げましたような厚生年金や何かのことを頭に浮かべながらでございますと、恩給の場合はまだそういうふうに書く方がちょっと危なっかしいのではないか。危なっかしいという言葉は大変不都合でございますが、そういう条件が熟したときに初めて理想的な制度化とか法制化という道が開かれるのではないか。それまでは予算要求という形ではありますけれども、その精神を生かした形でやってきたというのが実情でございます。以上でございます。
  8. 竹中修一

    竹中委員長 大出君に申し上げますが、こういう委員会ですから、着席のまま御発言をしていただきたいと思います。
  9. 大出俊

    大出委員 いまの点についてなんですが、きのう私が申し上げましたように、厚生年金保険法に基づきますと、第二十二条で「年金額自動的改定措置」という項目があるのです。「年金額自動的改定措置」、法律にそう書いてある。こういう表題で第二十二条、こうなっている。そこで「厚生年金保険法による年金たる保険給付については、政府は、総理府において作成する年度平均全国消費者物価指数昭和五十年度(この項の規定による措置が講ぜられたときは、」つまり、基準年次をつくっているわけですね。「直近の当該措置が講ぜられた年度の前年度)の物価指数の百分の百五を超え、又は百分の九十五を下るに至った場合においては、その上昇し、又は低下した比率基準として、その翌年度の十一月以降の当該年金たる保険給付又は年金たる給付の額を改定する措置を講じなければならない。」こうなっている。これは無理もないので、上がったときばかりというわけにはいかないわけですから、下がったときも書いてある。それは公務員賃金勧告だって同じことで、公務員法が五%の上と下と書いてあるわけですから、これは同じだ。このことはとやかく言うことはない。これはある意味で言えば、アメリカ法なんですね。一九六〇年法と言われるものなんですね、形は。連邦統計局の三%という指数の変動を基準にしてスライドなんですね。ところが、英国流に言えば、文武官恩給に関する法律という法律ですけれども、そちらの例で言うと、公務員給与スライド方式なんですね。これをいずれをとるかという議論は長い。長いのですが、私はここでさっき受田さんが言った言葉に返るのだが、人事院を呼んできて、人事院というのは、まず物価上昇以下の賃金勧告をするなどということはないのだということを明確にさせることができるとすれば、物価一本でいい。あるいは公務員給与一本ではっきりする。ところがどうも人事院というのもいささか政治がかって、ろくなことをしないところに信用ならぬところが、受田さんの言うとおりある。そこで恩給法の二条ノ二に調整規定というのがあるわけですから、この調整規定というものをスライド規定に直せばいい。「物価」と「公務員給与」と「国民生活水準」が入っておる。だから恩給局が、附帯決議にくっついているんだから、これを法律にすれば現職公務員給与スライドになってしまう、それでいいのですか、物価が高くなって逆になることがありますよ、こういう言い方をするんだが、そこで二つ疑問を持つのですよ。では恩給局はそんなに力があって、公務員給与より物価が高かったら、物価に見合って大蔵省から予算取ってくるのか。この間みたいに改善分は十月に置いてきぼり食ってふうふう言っておるようなけちな恩給局で何ができるのか。そうでしょう。だから、そういうへ理屈を言わないで、どういうスライド規定にするのかという案を出してもらいたい。出しもしないで、附帯決議をそのまま法律にしたらどうじゃないか、こうじゃないかと言われても迷惑です。私は一つの物の考え方を言ったのだけれども、恩給局というのは、受給者生活責任を負う局なんだから、その生活責任を負う恩給局の独自の立場で、一体いかなるスライド規定をつくれば受給者立場に立って一番いいか、恩給局はかくかくの理由によってこう考えるというものを出していただきたい。いかがです。
  10. 菅野弘夫

    菅野政府委員 私も受給者立場に立って恩給改善されることを心から望んでおりますし、しかもスライド規定というのは、恐らくは、こういう条件になればこういうスライドが必ずあるんだという安心感といいますか、そういうものも十分に目的として持つものだと思います。したがいまして、そういうような形のものができることが望ましいというふうにいつも思っております。  そこで、先ほど申し上げましたのは、その問題点が幾つかございますので、そういうものが整理されない時期においてはなかなかむずかしい。そこで勉強しないというわけではございませんで、われわれも勉強しなければなりませんが、いますぐどうこうというあれはありませんけれども、先生方先ほどお話しありましたように、消費者物価よりも給与かずっと上回って——そしてわれわれ携わっております恩給というのは、元公務員の方々の年金でございますので、現職公務員というものとの対比というものも一つございます。これはほかの民間年金の方と違った要素ではないかと思っております。したがいまして、給与がずっと上回っておりました時代において給与をとってきたということは正しい当然のことだというふうに思っておりますが、ただ指標というのは、年金制度だけではないかもしれませんが、そういうものがくるくる変わるのも、やはりこれも問題の一つではないかと思うので、できるだけ安定したような指標をつくりたいというふうに思います。ですから、給与が主だということはいいのですけれども、心配しております一つは、先生方のいまお話がありました物価がずっと高い時代が続いた場合にはどうなるのか、いますぐここではっきりしたお答えを申し上げるだけの自信ございませんけれども、しかし、物価が常に給与を上回るような異常事態が続いた場合には、私は十分そのことに注目しなければいけないというふうに思います。
  11. 大出俊

    大出委員 それじゃ答弁にならないのだよ、菅野さん。きのう私が質問した。あなたが、現職公務員給与物価が上回るという昨今のような状況の中で、果たして現職公務員給与スライドというふうに決めるのがいいのかという問題だってある、だから、そう簡単に制度化はできないと言ったから、そんなら調整規定の二条ノ二というのはみんな入れているんだから、みんな入れたっていいじゃないか、そういう方法だってあるじゃないかという反論をしたのであって、私がいま聞いておるのは、恩給局としては、長年恩給をやっているんだから、何が正しいのかという、これが恩給受給者にとって一番いい方法なのだという独自の明確な論理と考え方を明らかにしたらどうだと言っているのであって、なければないでいいのだ。私は、私の本当の物の考え方を申し上げれば、受田さんと同じで、現職公務員給与スライドでいいという考え方だ。さっき例を挙げたように、六〇年法のアメリカのように連邦統計局の三%の上昇を上回れば、その上昇比率——ちょうど厚生年金一緒なんだ、上昇比率を掛ける。一〇〇〇に対して一一二八なら一一二八という指数を掛けちゃうわけですから、厚生年金というのは、計算のシステムは。同じなんだ。ところが、アメリカというのは特殊事情があって、これはアメリカ物価上昇というのは非常に低く抑えられてきている歴史がある、だからアメリカにはライフインシュアランスみたいな、生命保険みたいな思想が非常にはやっておって、若いときに給与をよけいもらうときばみんな保険に掛けちゃう、満期になったらそれで家を建てるということで結婚するのだから。そうでしょう。それは物価が抑えられているから、だから三%を超えるというのは異常なんですよ。だから物価になっている。ところが、ほかの欧州のようにやたら物価が上がっちゃう国がある。その国は公務員給与中心になっている。理由がある。日本の場合も公務員給与スライドが正しいと私は実は思っている。もし公務員給与というものが物価上昇を下回るようになっているとすれば、日本公務員がよっぽどだらしがないのだ、そんなものは。そうでしょう。日本労働者がそんなストライキだ、へったくれだ、いけないのいけるのと言わずに、ひっくり返すぐらいのことをやって上げればいいんだ、そんなことは。物価上昇以下の賃金人事院がやっているのなら、人事院なんというのはやめさせちゃえばいいんだよ。団交権が回復すれば人事院なくなっちゃうんだから。そうでしょう。だから、公務員であった人がやめたんだから、やめた人の気持ちからすれば現職公務員が上がった分だけ上がる、それで納得してしかるべきであって、それで不納得ならもっと上がるように退職した人も一緒になってやってくれればいいんだ。だから、はっきり言えば、公務員給与スライドに明確に割り切るというのが、退職公務員を対象に物を考える限りは、受田さんがさっきおっしゃったように公務員給与スライドという制度化をすべきである、これが私の考え方です。  そこで、ただし人事院に明確にしておきたいと思っているのは公務員法の百七条と百八条の関係。百七条というのは、やめた公務員生活責任人事院は明確にかつ完全に負う義務があるとちゃんと書いてある、これが公務員法の百七条ですよ。百八条では、だからこそ恩給というものの研究をしたその成果を発表することが人事院責任においてできるようになっている。そうでしょう。悪ければ人事院恩給についての勧告をすればいいのだ。その責任人事院に負わせて、そのことを明確にして、その上で公務員給与スライド法制化をする、制度化をする、これが正しいのですよ。だから私は、実はあなた方に、明確な答えがほしいからきのうからあなた方の考えを言ってくれと言うのだが、ふらふらして、言わなくちゃこれは困るじゃないですか。いまどうしても言えないと言うのなら、次の小委員会までに、私は私の明確な意見を申し上げたのだから、あなた方はお考えいただいて恩給局意見を出してください。
  12. 菅野弘夫

    菅野政府委員 先生いま言われましたのは私たちも同感でございまして、人事院勧告によりまして公務員給与がそういうような状態になり、それに基づいて元公務員である恩給受給者年金額というのがそれに相応して上がっていくというのが一番望ましい形だと思っております。
  13. 大出俊

    大出委員 そうですよ、納得しやすいですよ。  そこで、だから、きのうぼくがなぜ回りくどいことを、あんな質問したかというと、厚生省まで呼んだかというと、受田先生なんかと前からいろいろ議論してきているからわかっているのだけれども、受田先生だって恐らく現職公務員給与スライドをお考えになっていると思うのです。これが正しいということをお考えだと思う。同じように公務員法を手がけてきた人間にすればそうなるのだから。恩給やってきた連中にすればそういう気になるのだから。  そこで、一つ大きな問題は、だから公的年金制度調整連絡会議というものが総理府にあって、社会保障制度審議会との関係でずっと審議してきたのだが、結論めいた形で向こうへ渡したのだが、厚生年金のこの例からいけば、いま私が読み上げたように明確に物価スライドなんだ、こっちは。こっちに物価スライドがあるとすると、恩給の方の現職公務員給与スライドを決めるとすると、アメリカ方式欧州方式二つ日本の国の中に並ぶのだよ。そうでしょう。だからそこらの、公的年金の名がつく限りは——恩給公的年金かどうかという問題はあるけれども、そこらのことを考えたときに、やはりその矛盾についてははっきりしておかぬといかぬと思うから、きのうわざわざ厚生省呼んでこの条文を読み上げて、一体、こういうふうにばらばらになっているのだがどう考えるのか、見解を政府から言ってくれと言ったら、菅野さんがお答えになったが、私は全体をと言われると物を申し上げる立場にないが、私見として言うというのがあなたの発言だ。そうでしょう。わけのわからないことをおっしゃったけれども。そういう全体で見渡したときに、こちら側は公務員給与を踏まえて恩給というものを現職公務員給与スライドと決めるなら、片一方に物価スライドを決めている制度もあるのだから、そこらのところはしかと腹に入れておいてくれぬと困るということを申し上げたくてきのうあれだけ長い質問をした、こういうことです。そこまで踏まえて——受田さん、これは次の小委員会までにはっきりしてもらおうじゃないですか。いかがですか。
  14. 菅野弘夫

    菅野政府委員 いま言われましたこと、先ほどちょっとお答えいたしましたけれども、さらに十分勉強を加えましてお答えをいたしたいと思います。
  15. 大出俊

    大出委員 小委員会だからざっくばらんだけれども、十年近くも——わさわざ審議会つくって、答申が出てきていて、受田さんや私どもが、会長新居さんを呼んできて質問までしていて、その会長が、政府が諮問しておいて、われわれが解釈権まで預けられたのだから、解釈までしてあげて制度化しろと言っているのだから、政府制度化するのはあたりまえでしょうと言っているのに、十年たっても制度化しないというばかなことはないので、われわれがいなくなった後で世の中がどうなるかわからぬのだから、法律スライドにぴちっとしておかないと、また財政がどうのこうのと言って十月にずらしますとか、今度は本体が六月にまたずれないとも限らない。そういう意味でやはり私は制度化すべきものはすべきだと思っておりますので、委員長、次期小委員会までに恩給局の相談の上の明確なひとつ回答をこの小委員会にぜひお出しいただくように、そして来年度国会に向けて法改正に持ち込むようにお取り計らいいただきたい。
  16. 竹中修一

    竹中委員長 わかりました。そのように取り計らいたいと思います。  本問題に関して受田委員から発言の御要求がありますので、これを許します。
  17. 受田新吉

    受田委員 大出委員の主張、これは私も支持するわけですが、公務員は現役と退職者は一貫した処遇というところにその味があるので、現役であった人が退職するときの俸給を基礎にしてその後の生活を、かつての公務員であったという立場と誇りを持ってその後も、私的利益を追求できない立場で公務に精励したことに報いる退職後の保障、こういうことですから、それでこの附帯決議に十年近くもこれは私終始主張し続けて、これはときに附帯決議からはずされようとする時期が何回かあったのをあえてこれを主張して生き残してきたわけでございまして、当局としてはこの問題についてはその都度都度措置をすることによって結局このスライド的な結論を結果としては得るようにしてきた、毎年の措置でこの附帯決議維持の精神が生きるようにやってきたという、これは歴代の総務長官も恩給局長もそれを言ってこられたわけですが、時の流れによっては、ときにこのスライド的な、結果としてはスライドになっておるということが崩れる危険もあるという意味制度化をきちんとしておくべきだ。お互いの中にも政務次官は政務次官の俸給というものがどういうところでいくかということもスライド的な答えが出ておるわけだし、そういう実際法案の上に生きているのもあるのですから、このあたりで現役と退職者は一貫して、公務に従事した人の在職中も退職後も一貫した国の処遇を受けるという意味からは、公務員給与ということにしぼって、国家公務員給与は常に物価上昇へ適当な色がつけられた形で出るという前提でこれを一応持ってきたのですから、公務員給与の方が物価上昇よりも下がっていくなどというようなことは夢にもわれわれは予想しなかったことでありますし、それから他の公的年金との比較の上からも、せめて受恩給者は現役の公務員給与スライドしていく保障をされておるということによって、他の年金受給者もこれへ右へならえができるように夢が持てるわけです。物価の方は非常に変動性を持ったものですから、それらを十分こなして公務員給与が決められるという前提はあくまでも守っていかなければならぬので、公務員の処遇を担当する人事院が常にりっぱな姿勢でこれに対処していけば、物価上昇に対応する給与はりっぱに成立するわけなんです。だから、人事院がりっぱに公務員の代弁者を務め、そしてそれに準じて退職後の保障恩給局が担当して法律の上に制度化をりっぱに実現するというたてまえをとれば、われわれほかに言うことはありません。この附帯決議の一はそういう意味現職退職一貫した処遇、これは現役は、公務員給与の方は人事院で動き、退職後の公務員の方は他の公的年金との関係物価上昇によって動くということであっては、これはむしろ系列が離れてくるわけで、同一系列の上に立つ処遇という意味からは現役の公務員給与はその後の時点の退職者にも同様の影響があるのだという大原則だけは速やかにぴしっと立てていただく。この附帯決議誕生以後十年になってきておる。初めのころには公務員給与基準にして、後で物価その他を勘案して、こうなっておったのを、最後には公務員給与スライドと明確にうたうようになったという国会の意思を、政府も十分考えていただきたい。初めには、公務員給与基準にしてと、物価国民生活水準とかいうようなのを副的に考えるということで、恩給法の二条ノ二ができたときにはその三つがどれが中心でもないようになっておったのを、公務員給与中心にせよという提案にした。それが最後には公務員給与基準にしてそれにスライドせよというように流れが変わってきたわけですから、その変わってきた国会の意思を十分政府が勘案して措置をする。来年の法改正を期待するという大出委員意見が全く同等で、このあたりでピリオドを打つべきだ。何回もこういう附帯決議をつけることはさようならした方がいいと思います。そういう意見です。
  18. 菅野弘夫

    菅野政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、そういう国会の御意思は十分承知しておりますので、どういう形のものが理想的なものか、あるいはいま言われましたようなことがどういうふうにうまくスムーズに実現できるのか、さらに勉強していきたいと思います。
  19. 大出俊

    大出委員 次回の小委員会には、さっき受田さんがおっしゃったように人事院責任ある方々にぜひおいでいただきたい。というのは、きのうも私申し上げましたように、二つのことを踏まえて、人事院には責任と権限があるのです。つまり二十八条に言う情勢適応の原則の中でここで勧告する権限はあるはずですし、また百八条に人事院の権限は明らかになっているわけです。よく人事院の口癖として言っておりますように公務員給与というのは本来法定主義である。前回の附帯決議の中で期末手当削減についてそういう意味のことを言うてあるはずでありますけれども、法定主義なんだから、ときに民間賃金が下がったからといって法定主義の公務員給与というものをいきなり手をつけるわけにいかないという趣旨なんだ、だから多少上がったからといってすぐ上げるというわけにこれはまたいかないのだというのが人事院の言い分なんですね。そこのところあたりをやはりきちっと人事院にも踏まえてもらわなければならぬし、恩給局がこの法改正を御提起いただくときには当然人事院とも相談を願わにゃいかぬ。つまり人事院恩給に関する研究成果云々という権利があるのですから、そういう意味でひとつ人事院責任をはっきりさせたいので、御出席していただきたいと思います。
  20. 竹中修一

    竹中委員長 申し上げます。  いま制度化の問題について、次回の小委員会ではぜひ人事院出席を求めてその見解をただしたいというお申し出がございますので、そのように取り計らいたいと思います。  この制度化の問題については、ほかの委員の方、御発言ございませんか。
  21. 新井彬之

    新井委員 私も先ほどから申しますよ初めてでございますが、附帯決議の中で確かに十年間何回も出てきておる。いま次の小委員会答弁をなさるということでございますから結構でございますが、本来ならきょうでも、先ほどからあれだけ明確になっているのですから、こういうことで行きますというような答弁が出そうな感じでございますが、全然出ていないというところを見るとちょっと心配なんでございます。私としましても、この問題については次の小委員会におきまして明確にやはり出していただきたい。要望だけいたしておきます。
  22. 竹中修一

    竹中委員長 わかりました。  それでは制度化の問題、これでよろしゅうございましょうか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 竹中修一

    竹中委員長 それでは次に、先ほど問題になりました扶助料の問題に入りたいと思います。大出君。
  24. 大出俊

    大出委員 私はこの扶助料問題の質問を再三してまいりましたが、これに対する歴代の恩給局長さん、総務長官等の答弁は、何で五〇%なんだという質問をしてまいりましたら、言うならば、御主人と奥さんがいて御主人が恩給をもらっている、子供さんがみんな大きくなった、そして御主人が亡くなったという場合に扶助料が出るんだ、二人が一人になったからまあ五〇%だという理屈なんですね。私はどうもそういうものじゃなくて、一人の人の生活をどう維持するかということが問題の焦点だろうと思うのです。まあ卑俗な言葉で言って、かまが一つで二人の人間がいる、一人になるとなれば、二人のときよりは一人単価は高くなるというのは当然なんで、そういう意味で本当は七割ではなお少ない。実はもっとよけい上げろという請願も出ている。七五%という請願だってある。だけれども私はいままで七〇%という主張をしてきましたので、いまさらそれを八〇にしろとここで言うわけにもいかぬ。だから、せめて遺族は七〇%。そうして、共済審議会の中に私どもの関係者の一人が審議委員で出ておりますから聞いてみましたら、やはり七〇%にしろという議論をして、今井一男会長なども賛成の意向であった、こういうことでした。つまり、だからおおむね話のつけやすいことで申し上げれば七〇%ということでいいのではないか。反対するのは予算官庁だけだろうと私は思うので、やはりことしはひとつきちっと七〇%にしろということを決めていただきたい。この扶助料はいつも附帯決議のときに問題になって、はっきり額を書けと言うんだけれども、なかなかどうもそれは困るというようなことで、改善を図ることとか、ここにあるように「扶助料給付水準については、さらにその改善を行うこと。」なんというようなことになる。そういうことを言っていないで、七〇%なら七〇%ということに私は明確にしてもらいたいと思っているんですがね。
  25. 菅野弘夫

    菅野政府委員 まあまた言いわけがましくなりますけれども、給付水準の問題は、それこそ大正十二年に恩給法がまとまって以来二分の一であったわけでございますが、それでは低いではないかという御議論が年々ございまして、これはまことにごもっともだと思うわけでございます。そこで従来恩給局といたしましても、扶助料給付の総額を上げるという意味でいろいろな努力をしてまいりました。たとえば遺族である妻や子の場合には、いま一部短期と長期とで俸給表の違っているのがございますけれども、短期の方が俸給表の低い方で適用されている方については、遺族の場合には、すぐそれはいい方の俸給表も使うというようなこともやってまいりましたし、それから昨年は、寡婦加算制度ということで、これも御議論のあるところでございますけれどもそういう制度を設けて、とにかく五割の線をいろいろな形で上げるという形をとってまいりました。ことし御提案申し上げておりますのは、その中で、最低保障につきましてはさらに従前より前進をする措置をまずとるということでございまして、先ほど申しましたようなすべての措置考えますと、寡婦加算が出ているような方々につきましては、最低保障の面ではほぼ六割ぐらいの水準になったというふうに言えると思います。  ただ全般的な問題として、そういう加算制度や何かではなくて、五割という線を七割とか八割とか、そういうお話もあることでございまして、そういう点についてはわれわれもそういう理想に向かって努力をいたしたいというふうに思っております。
  26. 竹中修一

    竹中委員長 扶助料の問題について他の委員の方の御発言……。
  27. 中川秀直

    中川(秀)小委員 いま局長おっしゃった寡婦加算あるいは扶養加給、まあ寡婦加算と言うのが普通ですが、制度はややこしくなる一方なんですね。六割になっているのであるならば、扶助料関係はいままでの五割支給を六割にしますとか、年次計画的に七割にするとか、すっきりさせた方がいい。これまた附帯決議恩給制度というのはなるべく簡素化を図れというのが何回も出ているわけです。全く逆行するようなことを実はおやりになっているということがあるので、これまた最初に御議論のありました制度化の問題と絡みまして、もうこのあたりですっきりさせていただきたい。次回の小委員会でまたこの辺も御検討いただいて一つの方針を出していただきたい、私はこう思います。
  28. 菅野弘夫

    菅野政府委員 ただいま言われましたのは十分心にとめまして勉強したいと思います。  小委員会でございますのでざっくばらんに申しますと、なかなかむずかしい問題の一つは、寡婦加算ができたときのいきさつもそうなんですけれども、先ほど来お話のございます各種の公的年金という横並びの問題がございまして、そういう問題を離れて、恩給は昔からその先駆的な役割りを果たしてきたのだからそういうことを十分考えろということはまた重々考えておりますけれども、ほかの公的年金制度と離れて全く独創的にやれるかと申しますと、現実的にはなかなかむずかしい問題がございます。そういうむずかしい点はございますけれども、いま言われましたような水準というものは、確かに私たちの理想として必要だというふうに思いますので、十分勉強したいと思っているわけであります。
  29. 大出俊

    大出委員 菅野さん、だからいま一つつけ加えたのだけれども、共済審議会の中でも議論されてて七割という声が高いのですよ。ところが恩給の方がなかなか物を言わぬものだから、逆に向こうの方で私に、大出さん、やっている恩給の方は一体どうなっているんだと言うわけです。実は共済の方も現在は、恩給、共済をつなぎ合わせているわけでしょう、真ん中でプラスして。恩給年限と三十四年以後の共済年金とをつないでいるわけですよ、国家公務員や五現業なんかで言えば。そうすると、やはり相当部分恩給を適用になっているわけですよ。それだけに向こうの方が一体恩給はどうなんだと言うわけですよ。今井会長も七割というのは賛成のようなんだがと言うわけです。だからあんまり他のことをおっしゃらぬで、向こうがそう言っているとわざわざ言っているのだから、聞いてきているのだから、あなたの方がやはり前へ出て物を言うということにしてもらわぬと困るのですよ。まさにおっしゃるようにあんまりこそくなことをされぬでずばり言った方がいいんですよ、ここまで来ると。いかがですか。
  30. 菅野弘夫

    菅野政府委員 御趣旨よくわかりました。
  31. 新井彬之

    新井委員 この七割の問題につきましては、私もほかの問題でよく発言させていただいたことがあるのですが、恩給局といたしましても当然七割支給すべきだというぐあいに考えているわけでしょう。だから、いま話がありましたように横並びの件があるというようなことだとかいろいろなことで、自分の方からなかなか口火を切れないのだということだと思いますけれども、現実の問題としてはこれは当然七割支給してもちっともおかしくないような時代に入っておりますし、これはいつかはやらなければいけない。今回でもこれを七割にしていただくというのがもう決して、何も早くないわけでございます。理屈を言えば何十時間でも言えるくらい七割にしなければいけない理由があるわけでございますので、奥歯に物のはさまったような言われ方をしないで、ひとつ菅野局長立ち上がっていただきまして、本当に率先して七割にしなければいかぬのだということをやっていただくようにしていただきたいということを要望いたしておきます。
  32. 竹中修一

    竹中委員長 ほかにこの扶助料の問題について御発言の方はございませんか。  それでは、逢沢君から質疑の申し出がありますので、これを許します。逢沢君。
  33. 逢沢英雄

    逢沢委員 いままでの流れと言いますか経過がわからないのですが、今度の改善仮定俸給が六・七%プラス二千三百円、これが基準になっていろいろな恩給が決められるようですが、五十一年度公務員の平均の給与アップというのは、参考までに聞きたいのですがどれくらいだったのですか。
  34. 菅野弘夫

    菅野政府委員 公務員給与のアップでございますけれども、いろいろございますが、俸給部分のアップは六・九くらいでございます。それをもとにして恩給をやっているわけでございます。
  35. 逢沢英雄

    逢沢委員 わかりました。さっきお話が出ておりましたこの制度化というのですか、その問題は各団体の人も非常に関心を持ち、実現を期待しております。ぜひひとつ善処方をお願いしたいと思うのです。  それから、これは部分的な問題になるのですが、扶助料の問題です。特にこの扶助料の中でも、戦争で犠牲になった関係の方々への扶助料なんですが、太平洋戦争が済んで戦没者の遺家族に扶助料が下がるようになったのが、たしか昭和二十七年ごろか八年ごろだったと思うのですが、はっきりした年はわかりませんか。
  36. 菅野弘夫

    菅野政府委員 援護法で先に取り上げまして、まだ恩給法軍人恩給の復活ができる前の年でございますけれども、それが二十七年、恩給に移りましたのが二十八年でございます。
  37. 逢沢英雄

    逢沢委員 その二十八年の当時に、二等兵とか一等兵とか上等兵とかいういわゆる兵の第一回の支給の金額は幾らだったのですか。
  38. 菅野弘夫

    菅野政府委員 お答え申し上げます。二万六千七百六十五円でございます。
  39. 逢沢英雄

    逢沢委員 その時分にいわゆる戦没遺家族の家庭が公務扶助料を受けておった総件数、全体の頭数は何家庭が対象になっておりましたですか。
  40. 菅野弘夫

    菅野政府委員 これは請求が出て裁定をしておりますので、最初の年は大変少のうございまして、もう二万件にも足りないような件数でございますけれども、それから逐次出てまいりましたので、その次の年におきましては百十四万ということで、結局ピーク時は百五十五万ぐらいでございます。
  41. 逢沢英雄

    逢沢委員 二年目が百十四万、そうすると、その時分から軌道に乗り出した、そういうことですか。
  42. 菅野弘夫

    菅野政府委員 そういうことでございます。
  43. 逢沢英雄

    逢沢委員 それで、いまの戦没遺家族の家庭が公務扶助料を受け取っておる総件数は、五十一年度の場合何家庭ぐらいになりますか。
  44. 菅野弘夫

    菅野政府委員 五十一年度になりますと約七十五万ぐらいではないかと思います、正確な数字はいまちょっと手元にございませんが。
  45. 逢沢英雄

    逢沢委員 そうすると、かなり数が減っているということになりますね、百十四万から七十五万ということになると。
  46. 菅野弘夫

    菅野政府委員 そのとおりでございます。
  47. 逢沢英雄

    逢沢委員 それで今度、いまの兵の階級で八月から五万円のものが六万円になるということなんですが、最初昭和二十八年に支給され出してからことしの三月三十一日までにいまの二等兵、一等兵、上等兵、兵の階級の遺家族の家庭がもらったいままでの累計総額はどれくらいになりますか。
  48. 菅野弘夫

    菅野政府委員 これは絶対額で申しますと三百十五万ぐらいじゃないかと思うのですけれども、これはしかし、その当時その当時の物価が違いますので、この数字だけでは非常に少なく見えますけれども、絶対額としてはそういう額でございます。
  49. 逢沢英雄

    逢沢委員 いま貨幣価値の変動ということも当然あるのですけれども、いままで、昭和二十八年から五十一年までに三百十五万という支給金額、これは非常に少ないような感じがするわけなんです。最前来、扶助料増額関係とかいろいろお話が出ておりましたが、特に戦争によって犠牲をこうむられた御家庭、その中でも御主人を失った未亡人の方々の戦後の精神的あるいは経済的な苦労というのは非常に大きなものがあったと思うのですが、ぜひこういう人々に対する国の手当てはより一層ひとつ善処方をお願いいたしたいと思います。  それから、これも部分的な問題なんですが、先般いただいた書類を見ておりますと、日赤の救護員の抑留期間の通算というものがあるのですが、こんなものがいまごろの時代に出てくるというのはちょっと見ても非常に遅いのじゃないかという感じがするわけなんですが、これはどういうことで遅くなったのか、その辺の事情がわかりましたら教えてほしいと思います。
  50. 菅野弘夫

    菅野政府委員 先ほどの公務扶助料の点を先にお答え申し上げますけれども、先生おっしゃるとおりでございまして、私たちもそういう遺族の現在の立場を十分頭の中に置きまして、今度の御審議いただいております法案でも、一般のいわゆるベースアップのほかに特別に加算をいたしたような、その加算額も非常に大きな加算でございまして、したがって率で申しますと、六十万から七十二万ということで、二〇%上げるという措置をとらしていただいております。今後とも努力をいたしたいと思います。  それから、日赤の救護員の方の抑留期間の通算でございますが、これも先生御指摘のとおり、いまごろというお感じを持たれるかもしれませんけれども、この問題が、ずっと長く勤めておられる方、ずっと中国等に抑留されました方がおられて問題になってきたのがそういう意味ではわりあい新しい問題でございまして、この問題ができてすぐ、私たちはこの抑留期間の通算の問題は一番早い時期に予算の積算をして、一番早い時期にやったつもりでございます。ただ、いま言いましたように、そういう話がおくれましたものですから、先生の御疑問のようなおくれたような感じを残していると思います。
  51. 逢沢英雄

    逢沢委員 以上で終わります。
  52. 竹中修一

    竹中委員長 いままで手元に質疑の申し出のありました方は全部終了したわけでありますけれども、この際でございますので、小委員会として御発言がございましたら……。大出君。
  53. 大出俊

    大出委員 三つ四つあるのですが、さっきは制度化にしぼって物を申し上げましたのですが、おしまいの方から言いますと、いまお話の出ました日赤救護員の問題ですけれども、きのう時間がなくなって申し上げませんでしたが、恩給局の物の考え方というのは、恩給でこれを救済するということはいかがなものかという筋論が一つある。この筋論は私もわからぬわけじゃないのですよ。恩給という枠の中で物を考えるとなりますと、はみ出す。  たとえば満州国の職員であった場合に、この外国政府機関の職員というのを救済するために、受田先生おいでにならぬからあれだが、ずいぶん私と受田さんと苦労したことがある。満州で勤められて日本に帰ってきた満・日ケース、あるいは日本におられて満州においでになった日・満ケース、逆に、日本から満州に行ってまた満州から日本に帰ってきた日・満・日というケース、いろいろありまして、強引に押し通して改正を押し切ったら、大蔵省が恩給局を使ったのかどうか知りませんけれども、新聞に大キャンペーンを張って、私はべらぼうにたたかれたことが実はある。そういう苦労もしてやってきましたが、いま大きく残っているのは、満州国におられて最短恩給年限を過ぎた方々で何ももらってないという方々がある。政策国家ですから、本当を言えば恩給で救済したっておかしくはないと実は私は思っている。ところが恩給法のたてまえからということになるとどうもちょっとはみ出す、つまり他との関係もございまして。そういうわけで、日赤の方々を救済しようとすると何らかの法的措置が必要だという気がする。  そこで、たしか昨年、参議院の側だったと思いますか、幾つかの党か私のところへ——公明党さんなどが中心になって法改正案を用意して、出したのかどうかわかりませんけれども、出したのだという気もいたしておりますが、それをちょっとひとつ見せていただきたいのです。で、それに対して一体皆さん、恩給局の方々はどうお考えかを聞きたい。いかがでございますか。
  54. 菅野弘夫

    菅野政府委員 社会党と公明党の共同の提案で出されました特例法がございますが、これは一言で申しますと、日赤のそういう戦時中の御勤務の期間を文官とみなせということでございまして、それに対する考え方と申しますか、それを御審議いただかないうちに継続審議になり、廃案になったわけでございますけれども、先日来申し上げておりますように、非常にお気の毒だと思う気持ちは変わりないのですけれども、これを恩給という枠の中で処理をすることは非常にむずかしいんじゃないか。いま新しく恩給制度というものを全く初めからつくり直すということになりますれば考え方もいろいろあろうと思いますけれども、これは百年の歴史を持って、官吏という公務員の身分を持った方が長い間お勤めになっておやめになったときに支給される年金であるという性格が基本にあるわけでございまして、やはり制度というのは、その中の先ほど来お話しのいろいろなことは技術的にも考えられるわけでございますが、制度の枠が緩むというのは、これは大変基本的な問題だと思います。そういう意味において、日赤の方々も、後にお戻りになってから公務員になっているときには、そういう期間については、公務員期間ではございませんけれども通算をする、そういう措置をとっているわけでございます。  いま主として問題になっておりますのは、そうでなくて、お帰りになった後は民間にお勤めになったり、あるいはお家にお入りになったり、農業をやられたりという人々に対しても恩給という形で出せないかという問題でございますので、そういう目から見ますと、恩給の枠の中ではなかなかむずかしいのではないかというのが率直な意見でございます。
  55. 大出俊

    大出委員 実はきのう私どもの党の理事とも相談をして、この参議院側で出した旧陸軍又は海軍の戦時衛生勤務に服した者に係る恩給法の特例に関する法律案というのを出そうではないかという話をしているわけです。したがいまして、これは私は理事じゃございませんから、問題提起をさせておいていただきたいのであります。  委員部の皆さんにもお願いしておきたいのですが、この日赤の看護婦の皆さんの法改正について、きのう、私どもの理事がこの問題の扱いについて案を持っているようでございましたから、木原君なり長谷川君なりと一遍連絡をとっておいていただきたい。  きょう、実は私はこの席で、この問題に対する皆さんの御意見を承っておく、こういうことにしておりますので、いま恩給局長からお話がございましたように、公務員期間とみなすということにして恩給適用をしようという法律改正案なんでありますが、恩給局は恐らく、枠をはみ出すから、こういう御意見になると思うのでありますけれども、これができれば一波万波を呼ぶ、こういうことになると思うのですね。  たとえば、満州なんかの機関職員であっても、それきりやめてしまって百姓でもしているという人の場合はどこにもひっかからないのです。満・目じゃないのですね。満州から日本に来て日本公務員としてどこかに勤めれば満・日ケースになりますが、向こうに長くいてそれっきりになってしまって、こっちへ来て百姓でもしていれば関係なくなってしまう。ところが、この種のことを手がければ、そちらのようなこともこのケースのようにできるではないかという意見が出てくるだろうということなのですね、早い話が。そういうケースが幾つもあるわけです。満州鉄道にいたって満州電電にいたって、国に帰ってきて何もやっていなければ向こうでおしまいになってしまうわけです。だから、そういう関係はありますが、これを提案しようという空気は私のところにもございます。そこでほかの党の皆さまの御意見等も承らせていただければ幸いなんですが、いかがなものですか。
  56. 竹中修一

    竹中委員長 わかりました。  大出委員からこの問題について各委員の御意見を承りたいというお申し出があり、まことに結構なことだと思うのですが……。
  57. 新井彬之

    新井委員 いま非常にいい御提案ございまして、その前にちょっと恩給局菅野局長に確認をさせていただきたいのでございますが、この問題は各党取り上げておりまして、これもやはり勉強する勉強する——恩給局は非常に勉強するところだなということで私は非常に感激をいたしておるわけでございますが、ことしの予算委員会の分科会におきまして局長が答弁されておる中で、間もなくそのことについての結論を出すというような答弁をなさっておりますね。それで、その答弁というのが、何とか恩給で救えるのかどうか、恩給で救えない場合、いま大出先生おっしゃったように特別立法をつくって救済してほしいというのか、その辺のところどういう勉強の方向に向かっておるのかということが一つ。  それを聞きまして、公明党の態度といたしましては、御存じのように非常に大変な目に遭って、本等も出ておるわけでございますし、これは恩給だけでなくて、もしほかの方法であっても救ってあげなければいけないということで、今回のそういう法律案については当然共同してやっていきたい、こういう気持ちでございます。
  58. 大出俊

    大出委員 いま公明党の新井さんからお話がありましたが、これは参議院の側では私どもの党や公明党さんが相談をなさってこしらえた案ですから、心情のほどはいまの御発言と一致していると思うのです。ただ、私も同じ問題が一つあって少し遠慮めいた提案をしているのです。制度化のように真っ向から切り込まないのです。  というのは、ここに私、分科会の議事録を持っているのですよ。これは五十二年三月十四日、つまり本年三月十四日の予算委員会第一分科会の分科会質問です。わが党の井上泉君が質問しているのです。これに対して藤田総務長官等が比較的色よい返事と見られる答弁をしておるのですよ。専門調査室の方にも私承ってこれを取っていただいたのですが、やると言っているとも思えぬのだが、やらないとも言っていないのですな。まことに丁寧な答弁をしておりまして、何ら遇されていないということについては十分承知していて、別にやるということにはいろいろ問題はあるのだ、軍属の方々もほかにもいろいろおいでになるのだから、それらの方々とどういうぐあいに縦分けなどをしなければならないのかとか、ここで素人の藤田さんが言っている縦分けと、今度は横並びが出てくるのですが、軍属の方いろいろあるからそれをどう縦分けし、どう横並びにしていいのかということをいま一生懸命勉強している最中だというわけだ。えらい勉強の最中なんですな、藤田総務長官の答弁を読むと。大変苦労されて大変な目に遭った方々なんだ、しかし他の軍属の方々もおいでになって従軍看護婦さんだけじゃないから、そこらを縦分けだ横並びだいろいろやって、いま一生懸命勉強の最中だというのですね。御努力なさっているように受け取れる総務長官の御発言だから、そこでいま新井さんおっしゃっているように、一生懸命御努力しているところへぼかりとこれでやってくれというようなことを——これは共産党さんも、前は中路さんが一生懸命お取り上げになった問題なんですよ。だから皆さんにも話して一緒にやろうじゃないかとやることもいささかどうも、縦分けだ横並びだと一生懸命になってやっていると総務長官自身が答えているところで御無礼な気もするものだから実は二の足を踏みながら、かつ各党の御意見を聞きながら、かつまた総務長官の真意というのは本当のところはどうなんだ、縦の横の、その並べ方というのは、などということを考えているので問題提起をしたわけなんですよ。だからこの次の内閣委員会で法案を上げるんだとすると間に合わなくなっちゃうのですな、きょうでないと。そこらのところはどうなんですかな。菅野さんに聞いたって、総務長官の答弁だからうまくないけれども……。理事会なら理事会に移していただいてもいいが、何か考えたいというのならもう一遍やったっていいけれども。
  59. 竹中修一

    竹中委員長 大出委員に申し上げます。  いろいろな関係がございますので速記をとめたいと思います。  ちょっと速記をとめて。     〔速記中止
  60. 竹中修一

    竹中委員長 速記を起こして。
  61. 大出俊

    大出委員 時間がなくなって申しわけないのですが、もう一つ、実施時期の問題ですよ。これは、四月実施ということを附帯決議にしたことがある。これは当委員会の努力ではないが、私は予算委員を兼ねておりますが、予算委員会の方の努力の結果として、各党の御理解でともかく四月になったというわけですね。だから、とりあえず、つけてきた四月実施にはなったのだから、それでも半年ばかりおくれているのだから、もっと早めなければという意見はあるのだけれども、当面は、この四月実施というのが、片っ方の税金の方の措置が恐らく一年の議員立法というようなことですから、来年になってどうなるのかという問題も実はあるわけですよね。したがって、毎年一カ月ずつ上がってきたんだから、六月だったから来年は五月なんだなんというので、これは四月が五月に戻っちゃうかもしらぬ。だから恩給局長に、これは来年戻る可能性があるのかないのかというのをまず聞いて、来年は四月は四月なんですよ、これは戻さないということをここではっきりさしていただきたい。それで危なっかしいのであるとすれば、念のために、来年もこれは間違いなく四月にやるんだぞということをここで一遍附帯決議か何かではっきりしておいて、来年四月実施を定着させる。欲はあるけれども、そこから先は先の話という意味で、実施の時期の問題もここではっきりさせていただきたい。  それから、ついでに言ってしまいますけれども、最低保障については、もう時間がありませんから議論をよけいしませんが、私が宿題を出したら、三つ御回答をいただきました。きのうちょっと触れましたが、深く議論しておりません。五十八万何がしの最低保障なんですが、傾斜配分その他になって二年目なんですが、過去にさかのぼっていろいろ計算をすると、短期を含めていろいろな矛盾がある。その矛盾のある程度は最低保障の引き上げで片がつくのかもしらぬという気もする。したがいまして、それはひとつ宿題にしていただいて、ここに「最低保障額については、引き続きその引上げを図ること。」というのがありますが、これは附帯決議の中に残してほしいという気が私はするのですが、そのことについての御意見をいただきたいのです。  それと、昨年の附帯決議に、もう一つ恩給受給者に対する老齢福祉年金の支給制限を撤廃すること。」というのがあるのですが、これも実は何とか撤廃してもらいたいと私も思っているので、ここらをことしの附帯決議でやはり残していただきたい、こう思いますので、その二点、ひとつお諮りをいただきたい。
  62. 菅野弘夫

    菅野政府委員 実施時期の問題は、どうも来年の話でございますので、いま私が確たるお答えを申し上げられませんが、今年度はたまたまああいうことで四月になったわけでございますけれども、当委員会附帯決議もそうでございますが、私たちの気持ちもそうでございますけれども、年度当初というのが目標でございまして、これは先ほども、ほかの民間年金とは違うんだというのを別のところで聞きましたけれども、これもまさしく現職公務員というものを一つ頭に置くのはほかの民間年金の方々と違うところでございますので、私たちの気持ちとしては、そういう目標に向かって、停滞をしないで前進をしたいというふうに思っております。もちろんこれは財政当局その他また予算折衝を通じての話でござ、いますので、これからの努力だと思います。
  63. 竹中修一

    竹中委員長 実施時期について中川君から質問の申し出があります。中川君。
  64. 中川秀直

    中川(秀)小委員 恩給局長にちょっとお尋ねをしたいのですが、今度四月に実施時期が上がりましたですね。しかし、その上げ幅というものは前年度公務員給与のベースで上がるわけですね。つまり、現職公務員であるならばそれは人事院勧告によって四月繰り上げの実施ということになるわけで、恩給受給者現職公務員より一年おくれて、四月実施であっても一年おくれてそのベースで上がるという、実際はそうなっているということですね。十月だった場合一年半おくれていると、こういうことのわけなんですが、これは技術的な問題があるのか法律的な問題があるのか私は全然知らないのですが、恩給の場合は、たとえば、現職公務員と同じように、人事院勧告が出たらそれを四月に繰り上がって恩給の場合も増額になるということは可能なのか不可能なのか。いまの方式で言うならば一年おくれで前年度公務員ベースというものにややパラレルに、それも先ほど問題がありましたように物価水準でいくか公務員ベースでいくか、制度化の問題もあるわけですけれども、実施時期一つとりましても、四月になったなったと言いますが、実際は一年おくれである。これをこれからさらにまた一月ずつ短縮をして、恩給受給者の場合も人事院勧告が出たらそれにパラレルに並行してその当該年度のうちの四月に繰り上げてまた増額分は入ってくるというようなことは可能なのかどうか、それをひとつお伺いをしたい。でき得るならばそうするのが本当であろうという気持ちで、お伺いをしたい。  それから、もう一、二点ちょっとお伺いをしたいんですが、これは小委員長にお願いをしたいと思うのですが、小委員会でそういう機会がありとするならばひとつ大蔵省の共済あたりも呼んでいただきたいと思う問題なんですけれども、海軍工廠あるいはそのほか陸軍工廠とか、工廠関係でお働きになった方々がたくさんいらっしゃいます。これは全国でたくさんあるのですね、五つもあるのですが、この工廠の年金、旧令共済年金といいますけれども、この年金の場合は、二十年間加入していなければいけないということになっております。その間召集が必ずあるわけです。召集で、短期で六年ぐらい兵隊さんに行くわけです。そうするとその間当然共済期間は切られていますから、旧令共済年金の受給期間二十年を満たさないで実際終戦を迎えておるわけですね。それでほうり出されている。ところが、軍人恩給の方は軍人恩給の方で七年未満恩給はつかないわけですから、汗水流して働いた分については全くそういった恩給年金がないということになるわけです。これは、ある期間を過ぎると若干の脱退年金みたいなものがあるけれども、これは実際問題として通算されないわけです。軍人期間は通算されない。ところが、やっている人は、船をつくったり何かするというのも工廠で働くのもこれはお国の仕事なんで、軍人に行かれるのも国の仕事なんで、同じことをやって、赤紙一枚でそういう措置をとられたがために戦前三十年近い長きにわたって、二十六、七年働かれた者については何らの保障がないというような問題がある。この辺はやはり相当そういった関係の方はずいぶんいらっしゃるので、ひとつ今後の問題としてぜひ御検討願えないか、通算ができなしものかどうかということですね。これは恩給の問題と共済の問題と絡む問題なので、谷間の問題だと思いますから、御検討願いたいと思います。  それから第三点は、簡単に申し上げますけれども、特例扶助料というのがございます。これは支那事変以降演習でけがをしたり、当時の内地で・あった樺太、台湾、朝鮮でそういった演習等のけがあるいは公務等のけがで死亡した人たちに出る、これが扶助料だと理解しておりますけれども、これが毎年の増額のたびに金額的には差が大きくなっていく、伸び率は同じかもしれませんが、金額的には差が大きくなっていく。結局、公務で死んだということと、特例扶助料に言う傷害、傷病によって死んだということ、それほどの差異があるのかどうかですね、遺族の側からとったら。私は、それは遺族にとっては差はないと思いますね。それは増加非公死の扶助料の場合は、御主人が一たん生きて戻ってそれから死んだわけですから、若干の慰めがあるかもしれないけれども、特例扶助料の場合は、けがした、それで死んだ、こういうことで遺族は受けているわけでしょう。そこに相当の差をつけているということについて大変な矛盾を感じる。この点についても今後御改善いただける意思があるかどうか。これは法律的にそうむずかしいことはないと思うのですけれども、その三点、ちょっと大出先生お話の第一点に絡ませて二点追加をいたしましたが、お尋ねをさせていただきたいと思います。
  65. 菅野弘夫

    菅野政府委員 指標としている公務員給与改善は一年前だから一年前までさらに行くことが全く不可能なのかと申しますと、これは全く物理的には不可能ではないわけでございますけれども、先生御存じだと思いますが、その意味から言いますと従来二年半おくれていたわけです。それが一年半になり、そしていまやことしは一年になったわけで、ですから物理的に不可能ではないわけでございます。  まず、ことしの問題としましては、大出先生からも申されましたように、ことしのはきわめて特例なものですから、来年は六月なのか、六月から一歩進めた五月なのか、二カ月進めた四月なのかという問題でございまして、私はこの四月というのに定着をさせるということが当面の目標じゃないかというふうに思っております。  それから第二番目の……
  66. 中川秀直

    中川(秀)小委員 そこから先へさらにまた一月ずつ二年、三年と食い込んでいってやるということは可能なわけですね。法的にあるいは技術的にも不可能ではないわけですね。
  67. 大出俊

    大出委員 それは菅野さん、ちょっと口をはさんで悪いけれども、さっき申し上げた文武官恩給の実施に関する法律という外国の法律は、公務員給与が上がってそれを実施するときには、退職公務員の方も法案を一緒に出さなければいけない義務づけになっているのですから、そうすると一遍に同じ時期にできちゃうわけですよ。だから、日本だってやろうとすれば、人事院に百八条で何とか言えと盛んに私は責めているんだけれども、公務員賃金勧告をした、その勧告を実施して法案をつくって出すときには、恩給局退職公務員の、つまり仮定俸給の改正を同じ審議会審議一緒に出してくる、その外国の例でいけばそういうことになるので、そうすればおくれがないのです。やろうと思えば何もできないことはない。だから、旧来の経過があるから仕方がないから、ぼくも同じ気持ちだけれども、やっと下がって四月定着と言っているんで、いまに定着すればあなたの方と一緒になってやりますよ、それは。
  68. 菅野弘夫

    菅野政府委員 それから二番目の問題は、共済の問題でございますので、恩給の方からも勉強いたしますけれども、主として共済の問題でもございますので、共済の方にも連絡をしてみたいと思います。  それから特例扶助料の件は、従来恩給制度の中では大体それに準ずる者は七割五分だというのが方々にありまして、そういうものを一つの目安にして七割五分ということになっているわけでございます。先生の御指摘になったような、確かにいつまでも率にこだわっておりますと、だんだん上がってきたときに絶対額が開いていくのが確かなものですから、そういう点で、そういう面からも十分見直してみたいと思います。
  69. 竹中修一

    竹中委員長 ほかに御質疑はございませんか。——なければ、速記をとめて。     〔速記中止
  70. 竹中修一

    竹中委員長 速記をとってください。  それでは再開いたします。  皆様とお諮りしましたように、十二日の内閣委員会の理事会にお諮りする附帯決議の原案文ができましたので、御了承をいただきたいと思います。それでは、本日は、これで終了いたします。なお、次回は公報をもって御通知申し上げます。    午後零時二十七分散会