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宇佐美説明員 申し上げるまでもなく、
内廷費は内廷におられる
天皇を初め
皇族の日常の
経費ということであります。また、
皇族費は品位保持に要する
経費ということに現
規定ではなっておるわけであります。それを
法律上の
一定額の範囲において日常の生活を整理していくということでありまして、大きな事業をやる役所でもなければ、日常の御生活ということであります。ですから、よほど
特別なことがなければこれを変えないという考え方は私は当然であり、しかも総額が
国民に示されるということは、ああいう程度でなさっているということがわかるということであります。しかし、いまでもその定額が決まりますと、そのお金は、受け取られると公金でなくなるわけであります。それを毎年毎年御生活の
内容まで
審議するというと、プライベートという点が非常になくなってくると私は思います。何も秘密にするとかいうことを強く言うわけでなく、どこの家庭でも普通の場合において日常使う
経費というものをすべて論議されて使うと言われるのは余りよくないと私は思うのです。ですから、
一定の定額の範囲においてやっていくというのはよろしいのではないかと私は思っております。
それから、
皇族費におきましても、品位保持とは一体何かということは、われわれ自体もなかなかわかりにくいことであります。
皇族さんもよく私にお尋ねになって、ぜいたくと品位保持とはどこに境目があるのかという御
質問で、
答弁がはなはだむずかしくなるわけでございますが、前は、要するに
皇族、宮家というのは
一定の収入があってもよろしいという前提であり、内廷の方はすべての日常の
経費を定額であらわすということになっておるわけであります。しかし、最近の物価の上昇に基づきまして、現在の
皇族様の中ではそれに見合う収入がどんどんふえるというわけにまいりません。したがって、正直に申し上げますが、いまの品位保持というのは、生活を維持するということになってきていると思います。ですから、各宮家でも若干の
財政的な差あるいは使用される人の差もございますので、中には相当苦しい方もおありじゃないかなと推測するわけであります。そういうことで、各四宮家を
一定の定額で抑えてしまうということも実はわれわれとしては非常に困る場合も起こるわけでございますが、いまの
皇室経済法ではそういうたてまえになっておりまして、皆さん平等に出ているわけであります。
それで、御私的にいろいろ相当御収入のあるところもありますけれども、わりあい収入を生むというのは少ない。ですから、むしろ税金に苦しんでおられるというふうにわれわれは伺っておるわけで、そういう点でこれはなかなかむずかしい問題で、
皇室経済法というものを将来どう考えていくかということは、私ももう相当長くやっておりますが、頭にあって、どうしていいかなかなかうまい考え方がつかないわけでございます。
非常に率直に正直に申し上げましたが、そういうような情勢でございまして、すべてを
国家予算にさらけ出して御
審議を願うと、日常の生活についてはちょっと差しさわりがあるように私は思います。