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1977-06-09 第80回国会 衆議院 地方行政委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十二年六月九日(木曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 地崎宇三郎君    理事 大西 正男君 理事 木村武千代君    理事 高村 坂彦君 理事 中村 弘海君    理事 小川 省吾君 理事 佐藤 敬治君    理事 小川新一郎君 理事 山本悌二郎君       相沢 英之君    井上  裕君       谷  洋一君    中村喜四郎君       中村  直君    西田  司君       与謝野 馨君    岩垂寿喜男君       小川 仁一君    細谷 治嘉君       山田 芳治君    権藤 恒夫君       斎藤  実君    和田 一郎君       三谷 秀治君    川合  武君  出席国務大臣         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長     小川 平二君  出席政府委員         警察庁警備局長 三井  脩君         文部省初等中等         教育局長    諸沢 正道君         自治省行政局長 山本  悟君  委員外の出席者         労働省労政局労         政課長     野崎 和昭君         自治省行政局行         政課長     鹿児島重治君         地方行政委員会         調査室長    日原 正雄君     ————————————— 委員の異動 五月二十六日  辞任         補欠選任   相沢 英之君     竹下  登君   井上  裕君     内田 常雄君   石川 要三君     中馬 辰猪君   西田  司君     湊  徹郎君 同日  辞任         補欠選任   内田 常雄君     井上  裕君   竹下  登君     相沢 英之君   中馬 辰猪君     石川 要三君   湊  徹郎君     西田  司君 同月二十八日  辞任         補欠選任   川合  武君     刀祢館正也君 同日  辞任         補欠選任   刀祢館正也君     川合  武君 六月三日  辞任         補欠選任   川合  武君     刀祢館正也君 同月六日  辞任         補欠選任   井上  裕君     木村 俊夫君   石川 要三君     福永 一臣君   刀祢館正也君     川合  武君 同日  辞任         補欠選任   木村 俊夫君     井上  裕君   福永 一臣君     石川 要三君 同月七日  辞任         補欠選任   相沢 英之君     永田 亮一君   井上  裕君     箕輪  登君 同日  辞任         補欠選任   永田 亮一君     相沢 英之君   箕輪  登君     井上  裕君 同月八日  辞任         補欠選任   相沢 英之君     辻  英雄君   堀之内久男君     安倍晋太郎君 同日  辞任         補欠選任   安倍晋太郎君     堀之内久男君   辻  英雄君     相沢 英之君 同月九日  辞任         補欠選任   岩垂寿喜男君     小川 仁一君 同日  辞任         補欠選任   小川 仁一君     岩垂寿喜男君     ————————————— 五月二十日  地方超過負担の解消に関する請願(井出一太郎  君紹介)(第五八三七号)  同(唐沢俊二郎君紹介)(第五八三八号)  同(中島衛君紹介)(第五八三九号)  同(羽田孜君紹介)(第五八四〇号)  同(増田甲子七君紹介)(第五八四一号)  同(向山一人君紹介)(第五八四二号)  同(小坂善太郎君紹介)(第六一〇四号)  同(清水勇君紹介)(第六一〇五号)  同(中村茂君紹介)(第六一〇六号)  同(原茂君紹介)(第六一〇七号)  行政書士法の改正に関する請願外二件(草野威  君紹介)(第六一〇八号) 同月二十一日  地方超過負担の解消に関する請願(倉石忠雄君  紹介)(第六三二九号)  同(下平正一君紹介)(第六三三〇号) 同月二十三日  地方財政危機突破に関する請願(瀬野栄次郎君  紹介)(第七〇二一号)  行政書士法改正に関する請願(板川正吾君紹  介)(第七五二六号)  同(川俣健二郎君紹介)(第七五二七号)  同(佐野憲治君紹介)(第七五二八号)  同(藤田高敏君紹介)(第七五二九号)  同(古川喜一君紹介)(第七五三〇号)  同外三件(湯山勇君紹介)(第七五三一号)  住民税の軽減等に関する請願(三谷秀治君紹  介)(第七五九二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 六月九日  行政書士法改正に関する請願(板川正吾君紹  介)(第七五二六号)  同(川俣健二郎君紹介)(第七五二七号)  同(佐野憲治君紹介)(第七五二八号)  同(藤田高敏君紹介)(第七五二九号)  同(古川喜一君紹介)(第七五三〇号)  同外三件(湯山勇君紹介)(第七五三一号) は委員会の許可を得て取下げられた。     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  地方自治及び警察に関する件  行政書士法改正に関する請願(板川正吾君紹  介)(第七五二六号)、同(川俣健二郎君紹  介)(第七五二七号)、同(佐野憲治君紹介)  (第七五二八号)、同(藤田高敏君紹介)(第  七五二九号)、同(古川喜一君紹介)(第七五  三〇号)及び同外三件(湯山勇君紹介)(第七  五三一号)の取下げの件  請 願    一 行政書士法の一部改正に関する請願(      今井勇君紹介)(第二号)    二 同(越智伊平君紹介)(第三号)    三 同外三件(大石千八君紹介)(第四      号)    四 同(金丸信君紹介)(第五号)    五 同(佐藤文生君紹介)(第六号)    六 同(中尾栄一君紹介)(第八号)    七 同(西村英一君紹介)(第九号)    八 同(原健三郎君紹介)(第一〇号)    九 同(廣瀬正雄君紹介)(第一一号)   一〇 同(村上勇君紹介)(第一二号)   一一 同(毛利松平君紹介)(第一三号)   一二 同(田畑政一郎君紹介)(第一六号)   一三 東京都財政の確立に関する請願(細谷      治嘉君紹介)(第二四号)   一四 同(岩垂寿喜男君紹介)(第八九号)   一五 地方財政危機突破に関する請願(瀬野      栄次郎君紹介)(第八八号)   一六 同(瀬野栄次郎君紹介)(第一二八      号)   一七 地方議会議員半数改選制反対等に関      する請願外二件(渡部恒三君紹介)(      第一五五号)   一八 同外三件(澁谷直藏君紹介)(第二七      一号)   一九 行政書士法の一部改正に関する請願(      坂口力君紹介)(第一五六号)   二〇 同(平泉渉君紹介)(第一五七号)   二一 同(和田一郎君紹介)(第二六五号)   二二 同(大坪健一郎君紹介)(第二七三      号)   二三 同(中村弘海君紹介)(第二七四号)   二四 農地の宅地並み課税廃止等に関する請      願(山田芳治君紹介)(第一九一号)   二五 東京都財政の確立に関する請願外一件      (小川省吾君紹介)(第一九二号)   二六 同(新村勝雄君紹介)(第一九三号)   二七 同(山田芳治君紹介)(第一九四号)   二八 同(山本政弘君紹介)(第一九五号)   二九 地方財政対策の強化に関する請願(椎      名悦三郎君紹介)(第二七〇号)   三〇 地方公務員年金受給制度改善に関す      る請願(山下元利君紹介)(第二七二      号)   三一 行政書士法の一部改正に関する請願(      宮崎茂一君紹介)(第三四四号)   三二 同(細谷治嘉君紹介)(第三七七号)   三三 同(水平豊彦君紹介)(第三七八号)   三四 同(稲葉誠一君紹介)(第四一三号)   三五 東京都財政の確立に関する請願(長谷      川正三君紹介)(第三四五号)   三六 同(佐藤敬治君紹介)(第四一四号)   三七 同(佐野進君紹介)(第四一五号)   三八 行政書士法の一部改正に関する請願外      一件(塩谷一夫君紹介)(第四九二      号)   三九 同(稲垣実男君紹介)(第五五一号)   四〇 同(松野頼三者紹介)(第五五二号)   四一 同(新村勝雄君紹介)(第五八四号)   四二 同(坪川信三君紹介)(第五八五号)   四三 同(中島源太郎君紹介)(第五八六      号)   四四 同(山田太郎君紹介)(第五八七号)   四五 同(千葉千代世君紹介)(第六三一      号)   四六 同(野中英二君紹介)(第六三二号)   四七 同(井上裕君紹介)(第六七一号)   四八 同(大平正芳君紹介)(第六七二号)   四九 同(海部俊樹君紹介)(第六七三号)   五〇 同(金子一平君紹介)(第六七四号)   五一 同(倉成正君紹介)(第六七六号)   五二 同(藤本孝雄君紹介)(第六七七号)   五三 同(石橋一弥君紹介)(第七一五号)   五四 同(久保田円次君紹介)(第七一六      号)   五五 同(福島譲二君紹介)(第七一七号)   五六 同(吉浦忠治君紹介)(第七一八号)   五七 同(稻村佐近四郎君紹介)(第七六九      号)   五八 同(木原実君紹介)(第七七〇号)   五九 東京都財政の確立に関する請願(加藤      万吉君紹介)(第六八〇号)   六〇 同(工藤晃君(共)紹介)(第七七一      号)   六一 同(小林政子君紹介)(第七七二号)   六二 同(柴田睦夫君紹介)(第七七三号)   六三 同(不破哲三君紹介)(第七七四号)   六四 同(松本善明君紹介)(第七七五号)   六五 行政書士法の一部改正に関する請願(      川崎秀二君紹介)(第八三五号)   六六 同(中曽根康弘君紹介)(第九三九      号)   六七 同(浜田幸一君紹介)(第九四〇号)   六八 東京都財政の確立に関する請願(不破      哲三君紹介)(第八三六号)   六九 行政書士法の一部改正に関する請願外      一件(塩谷一夫君紹介)(第一〇一二      号)   七〇 同(宮井泰良君紹介)(第一〇一四      号)   七一 同(大野明君紹介)(第一〇九七号)   七二 同外二件(斉藤滋与史君紹介)(第一      〇九八号)   七三 東京都財政の確立に関する請願(高沢      寅男君紹介)(第一〇四二号)   七四 大阪府の財政危機打開に関する請願(      浅井美幸君紹介)(第一一七一号)   七五 同(小川省吾君紹介)(第一一七二      号)   七六 同(矢野絢也君紹介)(第一一七三      号)   七七 同(矢野絢也君紹介)(第一二四二      号)   七八 行政書士法の一部改正に関する請願(      玉沢徳一郎君紹介)(第一一七四号)   七九 同(佐々木義武君紹介)(第一二三〇      号)   八〇 同(始関伊平君紹介)(第一二三一      号)   八一 退職教職員年金制度改善等に関する      請願(瀬野栄次郎君紹介)(第一一九      七号)   八二 同(井上泉君紹介)(第一二三三号)   八三 同(池端清一君紹介)(第一二三四      号)   八四 同(小川仁一君紹介)(第一二三五      号)   八五 同(北山愛郎君紹介)(第一二三六      号)   八六 同(坂本恭一君紹介)(第一二三七      号)   八七 同(中西績介君紹介)(第一二三八      号)   八八 同(矢山有作君紹介)(第一二三九      号)   八九 同(山口鶴男君紹介)(第一二四〇      号)   九〇 同(山田耻目君紹介)(第一二四一      号)   九一 行政書士法の一部改正に関する請願(      受田新吉君紹介)(第一三五一号)   九二 同(神田厚君紹介)(第一三五二号)   九三 同(宇野亨君紹介)(第一四三三号)   九四 同(小此木彦三郎君紹介)(第一四七      六号)   九五 同(染谷誠君紹介)(第一四七七号)   九六 同(松永光君紹介)(第一四七八号)   九七 大阪府の財政危機打開に関する請願(      中野寛成君紹介)(第一三五三号)   九八 同(井上一成君紹介)(第一四三四      号)   九九 同外一件(中村正雄君紹介)(第一四      八二号)  一〇〇 同(山本悌二郎君紹介)(第一四八三      号)  一〇一 退職教職員年金制度改善等に関する      請願(石野久男君紹介)(第一三五四      号)  一〇二 同(受田新吉君紹介)(第一三五五      号)  一〇三 同(大島弘君紹介)(第一三五六号)  一〇四 同(木島喜兵衞君紹介)(第一三五七      号)  一〇五 同(小林進君紹介)(第一三五八号)  一〇六 同(佐野憲治君紹介)(第一三五九      号)  一〇七 同(成田知巳君紹介)(第一三六〇      号)  一〇八 同(古川喜一君紹介)(第一三六一      号)  一〇九 同(松沢俊昭君紹介)(第一三六二      号)  一一〇 同(湯山勇君紹介)(第一三六三号)  一一一 同(安島友義君紹介)(第一四三五      号)  一一二 同(久保三郎君紹介)(第一四三六      号)  一一三 同(瀬野栄次郎君紹介)(第一四三七      号)  一一四 同(竹内猛君紹介)(第一四三八号)  一一五 同(水田稔君紹介)(第一四三九号)  一一六 同(枝村要作君紹介)(第一四七九      号)  一一七 同(細谷治嘉君紹介)(第一四八〇      号)  一一八 同(山本悌二郎君紹介)(第一四八一      号)  一一九 行政書士法の一部改正に関する請願(      武藤嘉文君紹介)(第一五二五号)  一二〇 同(森山欽司君紹介)(第一五二六      号)  一二一 同(伊藤宗一郎君紹介)(第一五六九      号)  一二二 同(丹羽久章君紹介)(第一五七〇      号)  一二三 同(藤尾正行君紹介)(第一五七一      号)  一二四 大阪府の財政危機打開に関する請願(      小川新一郎君紹介)(第一五二七号)  一二五 同(近江巳記夫君紹介)(第一五二八      号)  一二六 同(正森成二君紹介)(第一五二九      号)  一二七 同(東中光雄君紹介)(第一五三〇      号)  一二八 同(沖本泰幸君紹介)(第一五七二      号)  一二九 同(北側義一君紹介)(第一六一六      号)  一三〇 同外一件(馬場猪太郎君紹介)(第      一六六一号)  一三一 同(西村章三君紹介)(第一七一四      号)  一三二 同(荒木宏君紹介)(第一七三六号)  一三三 同(佐藤敬治君紹介)(第一七三七      号)  一三四 同(三谷秀治君紹介)(第一七三八      号)  一三五 同(春田重昭君紹介)(第一八一五      号)  一三六 行政書士法の一部改正に関する請願(      佐藤敬治君紹介)(第一七三四号)  一三七 同(逢沢英雄君紹介)(第一八一〇      号)  一三八 同外五件(小沢辰男君紹介)(第一八      一一号)  一三九 同外一件(羽生田進君紹介)(第一八      一二号)  一四〇 同(玉生孝久君紹介)(第一八一三      号)  一四一 退職教職員年金制度改善等に関する      請願(上原康助君紹介)(第一七三五      号)  一四二 同(多賀谷真稔君紹介)(第一八一四      号)  一四三 地方自治体の請願処理結果通知に関す      る請願(田中伊三次君紹介)(第一八      〇九号)  一四四 行政書士法の一部改正に関する請願(      武部文君紹介)(第一八六七号)  一四五 同(森田欽二君紹介)(第一八六八      号)  一四六 同(森喜朗君紹介)(第一九四三号)  一四七 同(栗林三郎君紹介)(第一九四四      号)  一四八 同(渋沢利久君紹介)(第一九四五      号)  一四九 同(古井喜實君紹介)(第一九四六      号)  一五〇 同(村上勇君紹介)(第一九四七号)  一五一 同(中島源太郎君紹介)(第二〇一一      号)  一五二 退職教職員年金制度改善等に関する      請願(瀬野栄次郎君紹介)(第一八六      九号)  一五三 大阪府の財政危機打開に関する請願(      東中光雄君紹介)(第一八七〇号)  一五四 同外一件(三谷秀治君紹介)(第一八      七一号)  一五五 小規模住宅用地固定資産税等免税に      関する請願(小川新一郎君紹介)(第      一九四一号)  一五六 同(山本悌二郎君紹介)(第一九四二      号)  一五七 行政書士法の一部改正に関する請願(      古寺宏君紹介)(第二〇七八号)  一五八 同(野坂浩賢君紹介)(第二〇七九      号)  一五九 退職教職員年金制度改善等に関する      請願(上田卓三君紹介)(第二一三八      号)  一六〇 大阪府の財政危機打開に関する請願(      井上一成君紹介)(第二二七四号)  一六一 退職教職員年金制度改善等に関する      請願(瀬野栄次郎君紹介)(第二四七      三号)  一六二 行政書士法の一部改正に関する請願(      久保三郎君紹介)(第二四八八号)  一六三 同(二見伸明君紹介)(第二五六四      号)  一六四 同(久保三郎君紹介)(第二五九三      号)  一六五 行政書士法の一部改正反対に関する請      願(鳩山邦夫君紹介)(第二六六二      号)  一六六 同(曽祢益君紹介)(第二六九八号)  一六七 東京都財政の確立に関する請願(高沢      寅男君紹介)(第二六九六号)  一六八 行政書士法適用除外規定の新設に関      する請願(玉置一徳君紹介)(第二六      九七号)  一六九 小規模住宅用地固定資産税等免税に      関する請願(瀬崎博義君紹介)(第二      七五〇号)  一七〇 同(三谷秀治君紹介)(第二七五一      号)  一七一 地方財政の強化に関する請願(椎名悦      三郎君紹介)(第二七九七号)  一七二 退職教職員年金制度改善等に関する      請願(浦井洋君紹介)(第二七九八      号)  一七三 行政書士法の改正に関する請願(石井      一君紹介)(第二九四五号)  一七四 同(小泉純一郎君紹介)(第二九四六      号)  一七五 同(高村坂彦君紹介)(第二九四七      号)  一七六 同外一件(加藤常太郎君紹介)(第二      九四八号)  一七七 同(野呂恭一君紹介)(第二九四九      号)  一七八 同(細田吉藏君紹介)(第二九五〇      号)  一七九 同外二件(堀内光雄君紹介)(第二九      五一号)  一八〇 同外一件(増岡博之君紹介)(第二九      五二号)  一八一 行政書士法適用除外規定追加新設      に関する請願(河村勝君紹介)(第二      九五三号)  一八二 同(細田吉藏君紹介)(第二九五四      号)  一八三 行政書士法の一部改正に関する請願(      愛知和男君紹介)(第二九五五号)  一八四 同外三件(大石千八君紹介)(第二      九五六号)  一八五 同(齋藤邦吉君紹介)(第二九五七      号)  一八六 同(坂本三十次君紹介)(第二九五八      号)  一八七 同(竹下登君紹介)(第二九五九号)  一八八 同(塚原俊平君紹介)(第二九六一      号)  一八九 同(中川一郎君紹介)(第二九六二      号)  一九〇 同(福永健司君紹介)(第二九六三      号)  一九一 同(三原朝雄君紹介)(第二九六四      号)  一九二 行政書士法の一部改正反対に関する請      願外一件(石原慎太郎君紹介)(第二      九六五号)  一九三 同(大塚雄司君紹介)(第二九六六      号)  一九四 同(木野晴夫君紹介)(第二九六七      号)  一九五 同(北川石松君紹介)(第二九六八      号)  一九六 同(栗原祐幸君紹介)(第二九六九      号)  一九七 同外一件(塩川正十郎君紹介)(第二      九七〇号)  一九八 同(篠田弘作君紹介)(第二九七一      号)  一九九 同(澁谷直藏君紹介)(第二九七二      号)  二〇〇 同(島村宜伸君紹介)(第二九七三      号)  二〇一 同(正示啓次郎君紹介)(第二九七四      号)  二〇二 同(田中六助君紹介)(第二九七五      号)  二〇三 同(濱野清吾君紹介)(第二九七六      号)  二〇四 同外一件(早川崇君紹介)(第二九七      七号)  二〇五 同(林大幹君紹介)(第二九七八号)  二〇六 同(古屋亨君紹介)(第二九七九号)  二〇七 同(森下元晴君紹介)(第二九八〇      号)  二〇八 同(与謝野馨君紹介)(第二九八一      号)  二〇九 同(綿貫民輔君紹介)(第二九八二      号)  二一〇 行政書士法適用除外規定の新設に関      する請願(阿部文男君紹介)(第二九      八三号)  二一一 同(上村千一郎君紹介)(第二九八四      号)  二一二 同(大西正男君紹介)(第二九八五      号)  二一三 同(加藤常太郎君紹介)(第二九八六      号)  二一四 同(鴨田宗一君紹介)(第二九八七      号)  二一五 同(佐野嘉吉君紹介)(第二九八八      号)  二一六 同(篠田弘作君紹介)(第二九八九      号)  二一七 同外一件(塩川正十郎君紹介)(第二      九九〇号)  二一八 同(田中六助君紹介)(第二九九一      号)  二一九 同(野呂恭一君紹介)(第二九九二      号)  二二〇 同外一件(原田昇左右君紹介)(第二      九九三号)  二二一 同外二件(藤井勝志君紹介)(第二九      九四号)  二二二 同(細田吉藏君紹介)(第二九九五      号)  二二三 同(増岡博之君紹介)(第二九九六      号)  二二四 同(山下元利君紹介)(第二九九七      号)  二二五 地方財政危機打開等に関する請願(大      原亨君紹介)(第三一六八号)  二二六 行政書士法の一部改正反対に関する清      願外一件(永田亮一君紹介)(第三      一六九号)  二二七 同(野田毅君紹介)(第三一七〇号)  二二八 同(倉石忠雄君紹介)(第三二九九      号)  二二九 同(和田耕作君紹介)(第三三〇〇      号)  二三〇 行政書士法適用除外規定の新設に関      する請願(愛野興一郎君紹介)(第三      一七一号)  二三一 同(竹中修一君紹介)(第三一七二      号)  二三二 同外一件(野田毅君紹介)(第三一七      三号)  二三三 同(倉石忠雄君紹介)(第三三〇一      号)  二三四 行政書士法の改正に関する請願(篠田      弘作君紹介)(第三一七四号)  二三五 同外一件(野田毅君紹介)(第三一七      五号)  二三六 同外一件(萩原幸雄君紹介)(第三一      七六号)  二三七 同外一件(原田昇左右君紹介)(第三      一七七号)  二三八 同外一件(福田篤泰君紹介)(第三一七      八号)  二三九 同(倉石忠雄君紹介)(第三三〇二      号)  二四〇 同(中村喜四郎君紹介)(第三三〇三      号)  二四一 行政書士法の一部改正に関する請願外      五件(坪川信三君紹介)(第三三九一      号)  二四二 行政書士法の一部改正反対に関する請      願(栗原祐幸君紹介)(第三三九二      号)  二四三 同(戸沢政方君紹介)(第三三九三      号)  二四四 同(長谷川峻君紹介)(第三三九四      号)  二四五 同外一件(前田治一郎君紹介)(第      三三九五号)  二四六 同(村山達雄君紹介)(第三三九六      号)  二四七 同(池田行彦君紹介)(第三四一三      号)  二四八 同(鯨岡兵輔君紹介)(第三四一四      号)  二四九 同(中井洽君紹介)(第三四一五号)  二五〇 同外一件(渡辺美智雄君紹介)(第三      四一六号)  二五一 同(林義郎君紹介)(第三四八七号)  二五二 同(増岡博之君紹介)(第三四八八      号)  二五三 同(松野幸泰君紹介)(第三四八九      号)  二五四 行政書士法の改正に関する請願外一件      (林義郎君紹介)(第三三九七号)  二五五 同(奥野誠亮君紹介)(第三四一八      号)  二五六 同(砂田重民君紹介)(第三四九二      号)  二五七 行政書士法適用除外規定の新設に関      する請願(奥野誠亮君紹介)(第三四      一七号)  二五八 同(砂田重民君紹介)(第三四九〇      号)  二五九 同(林義郎君紹介)(第三四九一号)  二六〇 行政書士法改正反対に関する請願(      竹中修一君紹介)(第三五八〇号)  二六一 行政書士法の一部改正反対に関する請      願(大西正男君紹介)(第三五八一      号)  二六二 同(園田直君紹介)(第三五八二号)  二六三 同(西田司君紹介)(第三五八三号)  二六四 同(堀之内久男君紹介)(第三五八四      号)  二六五 同(安倍晋太郎君紹介)(第三六五六      号)  二六六 同(塩崎潤君紹介)(第三六五七号)  二六七 同(増田甲子七君紹介)(第三六五八      号)  二六八 行政書士法適用除外規定の新設に関      する請願(近藤鉄雄君紹介)(第三五      八五号)  二六九 同(亀岡高夫君紹介)(第三六五九      号)  二七〇 同(塩崎潤君紹介)(第三六六〇号)  二七一 同(住栄作君紹介)(第三六六一号)  二七二 行政書士法の改正に関する請願(住栄      作君紹介)(第三六六二号)  二七三 同(中西啓介君紹介)(第三六六三      号)  二七四 行政書士法適用除外規定追加新設      に関する請願外一件(上村千一郎君紹      介)(第三六六四号)  二七五 同(山本悌二郎君紹介)(第三七五八      号)  二七六 行政書士法の改正に関する請願(愛野      興一郎君紹介)(第三八〇九号)  二七七 同(玉置一徳君紹介)(第三八九一      号)  二七八 行政書士法の一部改正反対に関する請      願(小坂徳三郎君紹介)(第三八一〇      号)  二七九 同外一件(住栄作君紹介)(第三八一      一号)  二八〇 同(楢橋進君紹介)(第三八一二号)  二八一 同(山下元利君紹介)(第三八一三      号)  二八二 同(渡辺栄一君紹介)(第三八一四      号)  二八三 同(足立篤郎君紹介)(第三八八八      号)  二八四 同(小平忠君紹介)(第三八八九号)  二八五 同(近藤鉄雄君紹介)(第三八九〇      号)  二八六 行政書士法の一部改正に関する請願(      葉梨信行君紹介)(第三九七三号)  二八七 行政書士法の一部改正反対に関する請      願(大原一三君紹介)(第三九七四      号)  二八八 同(萩原幸雄君紹介)(第三九七五      号)  二八九 行政書士法の改正に関する請願外一件      (加藤常太郎君紹介)(第三九七六      号)  二九〇 行政書士法適用除外規定追加新設      に関する請願(加藤常太郎君紹介)(      第三九七七号)  二九一 行政書士法改正反対に関する請願(      渡辺美智雄君紹介)(第三九七八号)  二九二 行政書士法適用除外規定追加新設      に関する請願(小宮武喜君紹介)(第      四一九六号)  二九三 道路交通法に基づく応急救護教育の実      施に関する請願(長田武士君紹介)(      第四四四九号)  二九四 地方自治体の請願処理結果通知に関す      る請願(山田芳治君紹介)(第四七六      二号)  二九五 行政書士法改正反対に関する請願(      稲富稜人君紹介)(第四七六三号)  二九六 行政書士法の改正に関する請願(玉置      一徳君紹介)(第四七六四号)  二九七 行政書士法の一部改正反対に関する請      願(春日一幸君紹介)(第四九三六      号)  二九八 行政書士法改正反対に関する請願(      宮田早苗君紹介)(第四九三七号)  二九九 行政書士法の改正に関する請願(塚本      三郎君紹介)(第五〇八六号)  三〇〇 行政書士法の一部改正反対に関する請      願(塚本三郎君紹介)(第五二五四      号)  三〇一 大阪府の財政危機打開に関する請願(      上田卓三君紹介)(第五二五五号)  三〇二 行政書士法の一部改正反対に関する請      願(山口敏夫君紹介)(第五四三九      号)  三〇三 同(権藤恒夫君紹介)(第五六五九      号)  三〇四 同(田中昭二君紹介)(第五六六〇      号)  三〇五 モデルガンの規制強化反対に関する請      願(三谷秀治君紹介)(第五五五六      号)  三〇六 行政書士法改正反対に関する請願(      田川誠一君紹介)(第五六〇一号)  三〇七 行政書士法の一部改正に関する請願(      大野潔君紹介)(第五六五八号)  三〇八 地方超過負担の解消に関する請願(井      出一太郎君紹介)(第五八三七号)  三〇九 同(唐沢俊二郎君紹介)(第五八三八      号)  三一〇 同(中島衛君紹介)(第五八三九号)  三一一 同(羽田孜君紹介)(第五八四〇号)  三一二 同(増田甲子七君紹介)(第五八四一      号)  三一三 同(向山一人君紹介)(第五八四二      号)  三一四 同(小坂善太郎君紹介)(第六一〇四      号)  三一五 同(清水勇君紹介)(第六一〇五号)  三一六 同(中村茂君紹介)(第六一〇六号)  三一七 同(原茂君紹介)(第六一〇七号)  三一八 行政書士法の改正に関する請願外二件      (草野威君紹介)(第六一〇八号)  三一九 地方超過負担の解消に関する請願(倉      石忠雄君紹介)(第六三二九号)  三二〇 同(下平正一君紹介)(第六三三〇      号)  三二一 地方財政危機突破に関する請願(瀬野      栄次郎君紹介)(第七〇二一号)  三二八 住民税の軽減等に関する請願(三谷秀      治君紹介)(第七五九二号)      ————◇—————
  2. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 これより会議を開きます。  この際、請願取り下げの件についてお諮りいたします。  本日の請願日程中、日程第三二二から第三二七の行政書士法改正に関する各請願につきまして、紹介議員であります板川正吾君、川俣健二郎君、佐野憲治君、藤田高敏君、古川喜一君及び湯山勇君から取り下げ願が提出されております。本各請願の取り下げを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  4. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 これより請願審査に入ります。  請願日程中、ただいま取り下げを許可いたしました日程第三二二から第三二七を除いて、請願日程第一から第三二一及び第三二八の各請願を一括して議題といたします。  まず、審査の方法についてお諮りいたします。  各請願の内容については、文書表等ですでに御承知のことでありますし、また、理事会で十分御検討を願いましたので、各請願について紹介議員の説明等はこの際省略し、直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これより採決いたします。  本日の請願日程中、第二九及び第一七一の両請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、日程第三〇の請願は、議決を要しないものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、残余の請願は、いずれも採否の決定を保留いたしたいと存じますので、御了承願います。  この際、お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  9. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 今国会におきまして、本委員会に参考のため送付されました陳情書は、お手元に配付いたしてありますとおり、地方財政確立に関する陳情書外二十件であります。念のため御報告申し上げます。      ————◇—————
  10. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。  小川新一郎君外一名提出に係る  人口急増地域対策等特別措置法案  細谷治嘉君外六名提出に係る  地方公営交通事業特別措置法案  小川新一郎君外三名提出に係る  公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案 及び  小川新一郎君外三名提出に係る  国と地方公共団体との財政上の負担関係の健全  化に関する法律案 並びに  地方自治に関する件  地方財政に関する件  警察に関する件 及び  消防に関する件 以上の各案件について、議長に対して、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中審査案件が付託になり、その審査に当たり委員派遣を行う必要が生じました場合には、派遣委員の選定、派遣地、派遣期間等につきましては、委員長に御一任願い、議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  13. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 地方自治及び警察に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。山田芳治君。
  14. 山田芳治

    山田(芳)委員 きょうは閉会の日でありますけれども、委員各位の御協力を得て、緊急でありますけれども、福島県におきます第五十一回の日教組の定期大会の会場問題について、政府が会場の確保のために断固たる措置をやってほしいということを要求しながら、私が団長といたしまして調査をいたしましたので、その調査実態に基づきまして質問をいたしたい、このように考えております。  資料をお配りいたしますので、これを配っていただきたい。ここ十年余り以前から、毎年定期的に開催される日教組の大会が行われる会場周辺というのは、常に右翼が押しかけて大会を妨害する、そういう状況になっていることは御承知のとおりであります。このことは世界的にも見られない現象であり、かつ、国内的にいっても、日教組の大会だけがこういう右翼が妨害をするという状況であります。また、会場が決定される以前の段階においては、日教組の大会会場の予定場所が公表されるや否や、使用許可の手続が始まる段階で、当該地域の自治体や労働組合等に対して、右翼が会場の使用を妨害するということ等、いろいろのいやがらせをしてまいっております。これはここ数年来毎年のことであります。このため、当該地方自治体や周辺住民は、最初は非常に協力的であるのでありますけれども、公表されて右翼が妨害の挙に出ると、会場を返上したいとか、あるいは会場を変えろとか、きわめて遺憾な事態が行われているのがここ数年のならわしになっているわけであります。  こういうことは、はっきり申し上げて、憲法に保障された労働組合の定期大会が開かれるという民主的な行為が、いわれない右翼の妨害によって大会が開催できなくなるような形になるということになって、まさに憲法が保障する言論、集会の自由と、労働基本権に対する、すなわち団結権に対する重大なる侵害であると言わざるを得ないというふうに思うのであります。こういう状態がここ数年間続いておりますから、私が調べたところ、ここに会議録を持ってまいりましたけれども、毎年累次にわたりまして当委員会において、たとえば昭和四十八年の六月十五日あるいはまた昭和五十年の六月十三日等においても山口鶴男委員がその都度政府に強い措置を求め、また政府側からも、断固たる措置をいたしてそういうことのないようにいたしますという答弁が行われてきております。  ところが、また本年もこのような質問を緊急に皆さん方の協力を得てやらなければならない、政府に対する断固たる措置を要請しなければならない、そうしなければ会場が確保できない、こういう事態も起こっているわけであります。もうここらあたりで、来年以降こういうことを質問しなければならないというようなことのないように、まず政府においても地方自治体を指導されて、積極的に憲法に保障する言論、集会の自由、労働組合に与えられているところの団結権というものを保障するために、会場周辺の住民の不安の除去と今場確保のために、必要な措置をとられるということをまず要求したい。  特に申し添えたいのでありますけれども、憲法の規定に言うところの言論、集会の自由、あるいは団結権の自由というものは、公共の福祉によって制限をされるものとそうでないものとの国民の権利がある中で、第二十一条の言論や集会の自由というのは、公共の福祉でさえもこれを制限することのできない権利であるというふうに規定をされているというきわめて重大な権利であるということは、先刻皆様方政府委員各位の御承知のとおりであろうと思います。  そういう立場からいって、政府の基本的な姿勢をまず伺いたい。国務大臣であり自治大臣、かつ国家公安委員長の重職を担っておられるところの小川国務大臣に、この問題についての基本的な考え方についてまず所見を承りたいと存じます。
  15. 小川平二

    小川国務大臣 憲法の保障しております集会、結社の権利あるいは勤労者が団体行動をする権利というものは、これはもとより尊重さるべきものだと信じておりますが、今回の場合は福島県の当局が公の施設を適切に管理する。     〔委員長退席、大西委員長代理着席〕 こういう立場に立って意思決定をいたしておるわけでございましょうから、これは必ずしも憲法の保障する権利そのものを否定するものではない、このように考えておるわけでございます。  また政府が断固たる措置をとれという仰せでございますが、これはやはりそれぞれの地方公共団体が、法律あるいは条例に基づいて自主的に施設の使用の可否を判断すべきものでございますから、自治省としてこれに介入をするということは必ずしも適当でないと考えておるわけでございます。  それから憲法は公共の福祉によって制約を受けることがあるべき基本権としからざるものを書き分けておるではないか、こういうお言葉でございます。  憲法の解釈には、学説としてはいろいろ意見が分かれておると承知しておりまして、仰せのような見解をとる学説もあると聞いておるわけでございます。その反面におきまして、原則として公共の福祉による制約というものは全部認めるべきでないという説もある、あるいは一般的に公共の福祉による制限を認めるべきであるという学説もある、学説の問題としては必ずしも一致しておらないと聞いておりますが、最高裁の判例は有権的解釈と言うべきものでございましょう。これは、今日まで公共の福祉による墓表的人権の制限ということを一般的に認めておる、かように承知しておりますので、仮に福島県の施設の管理者が今回日教組に貸与しないという決定をいたしましても、必ずしも直ちにこれが憲法に違反すると断定するわけにはまいりかねるものではなかろうか、こう考えます。
  16. 山田芳治

    山田(芳)委員 まだそこまで聞いているわけではないのでして、憲法に保障されている言論、集会の自由を保障するために、毎年この委員会において右翼の妨害等について排除していかなければいかぬし、そういう点についていままででもこの何遍かの質疑応答を見ると、断固として取り締まりを行って会場を確保いたしますということが、国家公安委員長として何遍か、江崎自治大臣のときもそうですし、福田自治大臣のときも同じ答弁をされているわけですが、何かいまの答弁を聞いていると、いままでの大胆と比べてはるかに後退しているような感じがするのです。要するに会場を確保したいということで話し合いをして、そして決まれば、その妨害排除のために断固たる措置をとってもらいたいということを毎回申し上げて、それは断固たる措置をいたします。そうでなければ、会場が確保されている中で右翼の妨害によって憲法二十一条に保障する言論、集会の自由が侵されるではないか。こういうことは公務員としても、憲法の規定によってその憲法を守らなければならぬ義務づけをされている立場からいっても好ましいことではないではないか。だから法律論をいまここで大臣からお伺いしようというふうに思っておりません。これはもしそういう段階になれば裁判所へ持ってまいりますが、憲法の規定からいっても政府として断固たる措置をとるべきではないか。毎年こういう質問をしているということはまことに遺憾なことだから、政府としては一体どういう姿勢でこの問題に対処されるのかということを聞いておるのであって、具体的なことは後でまた資料等を示して質問をいたしますが、まず基本的な姿勢をお伺いしておる、こういうことでございます。
  17. 小川平二

    小川国務大臣 仮に違法の行為が行われます場合には、最も峻厳な態度で取り締まりをいたしますということを、その都度お約束を申し上げ、かつこれを実行しておると信じております。今回もまたしかりでございます。また政府の態度というお言葉でございますが、この点につきましては繰り返しになりますけれども、この種の問題は地方公共団体が法律、条例に基づいて自主的に判断し決定すべき問題だと信じておりますので、政府としてはこれに介入をする意思は持っておらないわけでございます。
  18. 山田芳治

    山田(芳)委員 介入はされなくても指導は法律上もできるはずでございますから十分ひとつ指導していただきたい、この点どうですか。
  19. 小川平二

    小川国務大臣 県の当局のとります措置が違法であります場合はもとより、はなはだしく適正を欠いておるというような場合にはこれはもとより指導をいたします。
  20. 山田芳治

    山田(芳)委員 それでは具体的に質問をしてまいりたいと思うのであります。  今回の福島県の日教組の大会会場の問題は、調査をいたしますと大体各県の状況と類似している点もありますけれども相違している点もあります。類似している点というのはどういうことかといいますと、日教組の大会が開かれる場合には、あらかじめ自治体当局等と予備交渉というか、会場が一体あいているのかどうか、確保できるだろうかということを自治体当局との間にやるわけでありますが、大体そういうときはいつでも当局は協力的であります。今度の福島県の場合も、ひそかにこの会場となるべき文化センターの当事者と折衝をいたしたところ、当初日教組側としては、参議院選挙の関係もこれあり、大会の期日を、一番最初は七月二十一日から五日間ということで会場に申し込みをしましたところ、この文化センターなり福島県当局は、それは日展の会場に予定されているから、十四日からなら五日間はとっておきますということで、その期間を繰り上げておりますけれども、その期間なら結構でございますと、こういう話になっておったわけであります。それで、十四日といいますと、参議院選挙が済んですぐでありますからいろいろありますけれども、せっかくそこまでお話があるんならそういたしましょうというので、十四日から五日間ということを決めようということで、それならばひとつ実務者の間で打ち合わせをいたしましょうということで、関係者の間で実務者会議が持たれている、こういうことであったわけであります。それが大体二月、三月、四月の段階であります。  ところが、五月八日に、この日教組大会が福島県の文化センターで開かれるということが新聞に出た途端に、先ほど申しましたように右翼が盛んに妨害を行う。そういうことになるとともに、返上論というものが起こってきたわけであります。  そこで、ここまでは大体この前の前橋市の場合においてもあるいはその他の場合においても、大体同じようなパターンで進んでいるのです。ところが、福島県の場合は、ここから後がちょっと違います。というのは、ほかの府県の場合は、こういうふうになりながらも、警察の方の断固たる措置なり、あるいは政府側もやはりこれを守っていかなければいかぬという立場でやっていただいている中で、いろいろと協議をした結果、結局は何らかの形で会場を確保することができていく、こういう形になっているのでありますが、福島県の場合は、いまお手元にお配りをいたしましたこの文書がありますが、あらかじめの予備交渉として、四月二十八日付で、福島県の県労協の議長の和田氏から「日教組定期大会開催に伴う「会場」の確定に関する事務処理の進捗方要請について」という文書を出して、これは正式文書じゃありません、正式文書じゃないが、内々ひとつこういう形でやりたいのでよろしく頼むという文書を出したところが、これはそこにありますように「市民特に地域住民、商店、学校、病院等に多大の不安、迷惑をかけることが十分予想されるので、要請に応じかねることに決定しましたので、通知いたします。」という文書が五月の三十一日に出されたわけであります。こういう状況になっている点は他の府県とは違うのでありますが、こういう状況になりましたので、新聞その他もこれは文化センターが不許可である、会場としては認めないんだということを報道されたわけであります。  で、わが党といたしましては、これは大変なことだ、重要なことだということで、先ほど申しましたように、急遽調査団を編成いたしまして、福島県へ赴き、調査をしたわけでありますが、いろいろと調査をした結果、次の三点が明らかになったわけであります。  その一点は、この回答は不許可ではございません、条例に基づくところの申請が出されるならば、改めてその段階で当否の判断をいたしますと、こういうのが教育長の回答でございました。そこで、昨日午後五時に正式の条例に基づく許可証を出させていただいておるはずであります。  それから第二番目は、副知事は、そういう要請についてはよく知事と一遍相談をいたします。知事にもよく伝えますと、こういう返事であります。県警察本部は、会場が決定されれば、断固としてこれは守りますと、こういうことに本部長の答弁がございました。  それで問題は、お手元に出しておりますところのこの資料、左側ですね、お読みをいただきたいのですが、県警本部長が、私どもが会ったときには、会場が決定されるならば、断固としてこれは守りますというふうに言われているのですが、そこに右側にありますところの進捗方要請についての回答で、要請に応じられないという回答の中の「不安、迷惑」という問題については、これははっきりいたしましたのは、そこの上に書いてあります。「日教組大会に対する県警本部の教育委員会への見解」というのがあるのですね。本部長にこれを確かめたところ、これは警備担当者の個人的見解であって、本部長の正式見解ではありませんと、こう言う。しかし、少なくとも教育委員会に行ってくると、これは正式見解だと受け取っております。警備部長なり公安担当の課長さんも同席された席上で渡されたメモがこれでございます。こういうふうに言っておられるわけであります。ところが、これを読んでみますと、いかにもこれは会場を貸してはいかぬという書き方、特に二番を見ていただくと、「市民の迷惑や不安を完全に無くするという表現をもって対処できるという問題ではない、と考えている。」と、こういうのですね。警察当局が、会場が決まれば全力を挙げてこれを警備して不安や迷惑をなくすという努力をされるべきなのにかかわらず、その措置をとらない前から、すでに迷惑や不安を完全になくするという表現をもっては対処できないというようなことは、これは私は遺憾なことだと思います。  いままでの過去の例の場合、非常に警察当局は、相当の人数をもって断固として守ってこられた、私は一定の評価ができるし、結構なことだと思います。今度の場合もそのくらいの気持ちでやりますということを教育委員会に回答をしてやれば、私は、こっちの回答にある、同じような不安、迷惑をかけることが十分予想されますと、これは警察当局からいただいたこのメモで私どもはそう判断いたしますと、こう言うているわけですね。これでは一体警察の当局としての責任が果たせるのだろうかということを非常に疑問に思います。  そこで、本部長に聞いたところ、これは先ほど言ったように、警察本部の中の警備担当者の個人的見解であるということで、本部長としてはこういうことを何ら公式に申したことはございませんということを申しておりますので、それならこれは本部としての、警察としての見解ではないのですね、そうです。それならば、そういう点をここの警察としては、会場が決定されるならば断固とした警備を行いますということだけで、あとのことは、これは警察としての正式見解でないということを、はっきり取り消して教育委員会に連絡をしてほしいと言ったら、そういたしますというのが私に対する回答であったのでありますが、この点について警察当局として確認ができますか。それとも、こういうことについて県教委に伝えられておられますかどうか、この点をひとつお伺いしたいと思います。
  21. 三井脩

    ○三井政府委員 まず事実関係、調査されたそうでございますけれども、私たちが知っておる事実関係と相違する点もございますので、その点から申し上げたいと思います。  この文書は、警備部長が教育庁の総務課長あてに出したもの、これは非公式文書でございますから、件名、日付その他等がないわけでございます。ただし内容は、事前であるか事後であるかは別といたしまして、本部長もこの内容については同意しておる、本部長も同じ見解、こういうものでございます。  そうしますと、なぜこんなものを出したのかということになるわけでございますが、教育庁の方から、警備上の警察の見解はどうか、つまり会場を貸す貸さぬというのは警察がタッチすることではございませんが、警察は当然警備をいたしますので、その警備上、警備をやる立場の警察の見解はどうですかという照会があったので、前回広島、明石その他の例も警察では研究しておりますので、警察は断固やりますという趣旨を申し述べ、ただその中で、たとえば地元住民その他の苦情というのは、前回広島の場合も苦情が有数十件も寄せられておる、明石も四十数件の苦情が寄せられておる、こういう事情も申し述べたわけでございます。そうしたら教育委員会の方から、警察の見解はこういうことですかと言って書いて持ってこられました。書いて持ってこられたのが、非公式の文書だけれどもと言ってメモを書いて持ってこられたのですが、これはどうも意を尽くさないというので、そのメモに手を入れたというのがこの文書だというように聞いておるわけで、そういう意味では個人的見解ということではなくて非公式文書であるということと、内容については本部長も同じように考えておる、こういうことでございます。これは事実関係でございます。これは五月二十七日のことでございました。  それから、先ほどもお話ございましたが、この問題につきましては、たびたび会場問題は問題になるわけでございまして、ここでも言っておりますように、警察はこの警備につきましては従前も最善を尽くして警備に当たっておるということを強調し、今回もまたそのとおりやるつもりでございます。  それから、会場をどうするかということは警察が言うことではありません。警備がやりにくいからやめてほしいとかというようなことは警察の言うことではありませんということでございます。  それから、市民の迷惑云々ということについてはただいまちょっと触れましたけれども、直近の広島の問題、おととしの明石の問題等につきましていろいろ市民から苦情が寄せられておりますが、その苦情もないように、その苦情自体になるもとがございますが、それを警察ですっかり排除していただけますか、こういう御質問があったわけでございますが、その点については、広島でも一生懸命やった、やったけれどもあれだけあったというようなことから言いまして、その原因と実情を考えてみますと、警察が警備をやる場合に、反対街宣等をやる数が広島の場合には千五百人も来ておる、車が二百台、三百台も来るということでありますので、これについて私たちのこの警備に対する基本的な考え方は、まず地元住民にいろんな危害等が及ばないこと、それから関係者ですね、たとえばこの大会の日教組の幹部の方に対するいろいろなことがありますので、これは宿舎からボデーガードからいろいろなことをやらなければいけません。それから三つ目には、大会そのものがスムーズに円滑に行われる、したがって、その周辺を街頭宣伝でがあがあと言ってやっておったのでは会議にならないというようなこともありますので、簡単に申しますと、その三点の目標を達成することが本件警備のわれわれの眼目だと毎回考えておるわけです。  それを実施するためには、車が何百台も来る、千五百も来る、今回何ぼ来るかわかりませんが、というような昨年の例にもかんがみまして、われわれとしては広域の交通規制をやります。それからまたごく手近な周辺の交通規制もやります。したがいまして、そういう交通規制を、平素そういうことがなければやらないで済むものをやることが迷惑だ、こういう苦情も先ほど言いました百七十件の中には相当あるわけです。そういうことを迷惑だ、こうおっしゃられれば、それまでなくせというようなことは警察としてはできかねます。このいう趣旨を申し上げたわけです。  それからもう一つは、街頭宣伝をやる、千名を超えるマイク等を使っての声高な街頭宣伝がありますが、これも違法なものについては取り締まりをいたしますけれども、その違法にまでならない、法的に言えば放任行為という分野があるわけでございます。いろいろ細かく言うのもあれでございますが、警察が取り締まれる行為と取り締まれない行為、しかし積極的に法がそれを支持しておるというか、奨励しておるんじゃないけれども、取り締まる法規の観点から言えば放任行為、こういうことがあるわけでございますが、その分野で行われる街頭宣伝活動、それはこの場合、端的に言えば街頭騒音、こういうことになってくるわけでございますが、取り締まれるものについては断固取り締まります。     〔大西委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、いままでの例でも、広島の場合には四十何名検挙しておるわけでございますが、そういうような努力をいたしますが、検挙すれば治安維持できたという面が、もちろんそれは基本でございます。しかし、その検挙に伴って、事案が発生しなければ検挙できない、発生する直前には警告する、こういう努力をいたしますけれども、検挙はしたけれども騒音は残ったとか、交通規制をされたためにわれわれは迷惑をこうむった、こういう苦情は現にありますけれども、これは警察としては手の打ちようがないことですよということを聞かれたので申し述べた、こういうことでございまして、県の教育委員会の方々もそれぞれの現地に調査されたようでございますし、またさらに調査に行かれるというような話も聞いておりますけれども、そういう点についての御質問があったので事前に口頭で申し上げた。それをメモにして、これが警察本部の見解だと了解してよろしいですか、こう来たので、そんなことを言っていませんよと言って、われわれの気持ちに近づけるために手を入れた、その結果がこれでございまして、したがいまして最後の「という表現をもって対処できるという問題ではない」という妙な文章になっておりますが、そういうやりとりの中での文書、最小限手を入れておるわけですけれども、そういうものでございますので、第三者が見ればわかりにくい文書だと思いますけれども、警察の気持ちはそういうことでございまして、会場を決める決めないということについてのわれわれは意見の賛否の表明はいたしません。しかし、決まればこれは断固としてやります。その場合の警備の重点は先ほど言いました三点を眼目としてやります。そのかわり交通規制をやりますので皆さん協力してくださいということで、やるということになりますと、ことしの上尾の教研集会のときはそうでありますけれども、何万枚のビラを、交通規制のビラを周知させるために何日も前から一般に配るとか、立て看を出して当日交通規制をこうやりますよとかいろいろなことを言わなければいかぬ、それには市民の方も御協力をいただきたいと、こういうようなことを申し上げたわけでございます。
  22. 山田芳治

    山田(芳)委員 いまのお話で理解できる点もありますけれども、理解できない点がありますのでさらに質問をいたしたいと思うのですが、この文書、いま警備局長さんが言われたようならばこういうふうに書くべきですよ。確かに地域住民に、いま言ったような交通規制その他の迷惑や不安と思われる点はあると思うけれども、断固として警察当局は守りますと、こう書けば、ひとつ貸そうかという気になるけれども、どう見ても、完全に不安や迷惑をなくす「という表現をもって対処できるという問題ではない」などというと、いかにも貸しなさんなという表現になってしまっているので、そういう点の手入れがおかしいというふうに思うのです。この点が一つ。  それから第二点は、確かに不安や迷惑と言われるけれども、過去の広島にしてもあるいは前橋にいたしましても、住民に対してガラスが割れたとかあるいはいわゆる人身の被害とか物的被害というのは皆無であって、会場それ自身がどうであったというような、浦和の教研集会等はあるということは聞いていますけれども、周辺住民の物的、人的被害というものは、これは警察の御努力だと思いますよ。だからさっき言ったように評価すべきものは評価する、だからそういう点はなかったのだという点をこの際明確にしておいていただければ、この不安や迷惑というのは、いま言ったように交通規制に伴って迷惑だというのだったら、道路工事一つ、地下鉄工事一つやったってみんな迷惑だ、そういうことを同じようにここに書くからいかぬので、そういう点についての迷惑はあるかもしれぬが、警察としては断固として人的、物的被害は与えないよう値いたしますとどうして書けなかったのかという点をひとつ伺います。
  23. 三井脩

    ○三井政府委員 表現の問題につきましては、原案をこう書いてこられましたので、最小限度手を入れるとなればこういうことになったというように思うわけでございます。  それから、不安、迷惑の点でございますが、いままでそういうようなベストを尽くす態勢で尽くしてまいりました。したがいまして、警備活動をいたしました警察官が取り締まり対象ともみ合って負傷するということで毎年数名、十名未満でございますけれども、警察官の負傷者を出しておるということはございますけれども、付近の住民とか一般の人が負傷されるというようなことはいままで全くございません。  それから、いまおっしゃったように会場に、ことしの上尾のときには前日に会場にひそかに侵入してガラスを何十枚も割ったというようなことはございますけれども、それ以外の一般の民家といいますか、一般の人たちに迷惑をかけたということはございません。そういう意味で、われわれとしましては当該県警の要員だけで足りないときには、他の府県からも応援を求めて万全の態勢で臨むという方針でやっておりますし、今回もそういう方針でやるつもりでございます。
  24. 山田芳治

    山田(芳)委員 ということで、わかりましたから、そういう点をもう一度県警本部長から教育委員会に、使用願いがゆうべ出された、きょう付に受け付けになるきわめて微妙な段階ですから、こういう表現じゃなくて、いま警備局長さん言われたような趣旨をひとつ伝えるように努力していただけますかどうですか、この点ひとつ……。
  25. 三井脩

    ○三井政府委員 最初、口頭のこれを取り消すかということでございましたけれども、これは別に取り消すつもりはないと県警でも聞いておりますし、要は、教育委員会に事の真相、実態といいますか、いままでの例とわれわれの決意、方針、これを正確に伝えるということでございますので、そういう点については教育委員会からもまた相談があると思いますし、そういう点については正確に伝えたいというふうに考えます。
  26. 山田芳治

    山田(芳)委員 これだけでは、いかにも断れということを警察も共同作業したように見られる。これは警察としても不本意なことだと思うので、十分その点の措置をお願いしたい。  それから、大臣、いま聞いていただいたように、人的、物的被害は、警察の努力の結果、また、努力をされればそうなるということが明らかになった。憲法を守っていくということは、これははっきり申し上げて非常に大変なことだと私も思います。思いますけれども、それなるがゆえに、そういう言論、集会の自由というものを侵すことによって一つの効果を上げようというのが右翼の作戦なんですから、これにひっかかってその会場が不許可になるということになれば、今後ますますこれがエスカレートすることによって、言論、集会の自由は確かに直接的には侵されていたい、ほかに場所を変えればいいんだ、こういうきわめて安易な考え方をしていると、またそっちも同じようになってもっとエスカレートする。結局は二十一条にいうところの言論、集会の自由というものが実質的に侵されているという段階になるので、私は一番最初に大臣の決意はどうでございますかということを伺った。法律的に直接影響がなければそれはいいんだというような単純な甘い考えで、会場を別にしなさい、不便になるかもしれぬけれどもほかにしたら、じゃ、ほかはどこだといえば、それはまた別に考えていません、こういうことの繰り返しをやれば、結局二十一条に保障されている言論、集会の自由が実質的に骨抜きになる、空洞化するという事態が起こるということが、これは、われわれも含めて、憲法を守っていくということはいかに大変なことかということを示しているのです。そうではあるけれども、それにこりてもし負けたならば、それこそまさに憲法というものが空洞化するんだというふうに考えるわけですから、この点、大臣、もう一度ひとつ十分県を指導していただきたいということを申し上げておきたいと思います。  次に、これは行政局長にお伺いをするわけでありますが、地方自治法の二百四十四条あるいは二、三、四あたりの公の施設、これは条例によってその管理規定を定めるということが書いてある。この文化センターについても文化センターの条例があるわけであります。ところが、この文化センターの条例は、どこを読んでみても、付近の住民に対して迷惑をかけるというようなものがあれば許可をしないなどということは全然書いてないわけですね。ここにございます「使用の許可」第五条というところを見ますと、「文化会館における秩序を乱し、又は善良の風俗を害するおそれがあるとき」、「文化会館を損傷するおそれがあるとき」、「前二号に掲げるもののほか、その設置の目的に反するとき」、「教育委員会は、文化会館の管理上適当でないと認めるときは、第一項の許可をしないことができる」こういうふうになっているのであって、要するに使用者と会館側との間における条件というものにおいて使用の許可、不許可ということが行われると書いてある。第三者が起こす問題についてまで当該当事者に対して不許可を与えるというようなことができるようには考えられない。しかも、ここで行われるのが、憲法で保障された言論、集会の自由というものを伴い、また、労働基本権の団結権というものを伴ったものであるというふうに思うのですが、この点についてどうかということと、あわせて、労働省の方はお急ぎになるようですから、ひとつ労働省の方に一言先に聞いておきたいのですが、こういう労働組合の団結権について、労働省当局は、会場の問題との関係においてどう考えられるか。いままでも何遍もこういう事態があったのでありますが、その都度労働省はどういうふうに考えておられたかということについて一言お伺いをして、御答弁が終わったらお帰りいただいて結構です。
  27. 野崎和昭

    ○野崎説明員 日教組その他の公務員組合の問題は、労働省が直接所管しているわけではございませんけれども、労使関係全般を所管する立場から考えますと、先生お話ございますように、団結権の問題あるいは集会の自由等が尊重され、労働組合の大会等が関係者の理解と御協力を得まして円滑に開かれることが望ましいということは当然のことであると考えます。ただ、本件その他過去の例につきましても、いずれもその地域における具体的事情を考慮した、団結権その他集会の自由を含めて、具体的事情を総合的に考慮した御判断で県あるいは関係者が判断しておられるということでございますので、労働省としてこれについてとかくの意見を申し述べることはできないと、このように考えております。
  28. 山田芳治

    山田(芳)委員 そんなことでは団結権は守れない。さっき言ったように、地域の総合的判断であれば云々じゃなくて、やっぱり労働省としては、本当に労働者の味方として、団結権を保障するための必要な措置というものをとっていくということが労働省としての当然の責務ではないのですか。その点についてもう一度お答えください。
  29. 野崎和昭

    ○野崎説明員 ただいま申し上げましたように、労働省の立場あるいはその地域の実情を正確には存じ上げないということもございまして、労働省が直接指導するということは適当でないと考えますけれども、それぞれ県の労政担当の部局におきましては、関係者から御相談がございました場合に、ただいま申し上げましたような労使関係全般の立場から、必要な参考意見なり助言は申し上げていると考えております。
  30. 山田芳治

    山田(芳)委員 いや、そうじゃないんですよ。これは一番最初県の労政課へ行っているんですからね。やっぱり労働者側からしても労政課が一番味方だと思っているから、一番最初に文化センターの問題について労政課の協力を求めながら話を進めたという経緯があるんですから、この問題についてもどうも十分御承知ないようだということを感ずるんだが、労働組合の問題については、もっと情報を把握した上で必要な措置を積極的にとってもらいたいということを要望しておきます。お忙しいようですから、どうぞ出ていただいていいですが、不十分だということを十分申し上げておきます。  では、行政局長さんお願いします。
  31. 山本悟

    山本(悟)政府委員 御指摘のとおり、公の施設の使用等につきましては、法律におきましても、正当な理由がなければ使用を拒否してはいかぬというようなことでございまして、法律に基づきますところの条例におきまして定められた方針に従って管理しなければならないことは当然でございます。そうして、ただいま御指摘になりました本件の場合におきましては、福島県文化センター条例というものでこの施設につきましての管理条例をつくっているわけでございます。御指摘のとおり第五条「使用の許可」というところがあるわけでございます。この第二項、先ほどお読みになりました点でございますが、絶対的に許可をしてはならぬということを義務づけておりますのが、一つは「文化会館における秩序を乱し、又は善良の風俗を害するおそれがあるとき」、二番目が「文化会館を損傷するおそれがあるとき」、三番目が「その設置の目的に反するとき」、これは管理者に対しまして絶対的に貸しちゃいかぬということを設置条例におきまして義務づけているわけでございます。そして、ただいま読みましたこの三つのものに本件の場合は該当しないであろうということは御説のとおりであろうと思います。私もさように存じます。ただ、第三項におきまして「教育委員会は、文化会館の管理上適当でないと認めるときは、第一項の許可をしないことができる。」というクローズが設けられているわけでございます。この場合の「管理上適当でないと認めるとき」というものをどう考えるか、ただいま山田先生は、この「管理上」というのを、管理者と使用者と、この二者の間においてどうだということで判断すべきである、こういう基本的なお考えで意見をお述べになったわけでございます。それはまた一つの御見解であろうと思います。ただ、同時に、管理者であります教育委員会がこの建物の使用を許可する場合に、ただいま読みましたこの第三項の相定によって判断をする、その判断をいたします際に、一体、その周囲の事情あるいは周囲の住民の状況、安全、そういったような状況と現地の事情というものを判断の一つの要素として加えることが不可能であるかということになりますと、必ずしもそうも言えないんじゃないか。この辺のところで恐らく教育委員会側といたしましては、条例上も非常にむずかしい場合にはむずかしいことになってもやむを得ないという根拠があるというぐあいに考えておるのではないか、かように私どもとしてはこの条例を読ましていただきまして見ているわけでございまして、条例の解釈ということになってまいりますと、いろいろの御意見があろうと思いますけれども、やはり管理上適当でないと認めるという場合に、周囲の事情というものが要素に入らないということにはとても申し上げられません。やはり判断基準の一つの要素にはなり得るのではないか、かように思っておるわけでございます。
  32. 山田芳治

    山田(芳)委員 若干憲法論争で恐縮であって、私はこんなところでやろうとは思わないのです。もっと政治的な立場で判断してもらいたいと思うのですが、私は第三項は、管理上適当でないというような広範な権限を知事なり管理者に与えるということは法の趣旨として適当でないというのが第一点。  しかも今回のケースはその他の問題とは違うので、いわゆる憲法に保障されたところの言論、集会の自由あるいは団結権という憲法上の自由にかかわる問題との関係において判断しなければならない。そうするならば、その管理上という言葉は厳しく制限しながら、せいぜい考えても前項にあるような理由というようなものがある場合に管理者がそういうふうに不許可の場合があり得るというふうに考えるべきで、憲法との関係においては少なくとも先ほど申し上げたように、この憲法の保障している言論、集会の自由なり団結権というものは、公益上の必要によって一定の制限をされるという権利でないという特殊な権利である、公共の福祉というものによって制限を加えられていないところの権利だという内容を含むものであればあるほど、この管理上不適当だという内容は厳しく制限して解釈されなければならないケースである、私はそう理解するのです。だからその点、私はここで、判例を私も持ってきておりますけれども、判例論争をしようと思いません。そうじゃなくて、政府としては憲法の条項を守らなければならぬという規定もあるのだから、これをありとあらゆる手段、方法を講じて妨害やいやがらせというものを排除しながら、会場が確保できるように協力をしてやるということが政府の立場ではないでしょうかということを一貫して質問しているわけですから、法律解釈で問題が解決するという問題でなく、また法律解釈なら裁判所に持っていくべきものだし、持っていかなければならぬと思うのですよ。そういう意味で、毎年毎年繰り返される日教組の大会だけがこういう妨害を受けているということは、われわれはいわれがないではないかというふうに思うので、そういう点は政府も一緒に、地域の住民とともに、地方自治体とともに、そういう妨害に対しては断固排除をしながら会場を確保してやるという政治的判断をすべき内容のものではないのかということを伺っているので、この点大臣もう一度ひとつ御答弁をいただきたい。
  33. 小川平二

    小川国務大臣 憲法との関連におきましては、私は先ほど申し上げたとおりでございまして、公共の福祉という観点から基本的権利が制約される場合があり得る、これは必ずしも憲法違反と断定すべきものではないと考えておりますが、さような制約を受けることなしに済めば、これは最も望ましいことでございましょうから、したがいまして、警察といたしましては、会場が決定した場合に、違法な行為があれば最も厳しい態度でこれを取り締まりますというお約束もいたしておるわけであります。  現実に施設を貸与するか否かということは、これまた繰り返しになりますけれども、これは施設の管理者が地域住民に与える影響等をも考慮しつつ、自主的に判断をすべきものでございましょうから、これは私どもがかれこれ指図すべきことではない、こう考えております。
  34. 山田芳治

    山田(芳)委員 大臣、これは昭和四十八年のときに江崎自治大臣は、山口鶴男議員の質問に答えられて、協力をしましょうということで、当時の群馬県知事にわざわざ電話をかけられまして、やはりこれは憲法上の問題だからできるだけ貸してやるようにしたらどうだろうかというアドバイスをされた例があるのです。どうです。今度はひとつ福島県の松平知事に大臣から、江崎大臣がやられたように、憲法上にかかわる問題だからひとつ貸してやったらどうかと電話を、前例がありますからひとつお調べいただいたら結構ですが、そういうお考えはございませんか。
  35. 小川平二

    小川国務大臣 仮に県当局の決定が何らかの誤解に基づいておる、あるいは明らかに何かの政治的偏見に基づいておるというような事実がございますれば、それは適当と思われる措置をとりますけれども、どうもそういうことではなさそうでございます。きわめて真剣に、慎重に住民の意向等もいろいろな方法で徴し、かつ、現行法規のもとにおける取り締まりの実態というようなことについても、警察当局から十分意見を聴取した上で県の当局が下す決定というものに対しましては、これは私といたしましてはあくまで地方公共団体の自主性を尊重するという立場から、干渉に類することはいたすべきでない、こう考えております。
  36. 山田芳治

    山田(芳)委員 そうすると、江崎さんがやられたようなことはおやりにならない、こういうことでございますか。
  37. 小川平二

    小川国務大臣 江崎国務大臣がどのようなことをいたしましたか調べておりませんけれども、私の考えはいま申し上げたとおりでございます。
  38. 山田芳治

    山田(芳)委員 もう一遍行政局長にお伺いしますが、そんなにさっきの管理権というものを拡大して何でもできる、住民が不安だとさえ言えばそれは不許可にしていいというふうに読むんだという解釈ですか。
  39. 山本悟

    山本(悟)政府委員 突き詰めて申し上げれば、管理者としての教育委員会に、管理上適当でないと認める判断の基準というのをどう与えているのかとこの条例ははっきりは書いてないわけであります。ただ判断の基準としてそういうこともあり得るだろう、これはあり得ないのか、ルール違反なのかという御質問に対しては、やはりそういう場合もあり縛るだろうというふうに私ども読んだ感じとしてお答えせざるを得ない。  御案内のとおり、公の施設につきましての拒否があったような場合におきます異議の申し立てあるいは審査の請求、かようなものにつきましては、当該団体の長は議会に諮問してその異議の決定なりなんなり、不服の審査請求に対する決定をしなければならぬ、議会の諮問というものをそういう場合には要件にいたしているわけでございまして、かような点から考えましても、当該地方団体の、この場合で言えば県になりますが、県といたしましての意見というのを尊重する立場で地方自治法というものはできている、かように存ずるわけであります。そういう点から申し上げてみましても、やはり現地の状況というものが非常に大きな判断の基準になるだろうということは一応は申せるんじゃなかろうか。したがいまして、先ほど来の憲法の基本的人権の関係、それらの点につきましても、私どもといたしましても十分県の方にも理解を求めておりますし、あるいは警察の方は、先ほど御答弁ありましたように、あくまで守るということをおっしゃっておりますし、また従来の例から申して、建物その他の損壊その他におきまして財政的に問題が起こったときには、財政上の困らないような措置をするというようなことも、もちろん自治省といたしては当然考えていることでございまして、さようなことを申し上げるところまでは自治省といたしましての当然の責務というぐあいに私ども存じておりますけれども、これを貸すか貸さないかは、やはり最終的にはどうしても、現地性の原則ということでのその地方団体の意思ということで、それ以上のことはどうこう申し上げる立場にないのではないか、こういうことで一貫して従来から対処いたしているというように存じておるわけでございまして、その点は御了解を賜りたいと思います。
  40. 山田芳治

    山田(芳)委員 大体、自治省も、職員の給与が高いというときには下げなさいというようなことのアドバイスをされるけれども、こういう憲法にかかわる重要な問題であるとわれわれが判断して、干渉とは言わないまでも、ひとつ十分憲法の自由、権利にかかわるところの問題についてアドバイスをしていったらいかがかと言うと、それはもっぱら現地で定めることだ、給与の高いのはどうも、ラスパイレスがどうのとこう言われる。干渉されるなら両方されていいと思うのですよ、こういういい面も。それは確かに人件費の問題も財政問題として必要だ。それはわからぬわけじゃないけれども、それならこういう点についても十分アドバイスをして、憲法の権利が保障されるということをやってもらいたいというふうに思うのです。  時間も参りましたし、関連して小川仁一議員から質問がありますので、最終的にまとめて私が結論として質問を申し上げますから、ひとつお答えをいただきたい。  第一点は、警察としては、会場が決定されるならば断固として従来と同様に警備をいたして、人的、物的被害が絶無になるように努力をする、地域住民の不安や迷惑についてもできる限りの除去に協力をしていく、こういうことでまず警察はよろしゅうございますか。
  41. 三井脩

    ○三井政府委員 本件の問題は、ここへいまお配りのように、非公式ながら出した見解というものとの関連で言われておりますので、また福島県警本部長といたしましてもこの見解を取り消す気はない、こういう考え方でございますので、私もそのように努力をいたします。  ただ、これとの関連で一言つけ加えますと、広島の例で百七十件もあった苦情の中に、警察の手の及ばないことに関する迷惑といいますか、そういう苦情もあった、それを除去することを教育委員会はわれわれに期待して、警察でそこまでしてくれと言われては困りますよという点はひとつはっきりしたいと思います。
  42. 山田芳治

    山田(芳)委員 そういう点を強調されるからいかぬので、広島県の場合でも人的、物的な被害は一つもなかった。警察としては、その威信にかけても断固として、人的、物的被害が皆無であったし、そういう点についても十分配慮しながらやる。それは迷惑ということもありますが、私はそういう迷惑ということがあるからやめるんじゃなくて、そういう迷惑を与える者に対して、市民の皆さんも労働組合も自治体、行政当局も一緒になって、これを排除に努めるという心意気がなければ、私は右翼の妨害や暴力団体というものはなくならないと考えている。そういうふうな考えで指導をしていただかなければならない。だから、本部長の言ったことが取り消しがしにくいとおっしゃるなら、補強意見というのがありますね、補強意見としていま警備局長の言われた点を教育委員会に明確に伝えていただく、この点はどうですか。
  43. 三井脩

    ○三井政府委員 事実を率直に申し上げるという努力をして、教育委員会の方でも十分理解をしていただきたい。  ただ、さっき言いましたように、警察活動が迷惑だ、つまりこういうものを取り締まるための警察活動で交通規制をやることは迷惑だ、こういう苦情もあるという事実を踏まえまして、その点は協力してもらわないと警察活動はできません、こういうことなんです。
  44. 山田芳治

    山田(芳)委員 それから大臣、最後に。やはり、いまるる申し上げているように、毎年毎年こういう形でもし会場が、あるいは付近の住民が迷惑だということで会場が返上されたり、あるいは秩序が確保できないということが毎年、これは十年来続いているわけですね。地域の住民の迷惑があれば、自治体当局に任せるということは確かに自治体当局としてもそういうことについて真剣に考えられることもわかるけれども、しかし、この問題は先ほどからるる申し上げているように、普通の場合と違うのです。憲法にかかわる、きわめて民主的な労働組合が定期に、平穏無事に大会を開いていこう、しかも当初は、人が来ることは大いに歓迎だからというので当局は協力している中から右翼の妨害によってそういった事態が起こりつつあるということなんです。これにもし負けたならば、またこういうことが今後どんどんエスカレートして起こってくるということについて、政治家としての、国務大臣としての、行政の最高責任者としての小川自治大臣のお気持ちを私は伺おうとしているのですから、確かに道理の筋もわかっている。百もわかっています。憲法の判決も私は全部勉強してきておるのですよ。そうじゃなくて、そういう問題なんだから、本気になって会場の確保ができるように政府も努力してやってほしいという私の要求にどうお答えになるか、ひとつ締めくくりの御回答を願います。
  45. 小川平二

    小川国務大臣 御発言の趣旨は十分理解をいたしておりますが、本件に関する私の見解は、先ほど来申し上げたことに尽きておるわけでございます。きょう申請は提出なさったということですが、その時点で、県の当局が、今回この場でこのような御発言があったという事実をも踏まえて、恐らく適当と信ずる判断をするものと考えております。
  46. 山田芳治

    山田(芳)委員 最後ですが、こういう状況ですから、いずれ理事会に諮っていただいて、許可をされれば結構です。何にも申しませんが、不許可の場合には、私どもといたしましては知事、教育長並びに県警本部長を参考人として、その事情その他を聴取いたしたいというふうに思いますので、これは理事会でひとつ十分協議をして、そういうことができますようにお取り計らいを要望して、私の質問を終わります。
  47. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 小川仁一君。
  48. 小川仁一

    小川(仁)委員 ただいまの日教組大会開催に対する福島県教育委員会の拒否の回答を含めて御質問を申し上げますが、まず、いままで文部省に対して教育長の方から、県教育委員会の方から、何か指導あるいは意見を求められたことがございましょうか。
  49. 諸沢正道

    ○諸沢政府委員 この件につきましては、福島県教育委員会の方から実情について報告がございました。それに対して、特に文部省として、具体的に貸す貸さぬの問題について指示を与えた、あるいは指導したというようなことはございません。
  50. 小川仁一

    小川(仁)委員 日教組の大会を右翼の暴力的な行為によって、ここ十年来地域に対して一つの騒然とした空気をつくって阻止をしようとする動きが出てきていることは御承知のとおりと思います。仮に日教組の大会が右翼の暴力的な行為によってもし会場が貸与されない、中止になるという状態が出てまいりますと、当然のことながら、教員の集会でございますので、子供たちの関心が非常に高まると思います。そういう場合子供たちは、暴力団のあの騒がしい行為によって先生たちの集まりがなくなった、こういった印象を持ちますと、結果的には暴力が何か一つの政治といいますか、あるいはそういう情勢の中の最高の力のような印象を持つ傾向が出てくると思います。そういう状態というのが子供たちに対して暴力肯定の思想を与え、さらにはいま問題になっております子供たちの非行化に対する大きな原因にもなってまいると考えるわけであります。したがって、こういう一つの立場から、暴力に対しては屈しない、こういう子供たちの心情に対する一つの教育という立場から、文部省としては当然のことながら、こういうものに対して暴力に屈しないで会場を貸すようにという、こういう状態を指導していただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
  51. 諸沢正道

    ○諸沢政府委員 およそ本件に限らず、今日の社会におきまして暴力をもって事に対抗する、あるいは暴力をふるった者が勝つというようなことであってはならないことであり、そういう意味におきましては、暴力を否定するという教育は、いろんな場面で文部省としても推進をし、また学校、教育委員会においてもそういう努力をしておられることと思います。  ただ、本件、具体的な問題のようになりますと、これは県の施設を、管理責任者として諸般の状況を判断して貸すか貸さないかという問題でございますので、御指摘のような暴力の問題もございますが、その暴力をふるった者が勝つというような点についての教育的配慮ということだけでは片づかない問題であろうと思いますので、その点はやはり十分諸般の事情を考えながら、施設を管理する者として公正、妥当な判断をしてくださるということを私どもは期待しておるわけでございます。
  52. 小川仁一

    小川(仁)委員 いまの質問に対するお答え、余りよく附に落ちませんでしたがね。具体的に教師の集会がなくなったということを子供たちが教室で知るわけですよ。それは右翼の暴力によってなくなった、やめさせられたんだ、こういうふうに認識していくというと、子供たちが当然のことながら暴力というのが最高の力みたいな印象を持ってしまう。これがやはり現在の教育の荒廃を持ち出す、こういうことになるだろうと思うので、諸般の事情なんというのは、これは大人の社会がいろいろ政治的に、あるいはいろんな立場から考えて言う理屈でありまして、子供が率直に受け取る印象という立場から、暴力に屈してはならぬという状態をつくり出すことが、これから日本を背負って立つ子供たちへの非常に大きな教育だと思うので、そういう立場で教育委員会が臨むべきだと文部省が指導なさることが必要じゃないか、こういう点でございますので、もう一度明確に。  それからまだございますからちょっと待ってください。それから、同じような状態が出てまいります場合に、その不信感は警察にも当然影響するわけであります。子供たちの印象の中に、やはり警察というものに対する一種の安心感みたいなもの、そしてまた、一つの信頼感みたいなものがあるわけであります。ところが、こういう状態で警察が右翼の妨害を排除できないから、会場を貸さないのだという具体的な回答書による認識で、子供たちがこれを知った場合には、やはり警察に対する不信感が出てくる。警察なんというのは右翼が来て騒げば、もう引っ込んでしまうんだな、こういう認識を子供たちに与えている。したがって、こういう状態、特に非行取り締まり等で警察は非常に御苦労しておられるのですけれども、そういう取り締まりよりも事前に子供たちに一つの信頼感を与える、こういう立場からの施策、態度をとることが非常に大事だと思いますので、そういう点から警察も同じように子供に与える影響、日本の将来の政治に与える影響を考えてきっちりした態度をとっていただきたい。右翼に負けて下がったというような印象を子供たちに与えないような指導と措置をしていただきたい、こう思うわけであります。  付加して申し上げますならば、この前調査に参りまして、中学校の生徒と会いましたら、日教組大会が新聞等で福島開催が決まったと報ぜられた三日後か五日後ですか、右翼、暴力団が会場周辺や県庁あるいは社会党本部に対して、スピーカーを持ってきて猛烈な高さでもっての演説を行い、爆竹を鳴らして徹底的な不安感を与えた、しかし、警察はそれらの行動に対して何らの警告も取り締まりもしなかった、こういう印象を子供たちが持っているようであります。あの会場のそばに中学校がございます。ですから、警察というのは右翼があんなに恐ろしい音を立てる爆竹を投げたり鳴らしても全然手も出さないのだ、こういう印象を持っておる。このことが子供たちの心理的なものに与える影響は大変マイナスだと私は思う。なぜああいう状態を放置しておかれたのかということについて、もし御報告がありましたならばお聞かせ願いたい。また、さっきの点も一緒に御答弁を願いたいと思うのです。
  53. 諸沢正道

    ○諸沢政府委員 前段の点でございますが、私は諸般の事情を考慮しというふうに申し上げましたが、端的に申し上げますならば、いままでお話がございましたように、福島県の教育委員会としては、地域の地理的な実情から考えまして、もしお貸しをするとすれば、現状では地域の住民なり商店なり学校に多大の不安あるいは迷惑をかけるおそれが十分あるので云々、こういうふうに言うておるわけでありますから、もちろん暴力を否定し、これを認めてはならないという態度は、教育上これは重視すべきことであり、それはもう言うまでもございませんけれども、しかしながら、行政当局としては、いま申しましたように、現実に貸し与えた場合の地域住民に対する迷惑、不安というようなものをしからば全然無視してよろしいかというと、それはやはりそういうわけにはいかないだろう。そういう点を教育委員会としてはあれこれ考え合わせ、本当に苦しんでおるところだろうと思います。したがいまして、私は、決していま申したことが暴力をふるうことを軽視するということではなくして、いま言ったような具体的事情の解決に当たって、教育委員会がどう判断するかということ。その判断の条件の一つとして、いま言ったような問題が大きく検討されておるということを考えました場合に、先生御指摘のように、簡単には結論が出ないのではないか、かような趣旨を申し上げたわけであります。
  54. 三井脩

    ○三井政府委員 右翼の行動、違法行為を放任しておるのではないかという印象を与えるというような御質問でございましたが、なるほど右翼がこの問題についていわゆる街頭宣伝活動、あるいはその他の要請行動等をやっておるわけでございまして、その間において違法行為も出ております。先ほどお挙げになりましたような街頭、道路上において爆竹を投げるという行為は、道交法七十六条によって禁止されておる行為でございますので、警察におきましては、これを検挙いたしております。したがいまして、暴力を警察が放任しておるというようなことはないわけでございますけれども、先ほどの話とあるいは関連するかもしれませんが、検挙するということで、法秩序維持という責任を果たしておるつもりでございます。しかし、検挙の前にそういう違法行為があった。その違法行為をなくさなければならない、こういうことになると思いますけれども、違法行為をなくすために、われわれは検問あるいは追随警戒というようなことをやっておりますが、現実に違法行為がなければ検挙というわけにもまいりませんので、その辺の印象があるいはいまおっしゃったような誤解につながる可能性もあるかと思いますけれども、警察としてできる違法行為を取り締まるということにおいては的確にやっておると思いますし、また、やるように努力をしておるというように理解しておるところでございます。
  55. 小川仁一

    小川(仁)委員 ただいまの警察庁からのお答え、その辺わかりますけれども、実際は、私は今度の大会の一連の経過を見まして、実は右翼が事前に妨害する——あの人たちは旗を立てて大きなラッパを鳴らして歩いておりますから、どこへどう行っているかみんなおわかりになっているはずです。そういう状態があって、しかも文化センターの前で地域住民に対して大きな音を立て、爆竹を鳴らして彼らのデモンストレーションを行っている、こういうのに対して何ら手を打たなかった。ですから、地域の人たちに、日教組の大会が来れば同じような行動がまた起こる、こういう形で不安感を感じさせた。だから、感じさせたこと自体、右翼を泳がして一つの雰囲気をつくったという印象を持っている人たちが大変多いということなんです。子供たちの中にもそういう認識をしている者があるわけです。こういう状態をつくり出していったということに対して、違法行為がなければ認める、違法行為というものの限界と迷惑というものの限界とをどんなふうにお考えになっているかわかりませんけれども、迷惑をかける程度、皆さんがこの前右翼がやったような行動は取り締まりの対象じゃないという形で住民に示しておいて、この程度の迷惑はかかりますよという印象を住民に与えて、そうしておいて、さらにひとつの反対の雰囲気をつくり出していったという感じがするわけであります。ですから、あの程度のものは違法行為にならぬのですか、また、住民に迷惑をかけたという状態があるというのはあの程度のことなんでしょうか、いまお話を聞きますと県警から御報告があったようでございますので、重ねてお伺いします。
  56. 三井脩

    ○三井政府委員 迷惑という意味合いでございますけれども、端的に申しますと、迷惑の中で警察が処理できるものとできないものというのがあるわけでございます。警察が処理できるものだけを迷惑というふうにおっしゃる場合には、警察はすべて迷惑をなくすように努力できます。ただし、警察が手を出せないといいますか、法律上処理できないというものも迷惑だとおっしゃる方には御期待にこたえられないというのが、大変理屈になりますけれども、基本でございます。いまの具体的な事例に即して申しますと、大きな声で街頭宣伝活動をやるということは今日認められておる行為でございます。それからまた爆竹を投げるというのは、これは道路上に投げれば違法でございますけれども、それが違法だということでわれわれはしばしば取り締まりをいたしますのでだんだんなれてまいりまして、違法でなくてかつ爆竹を投げる方法というのを今日編み出しておるわけです。現に福島でもそれをやっておるわけでありますが、それは、車の中で爆竹を鳴らす、あるいは車の荷台等で鳴らす。道路交通法では道路において爆竹を投げる行為を禁じておるわけでありまして、車の中とか車の上というものは禁じておりませんので、先ほど申しました警察の取り締まりという観点から申しますと、いわゆる放任行為ということでございまして、警察は手が出せない部類の行為だ。さらにまたもっと巧妙になりますと、爆竹をばんばん鳴らしましてこれをテープレコーダーに録音いたします。その録音機を回しながら街頭宣伝して歩く、こうなりますと、これも警察で処理できないという意味では同じことでございますけれども、現実に爆竹は全然使ってない、しかし音だけ出しておる、こういうことになるわけでございます。そうなりますと、次に、技術論で大変恐縮でございますけれども……(小川(仁)委員「技術論はもういいですから」と呼ぶ)  そうしたら、およそ音はどんな高い音を出しても取り締まれないのか、こういうことになりますと、今日そういう高い音が取り締まれるのは軽犯罪法だけでございます。軽犯罪法は、御存じのように、大変高い音を立てて近隣周囲の人に迷惑をかけた場合、かつ、公務員が制止をして聞かなかった場合にその処罰対象になるということでございますので、そういう異常に高く、かつ、近隣の人が迷惑を感ずる、こういうような程度のものは、限界はいろいろありますけれども、そういうものについてはわれわれがこれを警告、制止をするという努力をしております。警告、制止に応ずるとこれは検挙できない、こういうことになるわけでございまして、取り締まり法規がそういう仕組みになっておりますので、いまおっしゃいました取り締まりの観点から見て放任されておる行為、これを迷惑だとおっしゃる方々、感じられる方々については、警察としては何ともいたし方ないといいますか、警察の守備範囲外だ、こういうふうになるわけでございます。
  57. 小川仁一

    小川(仁)委員 迷惑という言葉を使いましたのは、県の教育委員会が断わってきた理由の中に書いてある「迷惑」、こういう言葉の範囲で使っているつもりで、私個人の考え方で使っているつもりはございませんので、その点を前提にしながらお伺いしますが、そうしますと、警察が手を出せない迷惑という程度は、逆に言うと一般社会には許容されている程度ということになりますね。
  58. 三井脩

    ○三井政府委員 警察の角度から言いますと取り締まり対象にならないということでございまして、取り締まり対象にならない行為は、法によって積極的に認められておる行為、法律がほうりっ放しにしておるということは、大きな意味で一般的には法が認めておるということになろうかと思いますけれども、そういう行為があるわけでございまして、迷惑をどの辺に基準を置いてお考えになるかという点がいろいろ人によって違うということが前提になっておる。その点について教育委員会の考え方と警察の考え方とが食い違っては困るというようなことがあったというように思います。
  59. 小川仁一

    小川(仁)委員 そうしますと、教育委員会から出された「迷惑」と、諸般の事情という諸沢局長のお答えの中の迷惑というものの範囲は、一般社会生活上、積極的ではありませんけれども、許容される範囲の迷惑ということで教育委員会はお断わりになったというふうに解釈しておられますか。
  60. 諸沢正道

    ○諸沢政府委員 具体的に、教育委員会に迷惑の内容は何かというふうな詰めた議論はいたしておりませんけれども、私が考えまするに、実際に、地域の住民に多大の迷惑と不安をかけるおそれがあると言っておるその迷惑という中には、警察で取り締まっていただくべきような内容が相当あるのだろうと思います。ただ、警察で取り締まりの対象にならぬような、先生御指摘のような、通常社会において容認されるようなものにつきましても、これは私の推測でございますが、一定の期間に集中して一定の地域で反復されるというようなことは、住民として相当被害意識を持つだろうという点もあるいは考慮いたしたかもしれませんが、いずれにいたしましても、考えまするに、ここで言います迷惑というのは、警察において取り締まっていただける内容も相当入っているんじゃないか。したがって、警察の方の御見解も、先ほどお話があったようでございますが、それに対して出ておるわけでございますから、われわれはそういうふうに考えるわけでございます。
  61. 小川仁一

    小川(仁)委員 いま一般的な迷惑といったような言葉とかそういう形で、しかも中身が警察の見解を中心にしてお断わりになった、こういうことですから、今後具体的に正式に申し入れ書がありましたら、県の教育委員会から文部省にあるいは意見等を求める場合もあると思います。これは文部行政の中の一つの指導的な、文部省と県教委との行政上の問題があると思いますので、そういうことを含めながらぜひ考えていただきたいことの一つは、先ほど来申し上げておりましたように、一つの民主的な団体の集会が暴力によって開けなくなったという状態をつくり出すことが、これからの子供たちを含めてどういう印象を与えるかということを十分お考えいただき、さらに、暴力は否定さるべきもの、こういう立場での強い御指導をお願いしておきたいと思います。これはお願いでございますから答弁は要りません。  それから、警察に対しましても、いま言った迷惑の範囲なんでございますけれども、取り締まるべきものは断固取り締まるとおっしゃっておられる。そうしますと、残るものは、一般的には社会の中で、ある程度以上許容されている一つの状態だと思います。そうなってまいりますと、これは個人差があるとかなんとかという問題ではなくて、そのことが開催を断る理由になってくるということについてはおかしいと思いますので、この点をやはり県教委その他に明確な御指導をお願い申し上げたい。これもお願いでございます。  最後に、私は、一つの民主的な団体が、しかも憲法で保障されている団体が、集会を暴力でもって中止されたというような状態が起こってくるとすれば、これは単に一つの団体とか警察、あるいは文部省、自治省の問題ではなくて、日本の政治の根幹に触れる問題だと思います。私は、世界じゅうでそういう状態があったというためしを聞いたことがない、そういう本当に政治の基本に触れる問題であると思いますだけに、特に主管大臣であります自治大臣の方から、こういった状態を起こさないようなきわめて政治的で、しかも日本の民主政治が保障されるような御指導をお願いしたいと思いますが、御見解を賜りたいと思います。
  62. 小川平二

    小川国務大臣 暴力は、申すまでもなく徹底的に否定さるべきものでございますから、警察の当局におきましても、絶えずあらゆる機会を利用して国民一般の協力をも得るべく啓蒙活動等もいたしておりまするし、右翼団体の中におきましても、過去においてしばしば違法行為を繰り返したというような団体につきましては、いわゆる虞犯性のある団体、再びさような違法行為を繰り返すおそれのある団体として動向を注視もいたしておるわけでございます。また、法律違反の行為がありますれば、最も厳しい態度で現に取り締まりにも当たっておるわけでございますが、先ほど来、警察の当局からるる説明がございまするように、決して好ましいことだとは私は思いませんけれども、現行法の及び得ざるところで、なおかつ国民に迷惑をかけるような事態が起こる、これは一口に申しますれば、あるいは法の不備と申すべきことかもしれません。やむを得ざることだと考えておりますが、これから先も単に右翼団体による違法行為、暴力行為のみならず、一般的に暴力を絶滅いたしまするために、警察としては全力を挙げて努力をする、このように信じております。
  63. 小川仁一

    小川(仁)委員 私は日教組に長くおりましたので、右翼の暴力行為等の状態には再三ぶつかっているわけであります。しかし、はっきり言って、水戸で大会を持ちましたときには、水戸の右翼の人たちというのは礼儀を正して日教組との話し合いを行い、私の方もまた礼を正してお話し合いをいたしました。こういう形で考え方の違いが話し合われる状態というのが、現実に一般的に右翼の本拠地だと言われる水戸では起こっているわけなんです。そういう場所でないところにむしろ暴力的行為が大きく行われている。こういう状態を考えますと、やはりまだまだ国家公安委員長としてそういった立場からの指導もあるだろうし、それから、私が最初に御見解を伺いたいと申し上げた点にお答えがないので、再度失礼ですがお伺いいたしますのは、民主的な一つの団体が右翼の暴力によって集会を開き得なかったというような状態が起こったとすれば、それはきわめて政治の根幹に触れる問題だ、こういう立場でひとつ大臣のそれに対処する御所見をお伺いしたい、こう申し上げておりますので、その点をひとつ簡明にお答え願いたいと思います。
  64. 小川平二

    小川国務大臣 今回、福島県の当局が申請を正式に受理した段階でいかような決定をするかは存じませんが、仮にこれを拒否するといたしますれば、日教組に会場を貸与することによって派生すると想像される、好ましからざる事態ということを判断の基礎に置いてのことであるに違いないと存じます。このことは、申すまでもなく好ましいことだとは存じておりませんから、今後も右翼団体に対しましても、過去にしばしば行われましたような違法行為を繰り返しませんように、あとう限りの指導をしてまいりたいと存じますし、国民の協力を得て暴力を追放するために全力を傾注してまいりたい、こう考えております。
  65. 小川仁一

    小川(仁)委員 ただいまの御答弁も何か私の質問の趣旨とはちょっと食い違ったような感じがいたしますけれども、大臣の意のある御指導を心から期待して私の質問を終わらしていただきます。
  66. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 次に、三谷秀治
  67. 三谷秀治

    三谷委員 福島市で開催予定の日教組大会の開催が危ぶまれております。右翼の盲動によりまして会場周辺等の影響を恐れた当局が会場使用を許可しないためであります。問題は、いかなる団体であれ、このことによって結果的に憲法で保障されておる集会の自由がまさに侵されようとしておるという点であります。思想、信条、結社の自由とあわせて、集会の自由は、思想、信条、結社の自由を具体的に行使する一手段としてきわめて重要なものであります。それが日教組という団体の場合には、ここ数年間、毎年のように問題になってきておる。記録によりますと、昭和四十五年の徳島大会で右翼が五十団体、四百八十人が大会開催を妨害して盲動を繰り返して以来、少ないときで四十団体、多いときは昨年の広島大会で百二十団体、千四百人が大会を襲っております。この結果として、日教組大会はお断りという事前の拒否反応が生まれてきておるのであります。これは非常に危険な徴候であり、黙視することはできない事柄であります。このようなことを許しますならば、日教組だけでなく、右翼の気に入らないあらゆる集会の自由が侵される危険性が生じてくる。事は憲法が暴力で侵害されるという重大問題であります。  改めて確認をしたいと思いますが、憲法で保障された集会の自由は何人も侵すことのできない権利だと思いますが、その点は、公安委員長の御見解はどうでしょうか。
  68. 小川平二

    小川国務大臣 憲法の規定しておりまする集会、結社の権利あるいは労働団体の団体活動の権利というものは、尊重さるべきことは申すまでもございません。ただ、一定の場合に、公共の福祉という観点からこの基本的権利が制約される場合もある、これまた憲法の認めるところだ、こう理解をいたしておるわけでございます。今回の場合は県の当局が施設を適正に管理するという立場から判断をいたしておるわけでございまして、もとより憲法の規定する基本権を直接否定しておることではない、かように考えておるわけでございます。
  69. 三谷秀治

    三谷委員 今回の福島大会の会場、つまり福島市に所在をする県立文化センターの使用許可をめぐる会場問題といいますのは、事前折衝の段階で県教委側が言っておりますのは、一つは会場の目的に反する、二つは立地条件が悪くて問題があった場合の対処が困難である、近くの学校、住宅に被害が拡大をする、三つ目はしたがって住民に迷惑がかかる、四つ目は住民がそのために反対しておる。この四点を挙げまして、正式申請があっても許可しない方向で態度を固めていらっしゃるようであります。  この理由を突き詰めてみますと、大会が平穏に行われますならば何ら問題にならぬものであります。一の会場目的に反するというのも、文化の創造、発展を目的とした会場で混乱が生ずるおそれがあるのは目的に反するというものであって、大会そのものの目的をとやかく言っておるのではない。要するに混乱が生ずるおそれがあるのが目的に反する、こう言っている。結局不許可のために挙げました県当局の四つの理由というのは、従来日教組大会のたびに右翼が盲動を繰り返して、たとえ大会を開くことができたとしましても、そのために会場の周辺で右翼による市民生活へのさまざまな被害や混乱が生じておること、これを県当局が危惧して、また一部の住民もこれを恐れたために開催に反対しておるのにすぎない。この背後には、県当局や住民の警察に対する信頼度や評価のあらわれておることも見なくちゃいけません。憲法に保障されました集会の自由、つまり民主主義の原則をまず守るために必要な措置を警察がとること、これが何より必要であります。  そこで、五月の十四日に右翼が福島市に入り込みましてさまざまな盲動をしております。それから五月の二十八日、二十九日の福島市内の右翼の行動について、警察が把握されておる点があれば御説明をいただきたいと思います。
  70. 三井脩

    ○三井政府委員 五月十四日は右翼団体の防共挺身隊員六十三人が東京、埼玉、群馬といったような各県から、車にそれぞれ分乗をいたしまして福島に入りました。地元にもおる右翼と合わせまして六十七人、十台で福島市内で街頭宣伝活動を行ったわけでございます。なお、その中の一部は、県当局、県教育委員会に対して会場を貸さないようにという要請活動を行っておりますが、警察的な事案といたしましては、この間、福島駅から県庁に至る間の道路で約四百メートルの距離がありますけれども、ここで爆竹を鳴らすというような行動に出ております。  次に、五月二十八日及び二十九日には福島県教組の定期大会が開催されましたけれども、この初日の二十八日に地元の右翼団体を中心にこれまた五十人、十台が街頭宣伝活動を行い、二十九日には七人、三台の車に分乗いたしまして大会場周辺その他で大会批判の街頭宣伝活動を行っておるわけであります。このうち警察的取り締まり事案といたしましては、ビラを車上から投げるというような行動がありましたので、道交法違反として制止をいたしました。  というような点がこの三日間における右翼の活動と警察の措置でございますが、このうち警察といたしましては、五月十四日には二百五十六人の警察官を動員し、また五月二十八、二十九両日には延べで六百九十人を動員いたしましてこの警備に当たったわけでございます。会場周辺には三カ所の警察部隊による阻止線を設定してそれぞれ部隊を配置し、彼らの街頭宣伝活動に伴って爆竹投てき等違法行為がさらに起こることのないように、続発防止について取り締まりを実施したわけでございます。  以上でございます。
  71. 三谷秀治

    三谷委員 いま御説明がありましたように、五月十四日防共挺身隊、愛国党、壮士会などの右翼団体が装甲車に乗って福島駅前に集結をして、アカの手先日教組に会場を貸すな、などという宣伝をして大通りを示威行進しております。そして、県庁前、警察署前、共産党、社会党の事務所前、市役所前では無数の爆竹を投てきして、通行人が逃げ惑うというふうな状態が現出されております。警察は、右翼の後ろにパトカーと警備車をつけまして、これにやめなさい、やめなさいと警告するのみで、規制はしておりません。五月二十八日、二十九日の県教組大会の当日も同じ状況でありました。会場前、県庁、警察署前で爆竹を投げております。そして、この前後の日には、飯坂温泉の旅館組合事務所前でも爆竹を投げつけて、会場を貸すなという威圧を加えております。宿屋を貸すなという威圧を加えておるのであります。百ホンから百二十ホン程度の異常な高声でそのような威圧を加えておる。これは明らかに威力業務妨害に該当する性質のものではないか、脅迫、強要等の犯罪行為ではないのか。これを規制もしなければ鎮圧もしないのはなぜか。大会以前に警察が先制的な取り締まり、規制をすることこそが大会を円滑に開催せしめる最大の根拠だと思いますが、こういう状態を見逃しにしておいて、そして恐怖心を市民にあおって、結果的には市民の中からも懸念が生まれて、会場を使うことを好ましくないという意見が構築されていく。こういう事態に対する警察の処置というものは私たちは納得できませんが、どのような御見解なんでしょうか。
  72. 三井脩

    ○三井政府委員 まず爆竹及び大きな音で街頭宣伝を流して歩くという行為でございますが、これは先ほどもちょっと触れたと思いますけれども、警察として取り締まりのできる行為と、警察としては取り締まりができない行為というように細かく見れば分かれるわけでございまして、爆竹を道路上に投げつけるということになりますと、道交法七十六条の街頭における禁止行為というものを、道交法に基づく福島県交通規則によって取り締まり対象として処理できるということになるわけでございますけれども、爆竹を車内あるいは車上で鳴らす、あるいは録音した爆竹の音をテープで流すといったものについては、警察として取り締まり対象にならないということがあるわけでございます。ビラを街頭でまくということについても、これは道交法による取り締まり対象、こういうことになるわけでございまして、こういう警察として処理できる点については、これを最大限の努力をして取り締まっておると考えております。また、抗議行動あるいは要請行動として県当局、教育委員会、旅館組合等に行って日教組大会に貸さないようにというようなことを言っておりますが、これがいまおっしゃるような威力業務妨害罪になるかどうか、また脅迫罪に該当するかどうかということにつきましては、われわれも右翼取り締まりの観点から、右翼が行動する場合に合法的に行うもの、非合法にわたるもの、その限界は微妙でありますので、十分関心を持ってこれを見ておるところでございますけれども、今日まで私たちがつかんでおるところでは、お話がありました愛国党を筆頭に、五団体が九回にわたりまして飯坂の温泉旅館組合に対してそういう申し入れをいたしておりますが、その申し入れの状況につきまして、いまおっしゃったような観点から関係者に状況を聞いておりますけれども、いずれも申し入れそのものは平穏に行われておって、威圧を受けたというように思わないし、したがって、また威力業務妨害罪、脅迫罪の構成要件に該当するような事実が出てまいりません。旅館等について当たりましたけれどもそういうことでありまして、そういった意味の被害の届け出あるいは被害の申し立てというようなものもございませんので、ただいまのところ、われわれは十分関心を持っておりますけれども、取り締まり対象となるような違法行為は行っておらないというのが今日までの現状でございます。
  73. 三谷秀治

    三谷委員 いまおっしゃった中で被害の申告がないという問題でありますが、これは単に今回だけでなしに、福島県で毎年行われております「五色の集い」という青年などのキャンプファイヤがありますが、ここにも毎回右翼が押しかけてきて、装甲車を連ねてキャンプ地を行進をして、そして責任者出てこいと言って、やめろという脅迫を加える。そして本部になります旅館に押しかけてきて、なぜ旅館を貸すかということを追及する。そして毎年のようにその旅館が次年度におきましてはもはや堪忍してくださいという事態が起きてきている。警察は申告がありませんとこう言っておりますが、つまり、右翼の暴力が住民の犯罪の告発の意思までも曲げてしまってきておる、ここの事態が問題なわけであって、そういう場合におきましては、客観的な状況から問題を判断して取り締まりをすることができる、そういう判例も出ておるわけであって、そういう実際の内部の意思決定に至るまでの過程についても見ていかなければ、表面上何らの申告もありません、被害の届けもありませんという態度では、威圧、恫喝が強まれば強まるほどそういう事態が深刻化してくる。その点、私は警察に申し上げておきたいのであります。  さらに、取り締まりにつきましては、いまおっしゃいますように、警察庁も右翼の行動の規制につきましていろいろ研究をなさっております。「警察学論集」などにこの問題についての研究論文などが出ておりますが、これによりますと、右翼の行為の違法性が繰り返し強調されております。そしてこれを取り締まる手段としましてもいろいろ研究の結果が発表されております。  時間の関係がありますから詳しくは言えませんけれども、一つは、今度の県立文化会館所在地のような静穏地区への放送宣伝車の進入の規制という問題があります。道交法第七十七条第一項四号に基づく道路特別使用行為に基づく右翼団体の装甲車の規制という問題がある。警察官職務執行法第五条後段による犯罪の予防、制止権の行使による規制、その他軽犯罪法などの処置対象になってくるのであります。これが十分に運用されますならば、右翼の違法越軌の行動の防止、犯罪の予防ということは十分にできるものだと私どもは考えておるのであります。  この「警察学論集」の警察庁幹部の論文によりましても「右翼等の街頭宣伝活動において、拡声機の音を異常に大きくして放送、宣伝を行い近隣の静穏を害している場合、これに対して警察官は本号を根拠に」これは軽犯罪法でありますが、「音量を下げるように警告することができ、この警告に従わず、なお放送行為を続けるときは同号違反を構成することは明らかであるから、軽犯罪法違反として現行犯逮捕し、逮捕の現場における捜索差押として犯罪に使用した拡声機を押収することも可能である。この場合、拡声機が自動車と一体をなし、分離が困難なときは当該車両をともに押収したとしても違法とはいえまい。」こういう見解も示されております。それから、「事が犯罪の現行犯である以上、当該犯罪行為を制止することは警察官に科せられた重要な責務の一つであり、いやしくも、当該犯罪が行われている現場に居合せた警察官は相手が警告に応ぜず、なお放送を継続するときは、実力によってもこれを鎮圧すべきであろう。」そして「「現行犯鎮圧のための制止」を基に、当該違反行為を制止すること」は判例によっても認められており、かつこれは大阪高裁、福岡高裁のみならず、最高裁においても支持されておるところから確定的な判決である、こういう研究も出ておるのであります。  その他、これを逐一列挙しますと、非常に時間を食いますから端折っておきますけれども、このような毅然とした態度をとりますならば、警察の取り締まりの範囲内ではないというふうなことはあり得ない、やればやれるということを私たちは見ておるわけでありますが、どうも警察は右翼に対して甘いという世評がありますように、いつの場合にもほとんどが野放しにされてきておる。これがだんだんとエスカレートしてきておりますが、こういうことではいけないのではないかと思いますが、どうでございましょう。
  74. 三井脩

    ○三井政府委員 いま研究論文の御紹介がございましたが、私たちといたしましては、右翼に限らず、その取り締まりについてはいろいろと研究をしておるところでございますが、その論文は格別問題の多い右翼の行動に焦点を当てて研究したものでございまして、そういう努力をしておるわけでございます。したがいまして、取り締まる現場におきましてもそういうつもりで努力してやっておるということであります。ただいまおっしゃいましたように、そこに書かれておるようなことを全部やれば一般の人が迷惑を感じるような行為がすべてなくなるか、とこういうことになりますと、取り締まりを完璧にやったそのでき上がりとしての結果ということから申しますと、たとえばいまも引例されたわけでありますが、警職法五条後段によるいわゆる制止ということはございますけれども、この制止というのは、そこに要件が書かれておりますように、最大限活用といいますか、目いっぱいこれを活用いたしましても、昔で言う予防検束といいますか、そういうようなぐあいの運用というのは不可能でございまして、つまり行為の現場に密着をした段階においてこちらは処理をする。端的に言いますと、人を殴るために手を振り上げた、その振り上げたところでその手を押さえる、こういうのが警職法五条でございますので、あの人間は人を殴りそうだからちょっと留置場へ入れておくというようなわけにはまいらないというところが私たちの苦心の存するところでございまして、どんな対象であれ、そういういろいろの行為を私たちは差はなく取り締まっておるつもりでございますけれども、結果的に右翼がそういうぎりぎりのところをやる、そういう行動に出る場合が多いというところから、そういうふうにあるいは印象を持たれるのかもわかりませんけれども、その論文というのはわれわれの苦心、努力のあらわれであるというように御理解をいただきたいと思う次第でございます。
  75. 三谷秀治

    三谷委員 努力をして研究されましたものは実践に移してもらいませんと、これは学問的な研究で終わるという性質のものでありますならば、行政を担当する警察庁としましては全く筋違いの問題であって、この立場に立つ取り締まりが行われますならば、いまよりははるかにこれは右翼の盲動を阻止する可能性があると私は考えておりますが、そこで、このようにしまして、右翼によります盲動が直接の原因になって公的機関の意思決定が左右されるという新たな段階に入ろうとしておることはきわめて重大であります。  そこで、話が少し違いますが、五月の三十一日に全日本愛国者団体会議なる右翼団体の連合大会が明治神宮の参集殿で開かれておりますが、そこで行われました決議などにつきまして、掌握されておりますでしょうか、いかがでしょうか。
  76. 三井脩

    ○三井政府委員 承知しております。
  77. 三谷秀治

    三谷委員 これによりますと、この大会におきまして、現状の日本は開闢以来の危機に直面しておると総括して、この重大な危局を乗り切るためには、一殺多生以外に日本救済の道はないと訴えております。昭和五年十一月、ロンドン条約に憤慨して浜口雄幸首相を東京駅頭で銃撃し、もって昭和維新の大道を切り開いた同会議元議長、故佐郷屋嘉昭氏、当時二十三歳の行動を賛美して、右翼陣営内部の今日の低迷を払いのけるには、佐郷屋のような青年が必要であることを強調しております。そして、同会議が今後積極的な攻勢に打って出ようとする意気込みを傘下各団体に徹底させたと右翼系の新聞報道でも述べております。当時の総理大臣を暗殺した青年を賛美して、このような青年こそがいま右翼にとっては必要である、そして殺人によって日本を救済しようというのでありますならば、まさにこれは犯罪の予備行為である、犯罪の予備団体と言っても差し支えがないわけでありますが、これに対する公安委員長あるいは警察庁当局の見解をお尋ねしたいと思います。
  78. 三井脩

    ○三井政府委員 ただいまお話しになりました事実関係は、私たちも承知いたしております。したがいまして、この団体の行動については、こういうことを言う前からでありますけれども、さらに一層重視して行動を見るという態勢におるわけでございます。  ところで、こういったことが、実はこういう言論を行ったこと自身がすでに犯罪を構成しておるのではないか、とりわけ刑法の殺人予備罪に当たるのではないかという御指摘でございますが、結論から申しますと、これはまだ言論の自由の範囲内でございまして、刑法の構成要因に該当しておらないという結論でございます。ただ、これがもうすでに犯罪を構成するのではないかというように思うほど大変不穏当な発言であり、不穏当な言動であるということは、まさにそのとおりでございまして、普通の人ならこんなことは言わない、こう思うわけでございますけれども、現在の刑罰法令というのは、その程度のものは取り締まらないというたてまえになっておりますので、われわれも大変残念でありますけれども、直ちに取り締まりはできない。ただし、そういう意思を言っておる、こういう意味で、彼らの今後の行動等については十分警戒をするということで対象にしているということでございます。
  79. 三谷秀治

    三谷委員 犯罪行為とは申し上げません。犯罪予備の行為になるのではないかと申し上げたのでございます。  また、右翼がこのような決議の実践に備えて、一人一殺訓練をすでに早くから実施しております。同じ右翼系の新聞によりますと、青思会という右翼団体がありますが、これは行動右翼の中核体としての役割りを担うだけに、例年夏季に実施する戦闘訓練——殺人訓練ですが、これは昨年の菅平での訓練に引き続いて、今夏も例年どおりの訓練が挙行されると報じております。この春思会の殺人訓練につきましては、昨年でありましたか、各紙が一部取り上げたことがありますが、四十四年以降五十年九月までの期間におきまして、右翼の五十数団体近くが武闘訓練、実戦訓練などと称しまして、殺人傷害の専門的な訓練を行っております。一方におきましては一殺多生という活動の方針を定め、一方におきましては殺人訓練を公然と行っておる。この実態について警察はどのように把握されておりますか。  それから、この武闘訓練と称する人殺しの予備訓練を警察が取り巻いて見守っておる情景が写真で見られますけれども、これではどうも、警察が一体どのような御見解でいらっしゃるのか、まことに不審にたえないわけでありますが、これに対する警察の対応策をお尋ねしたいと思います。
  80. 三井脩

    ○三井政府委員 二つございます。  一つは、五十年五月ごろでございますけれども、防共挺身隊が、ある雑誌の依頼を受けまして、プラスチック製のおもちゃの短刀を持って人を刺しておるような、刺突演技という表現だったと思いますが、こういう写真を撮り、その雑誌に載ったことがございますけれども、そういう事例がございます。これは、その求めに応じてやったというだけであるというように、この点については承知をいたしております。  また、青思会のお話がございましたが、これは、ここ数年、毎年夏、夏季訓練を行っておるわけでありまして、その中では、警察官まがいの大盾を持って走り回るというような訓練をやっておることもありますし、また、いまお話しのように刺突訓練をやるというようなこともありましたので、これは昨年九月の例でございますが、いかにもこれは不穏当である、それ自身は犯罪というわけではありませんけれども、いかにも不穏当だということで、この状態を視察しておりました警察官において警告をいたしましたところ、これは早速取りやめるというようなことでありました。警察におきましては、取り締まれることについては取り締まりをし、取り締まれないけれども、はなはだしく不穏当であるというようなことについては、警告を発することによってそういう事態の解消に努めるという態度で臨んでおるわけでございます。
  81. 三谷秀治

    三谷委員 新聞の写真を見ましても、わら人形を切っておりますね。それから銃剣で突撃刺殺なやっておる。目的は明らかに人殺しであります。これは軍隊じゃありませんから、彼らが行います訓練というものはすべて右翼団体の目的に基づいた人殺しの訓練になっている。しかも、一殺多生というようなことを公然と決議を行っておる。この状態を見ましたときに、これをこのままほうっておいていいだろうかということは、だれしもが考えるところであります。  右翼によりまして活動が妨害されておりますのは、日教組だけではありません。つい六月三日にも、民放労連の宣伝カーがアジア同志会という団体に襲われ、破壊されただけでなしに、組合員が一人鉄パイプによって殴打されて負傷しております。  政党では、わが党に対しても右翼は枚挙にいとまがないほど正当な政治活動の妨害を行っております。今年に入ってからのわが党の活動に対する右翼勢力の妨害活動というのは、二月には北海道函館での演説会に対して緊急保安炎筒六本を投げつけるなど四件の妨害を働いております。三月には三月三十日の熊本市の体育館での共産党演説会の妨害事件など九件が発生しております。四月に入りますと、四月の二十七日の東京板橋の小豆沢体育館での演説会妨害事件など十五件に達しております。五月には五月二十六日の神戸市国際会館での宮本委員長殺人予備事件など二十件となっております。そして、この六月七日には愛青評三団体がわが党本部を襲って勤務員の一人を負傷させるという暴行を働いております。これはいずれも妨害者が右翼であることが判明しているものだけであって、犯人不詳のものを入れるとさらに事件数は拡大するのであります。  このようにしまして、わが党に対する彼らの攻撃の特徴を見ましても、正当な政治活動である演説会場に車で押し寄せる、要するに集会の妨害をする、そうして拡声器で騒音を放つ、会場の入り口に彼らの車をとめて入場者の阻止を図る、入場者にいやがらせをする、車で会場に突入を図る、短刀を忍ばせて会場に潜入して党幹部の殺害を図る、爆竹、発煙筒などを投げつける、会場準備中の党員を鉄パイプで襲って重傷を負わせる、宮本委員長を名指しで殺人者呼ばわりをする著しい名誉棄損行為等を行う、明らかに憲法で保障されました政治活動の範囲を超えた不法行為を連続して行っておるのであります。また、この右翼による妨害活動に対しては、党としてはできる限りのやむを得ない防衛処置をとりますと同時に、警察に対して繰り返し排除処置を要求してきたところであります。この右翼の目に余る妨害によりまして、わが党もそうでありますが、民主団体や一般国民が払います多大な犠牲、人身傷害というものは後を絶たない状態になっておるのであります。こういう犠牲の上に政治活動が辛うじて維持されておる。そうして、右翼の盲動が減少するどころか、この種の事犯は年々増大をしております。特に最近は、逮捕を覚悟で無法行為を果敢にやるという形態が強まってまいりました。治安を預かる警察当局としまして、団体等の集会開催に対する妨害行為にはどのような法的対処の仕方があるのか、もうお手上げであってどうにも仕方がないとおっしゃるのか、あるいはさっき申し上げましたようなさまざまな法的な条項をできる限り活用して、そして現実的に対処をするのか、このことをお尋ねしたいと思うのであります。
  82. 三井脩

    ○三井政府委員 ただいまお挙げになりました事件、多数発生しておりますが、御存じのように警察におきましてはその多くの者を今日現在検挙しておりますし、五月二十六日の事件につきましても、演説会場に入った殺意を持った、これは少年でございましたけれども、発見、検挙し、事態を未然に防止をしておるということで最大限の努力をし、事態を処理しておるというところでございまして、ことに選挙が近づき、かつまた選挙に入ればなおさらのことでございますけれども、各種の要人がいろいろと行動が頻繁になる、激しくなる、これはまた不穏企図を持っておる者にとっては大変ねらいやすいチャンスでもある、こういうことになるわけでございますので、私たちといたしましては、そういう観点からはもうすでにそういう危険な時期に入っておるというように覚悟をいたしまして、万全の体制で臨むということをいたしておるわけでございます。  したがいまして、政党の演説会あるいはその他団体の演説会、集会というものにつきましては、格別主催者側とあらかじめ以前から十分に連絡をいたしまして、入場者のチェックあるいは演壇周辺での警戒の要領等につきまして細かく打ち合わせをし、お互いに協力をいたしながら警戒の万全の効果を上げるという覚悟でやっておるわけでありまして、今日まで検挙し、事態を未然に防止したのもそういうことのあらわれであるというように考えておりますので、選挙も近づくに従いまして一層そういうことでしっかりやっていこうということで、先般の全国本部長会議におきましても、私から全国本部長にそういう点について十分申し上げたというような次第でございます。
  83. 三谷秀治

    三谷委員 おっしゃいますように、警察の適正な処置で効果的に違法行為が防止された例も確かにあります。私たちはそれを全面的に否定するものではありません。たとえば四月の十二日に行われました松山市の市民会館でのわが党の演説会を妨害しようとして、反共郷友会というのが車を会場正面に置いて演説会の妨害を試みましたが、警察当局はレッカー車でこれを排除する、こういう処置によりまして正常な演説会が行われております。五月の二十日には難波の府立体育館で私どもの演説会を妨害しようとしたアジア学生青年連盟、祖国防衛隊、日本塾などの右翼団体が押しかけましたけれども、警察の阻止ラインでのチェックを受けまして立ち去っております。  しかし、このような適正な対処というものはごく一部であります。まことに残念なことでありますが、これは恐らく地域の警察の責任者などの姿勢にも関係があると思いますが、厳正な処置で未然に暴力行為を排除するという処置が非常に少ないのであります。適正な対応をすれば違法行為を未然に防止できるにかかわらず、これがややもすると手おくれになっておる。  たとえば、最近の例を挙げますと、この三月三十一日に共産党の大分文化会館での演説妨害事件でありますが、大日本誠至会、大日本生産党、大思会という団体が共産党の県委員会事務所に押しかけてまいりました。これは装甲車を進ませながら、傍らで軍服を着たのが日本刀——模擬日本刀でありますが、これを持って、あたかも戦車とともに進撃する歩兵のような様子で県委員会に押しかけてきておるのであります。もしも疑われますならば、ここに写真がありますから……。模擬日本刀であります。そしてその日本刀をふるいまして、写真を写そうとした勤務員を傷つける、指を落とすという傷害事件を起こしておるのであります。そして夕方の五時過ぎに文化会館周辺では妨害を繰り広げまして、会場の入り口で大音声で反共宣伝を行っておる。入場者に威圧を加える、交差点ではUターンをする、信号無視を平然と行う、駐停車違反を繰り返すなどやりたいほうだいのことをやっておるのであります。しかも、この違反の取り締まりの要求に対して警察は、われわれに任してください、われわれに任していただきたいと繰り返すだけであります。  このような右翼にやりたいほうだいをやらしておる事例はきわめて多いのであります。これは私が指摘するだけじゃありません。先ほど社会党からも御指摘がありましたけれども、きわめてたくさんの事例を挙げることができるのであります。右翼の違法越軌に対する規制、取り締まりをいまこそ徹底的に強化しなければ、まさに日本は暴力の国になってしまう、そういう危険な徴候というものが強まってきておるのであります。これに対して公安委員長の御見解をお尋ねしたい。  それからもう一つお尋ねしておきたいのは、ここ数年間、いわゆる博徒ややくざなど、暴力団が右翼の看板を上げて右翼団体化したものがあります。暴力団に対する取り締まり規制というものが強化されますとともに政治的な色彩をもって粉飾をする、そういう傾向が強まっております。そうして各所にりっぱな事務所をつくり、装甲車を買い入れる。あの装甲車というのは一体宣伝車というカテゴリーに入るものでしょうか。兵器の一種じゃないでしょうか。その装甲車を買い入れる。そして軍服まがいの制服を着て、日夜正業につかずに盲動を続けております。しかもこれには莫大な資金が流れておるはずでありますが、警察は右翼、暴力団に流れる金の流れを押さえていらっしゃいますかどうか、状況がおわかりであれば具体的にお知らせをいただきたい。
  84. 小川平二

    小川国務大臣 この右翼団体の違法な行為に対しましては、現行法ぎりぎりいっぱい活用をして警察としては対処してまいるものと信じております。ただいまのお言葉は警察に対する鞭撻と承りまして、一層この点には意を用いてまいります。
  85. 三井脩

    ○三井政府委員 ただいま大分県での事例をお挙げでございますけれども、模造日本刀を用いての彼らの暴力行動につきましては、警察においては直ちにこれを検挙した次第でありまして、いわゆるやりたいほうだいやらせておるということは毛頭なく、ただいま大臣のお話しのように、最大限取り締まるべく、かつ努力をしておるというところでございます。  なお、暴力団が右翼団体に名前あるいは看板をかえるというようなお話でございますが、右翼の中にも各種の種類と申しますか、いろいろな性格のものがございますが、そういうものもございます。それはまた、だからといって暴力団が右翼団体になるわけではありませんで、暴力団は暴力団として取り締まり、かつ、それが右翼団体まがいの行動をしておる面については、またそういう観点から違法行為を取り締まるということでございます。  なお、資金源についてお話がございましたが、どの団体の資金も、いずれもこれを大変秘匿しておるという点においてはこの種の団体も変わりがないところでありますが、個々には団体の性格によって違いますが、おおむねのところは会費、賛助会費、資金カンパ、こういうようなものによって経費を賄っておるということであります。また一部ではみずから事業を営んで、それによって自活しておると申しますか自給自足と申しますか、そういう資金的な手当てをしておるものもございますが、おおむねはいま申しました資金カンパが一番大きな部類を占めておるのではないかというふうに私たちは見ております。
  86. 三谷秀治

    三谷委員 いまのお答えは非常に不十分なものであります。  大分県で日本刀を持ってきたから検挙したとおっしゃいますが、そのような模擬日本刀にしろ、刀を抜いて押しかけてくるのを放置して、そうして切りつけてけがをさせてから逮捕するということで、一体犯罪の予防がどうしてできますか。警察の任務というのは犯罪の捜査、検挙等もあるわけでありますが、防犯こそが重要であって、その防犯的な観点に立って先制的に取り締まるという態度がきわめて不十分であることを申し上げたのであります。  そうして、しかもその検挙後におきましても、ただいま申し上げましたように、あらゆる違法行為を行ってきている。駐停車違反なんというものは公然たるものであります。あるいは交差点のUターンにしましても平然と行っておる。こういう状態というものが放置されて、公安委員長がいま法の許すぎりぎりのところで警察の権限を行使してやっているとおっしゃいましたが、さっき申しましたように、確かにやっていらっしゃるところもあります。こう言っているのです。具体例を挙げている。何もかも警察がサボって、怠けていると言っているわけではありません。やっていらっしゃるところもあるけれども、やらぬところが多いということを指摘しているわけなんです。ですから、やっているところのようにやってもらえば、右翼の跳梁というのは大きく改善ができるわけでありまして、そのことを私は先ほどから申し上げてきたのであります。  それから一般的に法の許す範囲でやっているということではなしに、実際適正な効果的な対応策をおとりになっている場所もあるし、そういう事例もあるし、いま申しました大分のように、被害者が出るまでは放置するというふうな、しかもその後における違法行為も黙認をするというような事例もあるわけであります。そういう具体的な事実があるわけでありますから、全体として暴力団に対する警察の姿勢を警察庁としても指導を強めて、そして適正に対応したところの手段や方法を生かしてこれを取り締まっていくべきではないかということをお尋ねしておるのでございます。これについてお答えいただきたいと思います。
  87. 三井脩

    ○三井政府委員 いまのお話でございますと、適切にやってないところが多いようなお話でございますが、先ほどから申し上げておりますように、警察におきましては最大限の力を尽くして、いわばベストを尽くして取り締まりに当たっておるということでございまして、大分の例が不適切な例としてお挙げのようでございますけれども、本件につきましても、一一〇番によって事態を認知して、直ちに駆けつけて現行犯逮捕をしておるということでございまして、現行犯として逮捕できるという時間帯には駆けつけて処理をしておるということでございます。後から考えれば、そういう状況であれば常時追尾しておったらどうかということもあろうかと思いますけれども、追尾する対象であるかどうかというのは、諸般の状況の中で判断をして警察力を運用するということになるわけでございまして、その他の事例におきましても、第一線警察官は大変並み並みならぬ努力をしているというように私たちは考えるわけでありまして、それでもなおもっと努力の余地はないかという点については、われわれは常に実際に起こった事案、処理した事案について足らざるところを反省をし、さらに検討を加え、われわれの処理の仕方を洗練させていくといいますか、努力をし、向上させていきたい、こういう気持ちでございますので、第一線警察官が一生懸命やっておるという点につきましてはどうぞ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
  88. 三谷秀治

    三谷委員 第一線の警察官の中で右翼、暴力団の暴行などによってけがをされた方もいらっしゃいますし、犠牲者も出ておることも知っております。  ただ、この対応が不適切だというのは、具体的に見ますと、現地の指揮者であるとかあるいは地方の警察本部長などの姿勢にも大きな原因があるというふうにも見ることができるのであります。私どもは、現地の警察官の皆さんが大変怠けているというふうなことは少しも考えておりません。ただ、警察の指導体制として、この点は適切な処置に準じた体制を全国的に強めてもらうことが必要であるということを申し上げておるのでございます。  五月二十日に警察庁は選挙に向けまして、先ほど御説明もありましたが、全国警備部課長会議を開いて、選挙違反の取り締まりや要人警護について訓示されたと聞いておりますし、いまもそのような御説明がありました。これはもちろん必要でありますが、同時に、選挙違反だけではなしに、選挙活動やこのような政治活動の自由を妨害する者に対する取り締まりへこれももっと強化しなければいけないと思います。これは選管の関係もあることでありますから、公安委員長の御見解をお尋ねするとともに、自治省の方からも御意見をお聞きしたいと思います。
  89. 三井脩

    ○三井政府委員 先ほどちょっと触れましたが、選挙になりますと関係の方々の動きが活発になりまして、これをねらおうとする側から言えばチャンスだと考えて、彼らが行動するおそれがあるということを申し上げたわけであります。私はそういう観点では、もうすでにそういう危険な時期に入っておると申し上げたわけでありますけれども、これはそういう選挙期間ではないけれども各種の政治活動が行われる、その中でこれをねらおうというものの立場から見れば同じような危険な状態が出やすい、そういう意味におきまして、いまお話の五月の全国の警備関係の会議におきましても、また先日の六月一日の全国本部長会議におきましても、この点については私から十分に措置するといいますか、厳戒体制で臨むように言ったわけでありまして、それは選挙活動における自由が暴力や違法行為によって侵されることのないようにということのほか、その前段階における政治活動がまた暴力その他違法行為によって侵されることのないように、政治活動の自由が守られるように、こういう観点にもなるわけでありまして、おっしゃるような点をわれわれもそのつもりで鋭意努力をしておるということでございます。
  90. 小川平二

    小川国務大臣 選挙運動を違法な行為によって妨害すると申しますことは、公職選挙法に規定いたしますいわゆる自由妨害でございますから、もとより自治省としてもさようなことが行われませんように事前に十分啓蒙活動をいたしまして、法律の趣旨が守られるように努力をいたしますし、警察の当局といたしましては、申すまでもなく取り締まりの徹底を期するものと期待をいたしております。
  91. 三谷秀治

    三谷委員 行政局長にお尋ねしたいのでありますが、行政局長は先ほどここの使用問題につきまして、福島県当局の管理上の判断というふうなことをおっしゃいましたけれども、これは国家公務員にしろ地方公務員にしろ、憲法を遵守しなければいけないという基本的な原則があることは御承知のとおりであります。ですからここで管理上の判断といいますのは、これは憲法上の保障やあるいは自治体の公共的性格というものに立脚して初めて「管理上適当でない」という判断が出せるものであって、恣意的なものでないことは明らかなことであります。そこで、一般的に「管理上適当でない」という意味は限定されております。これは主として自然的な現象、つまり台風等のために危険が憂慮されるような状態、あるいは管理上、修理等の工事が行われておりまして危険が伴ったりあるいは使用が不可能な状態、この場合におきまして「管理上適当でない」ということが言い得るわけでありますが、先ほど聞いておりますと、何か他の恣意的な条件というものを「管理上適当でない」というふうにお挙げになったようでありますが、これは憲法上の保障からいいましても地方団体の公共的性格からいいましても、そのことは間違いではないかと私は思っております。警備の保障につきましては、決まれば県警が十分に警備しますという態度をとっておるわけであります。何といいましても、日本唯一の治安当局であり警察当局であります。これが保障するわけでありますから、この保障のもとにおきましては、その他の条項などにつきましては選択の対象になるものではないと私は思いますが、いかがでしょう。
  92. 山本悟

    山本(悟)政府委員 先ほど読みました条例の第三項にございます。教育委員会は管理上適当でないと認めるときは、許可をしないことができる、この「管理上」というものの範囲をどう考えるかということでございますが、先ほどおっしゃいましたように、もちろん公共団体の設置している公の施設でございますから、それがより有効に、かつ、憲法の規定を遵守したかっこうで、さらにいま先生のおっしゃいましたような条件のもとに使用されるということが大前提であることは、私もそのとおりであろうかと存じます。また同時に、この施設を貸すことによりますところの、その地方団体の現地としての状況というものも、現実に起こる事態でございますから、これもまた管理者として考慮の中に入れざるを得ないことであろう、こう申しているわけでございます。その観点から申せば、「管理上適当でないと認める」というときの判断の基準というものをどうとるかはもちろん管理着の決めることであり、さらにその管理者の決めた判断が誤りであるという不服のある方は、審査の請求なり異議の申し立てなりという争訟手段によって出てくる問題であり、しかもそれが県の場合で言えば、その審査の請求なり不服の申し立ての決定をいたします場合には、県議会に諮問して、それによって意見を聞いて決める、こういうような現地の団体の意思というものを尊重するたてまえというものができている問題でございますから、それぞれの考え方で判断をされることであろう、こう申したわけでございます。  この条例の条文上、他の周囲の状況あるいは他の住民の保安と申しますか安全と申しますか、そういったようなことを全く考慮の判断の基準に入れられないのかという御議論であれば、そういうことはないのじゃないだろうか。やはり判断の一つにはなり得るであろう。しかし、その判断をする際には、先ほど先生のおっしゃいました憲法から何からすべての条件を含めて、あるいは警察当局の御見解というものも含めて、万般のことを判断された上で最も適切なところをお考えいただく、それが現地としてのお考え方になるであろう、こういうようにも期待をいたしておるわけでございます。先ほど申し上げましたのはさような意味でございますので、御了承賜りたいと存じます。
  93. 三谷秀治

    三谷委員 私は、この問題について自治省に指導権があるとは思いませんけれども、しかし、国家公務員、地方公務員が何にも増して憲法を遵守するという義務を負っている限りは、憲法に基づいて適正な処置をするということについて、指導とかなんとかいうものでなくても、そのような接触をする必要があるのではないかと思っておりますが、そのような努力をなさる意思がありますか。特に福島県というのは、見てみますと右翼が非常に多いところです。右翼団体の数が多い。何と言いましても児玉譽士夫の生地に属する地域でありますから……。調べてみますと武闘訓練をやっている右翼団体などが福島県には多いのであります。そういう点で一層住民に対する威圧、強迫というものが考えられるわけでありまして、その点から申しますと、地方公共団体がそのようなものに屈してはならぬわけであって、その面からの自治省の援助を私はお願いしたいと思うのであります。後でお答えを聞きます。  最後にもう一つ公安委員長に聞いておきますが、戦前、日本の政財界が共産党や労働組合を抑圧するために右翼を育成してきたことは御承知のとおりであります。警察も彼らを取り締まらずに——戦前ですよ、局長。いまのわけじゃありませんよ。戦前です。右翼の暴力団をのさばらしてきました。その結果日本がどうなってきたかということを見てみますと、右翼は山本宣治や美濃部達吉氏などだけでなしに、安田善次郎あるいは団琢磨などの財界人に対しても襲撃を加える、あるいは浜口首相を初めといたしましておびただしい数の閣僚、政治家、元老を襲って、さらに軍部内の右翼と呼応して数多くのクーデター事件を起こしております。そして日本を軍部独裁政権と破滅的な侵略戦争に駆り立てる大きな役割りを果たしてきたのであります。反共のために右翼、暴力団を使うのは避けるべきであります。すでに先ごろ経団連を襲いました右翼もおります。また、わが党の野坂議長や宮本委員長不破書記局長だけでなしに、社会党の浅沼元委員長、成田委員長、それだけでもなしに岸、池田、佐藤、三木首相らも右翼によって被害を受けておるのであります。三無事件など、クーデターも企てられてまいりました。幸い浅沼、岸事件以外は未遂に終わりましたけれども、いままで私が質問してきましたような事実は、こういうことを憂慮せしめる十分な条件、それがだんだんと成熟してきておる、だんだんとこれが拡大されつつあるのです。このような事態を国家公安委員長としてどうお考えになっているのか。おざなりでなしに、本当にいまの日本の政治を担っていらっしゃる大臣として、このような戦前の経験あるいは戦後における右翼による被害を見ましたときに、それがいまのような手ぬるいことで放置された場合に一体どうなっていくのかということをだれしもが懸念をするのであります。厳重に、徹底的に右翼の暴力団を取り締まる決意があるかどうか、大臣の決意をお聞きしたいと思います。
  94. 小川平二

    小川国務大臣 警察が反共のために右翼を利用している、あるいは右翼の行動を黙過しておるというような事実は全くないと私は信じております。本来国家公安委員会は警察というものの政治的な中立性を担保するために存在しておるわけでございますから、右翼団体の動向というものにつきましては、これからも警察による視察の体制を強めまして、危険な動向があれば直ちにこれを抑止すべきものだ、そのような指導をするつもりでございます。
  95. 山本悟

    山本(悟)政府委員 先ほど来お答え申し上げておりますように、このこと自体は、貸すか貸さないかということ自体はやはり現地で決定すべき問題である、かように存ずるわけでございますが、もちろんその決定をいたします際には、先ほど来御議論のございましたような、憲法をよりよく実施するという立場でもって物を考えなければならない、これはもう当然のことでございますし、また同時に安寧も保安も考えなければならないということも事実でございます。そうしてまた、警察のただいままでの御答弁にありましたようなこういった本日の経過等につきましても私どもはこれを知ったわけでございますから、そういった状況もよく現地の方にも連絡をいたしたいと存じますけれども、たびたび申し上げて恐縮でございますが、何と申しましても決定は現地の方でいたすべきもので、自治省といたしまして介入を——介入といいますか、どうしろということを申し上げる立場ではない、このことだけは、たびたびで恐縮でございますが、つけ加えさせていただきたいと思います。
  96. 三谷秀治

    三谷委員 決定権が県にあることはよく承知しております。その上に立っての御努力をお願いしたわけであります。  時間でございますから、これで終わります。      ————◇—————
  97. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。  今国会における本委員会の審議も、本日をもって終了することになりますが、この長期間にわたる委員会運営につきまして、理事各位はもとより、委員各位の絶大なる御支援と御協力を賜りまして、大過なく委員会審議を進めることができましたことを深く感謝いたしますとともに、厚くお礼を申し上げる次第であります。簡単ながらごあいさつといたします。(拍手)  本日は、これにて散会いたします。     午後一時十四分散会