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柳館説明員 お答え申し上げます。
最初にどういう改造をしているのかということについてでございますけれ
ども、けさほどから申し上げておりますように、拳銃のタイプを大きく分けまして三つに分けて私
ども考えておるわけでございます。
それで、第一のタイプはこういう回転式でございます。この回転式につきましての改造方法でございますけれ
ども、これはここのところにかたい鋼材が入っておりまして、それでこちらからドリルで突きましても穴があかないようになっておるわけでございます。ところが、これを今度カッターで切りまして、切ってから、逆にここに入っております鋼材をたたき出すわけでございます。そして、たたき出した後に
鉄パイプをはめ込む、こういうやり方をするわけでございます。それからこれは弾倉でございますけれ
ども、弾倉にはまっておるものにつきましても、これ自体を取りかえてしまったりあるいは途中で切ってしまうといったような……(山本(悌)
委員「それは簡単に取れるのですか」と呼ぶ)これは取れます。そういう改造の仕方をするわけでございます。
それからもう
一つは、中折れ式というので、けさほどちょっと説明しました、中から折れるものでございます。(山本(悌)
委員「空気銃みたいですね」と呼ぶ)そうでございます。これにつきましては、これ自体ば新しくつくってしまえばすぐできるということで……(山本(悌)
委員「銃身だけかえるわけですね」と呼ぶ)そうでございます。これにつきましては業界の方もぐあいが悪いということで製造をやめましょうということを前から話がついておるものでございます。
それから三つ目のタイプが自動式というタイプでございます。それにつきましては、このルガー式のような、銃身とそれからフレームとが
一体になっておるというタイプがあるわけでございます。これにつきましての改造の仕方は、やはり回転式の場合と同じように銃身を切って改造していくというようなやり方をするわけでございます。(山本(悌)
委員「Smマークというのはどれですか」と呼ぶ)それはまたお答え申し上げたいと思います。その次がラーマタイプというタイプでございまして、これは銃身とフレームとが分離できるわけで、これが銃身になるわけでございまして、この銃身を改造をするわけでございます。そのやり方はいろいろありますけれ
ども、
一つは、ここのところがやはり詰まっておりますので、これを上から切りまして、そしてこれに別な
パイプを詰め込むというようなやり方をこの間の関口一家の場合なんかはやっておるわけでございます。
そういったこと全般を
考えまして、SmマークのIそれからIIというのがあるわけでございますけれ
ども、SmIIというのが銃の一番つけ根のところの改造をしにくくしてしまうというやり方をするわけでございます。これをやりますと、ほとんど改造意欲も起こらないし、改造することもむずかしいだろうと私
どもはいまのところ
考えておるわけでございます。
それから、こういうルガータイプのものにつきましても、銃身の構造が似ておりますので、
先ほど申し上げたものと同じような
考え方で
措置してまいりますと、これは改造が非常に困難だろう、こう
考えておるわけでございます。したがって、そういうものをSmということで今後
措置していきたいと
考えております。
それで、実は一番頭を痛めておりますのが分離できるタイプのものでございます。これにつきましては、いま何かいいアイデアがないかということでいろいろ検討いたしておる最中でございます。ある程度私
どもも案は
考えておりますけれ
ども、しかしなお不安な点が非常にございます。そういうことでなお検討をしてみたいと
考えておるわけでございます。
それから関口一家の関連のことでございますけれ
ども、
事件の概要は、被疑者小島猛三十八歳でございますけれ
ども、暴力団極東関口一家
中村睦の四代目の首領でございます。これが詐欺罪で
東京拘置所に服役中であった昭和四十六年十二月ごろから同四十九年八月ごろの間に、同じころ拳銃密造
事件で服役していたイラストレーターの松本栄毅三十一歳と知り合いまして、松本がモデルガンから拳銃を密造する技術を持っていることに目をつけまして、昭和五十一年五月ごろから松本にモデルガンの改造を依頼しておった、こういう事案でございます。依頼を受けました松本は、やはり刑務所仲間であるホテル従業員の堀江格、三十三歳と共謀しまして、マンションの一室を借りまして、そこで五十一年六月中旬ごろまでに十七丁の改造拳銃を密造しておったということでございます。被疑者の小島は、改造代金として現金百万円余の支払いをしたのでございますけれ
ども、それが惜しくなりまして、松本、堀江に暴行、脅迫を働いて、同人から改造拳銃十五丁、実包三百個及び自分が支払った現金を奪い返してしまったという事案でございます。