○三井政府
委員 中村本
部長並びに田口警備
部長の
新聞等に対する発言についての御
質問でございますが、まず初めに申し上げておきますが、ああいう当日の忙しさの中で本
部長並びに警備
部長が記者会見等を行いますし、その後もしばしば行っておるわけでございます。記者会見は、性質上、大ぜいの人たちがいろいろな
質問を方々からしてくる、それに対する答えということでありますから、
質問の言葉その他によって、言葉は、あるいは表現はそれぞれの場合において差がある、こう思いますけれ
ども、その言っておる趣旨は一貫しておるというように私たちは
考えておりますし、
新聞等では一貫してないかのごとくちょっと出ておるのもありましたが、よく見ると、それもまたそうでもないようであるというようなことでありまして、この点については私もしばしば本
部長と電話でじかに話をしております。そういう点も確かめました。本
部長は一貫しております。
それはどういうことかと申しますと、いわゆるガス銃の使用につきましては、これは制止のための用具、簡単に言えば道具、こういうことでございます。したがって、違法行動、ことに集団による違法行動を抑止、抑制する、あるいは集団を解散させるというときに使うのが催涙ガスの使い方であります。同時に催涙ガスにつきましては、それ以外の使い方も場合によってあり得るということであります。
これはどういうことかと申しますと、すでに御存じのように、警職法第七条には「(武器の使用)」という規定がありまして、この場合の武器は、警察官の典型的な携帯しておる武器としての拳銃を頭に置いておるわけでありますけれ
ども、これによれば、一定の場合に、職務執行のために警察官は武器を使用することができる。その場合の職務執行は何かというと、
先ほど触れましたが、生命、身体、財産の保護、犯人の逮捕、公安の維持という、大ざっぱに言えば警察法二条に掲げられておるそういう目的遂行のために必要な場合に武器を使用していい、こういうことであります。ただ、その七条のただし書きに規定がありますように、武器を使用することによって相手方もしくは第三者に対して、つまり人に危害を加える場合というのは一定の制限がございまして、これ以外の場合には人に危害を加えてはならない、こういう規定であります。逆に言いますと、この掲げられておるその制限の範囲内でありますれば、仮に人に危害を加えても、これは警察官の職務執行としては適法なものである。したがって、それについての刑事
責任あるいは民事
責任、行政上の
責任というものは警察官は免除される、こういう趣旨でありますが、その四つの制限、四つの
項目といいますのは、
一つは正当防衛、二つは緊急避難、第三番目は警察官の職務執行、ちょっと言い直しますが、凶悪犯人に対する警察官の職務執行でございます。したがって、軽犯罪は対象になりませんけれ
ども、長期三年以上の凶悪犯罪を犯そうとしておるとか、現に犯しておるとか、犯して間もないとか、つまり凶悪犯罪を敢行しておる、それに密着しておる、こういう段階においてこれを制止する、取り押さえる、そういうために警察官が武器を使用していい。第四番目は逮捕令状、その他令状の執行のときに抵抗がある、本人が抵抗する、第三者が抵抗するという場合には武器を使用して、かつ危害を与えても差し
支えない、こういう規定でございます。
この五月八日の
事態は、この規定に即して言いますと、典型的に当たるのは正当防衛、それからただいま言いました、第三番目の
事態、凶悪犯罪に対する警察の職務執行ということで、これは警職法七条の一号でございます。その他に緊急避難の場合も状況によってはあり得ると思いますが、まず正当防衛と凶悪犯罪に対する
措置、この二つがこれに該当するというように
考えておるわけであります。
したがいまして、
中村本
部長が申し述べました趣旨も、そういう規定並びにそういう規定に準拠して警察が行動すべきことはもとより重々心得ておるわけでありますから、そういう趣旨を踏まえての発言でありまして、それでは水平撃ちというようなことはどうかといいますと、水平撃ちの点につきましては、警察官が現場において水平撃ちをしたかどうか、こういう点についてはまだ確認しておらない。つまり東山さんが亡くなった点につきましては目下調査並びに捜査の対象として調べておるわけでありますから、
結論が出ておらない。で、その途中で警察官が水平撃ちをしたという報告が来ておるかという点については、来ておりません。したがって、水平撃ちをしたという事実があったということは、本
部長としては確認しておらない。われわれは確認しておらない。
ただし、仮に水平撃ちをしたとしても、水平撃ちに限りませんけれ
ども、本件の場合は水平撃ちでございますが、仮に水平撃ちをしたとしても、その結果危害が生じたとしても、ただいま申しました四つの
条件、ことに正当防衛と凶悪犯人に対する警察の職務執行に該当すると
考えられるので、これはもうあれだけの状況を見てもはっきりしておる、こういうことで、そういう水平撃ちを仮にしたとしても、警察官の行為は適法な行為である、こういう趣旨を申し述べたのだということを言っておりますし、私はその点も本人から直接、電話でありますが、確認をしている、こういうことであります。