○三谷
委員 時間がありませんから要点をおっしゃってください。
それでいまおっしゃいました点ですけれ
ども、
恩給制度を引き継いできたという事実は確かでありますが、しかし
恩給制度が
共済制度に変わってきているということは、慈恵的な恩恵を
かつてのように天皇の官吏、公吏に与えるという社会通念、これが時代の変化、社会情勢の変化に伴って
共済制度になり社会保険
制度になってきたわけでありますから、そういう変化に伴った対応というものが
恩給の中にも必要である。
恩給の中には軍人軍属もありますし軍人遺族な
どもありますから、
恩給制度をにわかに撤廃しろなんということは私は言いはしませんけれ
ども、そういう特殊な高級官僚が、月にしますと二十万から二十五万の
年金を手にする。しかも一方におきましては、それを含めて
計算して七万七千円、
実態はもっと低くなってくる。そして
生活費が十二万も要る。そういう状態を見ますと、社会
保障制度として
考えてみますときに、高給者であろうと低給者であろうと、
老後の
生活費なんというのはそれほど変わるものじゃありませんから、こういうとんでもない格差というものは当然是正する必要がある。是正する観点に立つべきだと私は思いますが、この点は大蔵省にもお尋ねしたい。
いまさっき申しました大阪府のKという副知事、自治省から行った副知事でありますから御承知と思いますが、この人の二百九十八万四千五百六十円の
年金計算額というものは、これは三十一年九カ月
勤務したのですが、その三十一年九カ月がちょうど真ん中で割れていて、半分が
恩給部分で半分が
共済年金部分なんです。
勤務年数がちょうど半分になっている。十五年十カ月が
恩給職員、十五年十一カ月が
年金職員なんです。ところが、
恩給の方では二百十八万八千二百三十五円になっている、それから
年金の方では七十九万六千三百二十五円、こういう
実態なんです。要するに、
恩給に対する資源配分が多過ぎる。整理資源の問題が問題になりましたけれ
ども、整理資源全体というものは否定できるものじゃありませんけれ
ども、また、全体としてはそういう資源配分というものをこういう部分に強化するということは私
どもは少しも反対するものじゃありませんが、こういう不合理なところに資源配分が多量に吸収される、そうして下級
公務員というものが非常に冷遇される、あるいは
民間労働者に対しては配分がきわめて乏しいというふうな状態は、当然
改善されなければいかぬのじゃないですか。
これは朝日新聞に出ておりました調査によるものでありますが、各
年金をフルに活用した場合、ここでモデルをつくっておりますが、高級官僚ですと六十五歳で月額二十五万三千四百円、そして一般
公務員の場合十四万あるいは十三万という数字が出ております。それから
民間労働者で十三万、こういう数字です。フルに活用した場合の
計算でありますが、いずれにしましても、この場合でも
民間、一般
公務員と比較しまして高級
公務員の
年金が多過ぎるということは、ここでも非常にはっきりと証明されておるわけであります。ですからこの点はもっと社会的な視点に立って是正する必要がある、だれが
考えてもそうなんです。
私
どもはそういう点から言いますと、
公務員労働者全般がとんでもない
年金を受けておるという
考え方に立ちませんが、そういう特権的な
公務員、高級
公務員、これの分を含めて
計算されている、そこのところに問題がある。ですからそこのところは当然
改善する必要がある。この点について大蔵はどうお
考えなんでしょうか。