○佐藤(敬)
委員 私
どもは、今度のこの野党五党の修正案につきまして一致点を見出して修正案をつくりましたけれ
ども、これをつくる過程におきまして、いままでのようにとにかく筋だけ通れば、たてまえだけ通ればいい、そういう考えではなくて、何とかして少しでもよく、しかも
政府がのめるような案にしたい、こういうことをまず第一に
条件にしていろいろ検討してまいりました。その結果は、税率におきましても、いま
政府がその
交付税の税率のアップに相当するという三・六%、これをそのまま
交付税のアップとして持っていこうではないか。私
どもとしては、これは自民党の
理事さんから中途半端だといって批判を受けましたけれ
ども、批判を受けてもいい、とにかく自治省がのめるような案でなければこれはだめだというので、批判を受けるのをあえて覚悟の上で三・六%というので出していきました。それを五十二
年度でできないか、こういうので出しましたけれ
ども、みごとにこれは拒否されました。まあいろいろな
事情があるでしょう。これは
一つは五十二
年度の予算が成立直前だ——もうすでに成立しましたが、成立直前だ、ことしはできない、あるいはまた中途半端だ、三・六%上げても
借金が残るではないか、あるいはまた現在税制に手をつけている、あるいはまた景気の対策を盛んにやっている、それが不確定なのにやられない、こういうような大体三つの
理由によって拒否されました。しかし、これを単に拒否するだけではなくて、五十二
年度で成立がむずかしければ、では来年はどうか。あるいはまた中途半端だと言うけれ
ども、それでは自治省が
大蔵省に対して五%の要求をしたのは半端でないのか。あるいはまた景気対策あるいは税制の対策をやっていると言うけれ
ども、この間からの論争でもわかりますように、来年できるか再来年できるかまだ未確定、まだまだ時間がかかる。あるいはまた三・六%という金額は、それでは景気がよくなれば金が余ってくる税率かというと、三・六%ではことしの二兆七百億のわずかに四分の一にも当たらないような非常に微々たるアップなんだ。景気がよくなっても、税制がよくなっても、私は三・六%ではまだまだ足りないと思います。こういうことを考えますと、何かしら私
どもの案をさらに修正するところがあったらば修正して、何とかして一致点を見出せられないだろうか、こういうふうな努力がもう少しあってもよかったじゃないか、こういうふうに感じております。
特に、中途半端だ、三・六%上げてもなお
借金が残るではないかという議論に対しましては、私はこういうふうに思います。
地方団体はいままで、高度
経済成長の
時代においても長い間この税率のアップを熱望してまいりました。しかも今度は五十年、五十一年と引き続いて三年目だから、何とかこれのアップがあるだろうという大変大きな期待感を抱いておりました。ところが、みごとにその期待は裏切られました。ここでこの三・六%、ほんのちょっぴりですが、三・六%を
交付税のごまかしではなくて、本当に税率をアップすることによってどのくらい大きな
地方団体の激励になるかわからない、これからがんばる
一つの大きな支えになるだろう、単に税率の問題ではなくて、
地方団体がこれからがんばるところの
一つの大きな支えになる、こういうふうに考えております。単に税率ではなくて重大な
意味を持っているものだ、こう考えてあえてこういうような半端ではあるけれ
どもこれはやるべきだ、こういうふうに主張してきたわけであります。
これからもいろいろあるでしょう。決して自民党が絶対にのめない、
政府が絶対にのめないような案ではなくて、できるだけ私
どもとしてもがんばったのみやすいような案を出していく。だからこれからの
政府並びに自民党の
一つの対応の仕方として、私
どもの悪いところがあったらここを直せ、ここを直せ、そうすれば少し何とか一致したものをつくりましょう、こういうふうな応待の仕方をしていただけば、私
ども改めるものはどこまでも改めていって、何とか十全でなくても一歩でもいい案に近づくようにこれからやらなければいけない、これが伯仲
時代の私
ども野党の務めでもある、こういうふうに考えております。
いつまでもこういうようなかたくなな
考え方、態度を続けていけば、恐らく議会制度の
停滞と
地方財政の崩壊ということがもし起これば、これは
政府・自民党の全面的な責任になってしまう、こういうふうに私は理解します。どうかひとつそういう
意味で、これからまだあしたまでありますから、私
どもが出しているところの修正案がこことこことここを直せば何とか一致点が見出せる、そういうような一致点が見出せるかどうかこれから一晩検討してくださいまして、もしできたらあしたひとつ御返答いただきたい、こういうふうに思います。いかがですか。