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中野(寛)
委員 とすれば、
自治省のむしろ正直な御見解としては、今
年度やはりあと五%くらいは上積みしたかったというお気持ちを根底に当然お持ちになっておったということを確認をさせていただいて、このことについて後ほど若干の主張また
質問をさせていただきたいと思います。
さて、
地方行財政制度につきましては、抜本的な
改正がいま非常に要求をされているわけであります。基本的にまず税制の
改正の問題でありますけれ
ども、国民が納めます税金の面から見ますと、国の
財政にはその約三分の二が国税として、
地方の
財政には残りの三分の一が
地方税として収入をされているわけでありますが、何回も繰り返して言われましたように、実際の国民のための行政活動に支出する税金の面から見ますと、
地方の
財政は国の収入した税の半分
程度のものを補助金、交付金として受け入れて、
地方の収入した税と合わせて支出するために、いわゆる収入のパターンとは反対に、
事業量の割合では
地方が国の二倍のものを使っているということになっていることは、まさにそのとおりだと思うわけであります。五十
年度におきましても、国と
地方の間の租税の形式
配分が、国税六四%に対しまして
地方税は三六%にすぎないわけであります。しかし、
地方交付税や国庫支出金など、国から
地方への交付分を含めた実質
配分では逆に
地方が七六・六%となっている現状を勘案をいたしますときに、国と
地方との
経費負担区分の適正化をやはりどうしても図らなければいけない。そういう中で税制
調査会の「長期税制のあり方についての答申」というふうなものの中でも
地方税源、特にいま困窮を来しております都市税源の充実というものが非常に強く主張されていると思うわけであります。その中で四十九年には
市町村民税、法人税割の
税率の
引き上げですとか、五十年には
事業所税の創設を見たわけでありますけれ
ども、しかしながらなお一層
市町村への
配分強化というふうなものが望まれているわけでありますし、大都市の特例
事務に対する税制上の特例等は今後になお問題、課題がたくさん残されていると思うわけであります。そのほか、
地方税法の一部を
改正する法律等の審議におきましてもいろいろな主張がなされたと思いますし、参議院においてはことしも附帯決議が付せられております。本
委員会においても昨年同じように附帯決議がされているわけでありますけれ
ども、これらの基本的な
改正をするためにはむしろ最初の租税
配分が国が約七割ということではなくて、むしろ中央と
地方との
配分を基本的には思い切って五対五くらいにまで持っていくというくらいの腹構えというのでしょうか、基本的な
考え方がなければいけないのではないだろうか。ちなみに、その
地方交付税にいたしましても本来それは調整
財源の
意味を持っておったと思うのですけれ
ども、今日、交付
団体が三千二百二十
団体くらいあるんじゃないでしょうか。不交付
団体は八十五
団体だと私が調べた範囲ではなっておりますが、そうなりますと不交付
団体はもうすでに二・六%にしかすぎない。これはもう調整
財源という感覚よりも
財源を補てんしている。もちろん率の違いはございますから調整の
意味が全くなくなっているとは申し上げませんけれ
ども、しかし調整の
役割りよりも
財源補てんの
役割りの方にむしろ重点が置かれてしまっている。そのことはイコール
地方の自主
財源を
財政の総枠の中では圧迫してしまっていることにますます強くなっているんではないかというふうに
考えますときに、この
地方交付税の
税率を、いま私
どもは
引き上げを要求をいたしておりますけれ
ども、むしろ本当は、より必要な改革というものは、先ほど申し上げましたように、中央と
地方の税の
配分、これを基本的にやはり
考えなければいけないのではないかというふうに思うわけであります。その中で、中央に三割残すといたしましても、五割のうち三割、残り二割を
交付税的ないわゆる調整
財源としての
役割りを果たさせていくということになりますと、本来の
地方交付税のあり方、いわゆるねらいというもの、これが生まれたときの精神というものが生かされる
状態になるのではないのか、
地方の行政需要等がふえて本当にバランスが崩れてきたいまだからこそ、そのことを基本的に
考える必要があるのではないだろうかというふうに思うわけでございまして、何も私がここで申し上げるのが事新しいことではないと思いますけれ
ども、今日までそれらの件について御検討もあるいはなされているかと思うわけでございますけれ
ども、これまでの経緯、そして今後の
見通し等について御所見をお伺いできればと思うわけでございます。