○三谷
委員 いま法制局の見解をお聞きしましたが、それから言えば法制局長に来ていただく必要があるわけですが、いますでに質疑の途中でありますからそれは不可能だと思います。観念的な解釈というのはあるいは成り立つかわかりませんが、しかし
現実の行政の実態の中で法律というものを解釈していきますならば、そういう机上論ではだめだということはだれしもが
指摘できると思います。
たとえば法定するということは、法定上の効果が要るわけでありますが、この
制度改正、いわゆる法律
改正というものは何らの法定効果を持つものじゃありません。本
年度限りの
措置ですから、法律として今後におきまして継続的な効果を持つというものでは全然ないわけですから、それならば法律によって
改正しなくてはならぬというような規定は空文になってしまうのであって、臨時的な
措置でこれを絶えず繰り返し反復していけばいいということにもなってくるわけです。
それからもともといえば、これは
大臣が法定されましたような
意味のことを協定すればそれで事済むわけです。ですからそういう点からしますと、法定したから
制度改正だとおっしゃいますが、これはずいぶん苦しい強弁になっております。聞きましても説得力のあるものではありません。大変無理なさっておる。
先ほど大臣がお読みになりました五十年、五十一年の覚書でありますが、私
どもは審議の過程におきましては、
自治省からおおむねここで書かれております事項につきましては国が持ってもらうものだ、
自治省としてはそのような見解なのだということをおっしゃっております。速記録をごらんになったらわかりますけれ
ども、私
どもそのように解釈しておりました。厳密に申しますと、償還
時点において、国と
地方の
財政の
状況などを勘案して
措置を決めるというふうな内容でありましたけれ
ども、
自治省側としては、これは当然国が持つべきものであるという見解をしばしば示されておるわけです。ですから、これは法律改定と同様の効果を持つものであると私は考えております。そうしますと、ことしもまた単
年度限りの
措置をなさったわけですから、これは何も法定など必要としない。それを法律に入れたから
制度改正になる、話し合いで実効を発揮したものは
制度改正にはならない、機械的な便宜論なんです。そういうもので今日の
交付税率の改定問題をすりかえようとなさいますから、これに対する反発が起きてくる。私
どもが反発するだけじゃありません。
地方自治体自体も非常な不信や疑問を抱いてきておるのであります。そういう
措置を
自治省としておとりになることは正しくない。
自治省も五%の
引き上げを要求しておった。それがいつのまにやら急
場しのぎの臨時的な
措置でお茶を濁そうとする。しかもそれを、たまたま単
年度の
措置でありますのに法律に入れるからそれは
制度改正なんだ、こういう論法をお立てになっている。その論理には無理があります。これは
交付税法に違反するものであって、私
ども承知することはできません。しかし、この問題につきましては幾ら繰り返しましても
大臣も同じことをおっしゃっている、
財政局長も同じことをおっしゃっている。それを言う以外に道はないわけです。それを言う以外には答えようがないわけです。しかし、そういう詭弁で問題の本質をすりかえるようなことは今後はやらないでもらいたい。そしてそのままでこういう法案が賛同される性質のものでないということもよく考えていただきたいと思うのであります。
そこでさっきの覚書でありますが、確かに四千二百二十五億の元本償還金につきましては国が
負担することを法定しておりますが、借入金の残額の五千百七十五億の
返済金負担緩和については覚書には何もありません。五十年、五十一
年度にはありました。本
年度はありません。ですからこの覚書を文言どおりに理解しますならば、五十一年の場合は将来返還を緩和するけれ
ども、五十二年の場合は半額については国が
負担するが、あとの半額については国は何らの責任を負うものではない、こういう内容に解されますが、この点はいかがなものでしょう。