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伊藤(茂)
委員 IDAの
融資とか事業
内容とかいうものの六〇年に設立をされまして以来の傾向とかを前に大まかにお話を伺ったわけですが、インド、パキスタン、バングラデシュ、インドネシアなど南
アジアが大きなウエートを占めているということになっております。また、奇態なことにそれぞれの国全体が大変政治的にも不安定な国になっているわけでございますけれ
ども、これらの運用の中に、
日本の
発言権をもっと増大させるということも必要ですが、これらの
重点融資国となっている国に非常に特徴的なことは、単に政治が不安定だというだけではなくて、それぞれの国の中で社会的な格差といいますか、階級的格差といいますか、そういうものがなかなか解消されないという傾向が続いていることだと私は思います。非常に困難な事情を抱えている国々、そういう性格がやはり変わっていないということではないだろうか。私は先ほど申し上げたような立場から、
日本も
国際協力に当たって民主国家としてのイメージを鮮烈にする、それが第一に必要ではないかと思うし、そういうこととも
関連をいたしますけれ
ども、
日本があるいはまた
日本を含めたいろいろな国際
機関、公的
機関が
援助、
協力をする場合、相手国において社会的な平等が実現される方向に向けて
協力をしていくということが非常に大事なのではないかと思います。
現実にはそう言っても、
援助をしている方とされている方との国
レベルの格差もなかなか消えないし、
国内におけるそういう社会的な不平等というのもなかなか消えない、一方では教育程度にしてもあるいは
経済的にも非常におくれている層が多数ある
構造になっていると思います。ですから、特にこういう途上国に対する
援助、
協力の場合には、これらの
融資の面でもどう
配慮をしていくのかということが非常に必要ではないか。
日本の場合でも、たとえばインドの農業問題などでいろいろな
努力もし、お金も使ってきたわけですけれ
ども、やはりそういう視点が非常に強く求められるということではないだろうかと思います。これらの公的
機関の場合には、何か簡単に業務報告を聞いているというだけではなくて、
日本自身が積極的な
努力を払えば、もっとインフォメーションもよくとれるし、それから内政干渉はするわけにはまいりませんけれ
ども、もちろんそういう
姿勢ではなくてですが、他国に対して、友好国として必要なアドバイスをしていく可能性を持っているというところであろうと思います。いままでこれらの
運営についても、詳しいことは
国内でもほとんど報告、
報道もなされていないということだと思いますが、そういう基本的な視点から、どういう角度から
運営をしていくのか、あるいはそれがそれぞれどういう効果を生み出してきたのか、
援助をした国も
援助をされた方も、必要な時点、時点でそれを総括をして、
検討を加えて次の新しい事業と取り組んでいく、そういう角度が必要なのではないかと思いますが、いかがですか。