○伊藤(茂)
委員 どうも
大臣、用心して巧みに話をそらされるのですが、私は、特にこういう政治情勢、これからの社会の中でいろんな国民に広く知恵を求めて、よりベターな解決をしていかなくちゃならぬ、社会の改革をしていかなくちゃならぬという時代ですから、
財政審も含めていろんな
委員会、あるいは
政府の作業もそうですが、やはり専門的な知識を持った方々の御協力を得ることが必要だ。それから、国民みんなに関係のあることですからね、
大蔵大臣だけに関係のあることじゃないわけですから、広く各界の意見を民主的に求めていく、あるいはその
委員会、
審議会の運営にしろ、広く国民の
発言、参加を求めていくというものがあって、初めて今日の時代に機能するということじゃないかと思うのです。
大臣ちょっと、当然の原理だと思いますがね、慎重にイエスかノーか言われないのですが、私はそういう立場からいって、現在の
財政審は落第だと思うのですよ。これは会長の桜田さんも社会的に権威のある方ですし、今度、参考人なんかのときはぜひいらしていただいてお
伺いしたいというふうにも私は思っております。本人に、やめるかやめないかと聞くのも大変失礼ですから、任命された側に伺わなくちゃならないということですけれども、私は、いま申し上げたような
財政審議会も含めて、いろんな行政
審議会のあり方、そういうものから考えますと、ちょっとというよりも、いまの構成、運営その他全般にわたってつくりかえるか解散した方がいいんじゃないかという気がするわけです。
一々採点表と
理由をもう申し上げませんが、一つは会長が財界の代表ですからね、日経連の会長ですから、いま七七春闘で激しくやられているわけですけれども、これはやはり労使一方の代表というふうな性格じゃ、社会的な均衡のある
発言をするということにならないんじゃないか。桜田さんが有能であるかないかというわけではありません、あり力として。税調にしたって小倉さん
——私も学生時代に小倉さんから教えてもらいましたけれども……。ところが税調ではそういうことになっている。国民の多くの人が、あの人は公正ないろんな考え方を出す人だろうというふうに思う人を会長に
大臣が任命されて、初めてやはりイメージも違ってくるんじゃないかというふうにも思います。それから構成その他を見ても、たとえば税調の場合には、私も全部
賛成じゃありませんけれども、それなりのいろんな作業その他も実際に行っている、それは敬意を表しております。それから、その中には私どもと考え方を同じくする人も若干参加をされているというふうにも伺っておりますし、私はその方の何か人間的な是非を言う、そんな失礼な
意味じゃないんです。あり方の問題として大体これはまずいんじゃないだろうか。
委員の構成にいたしましても、先ほど
大臣に教えていただいた、二十三人と言われましたが、その肩書きその他をもう一遍大体ごらんになってください。日経連の会長自体もそうですが、
銀行その他学者の方々についても、現在の学者の分野で建設的な意見を前向きにそれぞれ表現するという形にはなかなか構成としてなっていないんじゃないか
——いや、一人一人の方のいい悪いを言っているわけじゃございません。それから、さっきも指摘をいたしました桜田私案、五十五
年度までは無理である。
大臣がえらく力んで決意のほどを述べられておりますけれども、会長は違うことを言っておられる。もうちょっとぼくは、
大臣と、
政府が任命される
委員会ですから、年じゅう意見交換をしながら呼吸を合わせて、国民に信頼のあるようなものにしていくというのが当然なんだろうと思うのですね。
いずれにいたしましても、採点表を私はここで全部言うわけではありませんが、会長も含め、今日の時代に合わない構成じゃないかという気がするのですよ。いかがです。