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愛知委員 この
印紙税法の
改正というのもとどのつまりは、当面しております
財政危機から何とか脱出しなければならないということで、税の増収を図っていかなければならないという点にその
出発点があると
考えるわけでございまして、ここで、
印紙税法とちょっと離れますけれ
ども、その
財政再建という問題についてちょっと
大臣のお
考えを聞かせていただきたいと思っております。
現在の
わが国の
財政の姿というのは、申し上げるまでもなく国の
一般会計の三割を
借入金で賄うという姿でございますし、しかもその
借金が投資とかあるいは将来の資産を見返りにして出されるいわゆる
建設公債の発行によるものだけならまだしも、毎年の
経常費までも
借金に頼るというような姿になっているわけでございます。しかもその
経常費の中の
借入金の
比率というのが相当な割合にまで達しているというような姿は、
わが国の
財政史上はもとより、世界でもちょっとほかに例のない姿だというわけでございまして、このような
財政の姿を一日も早く是正しなければならないというのは、単に
財政自体のためというだけではなくて、
国民経済全体の
立場から言っても一日も早くそのようなことが望まれるのじゃないかと思うわけでございます。たとえば
経常費を
借金に頼るということはその
負担を次の世代に押しつけるということにもなるわけでございますので、
租税負担の世代間不公平ということをもたらすわけでございますし、また
赤字公債に依存するということは、
歳入と
歳出との
関係から申しますと、入る方を決める前にとにかく出す方を決めてしまって、後になって
赤字を埋めるために
借金をするということになりかねないということで、本来一本化して表と裏として
考えるべき
歳出と
歳入をばらばらに扱うということになりまして、ブレーキが効かなくなってしまって、結局のところ
財政インフレという
事態に陥ってしまうという
可能性もあるわけでございます。
このようないろいろな
理由から申しまして、大量に国債に依存した
借金財政は何とか解消しなければならないわけでございますけれ
ども、いまの姿は、
規模も大変大きいわけでもございますし、ちょっとやそっとのことではなかなかうまくいかない
状態だと思うわけで、かつて経験したことのないような大変な
危機にあると言わざるを得ないと思います。ところが
国民の
立場から申しますとどうも
財政危機というものがもう
一つぴんとこないということが言えるのじゃないかと思うのでございまして、たとえば毎日の
生活を通じてそれをはだで感ずるというような
状態になっていないと言えるんじゃないかと思うわけであります。
しかしこのような
財政危機を解消していくためには、
国民の
理解なり協力なりがなければ、とてもこれからは脱出することは絶対不可能でもございますので、そういう
意味で、
財政再建運動といったようなものを
国民運動的に発展させていくてとも必要でもございましょうし、あるいは
国会においても、特に
財政の再建問題を取り上げて総合的に
検討するために、たとえば
財政再建特別委員会のようなものをつくっていくというぐらいの意気込みでこれをやっていかなければとてもその
目的は達せられないんじゃないかとすら思うのでございますけれ
ども、この
財政の
危機というものに対しましてどのような御
認識をお持ちか、
大臣のお
考えを聞かしていただきたいと思います。