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伊藤(茂)
委員 伺いましたが、いずれにいたしましても、新たな財源を求めるということが必要でしょうが、新たな財源を求める場合に、何かかっこうなえさを見つけるようなかっこうではなくて、やはり
国民生活あるいは中小零細企業というふうないま一番しわ寄せを受けている立場をどう守っていくのか、どう対処していくのかというふうな
角度から物事を今後も
考えていただきたいというふうに思います。
時間ですから、最後に
一つだけ、これは
大臣に要望を含めてお伺いしたいと思います。
いま幾つかの
問題点を挙げまして、
提案されました
印紙税の
改正について御
質問したわけであります。やはり税の実態調査、実態の把握の問題あるいは捕捉率の問題また商
取引の全体の
経済運営の変化に伴って大変何か
対象として不公平なり片寄ったりということになってくるのではないか。まあ銀行振替の形式がふえていることとの兼ね合いですね。その他、非常にあいまいな
基礎で、また不確かな
基礎でこの
税制改正の
提案が行われているという
感じをどうしても強く持たざるを得ないと私は思います。
また、この前の
税制改正、四十九年の
改正のときの
議事録その他も私も詳細に読み直してみました。あのときにやはり議論をされております
問題点、それに対する答え、大変失礼ですが、この前のときと同じ
問題点が出ましても、この前と全く同じような発想の御
答弁になっているというふうなことではないだろうかと思います。私はやはり四十九年時点と比べまして——狂乱インフレの終末の時期でございましたか、あのときと比べまして、今日の
財政事情というものは全く違った、非常に深刻な
状況になっていると思います。それだけにやはり、この
税制の
改正あるいは
税率を、大きな金額のものではないにしろアップするということについては、前とは違った慎重な検討あるいは真剣な態度というものが非常に要望されるということではないかと思います。それがありませんと、納税者がこれは協力をしようという気持ちにならないというふうなことではないかと思います。
そういう
意味で最後に申し上げたいのですが、
展望をはっきりさせないまままず上げるというのではなくて、これからの税
展望について早く明確な
展望を出して、それを国民の理解が求められるようなものに仕上げていくという
姿勢が非常に重要なことではないだろうかということを、この
印紙税改正の取り扱いについても痛感をするわけであります。
私が
大臣に申し上げる必要もないことでありますけれ
ども、やはり
財政事情は非常に深刻になっております。私ちょっと調べまして、これから本格的な国債の
償還期に当たる十年後ですね、六十年以降はどうなっているだろうか。いろいろなケースがこれから出てくるでございますでしょう。それらについても数字をちょっと調べてみましたが、やり方を間違えたらこれはまさに破産というよりも破局
状態になってしまうというふうなことになっているわけであります。こういう中で一番必要なことは、本当に思い切った転換が求められている。しかもその転換の
方向とは何かというと、構造的な
改革といいますか民主的な
改革といいますか、本当に国民の立場に立った新しい
租税原則、そういうものを追求する中に、大きな法案もあるでしょう、小さい法案もあるでしょう、しかしそれらを大小にかかわらず扱っていくということがいま非常に求められている。国民的な合意あるいは納税者の理解の上に成立する税
原則というものを求めていくということが重要ではないかと思います。
大臣は税の
不公平是正ということを一貫した信条とされているとも私伺っておりますし、あるいはまた、日ごろ、大正、
昭和の大政治家であった
高橋是清元大蔵
大臣を大変尊敬されている。大蔵
大臣に就任された直後にも、何かお墓参りに行かれたということを伺っておりますが、かつて
高橋蔵相が軍部の圧力に抗して
健全財政主義を貫いて、ついには凶弾に倒れられたというわけでありますが、その最期まで見習えということはもちろん言うつもりはございませんけれ
ども、それぐらいの決意を持ってこの
財政改革に当たらなければならないという非常に大事な時期ではないだろうか、そう思うわけであります。
そういう
意味で、今度の法案についての
内容の
考え方、あり方、それからこれからの
税制のあり方ということについてやはり真剣にひとつ
考えていくことが求められているということではないかと思います。まあこれは要望と同時に、御見解があれば伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。