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岡田(利)
委員 いま部長が述べられた点の中でも、旧雄別のいわゆる布伏内地区は炭住が残っているわけです。住宅はたくさんあるわけです。これを活用できる条件があるわけです。それから道路は舗装になっているわけです。そういう施設の活用もできる。住民合意ということは何回も私は
確認をいたしておるわけです。それから技能労働力の問題は、これは傾斜八度で、太平洋の場合には傾斜五度ないし六度ですから、全く同じようなシステムでやられる。いま太平洋の場合、すくい込み原炭量で言えば百二十トンを超す能率を上げているわけですね。もちろん原炭量で言えば八十トンくらいの能率ですけれ
ども、歩どまりが六〇%でありますから。炭質としては、火力発電所向けとしては釧路炭田は全国最良の炭質で、サルファはすべてが大体〇・三%以下、そういう
状況なわけであります。
そこで、公益事業部長さんからも
お話を聞いたのですが、地域の電力需要はある。地元は議会で——釧路の議会というのは自民党、社会党、共産党、公明党、民社党、全部これはあるわけです。ここでも誘致について決定されておるわけです。商工
会議所もこれに同意をいたしておるわけです。そういう意味で総体的には地元の合意というものがなされ、そして先般四ツ柳北電社長は、五十七年には運開をしたいというようなことを
現地でも発表している、こういうこともあるわけであります。それから地域の水力電力の関係は、送電線がきわめて整備をされて、かつては水系のものは苫小牧の方に送電された。その次にはお互いにオーバーして送電され、今日では二万的に地域に送電されておる。そうして日高水系ともつながって、日高水系も送電線がすべて整備をされたわけです。そういう意味では、効率的な活用ができ得る
体制はすべて整っているというのが条件であります。
しかも、ここは臨海地帯であるということであります。北竜の臨海部の
石炭火力というのは、今度の苫小牧、あとは共同火力、そして離れて伊達、一方、北竜はさらに道南地帯に油の発電所を三十五万キロ二基やりたい、最近そういう
調査を進めておるようであります。だがしかし、いま申し上げましたように、日本
最大の優良一般炭を産出する
炭鉱が存在をしている。しかも、いま私が部長との間に
質問いたしましたように、これからの新規電力向けの一般炭の
炭鉱開発としてはきわめて有利な条件、しかも近代化、機械化でき得るあらゆる条件が整っている。流通経費はきわめて少ない。たとえば、いま北電に太平洋の炭が五十万トン行っているわけですよ。貨車で送っているのが二十万トン、あとはトラックで行っているわけですね。それで、細粉も含めて五十万トン送っているわけです。三千円以上かかるわけです。釧路から磯子に持ってくるよりも北電の江別に送る方が、流通経費は高いわけであります。したがって、たとえば炭種指定されておる電発の磯子に従来の炭を供給しても、なおかつ百万トンの供給量はキャパシティーとして持っている、こう私は見ておるわけです。これに新規開発が含まれば、三十五万
程度の火力発電所の設置はきわめて問題がない。もし万が一、さらにそういう複数の、
炭鉱があっていろいろあっても、臨海部であるから、油の基地も西港にできている。そういう点等は、こんなに条件のそろっているところは、いま電源立地には全国なかなかないのじゃないか、こう私は言わざるを得ないと思うのです。
ただ、問題は、結局一つはNOx問題でありますが、これは環境庁ですでに大気の方は
調査を進めて、いま海の方の
調査をさらに続行している。それから、いわゆる漁業権との問題、この二つがあるわけですが、NOx問題がある
程度解決できて西港の背後地にもし立地できるとすれば、西港はもう漁業
補償しておりますので——たとえば十条製紙の廃液ですね、大変な問題になって、これは西港に流しているわけです。そこで妥協したわけですね。これは別に十条製紙の廃液と違って温度差があるだけでありますから、そういう意味で計算すると、大体千二百メートルで温度差はゼロになるだろう、こういう試算もすでにできておるわけであります。
そうしますと、NOxが解決すれば、漁業権とはそうトラブルが起きない。あるいは、ぐっと離して白糠、音別の方に持っていきますと、NOx問題は問題ないけれ
ども、いわゆる漁業権との問題がある。どちらが有利かといえば、NOx問題が解決されて西港背後地の方がよりベターだ、
状況から言えば。きわめて短時間の間にこれらの合意が成立することは間違いがないだろうというのが私
どもの見方であります。
そういうことになってまいりますと、これは進んで電源配置をしなければならぬではないか。
ただ、北電の場合も、自分の直接持っている石油の火力発電所というのは今度の伊達なのですね。これはまだ運開できてないのですよ。そして砂川と苫小牧にかかって、これが
石炭専焼である。
石炭専焼なのか混焼なのかは、ちょっとまだわからぬけれ
ども……。そうして道南にまた油の発電所をつくりたいという気持ちはわかるわけですよ。やはり一つの電力
会社が、エネルギー的に
石炭ばかりにウエートを置くのじゃなくて、
石炭もあり、油の発電所もあり、原発もやりたいということで、泊でいまやっているわけですね。これはそういう九電力一単位の電力
会社の志向する気持ちはわかるのですよ。だがしかし、今日ここまで見直しをされなければならないエネルギー
政策下において
考える場合に、そういうことも言っていられないと思うのですね。国家的な要請というものもあるだろうと思うのです。私はそういう面からいって、釧路火力発電所は早急にやはり着工すべきじゃないか、こういうところに着工しないで、あと着工するところはないのじゃないかという気がしてならないわけであります。
だがしかし、北竜がもしそういう
考えがあるとすれば、やはり国の
石炭火力の
政策会社である電発ですね、すでに松島もやっている、この竹原も今度やる。そうすると、北竜の場合、国内炭に非常に偏っておりますから、水系では糠平水系が電発の水系でありますから、それじゃその電発に一応やらせる、そういったことの話し合いが北電とつかなければなりません。そういう点の話し合いをやはり早急に進めて、
北海道の戦略的な電源開発
政策というものをこの際確立することが望ましいし、そのことがいまおくれている問題を解決する大きな手助けにもなるだろう、環境づくりを道民の中につくり上げるだろう、私はこういう総合的な
判断を実はいたしておるわけです。この点について、部長さんでもいいし次長さんでもいいですから、ひとつ見解を承っておきたいと思います。