○佐野(進)
委員 時間がありませんから余り具体的な例はそれぞれ申し上げることはできませんが、
大臣、
長官、こういうことがあるんですね。
たとえばユニチカが、栃木県のある
一つの工場が遊休施設ができたからといってそこの工場の一部にもやしの設備をつくった。工場のほんの一部です。
日本全国に散在する工場の施設の中のほんの一部の工場に
一つの施設をつくった。ところが、それは、全関東に供給するいままでの何十社からの
業者が生活をしておった、その
業者の供給するシェアよりもその工場でつくり上げるもやしの量の方が大きいということになるんですね。ユニチカにとっては千分の一か百分の一かの施設であっても、その地域に散在する関東全域のもやし
業者について言えば死命を制する施設になっていくんですね。このようなことはこれからどんどん起こるわけですよ。そういうときに、これは本当に大
規模じゃないんですよ。本当に小
規模なんです。その大
企業者にとってはほんのちっちゃな事例なんです。ところが、その地域にとってはこれは死命を制するほどの大打撃を与えるのです。これは「大
企業者の大
規模な」という形の中においては、このようなことはいわゆる大
規模な進出じゃないわけですよ。そういうことをわれわれは心配しているわけですよ。したがって、そういうことが今日置かれている
関係業界の中においてはもう多々あるわけですよ。だから、私は、この「大
規模な」というようなことよりも、むしろ「新たな」という形のことの方がより適切だと判断するわけです。これはまた後で問題にするといたしまして、さらに追及し、
質問をしてみたいと思うのであります。
これと同じで、今回の
法律の柱の中で最も重要な
意味を持つ、いわゆる事前調査の問題の中でもこういうことが言われておるんです。第五条第一項の中に「拡大の時期、
規模その他の主務省令で定める事項のうち自ら調査することが困難であるものについて調査するよう申し出ることができる。」となっているんです。「その他の主務省令で定める事項のうち」の「定める事項」というのは大変ですね。そのうちで、「自ら調査することが困難であるものについて」
中小企業団体はこれを申し出ることができるという形になっているんですね。
そういうような形に限定されていった場合、たとえばいまのような形の中でもやし工場ができ上がり、これが全県的に影響を与えるというようなことになった場合にどうするのかということについては、それはもう死活の問題ですからやりますが、全国的にぼろぼろじわじわと出てきたというような場合においては、そういうことがわからないうちに具体的な影響を与えるような状況になってくる。そして、そのような具体的な影響を与えるような状況になったときに、みずからその調査をすることが困難であると判断する状況まで待たなければならない。あるいはみずから判断できなくとも、そのようなことは全国的な動きでありますから、
政府なり都道府県なり知事なりはその状況を把握することができるわけです。
そういったときに都道府県、地方公共団体なり
政府みずからがその調査をするということの方がより適切ではないかと思うわけですね。それをやらないということは、みずからその責任を逃れ、特にこの
段階の中で地方公共団体が何らそれらの問題について関与することができ得ない
条文であるということは、今日大
規模小売店舗法のその地方における条例化が進められつつあるほど地方
行政はこれらの問題に対して深刻に
関係しておる。その状況の中でこういうように枠をはめているということは、前項とも関連いたしますけれ
ども、きわめて不適切な
条文であると判断せざるを得ないのでありまするが、
大臣、いかがでしょうか。
同時に、また、自治省の方がおいでになっておられると思いますが、地方公共団体がこの事前チェックの
段階におけるところの調査等の問題に直接
関係されないで地方
行政が混乱する例もたくさんあるわけでございまするが、そのような影響を及ぼすような事実があったときに、こういう問題について都道府県知事に
主務大臣が報告をする、連絡をとる、そしてその報告、連絡に伴い、これに対して「自ら調査することが困難であるもの」以外を含めて調査をされることの方がより適切ではないかと判断いたしますが、自治省の御見解はいかがでありますか。
この二点について説明をしてください。