○
佐野(進)
委員 私は、
私的独占の
禁止及び
公正取引の
確保に関する
法律の一部を
改正する
法律案につき、
前回の
法律審議において
質問をし続けてきた
経過を踏まえながら、今回
提案された
内容について
質問をしてみたいと思います。
公取委員長あるいは
総理府総務長官、さらに
通産大臣は、昨日の
質疑を通じて私
どもの
考えている点がどこにあるかということについてはすでにほぼおわかりになったと思うわけであります。そこで、私は、そのほぼおわかりになったということを
前提にしながら
質問してみたいと思うのでありますが、
前回、
昭和五十年の
審議のとき、われわれはまさにこの
法案の
審議に全生命をかけたと言うと少し言い過ぎになりますが、それくらいの意気込みを持って
審議をしたことは事実であります。したがって、その
審議の
経過の中で、私自身三回、約五時間以上にわたって
質問をいたしておるわけでありまして、この
法律の
内容につきましては、微に入り細にわたってきめ細かな討議をいたしたことは
速記録の中にも明らかになっておるわけであります。したがって、私は、もうこの
速記録の中にある事項そのままをきょうこの
段階で
質問すれば、それで事足りるほど聞くべきところは聞き尽くしておるわけであります。
そういうような形の中で昨日の
質疑を聞いておりますると、やむを得ないということはよくわかるのでありまするが、私といたしましては、まさに着物の上からかゆいところをかくような
感じをぬぐい切れないわけであります。と申し上げますことは、ここに並んでおられる三人の
責任者の
方々はそのとき御在職でなかったわけでありまして、その後いまの地位につかれておるわけでありますから、そう申し上げてはまことに失礼かもしれませんが、この出されました
法律の
内容につきましては、
審議を通じた当時の
経過を知る私といたしましては歯がゆいという
感じは否めないのであります。しかし、歯がゆいという
感じが否めないからといって
質問をしないわけにはまいらないわけでございますので、そういう点をよく了解していただきまして
答弁をしていただきたいと思います。そして、その
答弁はできる限りお三方に
お願いをしたい。直接
お願いをしたい。いわゆる政治的な
判断も必要となる場合がたくさんございますので、できる限りお三方に
答弁を
お願いしたいと思うわけであります。
そこで、第一に、
大臣並びに
委員長の三人に
質問をしたいわけでありますが、今回
改正された
法律案がそれぞれの
方々にとって満足なものであるのかどうかということであります。大変回りくどい聞き方になりましたけれ
ども、要するに
公取の
立場からすれば
公取試案というものが出されたわけであります。それが五十年の第一回の
政府案として出されてきたわけであります。そして五
党修正が行われ、第二次
政府案が出され、そして今度の第三次
政府案という形になってきたわけです。その
経過の中でいま一体どういう
心境に
公取委員長はいるのかということは
審議をする上において非常に重要な
意味を持つわけでありますから、そういう点についてのいまの
心境は、
公取試案をつくられた側として
——先ほど申し上げたとおり
公取委員長はそのときおられなかったわけでありますが、しかし、
委員長という職責は続いておるわけでございますから、そういう面において
公取としてどう御
判断をなされておるかということであります。
総務長官は、当時植木さんと私
どもは激しい論戦を展開いたしましたが、あなたはこの問題については今回の
改正案を手がけることが
総務長官として最初であろうと思うのでありますが、この
内容はきわめて
複雑多岐で、
一つの文字の
解釈においても相当大きな
影響を与える
内容を持っております。したがって
答弁もきわめてむずかしいということはよくわかるわけでありますが、そういう形の中においてあえてこの
法案を
提案される
責任者になられました。五
党修正案がそのまま通っておるということになればあなたはこの
役割りを果たさなくともいいわけでありますけれ
ども、一般的な論調の中では五
党修正案を一歩後退させたと受けとめられているこの案を
提出することになった現在の御
心境と、そして、その中において、この案が五
党修正案とどう違うのかという位置づけをどのように御
判断なされておられるかということ、この点について明快なる御
答弁をいただきたい。
通産大臣は、この
改正案提案の
閣議決定に対して再三にわたって
抵抗を示されたと報道されておりますが、事実かどうか、きょう初めて聞くわけですがわかりません。しかし、いずれにせよ厳しい
抵抗を続けられたということだけは間違いないわけであります。そして、
通産当局の続けられたこの厳しい
抵抗によって、私
どもの
解釈では遅くとも先月の末に
提案されるであろうと言われていたのが十二日になったわけであります。約
半月間この
法案の
提案がおくれたのは、かかって
産業政策を推進する
通産当局の
抵抗によってそれが行われたかのごとき印象を与える一般的な報道が行われておるわけであります。とすると、
独禁政策に対して
通産当局はきわめて激しい敵意を持っているというぐあいに一般的には見られておるわけであります。
きのうの
質問に対する
答弁としては、決まったからには協力しますと言いますが、
通産当局がこの
法案に対して反対しているという、しかもその反対の仕方がきわめて激しいという形の中で、約
半月間も
提案がおくれたという事実の中で、
通産当局としては、この
提案された
内容についてどう御
判断なされておるか、その公式的な
答弁はともかく、心情としてどう御
判断なさっておるか、できれば、この
法案が今回も
廃案になってほしいという
願望の中できょう御出席なされておるか、そういうことも含めてお三方の
見解を、本格的な
質問に入る前に
心境をひとつお聞きしておきたいと思います。