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工藤(晃)
委員(共) 韓国に対しての兵器の
輸出や——
経済的なことはやるけれ
どもという
意味は、すなわち軍事的なことはやらないという
意味ととれますが、実際はどうなっているのか。
これも私は前回の
質問でいろいろ問題点を明らかにしました。その
一つは、武器三原則があるではないかということであります。それに対しての私の
質問は、
政府側の出したその武器なるものの定義というのはきわめて狭いものであるということが
一つと、それからもう
一つは、しかも
プラント関係について言うならば、この武器という定義が狭く、その上にそのような武器を製造する専用機械に限るということになっていて、汎用機械は外される。こういうことにして、さらに
プラントになるとこれが緩められるということになるわけであります。
その上、その武器三原則の問題に照らして言うならば、韓国側はその三原則対象地域に入っているかと言えば、そうではなしに入っていない。入っていないけれ
ども準じた扱いと、いささかあいまいな扱いをしているということで、これもまた緩められた形をとっているわけであります。
さらに、これは私がここでくどくど申す必要はありませんが、いまの兵器産業、軍需産業を支えているのは、直接火器類をつくるような産業だけではなしに、広く戦略物資といったさまざまなものがあるわけであります。そして、それだからこそ、あの戦後の反共体制でとられたところのココムなどでは戦略物資の
輸出禁止ということをやってきたわけでありますが、この貿易管理令
関係の戦略物資の
輸出をする場合に
承認を得なければならない甲地域というものがありますが、この甲地域に韓国が入っているかというと、これは入っていない。朝鮮民主主義人民共和国は入っているけれ
ども韓国は入っていない。エジプトは入っているけれ
どもイスラエルは入っていない。中東の場合は現にあったわけでありますが、こういう現実に最も戦争の危険度が高いとみなされているところにおいて、一方の側で大いに戦争政策を進めてところに対してこういう緩い態度がとられているということです。さらに加えて言うならば、実際に
プラントを標準外決済でなしに標準決済の形でどんどん個体として送り出したりするときには一層これが緩められるということになってくるわけであります。
このように、こういう軍需生産を大いに強化しよう、育成しようという韓国に対して、あらゆる面から特別緩い体制がとられている。これがどういう歴史的な
状況のもとで、どういう意思決定のもとでとられたかということですが、これはきょうのこの
質問で問うわけではありません。
そこで、私は
一つの具体的な問題について
質問をしたいと思いますが、皆さんも御存じと思いますが、東京大学の隅谷三喜男教授が——隅谷三喜男教授は最近東大を退官されたと言われておりますが、しかし、
政府の
関係で言いますと、
中小企業政策
審議会の
委員もやられておりますし、公労委の公益
委員もやられている教授でありますが、「
世界」の四月号に「韓国
経済の危険な選択」というものを書かれています。そして、先ほど私が問題にしました昌原の機械工業団地についていろいろ書いておられますが、ちょっと引用しますと、「七六年一〇月現在で、竣工工場一三、着工したもの三四で、竣工した工場のうち八工場は
日本との合弁、二工場はアメリカとの合弁であって、昌原に対しても
日本資本はかなり積極的な姿勢を示している。その
進出企業の
一つ昌原工業(株)の場合は、鍛造会社である太田鉄工所が三七パーセント、伊藤忠が八パーセントの出資で、残りは韓国側資本となっているが、現在
国内の自動車工場に主として軍用トラック用の鍛造部品を供給している。」「将来は兵器の鍛造も注文があれば可能である、と会社は語っている。」と書いておられ、もう
一つは、「鎮海電池(株)の場合には、湯浅電池が四九、韓国側が五一となっているが、
技術的には全く湯浅の
指導下にあり、軍用自動車用バッテリーを主軸として生産を展開し、現在韓国でのバッテリーのシェアーは六〇パーセントに達している。」と書いておられる。電池生産であるから機械工業団地にもともと入るわけはないのに、軍用車両の必需品だということから入ったということが言われているということであります。
そのほか、「K製作所はトラクター生産ということで合弁
企業を作って
進出しているが」、——これは
日本のK製作所ですね。「それはタンク製造と密接に関連しているといわれているし、表面フライス盤製造となっている工場は、工作機械もさることながら、機関銃等の製造に当っているといわれている。」と、これが隅谷教授が「
世界」に書かれたことであり、そして隅谷教授によれば、ここでまさに
日韓経済協力ではなしに
日韓経済軍事協力の段階に達したということになっているわけでありますが、このように、これからということではなしに、すでに
日本が昌原工業団地に
進出し、そこで合弁で行われている
企業がすでに軍用の生産を行っており、中には戦車の生産にも当たれるものあるいは当たろうとしているものがあるということがこのように伝えられているわけであります。
この問題に対しまして
政府は一体どういう対策をとろうとしているのか、これがさらに進行するのをそのまま認めているのか、あるいはこれに対して対策をとるのか、この点について
質問したいと思います。これも
大臣からお答えをお願いします。