○佐野(進)
委員 抽象的な質問ですから抽象的な答弁しか出ないのはやむを得ないと思うわけでありますが、今日の
中小企業の置かれている現状の中で倒産が激増を続けている、いつになっても倒産がとどまらない、その数をふやし続けているということの原因の中で、いままでその原因を探求する中で対策というものが出てきて、その対策が打たれておるにもかかわらずそういうような倒産が続いていくということは、その原因を探求し対策を打っておるにもかかわらずその対策が的を得ていない——的を得ていないとまでは言い切れないわけで、一生懸命やっているのですから的を得ているわけでございまするけれども、的を得ていない面が多々ある。したがって、その的を得ていない点についてわれわれがこれをやったらどうですか、あれをやったらどうですかという幾つかの提言をし続けてきているわけです。したがって、私は、ここで、いま
中小企業問題の中で倒産を続けあるいは苦境に陥っている人たちに対して何をなすべきかということについて、
政府ないしわれわれが取り組むべき問題として、
中小企業庁が取り組むべき大きな問題として御
承知のとおり
分野法を提案しておるわけです。
分野法は
中小企業問題の今日的課題の中における最大の問題であり、
経済の根幹に触れ、
産業構造の根幹に触れる問題としてあなた方も位置づけておると思うわけです。それほどの重要問題を
中小企業問題として今日取り上げておるわけでありまして、それが
一つあるわけです。
さらに、この中に小売商業を含め、小売商業者も入れる形の中において総合的な
中小企業対策をしようとしておるわけですが、これは大
規模小売店舗法、小売商業調整法との
関係があって、
分野法の中に包括できるのかできないのかということが今日的な大きな課題であると思うわけであります。いずれにせよ、これらの問題を中心にしながら
中小企業問題は、いわゆる今日的課題の中におけるその課題解決のために、
分野法の持つ当面する問題と同時に歴史的な意味があることはあなたも御
承知のとおりだろうと思うのであります。
二つ目は、いまあなたもお話しになりましたけれども、不況をどうやって脱却させていくか。第一段の問題が低成長下における
中小企業問題の課題であるとするならば、第二の課題は、引き続き低成長が続く形の中においてこれはやむを得ざるものとして見た場合、しかし、それにしてもこの不況を脱却する手段と方法はあり得るにもかかわらず、その手段と方法の模索を続けている現状の中で
日本経済は行き詰まりを来している。福田さんに大きな期待を持っていながら財界が失望しておることや、
中小企業者が自由民主党の政策に多く依拠しながらなおかつ満足していないという状況の中においてもそのことが明らかであろうと思うわけであります。したがって、私は、第二の点といたしましては、何としてもこの不況を脱却するための有効な施策——これはあなたのおっしゃるとおりだと思うのですが、しかし、その有効な施策を打つ形の中において犠牲が出ることもやむを得ないとするならば、これはその考え方の誤りを徹底的に是正しなければならない。
したがって、この不況を脱却する上において、
政府としての行政の
対象としては、大
企業優先という形でなくして
中小企業優先の形の中において不況対策に万全を期していくべきで、その考え方がなければ
中小企業の倒産は防ぎとめることができ得ないと思うのであります。しかし、これに対するところのあなた方の
中小企業対策は微温策にしかすぎない。いわゆる需要を喚起し、さらにはまた仕事の量をふやす、
中小企業者に対して不況から脱却する形の中でその対応をさせるということについてはきわめて手ぬるい対策しかとっていない。きょうは長官がいないのであなたに言うのは申しわけがないけれども、たまたまかち合ったからそうなっておるので、これはいずれの機会にかまたその見解を明らかにしたいと思うのでありますが、私はそうだと思うのです。
第三点目には、いま続けられつつある
中小企業対策の中で当面最も力を入れている対策、これは私は否定することのでき得ない重要な対策だと思うのですが、金融指導あるいはその他特に小
規模零細
企業に対する対策等々、幾つかの重要な対策があることは事実であります。しこうしてこの面におけるところの
努力を私は評価するにやぶさかではないわけでありますが、もっと端的に言うならば、
中小企業政策というものが
中小企業庁の中において展開されているのはこの三の部面だけに限定されていると言っても言い過ぎではないのではないかという気がするわけです。しかも、この三の部面がいずれも中途半端で、いずれも微温的な形の中で後追い的な政策をとり続けているがゆえに、
中小企業政策というものに対して
中小企業庁が存在している以上に余り芳しい成績を上げていないんじゃないかという気がするわけであります。しかし、私どもはこの第三の点をきょうここで質問をするということになるわけでございますが、そうなれば私どもの立場からすれば叱咤激励をする、皆さん方しっかりやってくれよと、こういうような形の中で質問を展開する以外にないと思うのです。
そこで、私は、原則的な面について、この第三の点につきまして質問をしてみたいと思うのでありますが、
中小企業当局としては、まず、倒産の原因に結びつく金融面についてどのような対策をおとりになっておられるか、この点について見解を明らかにしていただきたい。