○渋沢
委員 OPPで時間を食いましたが、大臣がもっと誠意ある答弁をすれば早かったのです。
そこで、サッカリン問題は、やむを得ませんから、また改めて機会をいただくことにしますが、しかし、お呼びをしている方もあるので、
幾つかの点だけは明らかにして、ただしておきたいと思うのです。
サッカリンは、言うまでもありませんが、四十八年の四月に、アメリカで発がん性云々というものが出て、日本政府は禁止の方針を出して、四十八年の十二月一時緩和、五十年の七月、二年後には大幅緩和をした。百八十度の転換をした。この二年間のサッカリンドラマの中で何が起こったかというと、つまり百八十度のばかげた転換がなぜ起こったか、何が原動力であったかと言えば、これはサッカリンを使用してかせいでいるつけもの業者とサッカリンメーカーのまさに運動が功を奏したということ以外の何物でもないことは、私の調査でも、また、かなり何年も各党の
委員さんが指摘された事実の中でも明らかだ。しかも、それが先般カナダの実験によって発がん性ありといった形が出てきたわけです。重大な
厚生省としては責任問題だ。もしあのときの禁止の方針をそのまま守ってきたら、さすがに
厚生省、先見の明があった、アメリカでもカナダでも、いまこれからとろうとしておる方針、しかも発がん性がなくなったのじゃない、あるということがますます明らかになる方向に進んでおるわけです、世界の実験は。そういう中でいち早く政府がこれを抑えたということは、りっぱだということになるのだが、逆にそれを業者の運動にあおられて、そうして一時緩和から大幅緩和にわずか二年の間に変えていったことの、つまり有毒なサッカリンを大量に国民に押しつけてきた責任の厳しく問われなければならないときにきておることは言うまでもない。
そこで、時間がないので本当に残念だけれ
ども、細かいことは省くが、業者がいかに
厚生省や政界へのひどい働きかけをやってきたかということも、かなり具体的に明らかなんです。ですから、ここでどうしても聞いておかなければならぬことは、この業者が明らかにサッカリンの増量運動、規制を緩和させるという目標で金集めをやった、政治団体をつくった、そして金も使った、そういう事実は明らかなんですね。この事実は明らかだということが
一つ。
しかも、この全漬物連という政治団体は、サッカリンの大幅増量が認められたら、もうしり切れトンボで、政治団体としては本当は届け出しなければならないな時期にしないで、自然消滅している。ですから、この業界が金を集めるための団体であったという性格が明らかです。その全漬物連が中心になっていろいろな運動をやってきたことは御存じのとおりなんです。
厚生省の食品衛生調査会を
一つの舞台にするいろいろな操作の問題についてはすでに告発もあり、あるいは各党の
委員からの長い指摘もあり、これは繰り返しません。それから池田実験報告などをめぐっての問題点も言いませんが、これだけははっきりしておかなければいけないことは、このことに関連をして政界に金がばらまかれた、こういう事実が指摘されて、しかも告発が行われておる。これは、いままで私が調べた範囲でも、相当の金が特定の政治家に渡されている事実は間違いがない。ただし、それが罪を構成するかしないかという問題は別な問題ですけれ
ども、この増量運動という目的、サッカリンの規制緩和という目標、その旗印で業界が金を集めたことも事実なんだ。いつの
時点で最低
幾ら集めたかも明らかになっておる。それが献金されたことも事実なんだ。それからまた、国
会議員が当時の
厚生省に対して一定の働きかけをやったことも事実なんだ。たとえば十一月一日のサッカリン禁止規制措置、これを延期しろ、こう言って政府に迫っているという事実もある。
石丸さんはきょうは見えてないな。当時の
局長がいれば明らかなんだけれ
ども、当時、
局長も次官も明らかに規制緩和、しかも十一月一日、そんなものは延期しなさい、こういう働きかけ。これは私、事実を証拠を持って申し上げるが、十月三十日
あたり、あしたいよいよ実施されるという時期に、次官や
局長に対して国
会議員が働きかけをやっているということもある。また一方では業界が増量運動だといって金集めをやって、献金をやっている事実もある。ともかくおかしなことは、わずか二年間に禁止から一時緩和、大幅緩和と百八十度の転換は業者の運動のとおりだ。業者団体が、実はきょうは次官室でいろいろ打ち合わせをして、石丸
局長からもこういう言質を得たとか、さらに
先生方を動員してあれをしなければならぬというような報告をしている。その運動を一緒に推進している業界紙が、それを得々と報告をしているというようなこともあるわけだけれ
ども、まさに業者の運動のとおりに事態はきちんと決まっていっているわけですね。
これは非常に不思議なことなんだ。これは古い話じゃない。去年の十一月六日の日本の大きな新聞で、ここに持ってきておりますけれ
ども、報道されているように、丸茂自民党の参議院議員が告発を受けたというような事態が起こっている。大きな記事でこれが紹介されている。もちろんこれだけ報道されておりますので、国民の間でも大きな
関心を呼んだ事実であると思います。私自身もこれは大変驚いたわけであります。
ところで、警察庁の方にきょうは来ていただいていると思うのですけれ
ども、警視庁はこの告発は受理しなかった、こういうふうに新聞に報道されておるのです。警察庁の方来ていますか。
——こう新聞に報道されておる。これは大変意外なことでありまして、この告発というのは、犯罪事実を指摘してその訴追を求めるというものであって、いわば捜査の端緒を開くというものではないでしょうかね。だから、受理をしないということはないのじゃないかと思うんですよ。捜査したけれ
ども嫌疑なしということはあるでしょうけれ
ども、受理しないということは、たとえばその材料が少ないから受理しないということはないはずだと思うのです。
その点に限ってお尋ねするのですけれ
ども、受理しなかったというのは事実か。もしそうだとすれば、いかなる理由で受理をしなかったのか、お尋ねしたい。