○川俣
委員 久々にけい肺法改め
じん肺法が上程されまして、その
審議経過を見せていただきましたけれ
ども、大変に論議がいろいろと沸騰して、われわれが長年言っておった
じん肺法の
改正点、いわば単に鉱物性のものを吸入するだけではなくて、あらゆるじんあいを吸った場合の障害が医学的にも俎上に上せられて、
問題点が法律
改正に出てきたことは大変喜ばしいと思っておるわけでございます。
〔
委員長退席、戸井田
委員長代理着席〕
ただ、私は、鉱物性粉じんから粉じん一般の病症に門戸を開放されたとはいえ、
審議日程のこともあったのだろうが、その裏づけに非常に戸惑いを持っておる法律ではないか、こう思っておるわけでございます。というのは、ややもすると、いままでの特に
社会労働委員会の法律というのは、国民
生活にいろいろと
関係するわけですから、幅が広くなると必ず既得権がある程度阻害されるというのは通例であるわけです。たとえばいま上げられた
雇用保険法の
改正、大
改正がおととしあったわけですが、百八十日支給されておったのが年齢制限で九十日になった、そのかわり年齢の高年な人には勤続年数が短くても相当、三百日も支給する。こういう割り切り方をしていいかどうかということをいろいろと考えてみました。ところが、これと
じん肺法とは一緒にならぬなと、こういうのを感じ取って、あえて質問に立ったわけです。
というのは、皆さん御案内のように、鉱業法が
制定されたのは明治三十八年といいますから、なるほど、日本の資本
主義の礎になり、六つの財閥をつくる、その基礎になった鉱山に働く者が過酷な
労働条件下に最も悲惨な職業病扱いとされたこのけい肺、かつてはよろけと言っておりましたが、こういうものがいろいろと
措置はされたが、国家補償として昭和三十年に、
労働省が設置されて十年たってようやく日の目を見ることができた。それからもう二十数年。ところが、けい肺法が
じん肺法になり、そしてやがて、
じん肺法を合併症というものの区分をしようとしておる、こういう動きが出てきたわけです。
したがって、
大臣に伺う前に事務当局から聞きたいのは、いろいろと
審議会の模様もあらかじめ聞いてはおりますけれ
ども、一般の粉じんを吸った患者に門戸を開放するという法律
改正は大変に評価するわけだが、それに伴わないいろいろな問題がある。鉱山保安法が果たしてこれについてくるだろうか。あるいはまた、綿ぼこり、ポリ、その他いろいろな粉じんを使う職場が、鉱山で働く
労働者のようにマスクを果たしてかけてくれるだろうか。こういうことを考えますと、病気になった、患者になった、それ
じん肺法にあやかろうということでは、これは当
社会労働委員会としても、
審議する上において少しただしておく必要があるのじゃないか。そうして、やはりこの
じん肺法の仲間に入る限りにおいては、最初から予防、健康管理、環境保全等に一緒になって取り組んでいかなければならぬじゃないだろうか、こう私は思います。
ところが、私はいろいろと
資料を読んでみますと、まず、鉱物性の粉じんを吸った患者にかかわらず、一般の粉じんを吸ってかかった患者にも一応門戸を開放する法律
制度だけつくってみよう。しかし、その法律
制度に乗るか乗らないかは今後の省令、政令その他で
措置するというように私には響いてしようがないので、その辺の経過、いきさつ、それから今後の取り組みの
方向なり、少し詳しく説明していただいて、それから本論に入りたいと思います。